米最高裁、保守に傾斜 強まる政治色

米最高裁、保守に傾斜 強まる政治色
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN032PK0T00C22A5000000/

『【ワシントン=中村亮】米連邦最高裁判所は近年、保守に傾斜してきた。2020年にリベラル派のルース・ギンズバーグ判事の後任に保守派のエイミー・バレット氏が就き、保守寄りが決定的になった。トランプ前大統領が最高裁判事を公然と批判したこともあり、最高裁に政治色が強まった。

最高裁は保守派とリベラル派で意見が大きく割れる社会問題に判断を下す。人工妊娠中絶や銃保有の是非が代表例だ。医療保険制度や移民政策、新型コロナウイルス対策といった政権の主要政策の行方も左右し、一般国民の日常生活に大きな影響を及ぼすため最高裁の動向に全米の関心が集まる。

最高裁判事9人のうち保守派は6人で構成する。今夏にはリベラル派のスティーブン・ブライヤー判事が引退し、代わりにリベラル派のケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏が就く。判事の若返りにはつながるが、保守派とリベラル派のバランスは変わらない。判事に任期はなく、保守優位が数十年続く可能性がある。

バレット氏の就任前も保守派が5人で多数派とされたが、ジョン・ロバーツ長官は案件に応じてリベラル派に賛成することも目立ち、最高裁のバランスが比較的保たれていたとの見方が根強い。リベラル派にも理解を示すロバーツ氏をトランプ氏はたびたび批判。ロバーツ氏も異例の反論をして最高裁が政争の具になりやすくなった。

米調査会社ギャラップによると、最高裁の支持率は21年9月に40%。2000年代前半の60%前後に比べて大幅に下がっている。最高裁に政治色が強まり、米国民が判断を信頼しなくなっている可能性がある。』