ロシアに不安定化リスク ウクライナ侵攻2カ月

ロシアに不安定化リスク ウクライナ侵攻2カ月―防衛研・兵頭氏インタビュー
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022042400249&g=pol

『ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で2カ月がたった。長期化の様相を見せる戦争の見通しについて、防衛研究所の兵頭慎治・政策研究部長に聞いた。

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 ロシアのプーチン大統領はウクライナ南東部マリウポリの製鉄所の中に部隊や一般人を残したまま、「制圧した」と一方的に宣言した。(ロシアの対独戦勝記念日の)5月9日までに東部のドネツク、ルガンスク2州の制圧を考えていたが厳しくなってきた。マリウポリだけでも制圧し、戦果にする必要があった。政治的な判断だ。

 ロシアにとって理想的なのは、5月9日までに東部2州を完全に制圧することだ。ロシア系住民が危害を加えられていたから「特別軍事作戦」を取ったというのがロシア国内向けの説明だ。ただ、同日までに2州を制圧できない可能性が高い。

 侵攻は長期化の兆しがある。東部2州を奪取できるまでロシアは戦闘を続ける。できないと何のための戦争だったのかという批判が国内で出てくる。マリウポリはほぼ制圧しかかっていて、オデッサから西のモルドバまで黒海沿岸を押さえようとしている。そして首都キーウ(キエフ)の陥落にもう一度挑戦するかによって、どのぐらい長くなるかが違ってくる。

 今のような猛攻撃は何年もできない。戦費もかかるしロシア側の犠牲者も増え、兵士の士気が大幅に下がる。どこかで支配地域の拡大はストップせざるを得ないだろう。ただ、散発的な戦闘はその後も続く可能性が高い。

 日本にとってロシアは隣国でもあり、安全保障面でどう向き合うのか考え直さなければいけない。国家安全保障戦略には、「安全保障およびエネルギー分野をはじめあらゆる分野で協力を進め、日ロ関係を全体として高めていく」と書かれているが、表現を変えないといけない。

 ロシアもここまでやると経済力が低下し弱体化してくる。脅威も小さくなると一概に言えないのは、その後に不安定化のリスクがあるからだ。

 独裁者が間違った判断でよその国を侵略し、力による現状変更ができてしまう怖さがある。それは中国もそうだ。何でもかんでも合理的に説明できるわけではない。一定の臨界点を超えた非合理の世界で戦争が起きる。 』