スリランカ新首相に親インド派 大統領は延命模索

スリランカ新首相に親インド派 大統領は延命模索
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM125AN0S2A510C2000000/

『【ムンバイ=花田亮輔】外貨不足で経済が混乱するスリランカで、市民らの退陣要求に直面するゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が延命を模索している。複数の同国メディアや英BBCなどは12日、野党の統一国民党(UNP)総裁で首相経験者のウィクラマシンハ氏が新首相に就いたと伝えた。同氏は親インド派だ。

インドはスリランカへの影響力を中国と競っており、ゴタバヤ氏は親中派と目されてきた。

ロイター通信によると、ウィクラマシンハ氏の首相就任は6回目。直近ではスリランカの対中傾斜を修正したシリセナ前大統領の時代に首相を務めた。欧米にもパイプがあり、スリランカが経済支援を求める国際通貨基金(IMF)などとの協議の進展も期待している可能性がある。

政権運営を軌道に乗せるには政界の幅広い勢力から支持を得る必要がある。

ゴタバヤ氏は辞任要求を拒否してきた。11日の演説で「国民の信頼できる首相と閣僚を週内に任命する」と話していた。同氏は挙国一致内閣の樹立を念頭に「すべての党首と協力し、政治的安定をもたらすために努力する」と表明した。憲法改正による大統領権限縮小にも言及した。

スリランカでは世界規模での新型コロナウイルスの感染拡大で、主な外貨獲得の手段だった観光業が低迷。外貨準備が急減し、輸入が停滞して燃料、食料などの生活必需品が供給不足で値上がりした。ロシアのウクライナ侵攻が燃料、食料の国際価格を一段と引き上げ、スリランカ国内に波及し、最大都市コロンボなどでは生活苦を訴える市民がゴタバヤ氏の辞任を求める抗議デモを続けている。

ゴタバヤ政権は治安維持に向けた規制を強めている。10日には市民の略奪や破壊行為に対し、発砲による抑止を治安部隊に命じた。

4月はゴタバヤ氏の弟のバシル・ラジャパクサ財務相ら大半の閣僚が一斉に辞任。それでも抗議デモは収まらず、9日には兄のマヒンダ・ラジャパクサ氏が首相辞任を表明した。同日には全土に外出禁止令が出されたが、デモは継続されている。マヒンダ氏が逃れたと報じられた海軍基地の周辺にも、抗議の市民らが集まった。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Sri-Lanka-crisis/Embattled-Sri-Lanka-president-replaces-prime-minister-in-closed-ceremony?n_cid=DSBNNAR 』