中国女性の「恐婚」に歯止めかからず 習指導部悩ます

中国女性の「恐婚」に歯止めかからず 習指導部悩ます
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1587R0V10C22A4000000/

 ※ 結婚の話しとは、ちょっと違うが、最近、「少子化」の根本的な原因は、子どもの「費用対効果」が低下したからだ…、という説を見た。

 ※ 産業構造が、「農林水産業」から、いわゆる「二次・三次産業」へとシフトすると、「子ども」の「経済効用」が低下する…。

 ※ つまり、「一人前の」「二次・三次産業での労働者」にするためには、「巨額の費用」がかかる(塾、習い事、スポーツ教室とかだな)ようになり、「多く持てば、持つほど」家計を圧迫するようになってくる…。

 ※ そういう構造に変化したんで、みんな「少子化(一人っ子)」で済ませようとするようになったのさ…、という説だ。

『中国で結婚する男女が激減している。

2021年で763万組と前年比で6.3%減少。10年前に比べると4割強も減っている。都市部に住む女性の経済的自立が進み、結婚に必要を感じなくなっているのが大きな理由だ。

少子高齢化や人口減につながりかねないだけに習近平(シー・ジンピン)指導部も危機感を強め、共産党の機関紙が異例の”介入”に動く事態となっている。

結婚組数は統計でさかのぼれる1986年以降で最も少なくなった。

過去最低を更新するのは2年連続。

特に2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響などで、前年比で100万組以上減った。22年も上向く兆しはみえない。結婚組数のピークは13年の1346万組。習近平氏が13年に国家主席に就いて以降、右肩下がりのグラフを描いている。

日本に留学後、北京で仕事を始めた30代女性の宋さんは就学年齢未満の子どもがいるが、結婚歴はなく独身だ。「北京の実家で両親が子どもの世話をしてくれる。経済的に問題なく暮らしており、夫の必要性を感じたことはない」と話す。

中国では祖父母が孫の世話をする習慣があることも「夫不要論」につながりやすい。今のところ第2子をつくる予定はない。

中国ではすでに若い女性らの間で結婚の失敗を恐れる「恐婚族」という言葉が定着している。対照的に農村や地方に住む男性は結婚して妻に家業を手伝わせたり、子供に後を継がせたりする願望が強い。このギャップは広がるばかりだ。

中国では結婚や出産、育児を巡る夫婦間の葛藤を描いたテレビドラマ「親愛なる子ども」がいま論争を呼んでいる。仲むつまじかった若い夫婦が出産を機に関係が暗転、両親の家庭への関与や育児の負担、子どもの病気の治療を巡り言い争う場面がこれでもかと描かれている。

こんなドラマを見せては若者を結婚からますます遠ざけてしまうと心配したのだろう。

中国共産党の機関紙、人民日報電子版は4月11日に「不安を売る作品は程ほどにせよ」とする評論記事を流した。「家庭内の衝突や矛盾をこれほど多く描くのは適切ではないとの意見がある」とも指摘。中国のドラマはすべて放映前に共産党宣伝部の厳しい検閲を経ている。放送開始後に介入するのは異例だ。

ところが事態はこれだけにとどまらなかった。人民日報の評論を読んだネット民が「こんなのはふつうの光景にすぎない」「現実はもっと悲惨だ」と猛反発。かえって火に油を注ぐ騒ぎになっている。

結婚組数の減少は将来の出産や人口減にも直接響いてくる(中国・上海)

結婚組数の減少は将来の出産や人口減にも直接響いてくるが、政府の力で押し上げるのは容易ではない。そこで習近平指導部は結婚を増やすのではなく離婚を防ぐ「奇策」に乗り出した。

離婚手続きの申請後、30日以内は「冷静になるための期間」として取り下げられるようにして、衝動的な離婚を防ぐようにした。

30日後に夫婦双方が離婚証明の発給を申し出ない場合も離婚手続きの申請を取り下げたとみなすことにした。このルールは21年に始まり、同年の離婚組数は213万件と前年比でほぼ半減した。

ひとまず効果はあったようだが、共産党が最も懸念する出生数の減少には歯止めがかからない。21年の出生数は前年比138万人減の1062万人だった。5年連続の減少で、1949年の建国以来の最少となったとみられる。

政府は昨年、全ての夫婦に3人目の出産を認めたが、結婚さえ望まない若者が増えている状況では「焼け石に水」。中国の一切を指導する共産党も若者の結婚観の変化には手が及ばないようだ。

(北京=羽田野主)

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中村奈都子
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説

「恐婚族」という言葉はともかく結婚の失敗を恐れたり結婚にメリットを感じなかったりするのは日本も同じです。

実際、日本も21年の婚姻組数は4%減少しているので他人事ではありません。

特に日本の場合は婚外子が海外に比べて低いので、婚姻組数が減るということはすなわち出生数が減るということ。唯一の救いは家族を持つことの難しさを描いたドラマなどがそれなりにあって、共感できる点でしょうか。

昨年放映された逃げ恥SPでは結婚や出産に伴う困難がいろいろと紹介されていました。政府の介入は困りものですが、逆に国の政策がなかなか進まないのも困ります。

2022年4月26日 12:51

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石塚由紀夫
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点

昭和の後半、日本の過疎地で「農村花嫁」が急増しました。農家の跡取り息子に、中国などアジア各国の独身女性を紹介し、「嫁」として迎え入れるものです。

日本は女性の社会進出が進んでいた時期。経済的自立ができるようになり、家父長制が色濃く残る農家の息子との結婚は敬遠されました。

対して中国はまだ経済発展途上。何の縁もない日本の農家に、中国女性は生きるためにやってきて、妻や嫁としての重責を担いました。

それが今や中国も経済大国。無理に結婚しなくても女性は経済的に自立できます。

何かと妻ばかりに負担がかかる結婚生活はやはり無理があります。経済力を持った女性が結婚を怖がるのも必然。アジア全体の課題です。

2022年4月26日 11:59

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

結婚を恐れるというよりも、中国社会で拝金主義が横行しており、女性が結婚相手に求める条件は大半の男性が満たせない。

そのうえ、一人当たりGDPが拡大しており、若者は結婚と育児よりも自らの人生を最大限に享受したい。この点は先進国と同じ。

そのほか、社会保障が整備されていないため、老後をどう過ごすかも心配。

だから今、ある程度貯金しておかないといけない。数年前に、出張先の北京である若者と会話する機会があった。「あなたたちは結婚するにあたって、愛情の有無を優先に考えるか」と聞いたところ、「考えない」といわれ、ショックだった

2022年4月26日 11:11 』