ロシアの軍事攻撃「容認せず」 日インドネシア首脳会談

ロシアの軍事攻撃「容認せず」 日インドネシア首脳会談
対中国、東・南シナ海「法の支配重要」と確認
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2946H0Z20C22A4000000/

『【ジャカルタ=秋山裕之】岸田文雄首相は29日、インドネシアの大統領宮殿でジョコ大統領と90分間会談した。ロシアによるウクライナへの軍事攻撃は容認できないと一致した。首相は会談後に「明白な国際法違反であり、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがすものであって強く非難をする」と強調した。

会談後の共同記者発表で首相は「力による一方的な現状変更は認められず、国際法に基づき紛争の平和的解決を求めることを確認した」と強調した。

ロシアに武力行使の即時停止と対話による打開を求め、日・インドネシアで世界経済への影響に対処すると合意した。

ジョコ氏は共同記者発表で、ロシアを名指しする批判は避けた一方で「戦争はすぐにやめなければならない」と言及した。

首相は会談でウクライナや東・南シナ海、北朝鮮を例示し「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化が一層重要」と指摘した。

首相は東・南シナ海について「力を背景とした一方的な現状変更の試み、経済的威圧に強く反対する」と説いた。ジョコ氏は「国連海洋法条約を含む法の支配に基づく地域の平和と安定の維持が重要」と語った。

インドネシアは2022年の20カ国・地域(G20)の議長国だ。ロシアのプーチン大統領は11月のG20首脳会議に出席する意向がある半面、米欧には異論がある。

首相はG20へのロシアの参加について「国際社会はロシアとの関係をこれまで通りにすることはできないと考えている」と指摘した。同時に「首脳会議まで時間がある。情勢を見極めて対応するべく日本とインドネシアで緊密に連携する」と記者団に語った。

首相は会談でインドネシアの海上保安能力の向上を支援すると伝えた。会談後の共同記者発表で「巡視船供与に向けた調査を開始する予定だ」と語った。

西ジャワ州のパティンバン港開発のための円借款を700億円ほど供与するとも表明した。すでに実施している1200億円程度に追加する。インドネシアの物流を改善して成長を後押しする。

首相はインドネシアから日本への石炭などの資源の輸出に謝意を示した。

アジアで石炭火力を使う国が多いことを念頭に「日本は各国の実情に応じた脱炭素化、エネルギー移行を支援する」と明言した。脱炭素社会に向けて提唱する「アジア・ゼロエミッション共同体」構想を進めると強調した。』