米欧、フィンランドのNATO加盟意向を支持

米欧、フィンランドのNATO加盟意向を支持
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『【パリ=白石透冴、ワシントン=中村亮】フィンランド大統領と同首相が北大西洋条約機構(NATO)に加盟する意向を表明したことを受けて米国や欧州各国では12日、支持する声が相次いだ。欧州の安全保障体制の強化につながるとみている。一方ウクライナ軍によると、同国軍は黒海でロシア軍の船1隻に攻撃を加えることに成功した。

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サキ米大統領報道官は12日の記者会見で、フィンランドやスウェーデンが正式に加盟申請した場合に支持する立場を表明した。「両国は米国やNATOにとって緊密で価値のある防衛のパートナーだ」と強調した。「我々の軍は長年にわたって協力してきた」と語り、両国と現在のNATO加盟国との連携が迅速に進むとの見通しも示した。

フランス大統領府によると、マクロン大統領はフィンランドのニーニスト大統領に「フィンランドの決定を全面的に支持する」と伝えた。ドイツのショルツ首相はツイッターで「フィンランドの決定を歓迎する」と発信した。英首相官邸の報道官は12日、記者団に「どんな民主国家の参加も我々は歓迎する。ロシアの違法な侵略の結果として、民主国家が協力を深めている」などと表明した。

フィンランド政府は数日中に正式決定する見通しで、議会でも大きな反対はないとみられる。長年軍事的な中立を守ってきたが、NATOに入らなければ安全を確保できないとの意見が強まった。スウェーデンも加盟申請の議論が大詰めを迎えており、現地メディアによると、16日にもアンデション首相が申請方針を表明する。

ロイター通信によると、ウクライナ軍は黒海で航行中だったロシア軍船「フセボロド・ボブロフ」を攻撃したと発表した。攻撃によって同船から出火したという。詳細は明らかになっていない。ウクライナ軍は4月中旬、ロシア黒海艦隊旗艦の巡洋艦「モスクワ」をミサイル攻撃で撃沈している。

英国防省が12日に発表した戦況分析によると、ウクライナ軍は北東部ハリコフ周辺で反撃を続け、いくつかの町と村を奪回した。ロシア軍は大きな損害を出して撤退し、立て直しの準備をしているとみられる。

一方、国連人権理事会は12日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊でロシアによる戦争犯罪があったかなどの調査を求める決議案を賛成多数で採択した。中国とエリトリアが反対、12カ国が棄権した。ロシアは資格停止となったことなどから、参加していない。キーウ近郊ブチャでは手を後ろに縛られて射殺された遺体などが多数見つかっており、ロシア軍による大規模な処刑があった疑いが強まっている。

侵攻の長期化に伴い、西側諸国の制裁によるロシア経済への影響も報じられている。米紙ワシントン・ポストによると、欧米諸国などによる制裁で、ロシアで軍事目的の半導体が不足している可能性がある。米政府高官が上院の公聴会で証言した。ウクライナで乗り捨てられたロシア軍戦車をウクライナ軍が調べると、食器洗い機や冷蔵庫から取り出したとみられる半導体が集めてあったという。軍事転用する意図があったとみられている。

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