中絶制限の最高裁草稿リーク、米で激震

中絶制限の最高裁草稿リーク、米で激震 大統領は反対
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN033N70T00C22A5000000/

※ ちょっと、分かりにくい話しだが…。

※ この「中絶の権利」というものは、見解が鋭く対立する…。

※ しかも、宗教的なものも絡むんで、ますます「先鋭化」する…。

※ カトリックは、その教義からして、「受胎」の時から、「生命あるヒト」として取り扱うほうに傾く…。

※ プロテスタント系でも、エバンジェリストは、「聖書」の記述に忠実たらんとするんで、カトリックに近い感じになる…。

※ これに、民主党vs.共和党の「政治的対立」が、拍車をかける…。

※ 折から、はや11月の「中間選挙」へ向けての候補者の予備選が開始されている…。

※ そこへもってきて、この話しが「リーク」されたものだから、とんだ騒ぎになっているようだ…。

※ まあ、ある意味、トランプ氏の「置きみやげ」の一つだな…。

※ 彼が、「地道に」保守派の判事を「扶植した」のが、ここに来て「効いてきた」形だ…。

『【ワシントン=芦塚智子】米連邦最高裁が女性の人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の判決を覆す可能性が高まった。判決が覆れば、中絶の権利は大幅に制約を受け、全米の半数以上の州が中絶の禁止や厳しい制限に動く公算だ。保守に傾く最高裁の判断変更の影響は大きく、同性婚や投票権などリベラル派が重視する他の争点にも余波がおよぶ懸念が出ている。全米各地でも賛成派と反対派の双方によって、激しいデモが繰り広げられた。

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連邦最高裁は2021年12月から、南部ミシシッピ州が導入した「中絶制限法」の合憲性をめぐって審理を続けている。この中で同州は女性に中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を見直すよう求めていた。米政治サイトのポリティコが2日、同判決を覆す最高裁の多数派意見の草稿を入手したと報じた。ロバーツ最高裁長官は3日、声明で草稿が本物だと認めた。

正式な判決が出るまでには、なお数カ月かかる見通しだ。だが最高裁判事9人のうち、少なくとも保守派の5人が判断の変更を支持しているとみられる。最高裁はトランプ前大統領が保守派判事3人を指名したことで、保守派6人、リベラル派3人と、勢力が保守に大きく傾いている。

ロバーツ氏は最高裁の「最終的な立場を示すものではない」と強調する。審理の過程で草稿が外部に漏れた異例の事態について「最高裁の信頼に対する重大な背信行為だ」と断じ、経緯を調査すると表明した。
26州で中絶が禁止か制限へ

米グートメーカー研究所によると、判決が覆されれば全米50州の26州で中絶が事実上禁止または大幅に制限される見込みだ。そのうち22州は73年の判決前から中絶禁止・制限法を備えていたり、判決が覆ると自動的に発効する禁止・制限法を持っていたりする。各地に厳しい中絶制限の動きが広がるのは確実だ。

南部オクラホマ州は22年4月に中絶を重罪と位置付け、最高で禁錮10年と罰金10万ドル(約1300万円)を科す州法を成立させた。同じ南部のテキサス州では21年9月に中絶の大半を禁じる州法が発効した。

米メディアによると、テキサス州の中絶を望む女性は州外の施設に行くことを余儀なくされている。判決が覆れば、こうした州が大幅に増えることになる。

73年のロー対ウェイド判決では、女性が中絶を選べることを憲法上の「プライバシーの権利」として保障した。胎児が子宮外で生育可能になる以前の中絶を認めており、現在では一般に23週前後までとされる。
バイデン氏「根本的な転換になる」

バイデン大統領は3日、首都ワシントン近郊で記者団に「女性が(中絶を)選択する権利を持たないと決めることを非常に懸念している」と述べた。最高裁が73年判決を覆す可能性について「賛成票が少ないのが望ましい」と明言した。

さらに「あらゆる権利が問題になり、根本的な転換になる」とも語った。最高裁が2015年に合法化した同性婚の是非などの判断に影響するおそれがあるためだ。保守派判事による草案について「誰が(中絶制限の厳格化に)賛成するかは表明していないと連絡があったところだ」と明らかにした。

中絶問題に詳しいフロリダ州立大のメアリー・ジーグラー教授は「(判決が覆れば)米国民の生活に大きな変化をもたらし、政治闘争が激化するだろう」と指摘。「ロー対ウェイド判決は、同性婚や避妊、親権の問題など幅広いプライバシーに関する判例と密接に関連しており、これを覆せば他の権利にも議論が広がる可能性がある」との見方を示した。

首都ワシントンの最高裁前には3日朝から中絶の権利擁護派と反対派がプラカードを掲げて集まり、互いに怒鳴り合う場面もあった。メーン州から訪れた擁護派の一人、スー・フィッツジェラルドさん(81)は「私の祖母は73年の判決以前、危険な中絶をせざるを得なかったと話していた。若い女性たちのことが心配だ。性的少数者の権利なども脅かしかねない」と不安げに語った。

民主党が多数派の下院では21年9月にロー対ウェイド判決を成文化し、中絶の権利を保護する法案を可決している。民主党は今回の草稿リークを受けて同法の成立を目指す構えだが、共和党との勢力が拮抗する上院での可決は困難な状況だ。民主党左派を中心に、最高裁判事を増員してリベラル派の勢力拡大を求める声が再燃する可能性もある。

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田中道昭
立教大学ビジネススクール 教授
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分析・考察

記事掲載ポリティコ、現在のトップ記事は「共和党有力議員は、漏れた内容が自らが支持する中絶制限だったことよりも漏れたことを問題視している」と報じています。

議会3誌の他2誌では、ロールコールは「米国で最も分断的なテーマについての漏洩は数10年の歴史の中で最大のフーダニット(犯人捜しが注目されるミステリー)」とトップ記事冒頭で伝え、ザ・ヒルは「今回の事件は中間選挙への爆弾になる—民主党には中間選挙で獲得議員数を増やすことで審議内容を覆そうという動き加速で有利な展開」と伝えています。

これが共和党側が漏れたこと自体を問題視している背景です。漏れたことと内容の両面がさらに大きな論点になってくると思います。https://www.politico.com/news/2022/05/03/republicans-rage-draft-roe-abortion-opinion-00029644

2022年5月4日 6:48 (2022年5月4日 7:00更新)』