ロシア軍の砲兵隊も、いまやすっかりドローンと連携するようになってきた。

ロシア軍の砲兵隊も、いまやすっかりドローンと連携するようになってきた。
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『Thomas Gibbons-Neff, Natalia Yermak and Tyler Hicks 記者による2022-5-6記事「One Village at a Time: The Grinding Artillery War in Ukraine」。

   ウクライナ北東部での最前線。少佐が装甲バンを使って視察していると、上空には1機のドローンあり。20分後に、数発の砲弾が降ってきた。
 ロシア軍の砲兵隊も、いまやすっかりドローンと連携するようになってきた。
 少佐いわく、露軍も日々、技倆が上がってきているのだと。

 両軍とも、いちどにひとつの村の争奪に集中するようになった。両軍とも、この最前線では、ドローンと砲兵が主役だ。

 記者が現地取材した Kharkiv 東郊の村。露兵は追い出したが、そのかわりに、執拗に露軍の砲弾が飛んでくる。この露軍砲兵をこちらの砲兵によってさらにロシア国境方向へ斥けないと、村の住民は家には戻れないのである。

 だから、AFVやトラックの大コンボイが姿を消し、いまや、えんえんと続く、砲兵対砲兵の撃ち合いになっている。

 露軍砲兵の観測用の無人機は、固定翼の「オルラン10」だ。芝刈り機に似たそのエンジン音は、地上からでもよく聞こえる。

 どちらの軍も、敵の砲兵の射程内へは、集団の車両部隊を進めることができない。戦場は完全に、火砲が支配しているとも言えよう。

 露軍は、砲兵戦で負けて引っ込むと、くやしまぎれに空軍機で散発的な爆撃をしてくることがある。しかしそれは続かない。執拗に続くのは、野砲やロケット砲による妨害射撃だ。

 この段階になると、歩兵同士の戦闘も滅多に生起しない。せいぜいが、迫撃砲の撃ち合いだという。

 村をとりもどしたウクライナ歩兵は塹壕を掘って守備する。しかし敵は、射程ギリギリの北方の村から、ひきつづいて野砲を撃ちかけてくる。

 こちらの砲兵が前進する。それで敵の砲兵を斥ける。すると味方歩兵が、次の村まで前進して行く……。この繰り返しだ。

 村人からは、次のように感じられる。まず上空にドローンが飛び始める。3日ぐらいすると、味方歩兵が姿を現す。そして村の攻防戦となる。

 逃げ遅れた老人などは、ロシア軍の砲撃が下火になったところで、ボランティアがバスやワンボックスで乗り付けて救出する。命がけだ。
 あくまで残留を望む住民には、食料品を与えて、バスは立ち去る。

 露軍のドローンがこのボランティアの民間バスを上空から発見すると、バスが火砲の射程外に立ち去るまで、砲弾を浴びせてくる。誘導砲弾でないので、直撃はしないが、いつ、まぐれ当りで吹き飛ばされてもおかしくはない。

 ※M777の最大射程について露軍は経験値を有していないから、補給トラックの集積所の前線からの「間合い」を油断していて、まったりしていたところにいきなりバラージ砲撃を喰らってさんざんなことになっているドローン観測動画がSNS投稿されている。
ポツリポツリと着弾している景況から、牽引砲のM777なのだろう。もし最新鋭の自走砲なら、射角と装薬を変更しながら4発くらいつるべ撃ちし、その4発がほぼ同時に弾着する、総火演みたいな景況となるはずだが、そうはなっていない。

各車、さすがに「コの字」状の「掩体」擁壁だけは掘り上げていたようだが、15榴の前にはそれしきでは無駄だった。

さて、この後の展開を考えると面白い。米国は、供与しようとおもえば、いきなりATACMSやHIMARSを供与したっていいはずである。

しかしそうはしない。意図的に、じわりじわりと、射程がすこしだけ長い火砲や弾薬を、与えていく。

そうすることによって、露軍は、毎回毎回、安全間合いを読み間違って、燃弾交付所での全滅を繰り返すだろう。露軍は、思い切って一挙に離脱的に後退すればいいのだが、そうすると、戦わずして土地をウクライナ軍にみすみす譲り渡すことになるから、上級司令部が許さない。

前線将兵の大ジレンマは、全線のパニック退却を促す心理的圧力となるだろう。

東部では、その直後に宇軍の戦車予備が投入されるはずだ。

さらに注目したいのは、後退しようにも海でどんづまりになっているクリミア半島だ。

そこは1941年のバターン半島の再演になると思う。

そしてその局面では米軍は、モスボールしていた古い203ミリ榴弾砲/SPを、宇軍に供与するのではないかと思う。

セワストーポリは、コレヒドール島より長くはもたない。糧食が尽きて降参→死の行進だろう。

その次は対岸のジョージア解放戦争だ。』