首相「資本主義バージョンアップ」 日本の成長持続訴え

首相「資本主義バージョンアップ」 日本の成長持続訴え
英シティーで講演、金融所得課税触れず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA050P40V00C22A5000000/

 ※ 「お題目」を企画・立案すれば、結果は自ずと「達成」できるハズという思想・思考に染まっていて、サヨクと同じ匂いがする…、と感じるのは、オレだけか…。

『【ロンドン=秋山裕之】岸田文雄首相は5日、英国の金融街シティーでの講演で自らの経済政策「新しい資本主義」を巡り「一言で言えば資本主義のバージョンアップだ」と訴えた。2021年の政権発足時からある市場や成長を重んじないとの印象の払拭につなげる。

首相は講演の冒頭、ロシアのウクライナ侵攻について経済制裁や人道支援を続けるなどと主張した。その後、時間を割いたのは新しい資本主義を巡る投資家らへの説明だった。

「日本経済はこれからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資してほしい」と呼びかけた。「日本市場、日本企業・製品・サービスは買いだ」と力説した。

1980年代に旧日本長期信用銀行(現新生銀行)で勤務した経験に触れ「戦後の首相で金融業界出身は私が最初だ」と紹介した。融資などを担い「民間のアニマルスピリッツに支えられた強い経済こそ最も重要だと強く確信した」と説いた。

資本主義の歴史に関し「レッセフェール(自由放任主義)から福祉国家、福祉国家から新自由主義」という「大きな転換を経験した」と指摘した。2回の転換期に「市場か国家か、官か民か、振り子のように大きく揺れてきた」と振り返った。

新しい資本主義は「市場も国家も、官も民も」だと発言した。「官民連携で新たな資本主義をつくっていく」と提唱した。英国で1990年代にブレア政権が掲げた「第3の道」に近い考え方を披露した。

市場が警戒した金融所得課税の引き上げや自社株買いのガイドライン策定には触れなかった。上場企業の四半期開示の廃止も言及しなかった。

安倍晋三元首相は13年に米国のウォール街で「バイ・マイ・アベノミクス」(アベノミクスは買いだ)と演説した。13、14両年に英シティーでも投資家らを前に講演した。

首相は今回、この経緯も意識した。「引き続き大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める」と唱えた。アベノミクスの骨格を引用し、同様の政策を継続する考えを示した。

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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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分析・考察

所得をフローとストックからパッケージ化して表現した点は、過去の政策と比較しても新しいと思います。

過去30年間で日本の個人金融資産は2倍、アメリカは6倍です。このストックの増加の差は、①金融資産の収益力の差(日本のリスクフリー・リターンフリー資産への偏重)、②労働分配率の差、③労働分配源となる企業が創造する付加価値の差、から説明できます。
「金融所得課税の言及を避けた」という指摘と、上記①を踏まえれば、米国のような短期売買に係る金融所得税率引上げと、(検討中のNISA改革に加え)iDeCo非課税枠の抜本的見直しなど、金融関連税制全体の包括的見直しについて省庁の壁を越えて官邸主導で進めるべきです。

2022年5月6日 7:32 (2022年5月6日 7:35更新)

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

岸田首相は「日本経済はこれからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資をしてほしい」とした上で、「インベスト・イン・キシダ」と述べた。「バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは買いだ)」という安倍元首相のウォール街での有名な発言を意識したものだろう。

だが、岸田首相が行おうとしているのは「アベノミクス」の否定ではなく、その継承と部分的修正であることも確認しておく必要がある。

記事はその点をしっかりとらえており、「『引き続き大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める』と唱えた。アベノミクスの骨格を引用し、同様の政策を継続する考えを示した」と記事の末尾に書かれている。

2022年5月6日 7:36

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

新資本主義という固有名詞で言葉遊びするのはよくない。

成長か分配かといわれれば、その両方。しかもバランスよくやらないといけない。

成長の4分野に人が入っているが、具体的に何をするかはない。結局、これまでほとんど改革されたことのない分野にメスを入れないといけない。それは教育。個性的、感性豊かな人材を育成しないと、成長なんで絵に描いた餅に過ぎない。

人口が減少し、出生率が低下しているのに、大学だけ増えている。まさに粗製乱造。大学の基本は少数精鋭。既存の多くの大学は技術を教える専門学校に転身すべき。ここから出発しないと、古い資本主義だろうが、新しい資本主義だろうが、成長に結びつかない

2022年5月6日 7:35 』