ウクライナ南部州、ロシアに併合要請へ 住民投票強行も

ウクライナ南部州、ロシアに併合要請へ 住民投票強行も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11C8K0R10C22A5000000/

『【フランクフルト=林英樹、デュッセルドルフ=南毅郎】ロシア側が実効支配するウクライナ南部ヘルソン州の親ロシア派当局者は11日、プーチン大統領に対し同州の併合を求める方針を表明した。

年末までに併合のための法的枠組みを整える考えも明らかにした。一方、国際労働機関(ILO)は11日、ロシアの侵攻以降、ウクライナでおよそ480万人が失業したとの推計を発表した。

【関連記事】英、安保宣言に署名 有事に北欧2カ国へ軍事支援

タス通信が11日、親ロシア派の「軍民政府」幹部の話として伝えた。

5月末までにルーブルを取り扱う銀行が業務を開始し、ウクライナの通貨フリブナを段階的に廃止するという。将来はロシア中央銀行との統合も検討している。米CNNによると希望する住民にはロシアのパスポートを年内に発行するもようだ。

ロシア軍は3月初旬にヘルソン州を占領し、市長を解任した。同州ではウクライナからの独立を問う「住民投票」を強行するとの観測が強まっている。

ロシアは2014年にもウクライナ南部のクリミアを一方的に併合するために住民投票を実施した。住民投票を理由に「ロシアへの編入」が支持されたと表明し、編入手続きを進めた経緯がある。

ヘルソンでは9日、ロシアの愛国行事「不滅の連隊」を実施した。軍民政府によると、約2千人の市民が行列に参加したという。

侵攻の長期化に伴い、ウクライナ経済への影響も深刻になっている。ILOは11日、ロシアの侵攻以降、ウクライナでおよそ480万人が失業したとの推計を発表した。雇用全体の30%に相当する。仮に戦闘が激化すると、今後3カ月で700万人規模にまで膨らむ恐れがあるという。

ウクライナではロシアの侵攻後、500万人以上がポーランドなど近隣諸国に避難した。主に女性や子ども、高齢者が逃れており、避難のため仕事を失ったり、侵攻の長期化で雇用が減ったりした影響が出ているもようだ。

ILOは「ウクライナ危機はハンガリーやモルドバ、ポーランドなどの近隣諸国でも労働の混乱を生む恐れがある」と警鐘を鳴らした。

ロシアは9日に対ドイツ戦勝記念日を迎えたが、プーチン大統領は演説で具体的な「戦果」を誇示することはできなかった。

ウクライナメディアによると、5月に入ってからロシア軍がウクライナへ発射した巡航ミサイルなどは計74発。空襲は459回に達したという。

【関連記事】
・NATO加盟、申請の意向 フィンランド首相が表明
・3メガバンクの22年3月期、ロシア引当金3000億円
・政府、ファイブ・アイズと協力拡大 機密情報の枠組み

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
コメントメニュー

ひとこと解説

人間には欲を絶えず増長させる特性がある。

ほかの動物は縄張りを確保すれば、それ以上拡張させようとしない。

食欲も同じ。暴飲暴食で必要以上に食べて死んでしまうのは人間だけである。

その欲を満たすには二つの方法がある。

一つは相手に好感を与え友達にしてしまうこと。

もう一つは相手に恐怖心を与え怖がらせること。

歴史的に現在もロシアは常に相手を怖がらせて降伏させて自分の欲を満たそうとする。

しかし、これでは、ロシア自身は泥沼にはまってしまう。

昔、すなわち、グローバル化する前、小国は単独でロシアに対抗していた。今、みんなが連携してロシアに対抗。だからロシアのやり方はもう通用しない

2022年5月12日 9:02 』