ロシア経済、苦境長期化 制裁の影響広がる

ロシア経済、苦境長期化 制裁の影響広がる
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022042400334&g=int

『【ロンドン時事】ロシアのウクライナ侵攻開始から2カ月がたち、ロシア経済の苦境が長期化する見通しが強まってきた。一時暴落した通貨ルーブル相場は持ち直したが、日米欧などによる制裁の影響が徐々に広がりを見せている。

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 「西側諸国の経済的な『電撃戦』は効果がなかった」。プーチン大統領は18日、対ロシア制裁を第2次世界大戦中のドイツ軍の戦術になぞらえつつ、ロシア経済の底堅さを自賛した。

 ルーブルは3月上旬の外国為替市場で一時1ドル=150ルーブル近辺と、年初の約2分の1の価値に下落。しかし、その後は買い戻しが進み、今月下旬までに80ルーブル前後と、侵攻直前の水準をおおむね回復した。

 背景には、政府・中央銀行が講じた対抗策がある。輸出企業は外貨売り上げの8割をルーブルに両替することが義務付けられた。外国人投資家はルーブル建て資産を売ることも、国外に持ち出すことも禁じられた。「実質的に市場として機能していない」(在英アナリスト)との見方はあるが、金融危機の回避に当面成功したとも言える。

 それでも、制裁がロシア経済に落とす影は色濃い。3月の消費者物価指数は前年同月比16.7%の上昇と、欧米を上回る急激なインフレが進行。多くの国民が食料品価格などの高騰に直面する事態となった。

 モスクワのソビャニン市長は、外資系企業が侵攻後に相次ぎ撤退を決めたことを受け、「約20万人に失業の恐れがある」と懸念。国際通貨基金(IMF)による最新の予測では、ロシア経済は2022年に8.5%減、23年も2.3%減と、2年連続でマイナス成長に陥る見込みだ。

 IMFのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は、侵攻を機に「世界が地政学的な経済ブロックに永続的に分断される危険がある」と警告。ナビウリナ・ロシア中銀総裁も、多くの国内企業が外国との貿易を制限され、ビジネスを抜本的に見直す必要に迫られていると認め、侵攻の代償の大きさが浮かび上がっている。』