経済危機のスリランカ、首相が辞任表明 大統領の兄

経済危機のスリランカ、首相が辞任表明 大統領の兄
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM09BBI0Z00C22A5000000/

『【ムンバイ=花田亮輔】スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ首相は9日、辞任を表明した。経済危機に直面する同国では生活必需品の不足などで、政府への抗議活動が続いている。マヒンダ氏の弟であるゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は、6日に非常事態を宣言していた。

マヒンダ氏は9日、ツイッターで「大統領に辞任を申し出た」と明らかにした。足元でスリランカは深刻な経済危機に直面し、政権に対する批判が強まっていた。地元メディアによるとゴタバヤ氏は直近、混乱収拾に向けてマヒンダ氏に辞職するよう求めていたという。

スリランカは慢性的な経常赤字に加え、新型コロナウイルスによって主な外貨獲得手段だった観光業の低迷に直面した。2019年末時点で約76億ドルだった外貨準備高は、4月末時点で約18億ドルにまで減っている。外貨不足で輸入が滞っていたところに、ロシアのウクライナ侵攻に伴う国際商品市況の高騰も重なり、食料品や医薬品などの物資の不足や価格上昇が深刻になっている。

国民の不満が高まるなか、4月に入って閣僚が一斉に辞任したが、マヒンダ氏とゴタバヤ氏はそれぞれ続投していた。スリランカ政府は国際通貨基金(IMF)などにも支援を求めているが、事態打開のメドは立っていない。米格付け大手S&Pグローバルは4月下旬、スリランカの外貨建て国債の信用格付けを「部分的なデフォルト(債務不履行)」にあたる「選択的デフォルト(SD)」に引き下げた。

スリランカはインド洋の島国で、中東・アフリカと東アジアを結ぶシーレーン(海上交通路)の要衝にあたる。混乱が続くなか、周辺地域での影響力拡大をめざす中国やインドの動向も焦点となっている。

マヒンダ氏は05年に同国の大統領に就任した。国防次官だったゴタバヤ氏とともに内戦を終結させた一方で、多額の投融資を受け入れるなどして中国への傾斜を強めた。15年の大統領選挙では敗北したが、ゴタバヤ氏が19年に大統領に当選すると首相に就いた。』