南アジア「三重苦」で政情不安 経常赤字・コロナ・物価

南アジア「三重苦」で政情不安 経常赤字・コロナ・物価
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1143I0R10C22A4000000/

 ※ 『南アジアの政情不安が深刻だ。パキスタンではカーン首相が不信任案可決で10日に失職し、スリランカでもラジャパクサ大統領に辞任を求める抗議運動が続く。両国とも慢性的な経常赤字に、新型コロナウイルス禍に伴う経済停滞、ウクライナ危機による商品価格の高騰が重なる「三重苦」に見舞われた。中国とインドがどう影響力拡大を図るかも焦点となる。』…。

 ※ 『パキスタンとスリランカは天然資源に恵まれず、有力な輸出産業にも乏しい。原油や食料価格の高騰と国内経済の低迷が重なると、インフレ・通貨安と外貨準備急減が進むなど不安定な経済構造を抱える。』…。

 ※ 『カーン氏は国際通貨基金(IMF)からの支援継続のため、財政再建を図ってきた。ガス料金の引き上げに踏み切る一方、広域経済圏構想「一帯一路」を進める中国からの投資で経済再建をめざしていた。

ただ、中国資本によるインフラ整備はコロナ禍もあって停滞、緊縮財政に対する国民の不満を抑えられなくなっていた。』…。

 ※ 『経済危機と政情不安に揺れる両国に対し、南アジアの盟主を自任するインドと、同地域で影響力拡大を狙う中国が、支援合戦を繰り広げている。

21年4月末時点でスリランカの対外債務は中国向けが10%、インド向けが2%を占める。インドのジャイシャンカル外相は3月下旬、スリランカを訪れ、ラジャパクサ氏と会談した。

インドは22年に25億ドル規模の金融支援を続けることを約束した。スリランカ東部での電力開発や学校へのソフトウエア供給でも合意した。ラジャパクサ氏は親中派とみられてきたが、インドは危機下で積極的に援助する姿勢を示す。

一方、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も3月下旬にパキスタン、アフガニスタン、インド、ネパールを歴訪した。インドと敵対するパキスタンでは首相失職前のカーン氏と会談。王氏は「経済開発や安全保障で連携を強めたい」と語り、支援を申し出た。中国はスリランカへの食料支援にも動いている。』…。

『【ニューデリー=馬場燃、ムンバイ=花田亮輔】南アジアの政情不安が深刻だ。パキスタンではカーン首相が不信任案可決で10日に失職し、スリランカでもラジャパクサ大統領に辞任を求める抗議運動が続く。両国とも慢性的な経常赤字に、新型コロナウイルス禍に伴う経済停滞、ウクライナ危機による商品価格の高騰が重なる「三重苦」に見舞われた。中国とインドがどう影響力拡大を図るかも焦点となる。

【関連記事】パキスタン新首相にシャリフ氏 政情混乱の恐れ

パキスタンとスリランカは天然資源に恵まれず、有力な輸出産業にも乏しい。原油や食料価格の高騰と国内経済の低迷が重なると、インフレ・通貨安と外貨準備急減が進むなど不安定な経済構造を抱える。

カーン氏は国際通貨基金(IMF)からの支援継続のため、財政再建を図ってきた。ガス料金の引き上げに踏み切る一方、広域経済圏構想「一帯一路」を進める中国からの投資で経済再建をめざしていた。

ただ、中国資本によるインフラ整備はコロナ禍もあって停滞、緊縮財政に対する国民の不満を抑えられなくなっていた。

スリランカは国内総生産(GDP)の約1割を観光関連が占めるが、コロナ禍で入国規制を強化したため、外国人観光客数がコロナ前に比べ9割も減った。7月には10億ドル(約1250億円)の国債償還を控える。アリ・サブリ財務相は9日、今後半年で30億ドルの支援が必要だとロイター通信に語った。

経済危機と政情不安に揺れる両国に対し、南アジアの盟主を自任するインドと、同地域で影響力拡大を狙う中国が、支援合戦を繰り広げている。

21年4月末時点でスリランカの対外債務は中国向けが10%、インド向けが2%を占める。インドのジャイシャンカル外相は3月下旬、スリランカを訪れ、ラジャパクサ氏と会談した。

インドは22年に25億ドル規模の金融支援を続けることを約束した。スリランカ東部での電力開発や学校へのソフトウエア供給でも合意した。ラジャパクサ氏は親中派とみられてきたが、インドは危機下で積極的に援助する姿勢を示す。

一方、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も3月下旬にパキスタン、アフガニスタン、インド、ネパールを歴訪した。インドと敵対するパキスタンでは首相失職前のカーン氏と会談。王氏は「経済開発や安全保障で連携を強めたい」と語り、支援を申し出た。中国はスリランカへの食料支援にも動いている。』