小麦生産大国インドが輸出停止 国内供給優先で

小麦生産大国インドが輸出停止 国内供給優先で
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『【ニューデリー=馬場燃】世界有数の小麦生産大国のインドが輸出の一時停止を決めた。インド政府は14日、小麦輸出停止について「国内の食料価格を抑制し、インドの食料安全保障を強める措置にあたる」との声明を出した。ロシアのウクライナ侵攻によって最高値圏で推移している小麦の国際価格への影響が懸念される。

米農務省の2022~23年度の推計によるとインドの小麦生産量は1億959万トン。中国の1億3695万トンに次ぐ水準で、世界全体の14%を占める。輸出量も815万トンと世界の輸出総量の4%に及び、ロシア(17%)、ウクライナ(10%)などに続く輸出大国の一角だ。

これまでインドの小麦はインド国内やスリランカなどの近隣国向けの需要が大半を占めていた。ロシアのウクライナ侵攻による供給不安を踏まえ、3月以降にアフリカ諸国やトルコなどへの輸出拡大も検討していた。

小麦相場の国際指標となる米シカゴ商品取引所の先物価格(中心限月)は12日に一時1ブッシェル11.83ドルと前日比で6%上昇、3月につけた最高値に接近した。インド政府によると、インドの小麦など穀物関連価格は4月に前年同月比で約6%跳ね上がった。

インドは3月以降に熱波が到来しており、足元で記録的な暑さに見舞われている。インドメディアによると、4月の平均最高気温はセ氏35.3度で歴史的な高さだった。5月に入ってもインド各地で気温は40度を超える日が多く、小麦生産への悪影響が懸念されている。

主要7カ国(G7)は14日までドイツ・シュツットガルトで開いた農相会合で、インドの小麦輸出停止に関して「各国が輸出制限や市場を閉鎖すると、危機をさらに悪化させる」と非難した。

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