戦局次第では、次に「ウクライナ・ドミノ」が起こる危険性

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)5月13日(金曜日)
        通巻第7331号
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 戦局次第では、次に「ウクライナ・ドミノ」が起こる危険性
  セルビアはコソボ奪回、アルメニアはナゴルノ・カラバフの失地回復
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 ロシア軍のオデッサ攻撃が始まったため、隣国のモルドバは極度の軍事緊張に包まれた。
オデッサはウクライナ南西部の港町で商業繁栄、西側と変わらない都心部、立派なオペラ座やプーシキン文学館もある。

次に侵攻される可能性が高いモルドバは、国内のドニエステル東岸にロシア軍1500名が駐屯し「ロシア系住民を守っている」。
 
 ロシアと長い国境を接するフィンランドはNATOへの加盟を本格化させ、プーチン政権に衝撃を与えた。フィンランドのマリア首相は5月11日に訪日し、岸田首相と会見した。NATO加盟は確定的ととれる発言をした。どちらかといえば左翼系、LGBTQ支持の女性宰相とて、いざ国防となればドイツの極左「緑の党」が国防力強化をいうほどに安全保障には敏感である。

 5月11日、コソボのトニカ・ゲルヴァラ外相がイスラエルを訪問した。

エルサレムにコソボ大使館を開設したほど親イスラエル路線のコソボは、アルバニア系住民が多くイスラムである。にも関わらず、世界遺産はふたつのセルビア正教の教会である。そしてセルビア系住民は去り(27万がセルビアに避難した)、農地も農家も空き地、空屋が目立つ。

コソボにはNATO軍が駐屯している。世界遺産の警備に付いたのはイタリア兵だ。

 セルビアはバルカンの覇者だった。

 チトーが死んでバルカン半島全体が戦火に包まれ、結局、ユーロスラビア連邦は七つの国に分裂した。NATOが介入してセルバアを空爆した。セルビアの指導者ミロセビッチ、カラジッチは国際法廷にひきづりだされた。

 コソボ独立から12年、コソボ独立戦争を率いた「コソボ解放軍」の指導者サチが初代大統領となったが、2020年に突如辞任した。

戦争時の虐殺が明瞭となり、国際法廷で無懲懲役判決が出そうな状況だからだ。

コソボ独立を承認しない国はロシアを筆頭に中国など、セルビアはいまでも「コソボ・メトヒア自治州」と呼んで奪還を狙っており、そのためかどうか、最近でも中国がセルビアに大量の武器を輸送した。

 コソボの首都プリシュティナにはマザ-・テレサ記念館もあり、町並みは綺麗になってアルバニア人の天下となった。人口は178万人。失業率25%、多くの若者はEU諸国へ出稼ぎにでている。

マザ-・テレサの両親はアルバニア人とルーマニア人で、現在は北マケドニアのスコピオに生まれた(当時は「コソボ州」)。彼女はカソリックだった。

 アルメニアとアゼルバイジャンの第二次ナゴルノ・カラバフ紛争はロシアが仲介し、アルメニアは大幅に領土(40%)を削られて停戦に合意した。ロシア軍が「平和維持軍」として駐屯している。

 もしロシア軍が去れば、アルメニアは軍事作戦を展開し、「第三次ナゴルノ・カラバフ紛争」が勃発する可能性が強い。

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