上海封鎖で中国貿易停滞 輸出入額2%増に急減速物流混乱 世界経済に波及も

上海封鎖で中国貿易停滞 輸出入額2%増に急減速
物流混乱 世界経済に波及も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM094HR0Z00C22A5000000/

 ※ ゼロ・コロナで、「セルフ制裁」だな…。

『【北京=川手伊織】中国政府が新型コロナウイルスを徹底して抑え込む「ゼロコロナ規制」で、貿易も停滞してきた。2022年4月の輸出入総額(ドル建て)は前年同月比2.1%増と、20年6月以来の低い伸びにとどまった。厳格な行動制限で物流が混乱し、内需が落ち込んでいる。世界経済の回復にも波及しかねない。

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中国税関総署が9日、発表した。輸出入総額の伸びは、新型コロナの感染が再び広がった3月の7.5%増から一段と鈍った。

上海市の都市封鎖(ロックダウン)が打撃となった。3月末から1カ月超に及ぶ封鎖の影響で、世界の港湾別コンテナ取扱量で首位に立つ上海港の混雑ぶりが悪化した。中国メディアによると、4月中旬の国内主要8港のコンテナ取扱量は前年同期を6%下回った。

4月の輸出は前年同月比4%増で、伸び率は3月の15%から大きく縮小した。原材料の調達などサプライチェーン(供給網)が混乱し、パソコンやスマートフォンの出荷が落ち込んだ。

海外からの新たな注文も減っている。4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)によると、輸出に限った新規受注は41.6と節目の50を大きく割り込んだ。米国のPMIが3カ月ぶりに悪化するなど外需の影響もある。

原材料高も重荷だ。天津市で貿易会社を営む李華社長は「一部の輸出企業は原材料価格の高騰で輸出の採算が合わず、注文の受け付けを見合わせている」と明かす。新規受注の減少で先行きの輸出回復が遅れる恐れもある。

海外向け物流の需要の落ち込みは、新型コロナ禍で跳ね上がったコンテナ価格にも表れている。浙江省寧波・舟山港の輸出コンテナ価格指数は年初から2割下がった。ロシアのウクライナ侵攻で国際貿易が混乱した影響もある。

ゼロコロナ規制による経済失速などをうけ、外国為替市場では人民元が下落している。対ドルでは、4月半ばから半月あまりで5%下がった。通貨の下落は一般的に輸出にプラスだが、厳しい行動制限が続くなか、押し上げ効果があるかは不透明だ。李氏は「コスト上昇や新型コロナによる工場稼働率の低下という問題が大きく、元安効果はまだ読めない」と語る。

4月の輸入は、3月に続いて前年同月と横ばいだった。ただ価格が高騰する原油を除くと落ち込みが鮮明だ。4月は7%減少し、3月の3%減からマイナス幅が拡大した。物流の混乱で生産資材の調達が伸び悩んだほか、化粧品など日用品の輸入も減った。雇用の悪化などに伴う内需の弱さが浮かび上がる。

ウクライナへの侵攻で日米欧などの経済制裁を受けるロシアとの貿易総額は17%増えた。3月の13%より拡大した。

輸入が57%増と大きく伸びたためだ。詳細な品目は20日公表の予定だが、ロシアからの輸入の5割を占める原油の調達が膨らんだためとみられる。

4月に全世界から輸入した原油は金額ベースで前年同月より8割増えた。国際商品市況が高騰しているほか、数量ベースでも7%伸びた。3カ月ぶりの増加だ。ロシアは在庫がだぶつかないよう割安な価格でアジア向けの供給を増やしており、中国が調達量を増やした可能性もある。

一方、4月のロシア向け輸出は26%減った。3月の8%減から減少幅が広がった。3月は他の国・地域のロシア向け輸出と比べてマイナス幅が小さかったが、日米欧の対ロ金融制裁で貿易決済に支障が生じた可能性がある。

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Economy/Trade/Shanghai-lockdown-depresses-China-trade-growth-to-2-year-low?n_cid=DSBNNAR 

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

イアンブレーマは2022年のグローバルリスクの筆頭に中国のゼロコロナ政策を上げた。

今は氏のいう通り、ゼロコロナ政策は中国経済、そして世界経済を大きく押し下げている。

世界経済にとってゼロコロナ政策のリスクをコントロールできないのは世界経済が下振れするリスクをより深刻化させている。

2022年5月10日 7:40 』