トルコ、北欧のNATO加盟に異議 制裁緩和狙う

トルコ、北欧のNATO加盟に異議 制裁緩和狙う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR170100X10C22A5000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟にトルコが異議を唱えている。NATO入りにはトルコを含む全加盟30カ国の賛成が必要だ。トルコは武装勢力への対応やトルコ制裁で不満を募らせており、譲歩を引き出したい考えだ。

「我々を説得できると思っているのだろうか。無駄にトルコに来る必要はない」。エルドアン大統領は16日の記者会見で、政府高官のトルコ派遣を表明したフィンランド、スウェーデンをけん制した。

問題視するのは、クルド労働者党(PKK)への対応だ。トルコではPKKの反政府武装闘争で4万人が死亡したとされ、国民的な反感が強い。米欧はPKKをテロ組織に指定しつつ、トルコがPKKと同一視する人民防衛隊(YPG)などの関連組織に資金調達や政治活動を容認していると批判する。

北欧2カ国によるトルコへの武器輸出制限も尾を引く。2019年にトルコがPKKなどの掃討を理由にシリアに越境攻撃して国境沿いを占領した際、制裁として発動した。エルドアン氏は「トルコに制裁を科す国のNATO加盟は認められない」と明言した。

トルコの不満は米欧にも向く。米国はシリアでYPGなどと過激派組織「イスラム国」(IS)掃討で共闘。トルコがロシア製地対空ミサイルを導入すると最新鋭戦闘機F35の共同開発や売却から締め出した。欧州連合(EU)も領海問題などを巡り、トルコに制裁を科す。

トルコは北欧2カ国や米欧から譲歩を引き出すのが狙いとみられる。制裁緩和や戦闘機売却などで便宜を図ることなどが想定される。トルコはPKKメンバーの引き渡しも北欧に求めるが、応じるかどうかは不透明だ。』