[FT]チリ新大統領、景気刺激策の打ち切りで支持率が急落

[FT]チリ新大統領、景気刺激策の打ち切りで支持率が急落
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB050DQ0V00C22A5000000/

 ※ 何やら、不穏な気配だ…。

 ※ ここの国民は、相当な「戦闘民族」のようだからな…。

 ※ 国土の地理的な形態からして、山岳に盤踞する「タコつぼ」化した「反政府勢力」になりやすい(アフガニスタン型)…。

 ※ 注意して見ておかないと…。

 ※ 肝心の「新憲法」の内容だが、ちょっと検索してみたが、明確には分からんかった…。

 ※ ただ、「現行憲法」は、「ピノチェト時代に制定」されたもので、「私有財産制」を強固に保障する、「新自由主義」的なものである…、という指摘があった…。

 ※ 逆に、「サヨク陣営は、新憲法さえ制定すれば、どっかから国政運営に必要な金が湧いてくると思っている節があるが、それは”幻想”に過ぎない…」という指摘も、あった…。

『チリの1990年の民政移管後では最も若いボリッチ大統領の支持率が急落している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応として導入された景気刺激策の終了が新政権への不満を高め、有権者との蜜月は唐突に終わった。
大統領選で地滑り的勝利を収めて3月に就任したボリッチ大統領は、国民の支持のつなぎ止めに苦労している=ロイター

36歳の左派大統領は社会変革のための大胆な公約を掲げて大統領選挙で地滑り的勝利を収め、2022年3月に就任した。しかし1990年以降では最も急速に支持率が低下している。

首都サンティアゴの調査会社3社が4月に実施した世論調査では、いずれもボリッチ氏への不支持率が支持率を上回った。家計が苦しい、あるいは以前より苦しくなっていると有権者が感じていることが支持率低下の要因だと調査会社は分析している。

3社の一つのカデムによると、大統領選でボリッチ氏に投票した有権者の約22%が同氏の政権運営を支持していない。経済を支えてきたコロナ対策の大型補助金を縮小するという複雑な作業が選挙公約と相いれないためだ。

調査会社のマルタ・ラゴス氏は景気刺激策や年金積立金の引き出しは数百万人の国民にとって「当たり前のもの」となっており、これらの終了は「ばんそうこうをはがして深い切り傷をあらわにするようなものだ」と説明した。
3月以降、食材が約3倍に値上がり

ボリッチ氏は社会支出の増額や「大きな政府」を公約に掲げて当選したが、今は「(国民から)お金を取り上げている」とラゴス氏は話す。「国民はボリッチ氏が約束をほごにしていると考えており」、支持率はさらに下落するかもしれないとみる。

ボリッチ氏の支持勢力は議会で過半数に達していない。経済成長の鈍化やチリ南部での暴力犯罪への懸念も強まっており、国民は政治経験のない(2000年以降に成人を迎えた)ミレニアル世代の大統領に対し、不安を感じている。有権者の支持を失えば大統領が政権運営や公約の実現に苦労すると多くの人が考えている。

2021年12月の大統領選の決選投票でボリッチ氏が僅差で制したチロエ島では、個人で事業を営む職人のうち数人が、2年前に全国で導入された低所得者向けの社会保障給付206ドル(約2万7000円)を受け取れなくなった。政府はこの制度の廃止に向け、昨年後半から段階的に縮小を始めていた。

ボリッチ氏は「少数の特権階級と闘う」と約束し、地方の集落や経済的に恵まれない人々を支えると選挙で訴えたが、新政権下ですでに生活が苦しくなったと感じる人も出ている。

手編みのポンチョを製作するオスバルド・ グゥイネオさん(28)は、基本的な食材や仕事に必要な木材の価格が3月以降、ほぼ3倍に値上がりしたと話す。「島には突然の物価上昇にとても困っている人やお金が底をついた人もいる」と本紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に語った。

IMF、成長率予測を1.5%に下方修正

国民はコロナ禍に対応するため年金を3回引き出せたが、議会下院が4月、総額150億ドルの追加引き出しを認める法案を否決したため、今後は引き出せなくなりそうだ。

ピニェラ前大統領時代に承認されボリッチ氏も支持したこの政策は国民には好評だったが、国内の資本市場で資金不足を引き起こし、政府は海外からの借り入れを増やさざるを得なくなった。

法案の否決後、元中銀総裁のマルセル財務相は引き出せる総額を約30億ドルに絞り、しかも初めての住宅の購入や債務返済など一定の条件を満たす人に限って引き出しを認める案を提示した。マルセル氏は消費者物価に影響を与えずに家計を支援できると主張したが、この案も下院で否決されたため、政府は一からやり直しを迫られている。

ボリッチ氏が足場固めに苦労する一方、政府のコロナ対策がもたらした消費ブームが終わり、世界的なインフレを受けて食料やエネルギー価格が高騰しているため、石油の輸入に大きく依存するチリ経済は失速している。国際通貨基金(IMF)は4月、22年のチリの成長率予想を1.5%に下方修正した。昨年の成長率は11.9%だった。

チリ大学の政治学者オクタビオ・アベンダーニョ氏は支持率低下に結びついた失策が他にもいくつかあると指摘し、年内に支持を取り戻すのは「非常に厳しい」との見通しを示した。

新憲法の草案承認されれば支持率回復か

3月11日の大統領就任式の数日後に内相が南部のラアラウカニア州を訪問した際、車列に発砲があった。

左派の元閣僚など現政権に批判的な人々は、訪問の計画がずさんだったとみる。研究者のロベルト・ファンク氏は「閣僚に政治経験がないことが一目瞭然だ」と話した。

あごひげを生やしタトゥーを入れた元学生活動家のボリッチ氏には多難な船出となったが、チリでは新憲法の策定作業が大詰めを迎えている。草案の審議は重要な局面に入り、9月4日には新憲法の採否を決める国民投票が予定されている。先日、先住民の所有する土地に特別な保護を付与する条項が承認され、草案に追加されることになった。

ボリッチ氏は新憲法制定を強く支持しており、草案が承認されれば支持率回復につながる可能性がある。だが有権者の間では草案への失望が広がっている。

「(新憲法を支持するのは)大きな賭けだ」とアベンダーニョ氏は述べた。「ボリッチ氏の課題は議会で十分な支持を確保し、明確な社会開発計画を提示することだが、それができていない」

By Lucinda Elliott

(2022年5月8日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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