知床観光船遭難 速い海流や複雑な地形、捜索阻む

知床観光船遭難 速い海流や複雑な地形、捜索阻む
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE26CD60W2A420C2000000/

『北海道・知床半島沖のオホーツク海で観光船が遭難した事故から4日目を迎えた26日も、15人の安否不明者の捜索が続いた。観光船には26人が乗っており、現場海域を流れる海流などの影響で遠くまで流されていた可能性もある。この海域は複雑な地形とされ、捜索活動を阻む要因になっている。

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気象庁は、風などの影響を受けない水深50メートルの流れを「海流」としている。現場海域の海流は「宗谷暖流」と呼ばれる。日本海を北上した暖流が北海道北部の沿岸をまわりこみ、知床半島に沿って北東に向かう海流を指す。

海上保安庁によると、宗谷暖流は時速2.2~2.7キロで年中同じ方向に流れており、担当者は「泳ごうと思っても流されるほどのスピードだ」と話す。

これまでに死亡が確認されたのは11人。このうち10人は、遭難した観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が最後に通報したとみられる知床半島西側の「カシュニの滝」付近から北東に約14キロ離れた知床岬付近まで流されていた。

海流は知床岬を過ぎたあたりで南北に分岐する。24日夜に発見された女児は知床岬先端からさらに東に約14キロの海上で見つかった。

北海道大の三寺史夫教授(海洋物理学)は「知床周辺の海域の潮の速さと複雑さが発見を難しくしてしまっている」と指摘する。宗谷暖流の北側には半径50キロほどの渦巻き状の流れもあり「この海流に巻き込まれてしまったケースも想定される」とし、捜索が長期化する恐れがあるとの認識を示した。

現場海域の地形は複雑とされる。海保によると、現場付近は陸地から300~400メートルまでの沖合は比較的なだらかな傾斜が続くが、それより離れると、一気に深さ100メートルほどにも及ぶすり鉢状の大きな穴のような地形となっている箇所もある。

海保は26日、水深100メートル以上の海底の地形を高精度で探査できる測量船「天洋」を現地に派遣した。海底の状況を詳細に調べる方針だ。』