厳しい制裁が逆効果 ロシア中間層、プーチン氏支持に転向

厳しい制裁が逆効果 ロシア中間層、プーチン氏支持に転向
https://www.afpbb.com/articles/-/3399816?cx_part=common_focus

『【4月12日 AFP】ロシアで広告業を営むリタ・ゲルマン(Rita Guerman)さん(42)は、同国の比較的裕福な中間層の多くと同様、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に長い間反対してきた。

 だが、プーチン氏によるウクライナ侵攻の決定を受け、西側諸国がロシアに厳しい制裁を科したことで、大統領に対する見方は変わった。

「私は開眼した」。ゲルマンさんはこう語り、北大西洋条約機構(NATO)からロシアを守ったとして、プーチン氏を称賛した。

 西側諸国は制裁を科すことによって、ロシア国内での政府に対する支持を弱めることを期待していた。しかし識者は、厳しい制裁が多くの点で逆効果を生んだと指摘している。
 親欧米派が多数を占めていた中間層の多くは、制裁による最初の衝撃がおさまると、自分たちは西側から不当な扱いを受けていると感じるようになり、プーチン氏支持に転向した。

 制裁の影響はロシア国民を無差別的に襲い、外国企業との契約を失ったり、欧州への旅行ができなくなったりしたほか、ビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)のクレジットカードや西側諸国の医薬品も利用できなくなった。

 2月24日、プーチン氏がウクライナに軍隊を派遣したとき、ゲルマンさんはウクライナ企業の広告の仕上げに取り掛かっていた。当初は動揺し、ウクライナ軍に寄付をしようとも考えた。しかし、その後2週間にわたり「歴史家や地政学の専門家」の意見を聞いたことで、プーチン氏を支持するようになった。制裁の結果、外国の顧客をすべて失い、国内の顧客との仕事も途絶えてしまったという。

 ゲルマンさんはAFPに対し、「普通の人間であれば戦争を受け入れることなどできない。非常につらいが、これはロシアの主権にかかわることだ」と語った。「プーチン氏はアングロサクソンから私たちを守るため、ウクライナに侵攻するしかなかった」

■「ロシア人を悪者扱い」

 ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences)社会学研究所のナタリア・チホノワ(Natalia Tikhonova)主任研究員は、中間層の多くが抱く心境として、自分はプーチン氏に投票したわけではないのに、ウクライナ侵攻の責任を共同で負わされる理由が理解できないのだと説明。「欧州でロシア人全体を悪者扱いすれば、愛国心をあおるだけだ」と指摘している。

 首都モスクワに住むアレクサンドル・ニコノフ(Alexander Nikonov)さん(37)はAFPに対し「反ロシア・ヒステリー」が世界中にまん延していると批判。ロシア人は団結すべきであり、「つまらないことで論争をしている場合ではない」と語った。(c)AFP/Marina LAPENKOVA 』