『Brennan Deveraux 記者による2022-4-22記事「Loitering Munitions in Ukraine and Beyond」。
ロシア軍がロイタリングミュニションを初使用したのは2021年のシリアであった。「ランセット」というシステム。
滞空40分で、レンジは40kmというところだった。メーカーは「Zala アエロ・グループ」。
目標特定と攻撃決断をかんぜんに機械任せにしているので、倫理問題も提起した。しかしこの「ランセット」がウクライナで使われているという証拠はまだ得られていない。
露軍がウクライナで使っていることが確かめられているロイタリングミュニション「もどき」は、「KYB」である。
メーカーはZala。だが自律判断式のロボット特攻機ではなく、リモコンもしない。これは、建物のような、座標が既知でしかも動かない標的に対して、その座標を入力して飛ばす、いわば、誘導砲弾の無人機版なのだ。
しかしその弾頭はすこぶる非力である。
※驚くべき事実がまた確認された。
いまやロシアの兵器産業は、無人特攻機に関しては、イランにすら、劣後しているのである。
イランがフーシに手渡してサウジアラビア/UAEの空港や精油所を攻撃させている無人特攻機の方が、はるかに長射程だし、破壊力も大なのだ。
しかもそれは何年も前から実力が誇示され、ロシア人にはじゅうぶんな、イラン製品を輸入したり、イラン人に教えを請う時間もあったはずなのに、敢えてそれをしてないのである。
ロシアのプロ軍人は、予算の再配分に後ろ向きであるだけでなく、「戦術眼」と「研究心」をなくしているとしか思えない。
まるで日本の陸幕と同じ病気に罹っているようだ。』