パキスタン新首相にシャリフ氏 政情混乱の恐れ

パキスタン新首相にシャリフ氏 政情混乱の恐れ
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 ※ 『新首相の選出はカーン前首相の不信任案可決を受けて実施された。カーン氏率いるパキスタン正義運動(PTI)側からの造反議員とPML-Nなど野党勢力が同氏の不信任案に半数を超える174の賛成票を投じ、10日未明にカーン氏は失職した。』…。

 ※ 『シャリフ氏は、最大州パンジャブ州の州首相などを務め、中国の「一帯一路」の一部でもあるインフラ事業「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」を推進した。兄ナワズ氏が2017年に資産隠しで首相を退いた後、PML-Nを率いてきた。地方で政治実績を重ねてきた手腕が買われている。』…。

 ※ 『カーン前政権が外交断絶した米国やインドとの関係修復や、ロシア、中国との距離の取り方も難題だ。カーン氏はロシアがウクライナを侵攻した直後にプーチン大統領と会談し、国際社会の批判を浴びた。

パキスタンは核保有国であり、過去にはインドと戦火を交えた。パキスタンの政情が不安定になれば、南アジア域内の安全保障に影響が及びかねない。足元では隣国アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバンとの関係が悪化しているとの見方もある。パキスタンで政情が混迷すれば、アフガン発のテロが世界に拡散するリスクもある。』…。

『【ニューデリー=馬場燃】パキスタンの下院は11日、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)の党首シャバズ・シャリフ氏を新しい首相に選出した。ナワズ・シャリフ元首相の弟にあたり、カーン前首相を不信任案可決で失職に追い込んだ野党勢力をまとめあげた。新首相はインフレ鎮静化や前政権の外交失策の挽回といった難題に直面することになる。安定的な政権運営ができるかは不透明で、パキスタンの政情は混乱する恐れがある。

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パキスタンでは下院(定数342議席)が首相を選ぶ。シャリフ氏は議員投票で過半数ライン(172議席)を上回る174票を獲得した。シャリフ氏は選出後に「パキスタンにとって偉大な日になった。パキスタンの状況は悪いが我々が改善させる」と強調した。PTIからはカーン前政権で外相を務めたクレシ氏が立候補したが、投票直前に同氏とPTIは決議をボイコットした。

新首相の選出はカーン前首相の不信任案可決を受けて実施された。カーン氏率いるパキスタン正義運動(PTI)側からの造反議員とPML-Nなど野党勢力が同氏の不信任案に半数を超える174の賛成票を投じ、10日未明にカーン氏は失職した。

シャリフ氏は、最大州パンジャブ州の州首相などを務め、中国の「一帯一路」の一部でもあるインフラ事業「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」を推進した。兄ナワズ氏が2017年に資産隠しで首相を退いた後、PML-Nを率いてきた。地方で政治実績を重ねてきた手腕が買われている。

だが新首相の課題は山積している。カーン氏を追い込むために連携してきた野党勢力が、新政権でも連立を組んで政策協調できるかは判然としない。球技クリケットのスター選手だったカーン氏は依然として国民の人気が高く、今後も政治的な影響力を行使する可能性がある。

安定した政権運営のためには、国内で強い政治力を持つ軍との友好関係の構築が焦点になる。過去に任期5年を全うできたパキスタン首相はいない。シャリフ氏はカーン氏への不信任投票が延期された際に軍に協力を求めており、今後も関係強化を探るとみられる。

経済と外交の立て直しも急務だ。パキスタンの消費者物価は3月に前年同月比13%上昇した。ロシアのウクライナ侵攻で国内のエネルギー価格は一段と上がり、国民はインフレに苦しむ。

カーン前政権が外交断絶した米国やインドとの関係修復や、ロシア、中国との距離の取り方も難題だ。カーン氏はロシアがウクライナを侵攻した直後にプーチン大統領と会談し、国際社会の批判を浴びた。

パキスタンは核保有国であり、過去にはインドと戦火を交えた。パキスタンの政情が不安定になれば、南アジア域内の安全保障に影響が及びかねない。足元では隣国アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバンとの関係が悪化しているとの見方もある。パキスタンで政情が混迷すれば、アフガン発のテロが世界に拡散するリスクもある。

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/Pakistan-s-Shehbaz-Sharif-elected-PM-as-Khan-s-party-boycotts-vote?n_cid=DSBNNAR 』