面目重視の中国、最大の失敗は外国製mRNAワクチン拒否

面目重視の中国、最大の失敗は外国製mRNAワクチン拒否
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-27/RAZ527DWLU6C01

※ 今日は、こんなところで…。

『 ・上海復星医薬はビオンテックに出資-中国当局から販売認可得られず
・習政権が待っているのは国産のmRNAワクチン-アナリスト

中国の金融センター、上海の機能が数週間まひしている。新型コロナウイルスの感染拡大が悪化し、ロックダウン(都市封鎖)が続いているためだ。それでも習近平国家主席は厳しい規制で徹底的に感染を封じ込めようとする「ゼロコロナ」戦略を堅持する構えだ。

  感染力の強いオミクロン変異株に直面しても習政権は外国製メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの導入に目を向けようとしない。導入されれば、高齢者の重症化・死亡リスクを減らし、ゼロコロナ戦略からの脱却を後押しする可能性もある。

  中国が必要な供給を待つのはそれほど難しくはないはずだ。中国の上海復星医薬(集団)は2020年3月、ドイツのビオンテックに0.7%出資することで合意。同社が米ファイザーと共同開発した新型コロナのmRNAワクチンを中国で販売することも決めた。同年中に中国で1億回分を販売する計画に至ったが、中国の監督当局はまだ認可を出していない。

  在中国欧州連合(EU)商業会議所のヨルグ・ワトケ会頭は今月に入って中国政府に宛てた書簡で、mRNAワクチンを認めるよう促した。mRNAがコロナワクチンの「黄金律であることは世界中のデータが明確に示している」と話す同会長は「なぜ時間を無駄にし、何を待っているのか」と疑問を呈す。
Share of Population Fully Vaccinated Against Covid-19

As of April 24

Source: Compiled by Bloomberg

  習政権が待っているのは国産のmRNAワクチンだと多くのアナリストは考えている。習政権はコロナとの闘いで国産の不活化ワクチンを活用し、外国製のワクチンを国内市場から締め出してきた。中国国民14億人のうち 88%強が国産の不活化ワクチンを2回接種済みだ。

  バイオテクノロジー・医薬品関連の顧客に助言するエラディグム・コンサルティングのシニアコンサルタント、アリソン・ヒル氏(ロンドン在勤)は外国製のmRNAワクチン受け入れは習政権の面目をつぶすリスクがあると指摘する。「ビオンテック製を受け入れると今言うのは、中国製のワクチンがそれほど良くないと言うのに等しい」と話す。

  外国に頼らない習政権のコロナ戦略を踏まえ、中国では昨年、雲南沃森生物技術と蘇州艾博生物科技、人民解放軍軍事科学院軍事医学研究院が共同開発しているmRNAワクチンが早期に認可されるとの楽観的な見方も浮上したが、実現はまだだ。

  上海復星医薬の呉以芳CEO(最高経営責任者)は今年3月23日の記者会見で、中国の医薬品当局は引き続きビオンテック製ワクチンを認可すべきかどうか検討していると述べた。

中国当局は2月、ファイザー製の新型コロナ感染症経口薬「パクスロビド」を緊急承認したと発表。国内の製薬会社に同じような抗ウイルス薬がなく、中国側にニーズがあったためだ。

国産mRNAワクチンの完成が遅れれば、同じように中国当局はしびれを切らし、ビオンテック製を受け入れるかもしれない。

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雲南沃森生物技術が共同開発しているmRNAワクチン(2021年4月)
Photographer: FeatureChina/AP Photo

原題:China’s Biggest Covid Failure Is Not Deploying an mRNA Vaccine (抜粋)
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)』