プーチン、ウクライナ侵略の泥沼の中で明らかな報復として100人以上のFSB工作員を粛清

プーチン、ウクライナ侵略の泥沼の中で明らかな報復として100人以上のFSB工作員を粛清プーチンは元同僚をウクライナ戦争の挫折のスケープゴートとして扱っている、とアナリストは言う
https://www.foxnews.com/world/putin-purges-more-than-100-fsb-agents-in-apparent-retaliation-amid-ukraine-invasion-quagmire?_x_tr_sl=auto&_x_tr_sl=auto&_x_tr_tl=ja&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_hl=ja

 ※ 今日は、こんなところで…。

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

ロシアのウクライナ侵略は計画通りには進んでいないようで、ウラジーミル・プーチン大統領は、KGBの後継諜報機関である連邦保安局(FSB)の古い同僚を泥沼のせいにするつもりのようだ。

伝えられるところでは、プーチンはFSBから100人以上の工作員を粛清し、彼の政府はウクライナ担当省の長を刑務所に送った。

ロシアがウクライナに侵攻:ライブアップデート

約150人のFSB職員が解雇されたと、ロンドンのタイムズ紙は月曜日に報じた。追放された工作員は、当時FSB長官だったプーチンが、旧ソ連諸国で作戦を遂行するために1998年に設立した、ロシアの軌道に乗せておくことを目指した第五軍に所属していた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、2022年3月5日(土)に国営テレビで放送されたコメントで女性客室乗務員に語った。(ロイター通信のビデオ)

当局は先月、第5軍の元長官セルゲイ・ベセダを自宅軟禁した。その後、彼はモスクワのFSBが運営するレフォルトヴォ刑務所に移送されたと、タイムズ紙は報じた。KGBの前身であるNKVDは、スターリンの1930年代の大粛清の間、尋問と拷問のために刑務所を使用しました。

この動きは、ロシアの他のエリートに「非常に強いメッセージ」を送ったと、欧州政策分析センター(CEPA)の専門家であるアンドレイ・ソルダトフはタイムズに語った。

FBIがロシア軍のハッカーを妨害し、ウクライナ戦争中のボットネットを阻止

「私はこれに驚いた」とソルダトフは言った。「プーチンは、彼を解雇したり、シベリアのどこかの地方の仕事に送り出したりすることも、非常に簡単にできたはずだ。レフォルトヴォはいい場所ではないし、プーチンがこうしたことをどれほど真剣に受け止めているかについてのシグナルだ」

ウクライナ大統領報道局が提供するビデオからのこの画像では、ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領が2022年4月8日金曜日、ウクライナのキエフから話しています。(AP通信によるウクライナ大統領報道官事務所)

ソルダトフは、ロシア当局は、ベセダがCIAに情報を渡したと疑うかもしれないと示唆した。

アナリストは以前、フォックス・ニュースに、ベセダの自宅軟禁判決は、ウクライナにおける諜報活動の誤りに対する報復の一形態に見えたと語った。

ソルダトフは、第五軍は”ウクライナのスパイ活動を担当するFSB部門の中で最も敏感な部門”を表していると述べた。そして今、ウラジーミル・プーチンは、侵略前に与えられた諜報が極端に正確ではないことをようやく理解したように見える。そして、彼は誰かを責めようと周りを見回し始めました。

ウクライナ諜報機関が600人以上のロシア人スパイとされる人物の名前を公表

ロシア軍がウクライナで地盤を固めるために戦っている間、モスクワも諜報戦争を戦っている。米FBIは先週、ロシア軍のハッキング計画を妨害し、米国やその他の地域の被害者デバイスに「ボットネット」を設置したと発表した。先月下旬、ウクライナ諜報機関は、600人以上のロシア人スパイとされるリストを発表した。

リッチー・トーレス下院議員(民主党、ニューヨーク州)は、FBIに、専門家が以前、フォックス・ニュース・デジタルに、アメリカをスパイするよう、アメリカにいる外交官を収容すると伝えた、ニューヨーク市にあるロシア外交団を調査するよう要請した。

355 West 255th Streetにあるロシア外交複合施設の眺め。はめ込み: ロシアのウラジーミル・プーチン大統領 (ゲッティイメージズ) (ゲッティイメージズ/グーグルマップ)

「我々は、ウラジーミル・プーチンのウクライナに対するいわれのない侵略戦争に愕然とし、憂慮してきた。我々はウクライナ国民に対する彼の戦争犯罪に愕然としており、その文脈で、私はFBIにロシア外交施設でのスパイ活動の報告に対する調査を開始するよう正式に要請した」とトーレスは火曜日、ブロンクス区の355 West 255th Streetにある白い高層タワーについて記者団に語った。

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ブロンクス民主党はそれを「比喩的にも文字通りにも監視の構造」と呼んだ。

タイラー・オニールはフォックス・ニュースの編集者です。ツイッターで:@Tyler2ONeil。ニュースのヒントは、tyler.oneil@fox.com に送信できます。』

傲慢と孤立により、ウラジーミル・プーチンはウクライナを誤って判断しました

傲慢と孤立により、ウラジーミル・プーチンはウクライナを誤って判断しました
https://www.washingtonpost.com/national-security/2022/04/11/putin-misjudged-ukraine-hubris-isolation/

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

 傲慢と孤立により、ウラジーミル・プーチンはウクライナを誤って判断しました
ポール・ゾンネ

エレン・ナカシマ

シェーン・ハリス

ジョンハドソン

昨日の 午後7時56分EDT
ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、4月7日にモスクワの外でビデオ会議を介して安全保障理事会の会議の議長を務めます。(MikhailKlimentyev / Sputnik / KremlinPool Photo / AP)

ウクライナとの戦争から6週間以上が経ち、ロシアのウラジーミルプチン大統領は失敗の痛みを感じています。

何千ものロシアの戦場での死。ロシア軍による3つの最前線の後退。モスクワを決して許さない何百万人ものウクライナ人。これまで以上に孤立し、危険なほど達成された目標はほとんどありません。
あなたは電報を使っていますか?ウクライナでのロシアの戦争に関する最新情報については、私たちのチャンネルを購読してください。

プーチンは現在、彼の軍隊がウクライナ政府を倒したり、最大の都市の支配権を奪ったりしなかった後、「プランB」として広く知られているウクライナの東部に軍事作戦を集中させるために再編成しています。その間、ロシアの指導者が安全保障政策に没頭し、政権交代戦争の愚かさに対抗することで知られているロシアの指導者が、どのようにしてそのような戦略的泥沼に眠りにつくことができたのかについての疑問が高まっています。

問題となっているのは、何年にもわたって歴史家を占領するであろうより広範な難問です。ロシアは、西側の隣国と家族的、文化的、歴史的に深いつながりを持つ国であり、ウクライナをどうしてそんなに間違ったものにすることができるのでしょうか。

ロシアの新興財閥と彼らの運命の隠蔽の長い記録

米国とヨーロッパの当局者は、その質問に対する答えをつなぎ合わせています。それらの当局者によると、浮かび上がってくるのは、偏見と偏った情報に悩まされ、顧問の完全なコホートに相談することなく、悲惨な決定を推し進めている、傲慢で孤立したリーダーの写真です。プーチン大統領は、迅速な勝利を確保し、自宅で建設した権威主義体制の中でのあらゆる打撃を乗り切る能力に自信を持って、ウクライナに真っ向から突入したと彼らは述べた。彼の仮定を裏付ける:ウクライナについての誤解は、基本的にモスクワの植民地時代の過去に根ざしている。
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「歴史的に、ロシアにはウクライナに関する専門知識がまったくありませんでした」と、ワシントンに本拠を置く欧州政策分析センターの社長兼CEOであるアリナポリャコワは述べています。「国が本物の国であり、人が本物であると信じていないのに、なぜあなたは自分が存在するとは思わないことに専門知識を投資するのですか?」

元スパイの個人指紋

戦争の準備段階で、ヨーロッパとウクライナの一部の指導者は、モスクワが多面的な攻撃とその後の占領で成功するのに十分なロシア軍が国境に沿って集まっているのを見なかったため、プーチンが侵入する可能性を軽視しました。

彼らが気付いていなかったのは、モスクワが、特にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の頑強さとウクライナ人の抵抗する意欲について、ひどく欠陥のある仮定を育んでおり、実際に大規模な侵略を計画していたということでした。アナリストによると、この作戦はプーチンの個人的な指紋を持っていた。
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「これが将軍ではなく、スパイによって設計された軍事作戦であったことは明らかです」と、マヤックインテリジェンスのロシアアナリスト、マークガレオッティは言いました。「それは純粋に軍事的な意味では意味がありません。」

米国とヨーロッパの当局者によると、プーチンは計画を非常に緊密に維持しており、最高の軍事司令官と信頼できる顧問は、ロシアが攻撃を開始することに気づいていませんでした。

ロシアの指導者は、スマートフォンを使用せず、インターネットにアクセスすることはめったにないことで有名です。彼は何年もの間、ロシアの独立したニュースを嗅ぎ分け、建設的なフィードバックや反対意見のない権威主義的な政府システムを構築することに費やしました。今年の初めまでに、米国とヨーロッパの当局者によると、彼はエコーチェンバーで活動しており、ガレオッティによれば、「皇帝の食卓に悪い知らせをもたらさないことを知っていた」とのことです。プーチンの孤立は、コロナウイルスと他者との限られた接触によって悪化したと当局者は述べた。
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英国の欧州担当大臣であるジェームズ・クレバーリーは、次のように述べています。と北アメリカ。

プーチンは長い間、独立したウクライナを、個人的に対処する必要のあるソビエト帝国の崩壊の癖と見なしてきました。ロシアのジャーナリスト、ミハイル・ザイガーの著書「すべてのクレムリンの男たち」によると、プーチンは他の誰も信用していなかったため、ウクライナ自身に対する政策を何年にもわたって支配していた。

「私たちはウクライナに対処する必要があります。さもないと、それを失うでしょう」と、プーチンの緊密な顧問の同人を「集団プーチン」と名付けたザイガーによると、プーチンは2000年代初頭にさかのぼる会議で言うでしょう。彼の欲望を予測する活動。
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ウクライナに関する彼の個人的な専門知識に対するプーチンの自信は、彼が昨年夏に発表した長い論文で実現しました。この記事は、ウクライナ人をロシア人と自然に同じであるが、モスクワに対して彼らを過激化することに熱心な西側政府によって人質に取られた人々として描写しました。

「それは、プーチンや他の人々による、ゼレンスキー政権を脱落させ、政治的リーダーシップを打ち負かすことができれば、ウクライナ社会の他の人々による親ロシア感情の溢れ出るだろうというこの信念につながる」とアンドレア・ケンダル・テイラーは述べた。 、新アメリカ安全保障センターのシニアフェロー。

ロシアは「これは完全にプーチン主導の作戦だったので」ウクライナを間違えたとロシアを専門とする米国当局者は匿名の条件で機密情報について話し合ったと述べた。

プーチン大統領は、「誰もが彼の真実を知ることができるのと同じくらい確信している」と述べた。

「莫大な傲慢」

ウクライナ、米国、ヨーロッパの当局者によると、ウクライナ政府の急速な崩壊の想定が侵略の根底にあった。戦争の初期には、ロシアの国家ニュースは、キーウからのビデオを投稿したとしても、ゼレンスキーが逃げたという概念をすでに宣伝し始めていました。
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プーチン大統領は、2014年にヴィクトル・ヤヌコビッチ前大統領がロシアに派遣されたとき、ウクライナ政府の急速な崩壊を目撃していました。親欧米の蜂起に対応する首都。これらの出来事により、プーチンはゼレンスキーと同様のシナリオを想像するようになった可能性があります。

ウクライナの弱さについてのプーチンの誤解は、ロシアの力の圧倒的な見方と対になっていた。彼は2014年後半にヨーロッパの最高幹部に、必要に応じて「2週間で」キーウを簡単に捕まえることができると自慢していました。彼はそうしようとするまで信じ続けていたようです。

「彼はイベントをコントロールする彼の能力に揺るぎない信念を持っています」とNATOの上級諜報員は言いました。

おそらく、キーウの北西にあるホストメル貨物空港に着陸するための侵略の開始時に、エリートロシア空挺部隊がウクライナの首都にそよ風を吹き込む意図で試みた以上に、誤解のレベルを強調した瞬間はありませんでした。
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「これがどのように行われたかを見るだけで、非常に多くの傲慢さがあったように感じます」とヨーロッパの当局者は言いました。「キーウで斬首[任務]を行うように明確に設計されたホストメル空港での空挺部隊の挿入を見てください—そして彼らは破壊されました。」

戦争が東部の広大な地形に移行するにつれて、ウクライナ人にとって戦闘はより困難になる可能性があります

カーネギーモスクワセンターの上級研究員であるアレクサンダーガブエフ氏は、ロシアの指導部は、かつてモスクワによって支配されていたウクライナを、厳密な研究に値するものとは見なしていないと述べた。

「この誤った親近感がありました」とガブエフは言いました。「それはロシアが完全に誤解したことです。」

仮定が誤りであることが判明すると、ロシアの軍隊は、燃料、弾薬、輸送、食糧、その他の兵站問題、および戦争を戦うと言われていなかった士気喪失した兵士に悩まされて、再編成できないことが判明しました。
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「当初の計画が悪く、他の準備がない場合、耐久性はありません」と、ランド研究所の上級防衛アナリスト、スコット・ボストンは述べています。

ロシアが主に外国の諜報機関であるSVRに依存して米国や中国などの国に関する情報を収集している場合、ウクライナを含む「海外に近い」国に関しては、モスクワはFSB、主に国内の諜報機関に参加します。 。

ロシアの諜報機関を専門とするロシアのジャーナリストであるアンドレイ・ソルダトフ氏は、FSBはウクライナの政治文化の根底にある人気のある草の根運動を定期的に理解できていないと述べた。

米国とヨーロッパの当局者は、戦争の初期段階でのロシアの不振は、ロシアの軍と諜報機関の間の悪血とスケープゴートの真剣な捜索につながったと述べた。
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戦争前にロシアの諜報機関がウクライナに関してプーチンに正確に報告していたことは不明であるが、複数の米国とヨーロッパの当局者は、プーチンの直接の顧問が彼の仮定に異議を唱える情報をロシア大統領に与えることを望まないことを示したと述べた。ロシアの治安局の下位にいる個人は、侵入は思いがけないものだと思っていたが、彼らの懸念は頂点に達していない、と当局者は言った。

米国とヨーロッパの諜報機関では、FSBの評判は、その前身であるKGBの冷酷で狡猾な評判とは対照的です。何人かの現在および元の当局者は、ロシアの治安機関が腐敗に満ちており、官僚的な肥大化に悩まされ、最終的には連絡が取れないと述べた。

ウクライナの諜報当局は、FSBが数百万人を費やして親ロシアの協力者のネットワークを募集し、プーチンと彼の最高顧問、とりわけ現在のFSB局長に、彼らが聞きたいことを伝えたと述べた。抵抗は崩壊するでしょう。

公式は、プーチンを彼の娘のゴッドファーザーにした親ロシアの政治家ヴィクトル・メドヴェドチュクを、誤解を招く情報の重要な情報源として選び出しました。ロシアの利益を長い間推進してきたウクライナの政治家メドヴェドチュクは、昨年、反逆罪で起訴されたが、侵略後数日で自宅軟禁を免れたとされている。

ヨーロッパの当局者は、クレムリンは、メドヴェドチュクのように、ロシアの権力獲得から利益を得るために立っていたヤヌコビッチに関連する非接触の元エリートからも情報を得ていると述べた。侵略の数週間前に、英国政府は、ロシアの諜報機関がヤヌコビッチの元首相、参謀長、副首相と陰謀を企てていると警告した。

情報の流れに関係なく、プーチンは自分がウクライナの最大の専門家であると信じているとソルダトフ氏は述べ、ロシア当局はウクライナを理解していると想定する傾向があると指摘した。

「このレベルのショーヴィニズム—どこでも見ることができます」とソルダトフは言いました。「これは、この不幸な帝国の過去の直接の遺産です。」

DanLamotheがこのレポートに貢献しました。
ウクライナの戦争:あなたが知る必要があること

最新:プーチン大統領は月曜日にオーストリアのカール・ネーハマー首相と、プーチンとヨーロッパの指導者との最初の対面会議で会う予定です。一方、ロシア軍は日曜日にウクライナ東部のいくつかの町を砲撃し、空港を破壊し、いくつかの民間人の標的に損害を与えた。

戦い:ロシア軍は、ウクライナの多くの都市で民間の標的に散発的な攻撃を仕掛け続けています。ウクライナの検察官は、ロシアの戦争犯罪を調査するために犠牲者から詳細な証言を取っています。

兵器:ウクライナは、米国や他の同盟国が提供するジャベリン対戦車ミサイルやスイッチブレード「カミカゼ」ドローンなどの兵器を利用しています。ロシアはウクライナに対して一連の武器を使用しており、その一部はアナリストの注目と懸念を集めています。

ロシアでは:プーチンは、戦争が戦争とさえ呼ばれていないロシア内の情報の流れを封鎖しました。ロシアで最後の独立したニュースレターは、その運営を停止しました。

写真:ポストフォトグラファーは、戦争の最初から現場にいました—これが彼らの最も強力な作品のいくつかです。

支援方法:米国の人々がウクライナの人々を支援する方法と、世界中の人々が寄付しているものを以下に示します。

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ハンドキュレート

ロシアのウクライナ侵攻の地図

ニュース•
2022年4月1日
バイデンが250マイル離れていたときにミサイルに襲われたウクライナのリヴィウについて知っておくべきこと

ニュース•
2022年3月27日
モスクワの「グローバル化」
2022年3月25日

washingtonpost.com ©1996-2022ワシントンポスト 』

「裏切り者」は市民権剥奪 ロシア下院議長が提案

「裏切り者」は市民権剥奪 ロシア下院議長が提案
2022年4月12日 10:02 発信地:モスクワ/ロシア [ ロシア ウクライナ ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3399836?cx_part=top_topstory&cx_position=1

『【4月12日 AFP】ロシア下院のビャチェスラフ・ウォロジン(Vyacheslav Volodin)議長は11日、ウクライナ侵攻に反対する「裏切り者」の市民権を剥奪することを提案した。例として、政府系テレビ局の番組に「戦争反対」のメッセージを掲げて乱入した女性を挙げた。

 ウォロジン氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、「ウクライナでの特別軍事作戦について、大多数の国民は国と国民の安全のために必要だと理解し、支持しているが、臆病な裏切り者もいる」と指摘。「残念ながらそうした『ロシア連邦の国民』から市民権を剥奪したり、入国を禁止したりできる手続きは存在しないが、導入した方がよいのかもしれない」とし、フォロワーに是非を問うた。

 ウォロジン氏は、先月、政府系テレビ局「第1チャンネル(Channel One)」のニュース番組に乱入し、英語で「戦争反対」と書かれた紙を掲げたマリーナ・オフシャンニコワ(Marina Ovsyannikova)氏を引き合いに出した。オフシャンニコワ氏は同局の職員だったが、辞職し、ドイツ日刊紙ウェルト(Die Welt)のウクライナ・ロシア担当特派員となった。

 ウォロジン氏はオフシャンニコワ氏について「今度は北大西洋条約機構(NATO)加盟国のために働き、ウクライナのネオナチ(Neo-Nazi)への武器供与を正当化し、外国人傭兵(ようへい)を送り込んでわが軍の兵士と戦わせ、対ロシア制裁を擁護しようとしている」と述べた。

 市民権剥奪といった強硬手段はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が承認しない限り実施される公算は小さい。ただ、ウォロジン氏の発言は、ロシア国内でウクライナ侵攻への反対意見を敵視する風潮が強まっていることを浮き彫りにしている。(c)AFP 』

ロシアが任命、ウクライナ侵攻の新司令官について分かっていること

ロシアが任命、ウクライナ侵攻の新司令官について分かっていること
https://www.cnn.co.jp/world/35186160.html

『(CNN) ロシアのプーチン大統領はこのほど、ウクライナでの戦争を統括する新司令官を起用した。

欧米の当局者によれば、ロシア軍南部軍管区のアレクサンドル・ドゥボルニコフ司令官(60)が、ウクライナでの軍事作戦を統括する戦域司令官に任命されたという。

ドゥボルニコフ氏はシリアでのロシアの軍事作戦の初代司令官を務めた人物。プーチン氏は2015年9月、シリアのアサド政権を支援する目的で同国に軍を派遣した。

ドゥボルニコフ氏がシリアで指揮を執った15年9月から16年6月にかけ、ロシア軍機はアサド政権や同盟勢力が反体制派支配下のアレッポを包囲するのを支援し、人口密集地を爆撃して多数の民間人犠牲者を出した。アレッポは16年12月にシリア政府の手に落ちた。

00~03年には、ドゥボルニコフ氏は長期に及んだ北コーカサス地方での鎮圧作戦に参加。中でも第2次チェチェン紛争では、チェチェンの中心都市グロズヌイが壊滅状態に追い込まれた。

ロシアはウクライナの一部地域でも同様の手荒い手法を用いており、主要都市の住宅を攻撃したり、港湾都市マリウポリの大部分を破壊したりしている。

ドゥボルニコフ氏は16年3月、軍功が評価され大統領府から「ロシア連邦英雄」の称号を授与された。

ロシアがウクライナでの戦争を率いる新たな総司令官を指名したのは、ロシア軍の妨げとなっているもう一つの問題、つまり調整不足を改善する狙いもあるとみられる。

Retired Lt. Gen. James Marks breaks down why Russia's newly appointed general, known as the "butcher of Syria," is essentially responsible for the next chapter in the war on Ukraine. pic.twitter.com/1Q45NWKVM9
— CNN (@CNN) April 11, 2022 』

ハンガリー、対ロ制裁違反せずにガス代金ルーブル払いへ=外相

ハンガリー、対ロ制裁違反せずにガス代金ルーブル払いへ=外相
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-hungary-gas-idJPKCN2M401U

『[ブダペスト 11日 ロイター] – ハンガリーのシーヤールトー外相は11日、ロシア産天然ガスの代金支払いについて、ロシア国営ガスプロムを介してユーロで支払うことで、ガスプロムがルーブルに換えてルーブル払いの要求を満たせるとの見解を示した。対ロシア制裁違反にはならないとした。

ロシアのプーチン大統領は3月31日、ウクライナ侵攻に伴う欧米の対ロシア制裁への報復として、ロシア産ガスの代金をルーブルで支払わなければガス供給を停止すると警告。
ハンガリーのオルバン首相は先週、ロシアの要求通りガス代金をルーブル建てで支払う用意があると表明、要求に応じないよう加盟国に求めている欧州連合(EU)とたもとを分かった。

シーヤールトー氏は「ルーブル払いに関しては、いかなる制裁も違反せずにガスを確保できる解決策がある」と語った。

これは2国間の問題で、EUが協調した対応を取ることには反対だと述べた。』

朝鮮半島近海に米空母群、北朝鮮情勢巡り緊張

朝鮮半島近海に米空母群、北朝鮮情勢巡り緊張
https://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-usa-military-idJPKCN2M404L

『[ワシントン/ソウル 12日 ロイター] – 米海軍が「エーブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群を日本海の朝鮮半島近海に配置したことが、米政府当局者の話で明らかになった。韓国メディアは北朝鮮のミサイル発射実験を巡る緊張を受け派遣されたと報じた。

米当局者によると、日本の自衛隊と演習を実施するために日本海に入った。地域の同盟国やパートナー国に安心感を与える狙いがあるという。米政府内では北朝鮮が近く地下核実験を実施する可能性に懸念が強まっている。

米空母群が日韓の海域に派遣されたのは2017年以来。

韓国の聯合ニュースは、エーブラハム・リンカーンが同海域で3─5日間活動すると報じた。』

ロシア、年内の国債発行停止財務相、法的措置も

ロシア、年内の国債発行停止
財務相、法的措置も
https://nordot.app/886205845092483072?c=39546741839462401

『ロシアのシルアノフ財務相は、年内の国債発行を停止する方針を明らかにした。「借り入れコストが天文学的になるため、意味がない」と説明した。イズベスチヤ電子版が11日、伝えた。ウクライナ侵攻に絡む欧米などの金融制裁で、ロシアが債券市場から締め出された形だ。

 ロシア国債を巡り、市場では、契約通り利払いなどができず、デフォルト(債務不履行)に陥る懸念が強まっている。シルアノフ氏は「外国の債権者に誠実に対応しようとしているのに、欧米側は人工的にデフォルトにしようとしている」と反発。法的措置も辞さない構えを示した。』

イタリア、アルジェリアと天然ガス供給拡大で合意

イタリア、アルジェリアと天然ガス供給拡大で合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11CX50R10C22A4000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】イタリアのドラギ首相は11日、北アフリカのアルジェリアと同国からの天然ガスの供給拡大で合意したと発表した。ウクライナに侵攻したロシアの天然ガスへの依存を減らし、代替調達先の確保を急ぐ。他の欧州各国も追随する可能性がある。

ドラギ氏は同日、アルジェリアの首都アルジェでテブン大統領と会談し、エネルギー分野での2国間協力の覚書に署名した。イタリアの石油・ガス大手エニとアルジェリア国営炭化水素公社(ソナトラック)の間で契約を結んだ。ドラギ氏は今回の合意について、ロシアへの依存を減らすという「戦略的目標に対する重要な答えだ」と述べた。

イタリアは天然ガスの約4割をロシアに頼っている。AP通信によると、アルジェリアからの追加調達で、同国産ガスがロシア産の量を上回ることになる。ドラギ氏は、再生可能エネルギー由来の電気を使って製造した「グリーン水素」などの開発でもアルジェリアと協力する用意があると表明した。

他の欧州連合(EU)加盟国では、バルト3国の1つ、リトアニアがロシアからの天然ガスの輸入を停止した。ドイツは有力生産国のカタールと長期の調達契約を結んだ。ロシアは欧州向けガスの供給を急に絞るリスクもあるほか、エネルギー購入はロシア経済を下支えして侵攻継続を可能にする。ロシア離れを模索する動きが広がっている。』

拡張する中国の対外融資

拡張する中国の対外融資
─債務危機で揺らぐ国際社会における地位─
調査部上席主任研究員 三浦 有史 環太平洋ビジネス情報 RIM 2021 Vol.21 No.80 1
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/rim/pdf/12403.pdf

『要 旨

1.新型コロナウイルスの感染拡大に伴う開発途上国の債務危機が発生したことを受
け、中国は世界銀行を通じて低所得国に対する融資実績を開示した。2019年の融
資残高は1,085億ドルと、世界銀行の1,157億ドルと肩を並べる水準にある。

2.中国は、意図して開発途上国を「債務の罠」に陥れようとしているわけではない
ものの、重点国に対し過剰な融資を行う傾向がある。債務残高に占める中国の割
合が高い「中国依存国」のなかには、債務不履行に陥るリスクが「高い」ないし「窮
迫」と評価される国が多い。

3.中国政府は開発途上国に対する支援を「南南協力」と位置付ける。「南南協力」は
互恵の原則に基づいて実施されており、融資は前提条件を設けず、高金利でなさ
れる。中国の開発途上国向け融資の残高は2017年で3,930億ドルに達し、中所得国
および非アフリカ地域にも積極的にアプローチしている。「開発途上国の盟主」と
しての中国の地位はOOF(ODA以外のその他政府資金)によって支えられている。

4.世界銀行は、開発途上国の抱える債務は “過去50年で最悪” と評するものの、低所得国の債務危機に対する懸念は次第に緩和されると見込まれる。

危機の震源地になりうるという点では、低所得国よりもトルコやブラジルといった中所得国の方が危険といえる。

5.最大の債権国となった中国は、債務の持続可能性に与える影響が大きいにもかか
わらず、融資の不明瞭さと、返済猶予交渉における消極姿勢が目立ち、中国以外
の債権者の疑心暗鬼を誘発し、債務危機回避に向けた国際協調を損なう存在になっ
ている。

6.新型コロナウイルスの感染拡大に伴う債務危機は、①互恵の原則は債務削減と相
いれない、②中国は債権者として異質であり、他の債権者との協調が難しい、③
中国は債務の持続可能性について考える必要がない、といった「南南協力」が内
包する問題点を露呈することとなった。

7.中国は、深刻化するアメリカとの対立、潜在成長率の低下、そして、今回の債務
危機において開発途上国を満足させる対応が出来ていないこと等から、開発途上国における中国のプレゼンスは今後低下する可能性がある。

8.対外融資の停滞により、一帯一路はコロナ前の勢いを失う公算大である。

今後、何を手段に一帯一路を推進するのか、さらには、アメリカに伍する大国としての
責任とは何か、習近平政権の外交政策は政権発足後初といえる分岐点に差し掛かっ
ている。

拡張する中国の対外融資
─債務危機で揺らぐ国際社会における地位─
調査部
上席主任研究員 三浦 有史 』

【アジア】ウクライナ、8割が影響警戒 アジア駐在員、原材料高騰を懸念

【アジア】ウクライナ、8割が影響警戒 アジア駐在員、原材料高騰を懸念
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ba234cfb5ea7106d80602cb0a819f6032b2320c

『NNAがアジア太平洋地域の日系企業駐在員らを対象に実施した調査で、ロシアのウクライナ侵攻により、自社の現地拠点の事業に「マイナスの影響がある」と答えた割合が3割弱に上った。「今後マイナスの影響が出そう」との回答(50.4%)も合わせると、事業へのマイナス影響を見込む声は約8割に達している。具体的には原材料価格の上昇を挙げる声が最も多かった。

 調査は3月15日から18日にかけて、アジア太平洋地域の日本人駐在員らを対象にウェブアンケートで実施した。有効回答数は14カ国・地域の686件だった。

 ウクライナ危機による自社事業への直接・間接的な影響を尋ねた質問では、「今後マイナスの影響が出そう」が50%強と最も多かった。マイナスの影響が「大いにある」は13.7%、「少しある」は14.0%で、計27.7%となった。

 「影響はない」は11.5%にとどまり、大半の駐在員が自社事業への影響を意識していることが分かった。

 このほか、「分からない」は8.2%。「状況を見極めている」という回答も見られた。一方でオーストラリアからの回答が中心だが、「プラスの影響がある」が0.3%、「今後プラスの影響が出そう」が1.0%と、一部では事業機会の拡大を見込む声もあった。

 ■食品・飲料、「影響ある」が過半数

 「マイナスの影響がある」(「大いにある」と「少しある」の合計)と回答した割合を国・地域別で見ると、ベトナムが45.6%と最も多く、シンガポール(40%)、インド(34.1%)、フィリピン(32.7%)などと続いた。インドネシアは12.2%と最も少なく、中国、香港、韓国、タイ、ミャンマー、マレーシアも30%未満だった。

 業種別では、製造業が28.7%で、非製造業の25.7%を上回った。分野別では「食品・飲料」が53.3%と唯一半数を超えた。このほか「石油・化学・エネルギー」が46.4%、「建設・不動産」が39.3%と、影響があるとの声が比較的多かった。

 マイナスの影響が「ある」または「今後出そう」な理由(有効回答536件、複数回答)では、「原材料価格の上昇」「原油・エネルギー高」「輸送コストの上昇」がいずれも300件を超えた。

 具体的な回答を見ても「物流費の高止まりやリードタイムの遅延が懸念される」(タイ/石油・化学・エネルギー)、「穀物を原料として使用しており、その影響を受ける可能性を懸念している」(中国/食品・飲料)などと、コスト負担が増えることを懸念する向きが強く出た。

 「ウクライナ産の原料を購入しているため」(ベトナム/食品・飲料)、「ウクライナ産の鋼管をベトナムに輸入する契約があったが、生産できなくなりキャンセルされた。その代替品に関し顧客と交渉中だが損害は免れない」(ベトナム/貿易・商社)、「ロシアでの業務の一時停止」(台湾/金融・保険・証券)、「ロシア向け販売の代金回収を懸念」(シンガポール/食品・飲料)と直接的な影響を指摘する声もいくつか寄せられた。

 自動車業界では「原材料費の高騰。消費マインドの低下」(中国/四輪・二輪車・部品)、「市場の購買意欲低下、原油高騰の影響」(インド/同)など、物価上昇が消費者心理に与える影響を危惧する声もあった。

 マイナスの影響のうち、原材料価格の上昇について具体的に尋ねた質問では、ロシアが主要輸出国で、自動車産業などで使われるニッケルやアルミニウム、パラジウムといった非鉄金属や、鉄鋼・鋼材の高騰を指摘する声が目立ち、これらを挙げた回答はともに50件ほどに上った。このほか、プラスチック、樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンといった化学製品も多かった。食品・飲料企業では小麦や大豆、ヒマワリ油などが挙げられた。

 一方、「プラスの影響がある」「今後プラスの影響が出そう」との回答では、「ロシア、ウクライナ産原料の供給不安によるオーストラリア産品への切り替え需要」(オーストラリア/貿易・商社)といった代替調達先として商機を見込む声が目立った。

 ■物価上昇が景気のリスク要因に

 ウクライナの情勢を踏まえ、駐在する国・地域の今後の景気を占う上でのリスクを尋ねた質問(有効回答686件、複数回答)では「物価の上昇」が410件と最も多かった。この回答の割合は、シンガポールで86.7%(26件)に上ったほか、フィリピン(75%)、ミャンマー(同)、ベトナム(73.5%)、香港(72.7%)で70%を超えた。「サプライチェーンの混乱」と同率だったインド、「輸出の先行き」と同率のニュージーランドを含め、11カ国・地域で物価の上昇が最大のリスクと捉えられている。

 中国は「国際情勢の動向(米中の緊張など)」との回答が91件(65.5%)と最も多かった。韓国も56.3%で最多だった。

 新型コロナウイルス禍前には年間150万人近いロシア人が訪れていたタイでは「ロシアからの観光客減による観光事業へのダメージ」(貿易・商社)と、主要産業の一つである観光業への影響を懸念する声もあった。

 <回答者の内訳>

 回答者の業種別割合は製造業が48.4%、非製造業が47.7%、公的機関などその他が3.9%。国・地域別では中国139件、タイ95件、インドネシア82件、ベトナム68件、フィリピン52件、台湾49件、インド41件、オーストラリア39件、マレーシア35

件、香港33件、シンガポール30件、韓国16件、ミャンマー4件、ニュージーランド3件だった。』

市場に忍び寄る新興国危機 12カ国に債務不履行リスク

市場に忍び寄る新興国危機 12カ国に債務不履行リスク
金融PLUS 金融部長 河浪武史
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB062670W2A400C2000000/

『世界市場に新興・途上国の債務不履行(デフォルト)危機が忍び寄ってきた。新型コロナウイルス禍に加えて、ウクライナ危機、米利上げと景気リスクが一気に強まり、世界銀行は12カ国前後が1年以内にデフォルトに陥る可能性があると警告する。主要国は途上国の債務再編に着手するが、壁となるのは最大の貸し手である中国だ。

石油代金を紅茶で支払い

インド洋の島国スリランカ。インフレによる暴動で市民が大統領官邸を襲撃し、4月1日に非常事態宣言が一時的に出た。通貨のスリランカルピーは1カ月で3割も下落し、21年末にはイランへの石油代金を特産品の紅茶で支払う「物々交換」を申し出たほどだ。7月に国債の償還日を迎えるが、債務不履行に追い込まれる可能性が強まっている。

同国はコロナ禍で観光業が振るわず、外貨収入が激減した。紅茶の有力輸出先だったロシアとウクライナは貿易ルートが途絶。世銀によると同国は560億ドルの対外債務を抱えるが、外貨準備は20億ドルに減ったとされる。エネルギーの調達まで困難になり、1日あたり13時間という長時間の計画停電で経済危機を必死でしのぐ。

 スリランカ・コロンボで、火が付けられたバス=3月31日(ロイター)

世界はロシアの債務不履行リスクを注視するが、市場への打撃は思わぬところから押し寄せかねない。新興国は原油高と食糧高で苦しんでおり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが追い打ちとなる。世銀は具体的な国名は伏せつつも「今後12カ月で世界のおよそ12カ国が債務不履行に陥る可能性がある」と警告する。

北アフリカの地域大国であるエジプトも、3月末に国際通貨基金(IMF)への支援要請の検討に入った。コロナ禍で観光客が激減し、外貨収入の減少に苦しんでいる。主食とする小麦の輸入の8割をロシアとウクライナに頼っており、3月には通貨切り下げに追い込まれた。1300億ドルもの対外債務を抱え、サウジアラビアなどにも支援を求めている。

アルゼンチンなども債務不履行のリスクがあり、世銀は「世界が近年では最大となる債務危機の連鎖に陥る懸念がある」と警告する。新興・途上国の債務は半世紀ぶりの水準まで悪化しており、今では政府歳入の2.5倍を超す。世界は債務不履行のドミノを防げるだろうか。

問題はかつてのような国際協調の枠組みが機能しないことだ。日米欧など主要国には、半世紀の歴史がある「パリクラブ」という債務再編の枠組みがある。国家間の債権・債務を整理するための組織で、日米欧はそれぞれ自らが持つ途上国への融資残高などをすべて開示して、公平な条件で債務カットする仕組みだ。

強まる中国の「債務のワナ」

ただ、今では「低所得国が22年中に予定する530億ドルの公的債務返済のうち、パリクラブ加盟国に支払われるのはわずか50億ドルにすぎない」(世銀のマルセロ・エステバン氏)。新興・途上国はかつてと異なり市場から資金を直接調達しており、政府間債務もパリクラブに加盟しない中国からの借り入れが増えている。日米欧が途上国の債務を免除しても「減免分が中国への返済に回るだけ」(国際金融筋)という。

20カ国・地域(G20)は途上国を対象に債務削減の新制度を立ち上げたが、要請したのはエチオピアとザンビア、チャドの3カ国にとどまる。中国の低中所得国への貸し出しは1700億ドルと9年間で3倍も増え、今や最大の債権国だ。その中国は途上国向け融資に「秘密条項」を付けており、米調査機関によると「契約の4分の3はパリクラブが主導する債務整理を拒否できる条項を盛り込んでいる」という。

中国はスリランカなどへの追加の経済支援の検討に入っている。中国が債務減免などに動けば世界的なデフォルト懸念は和らぐが、その後に待ち構えるのは途上国で中国が影響力を一段と高める「債務のワナ」だろう。スリランカは17年にも対中債務の返済に行き詰まり、南部ハンバントータ港の権益の大部分を中国側に99年間も貸与する譲歩を迫られた。
米欧日はロシアへの経済制裁でウクライナ危機の打開を目指すが、その抜け穴となるのは中国だ。国際社会の分断によって、世界を襲う地政学リスクは解決が一段と困難になっている。

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田中道昭
立教大学ビジネススクール 教授
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分析・考察

97年アジア通貨危機の際、インドネシアでは、秋口からジャカルタで暴動が起きるリスクが真剣に語られるようになり、実際に翌年には暴動が勃発し、独裁政権だったスハルト政権も崩壊しました。

当時シンガポールからインドネシアを担当していましたが、同国はIMF支援を受ける直前に同じイスラム教の産油国に支援を求めましたが、地政学的なパワーバランスが崩れることを怖れたアメリカから政府高官がジャカルタに入り、その後IMFからの支援が決まりました。

歴史的に、経済危機が起こる際には先進国が震源地になる時でも新興国へ飛び火し、新興国でより深刻な問題へ発展するというパターンを繰り返してきました。複合危機の中、要注意です。

2022年4月11日 7:14

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

世界経済のファンダメンタルズは明らかに悪化している。

これまで異次元の金融緩和に救われているようにみえた世界経済は同時にメタボのように体力を失っている。

そのうえ、戦争と疫病によって社会も激変してしまった。

そのなかで、新興国経済は危機に対応する能力が弱く、エネルギーインフレが高騰すれば、世銀が警告するデフォルトは一気に現実味を帯びてくる。

今週、中国政府は第1四半期の経済成長率を発表する予定だが、かなり低い成長になるはず。

第2四半期に突入しているが、経済の中心都市上海はロックダウン。中国でさえ、クラッシュしそうになっている。それ以外の新興国と途上国はより困難な状況に直面するだろう
2022年4月11日 7:13

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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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ひとこと解説

金利上昇や地政学的リスクの台頭による皺寄せは糊代の少ない新興国に来る。

2022年に顕在化するリスクの筆頭は新興国リスクだと指摘はしてきた。

世銀の指摘するデフォルトリスクの高い国12カ国の大宗はおそらく低所得国、格付けも元々低い国だと考えられるため、投資家の損失が甚大になり、金融システムへの影響が大きくなるわけではない。

ただし、エジプトやトルコなど債務負担の大きい国だけでなく、政治リスクが高い国や観光依存度が高い国にはそれなりにリスクが残ることは見ておきたい。

2022年4月11日 8:38 (2022年4月11日 10:37更新)

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今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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分析・考察

つい最近までの世界的な超金融緩和が新興国の外貨建て債務を膨らませ、債権者も高利回りを好んだ世界の投資家によって民間主体に入れ替わり、二国間も中国からの借入が大幅増。

さらに2020−21年のG20によるコロナ禍対策としての債務返済停止イニシアティブで新興国の脆弱性は覆い隠されたものの、それも21年末で打ち切りで時間切れ。

そこに米欧の金利上昇、ロシアのウクライナ侵攻ですから、債務危機に向けたリスク増大は必至です。

まだ金利上昇が初期、ロシアやウクライナとの経済的な結びつきがある国が少なく、危機の顕在化はスリランカなど限られているだけ。

債務危機は常に「今回は違う」、前例が参考にならず要注意です。

2022年4月11日 11:40 』

上海市、コロナ外出制限を4割強の地区で解除へ感染高水準、全面解除にはなお時間

上海市、コロナ外出制限を4割強の地区で解除へ
感染高水準、全面解除にはなお時間
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM112Y80R10C22A4000000/

『【上海=土居倫之】新型コロナウイルスの感染拡大で都市封鎖(ロックダウン)中の中国・上海市は11日、市内の4割強の地区に相当する7565地区で外出制限を解除すると発表した。地区のリストを順次公表しており、中国メディアによると、すでに外出が可能になった地区もあるという。残る6割弱の地区は引き続き、外出を制限する。高水準の新規感染が続いており、都市封鎖の全面的な解除にはなお時間がかかる可能性が高い。

上海市の顧洪輝副秘書長が11日の記者会見で明らかにした。上海市は全市を感染リスクに応じて3地区に分類して管理している。14日間感染者がゼロの地区は「防範区」と呼び、外出を認める。ただ必要性のない外出は自粛を求め、外出できる範囲にも制限を設ける。

9日に実施した全市民対象のPCR検査などの分析の結果、現時点で7565地区が「防範区」に該当するという。

一方、7日間感染者が発生せず、敷地内の移動に限って認める「管控区」は2460地区、7日以内に感染者が発生し、自宅から出ることも認めない「封控区」は7624地区という。

10日の上海市の市中の新規感染者数(含む無症状)は、2万6087人と10日連続で最多を更新した。感染に歯止めが掛かっておらず、都市封鎖の全面解除の見通しは立っていない。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Shanghai-eases-COVID-lockdown-despite-record-infections?n_cid=DSBNNAR 』

AI動画広告会社、「短編」で急成長 事業拡大も視野

AI動画広告会社、「短編」で急成長 事業拡大も視野
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB077W40X00C22A4000000/

 ※ 『「従来の認識では、欧米の美意識やデザインに圧倒的に優位性があると考えられていた」としつつ、「中国では短編動画分野の急速な発展に伴い、最終的にグローバル市場を掌握できた」と強調。「むしろ(欧米と違い)技術とデータで市場を導き、短編動画マーケティングでは、より深い理解と蓄積のあるチームを持つに至った」と語り、同分野ではキャンバやビメオなどと比べても優位性を有しているとの認識を示した。』…。

 ※ 『一方、技術面から見ると、BOOLVは単一のアルゴリズムに限定していない。フィールドやシーンを選ばず、クロスモーダル(知覚が互いに影響を及ぼし合う)なアルゴリズムの構築・導入を追求していることがうかがえる。たとえば衣料品販売では、色柄やデザインの交換、バーチャルモデルの顔の変換、モデルに動きをつけるといった各種技術のほか、ライブラリからモデルを選択するサポート機能も備える。一連の過程を自動で行うことも可能だ。

王氏はこれらの技術について「長期的な模索のプロセスの一環だ」と力説した。現時点で商用化が可能な技術もあるが、一部の技術には応用や技術面の壁の突破という点でまだ改善の余地が残っているためという。具体的には、精度や高精細化、リアル感などを課題に挙げた。』…。

 ※ 『王氏が「長期的プロセス」を強調したのは、BOOLVが創業当初から産学連携による研究開発を進めていることが背景にある。英インペリアル・カレッジ・ロンドン大のデータサイエンス専門家と組むなど、世界の学術機関が取り組む最先端技術の維持に努め、商用化後の応用や最適化まで見据えているためだ。中国広東省の広州美術学院とは特別なカリキュラムを共同創設し、アートとビジネス、AI技術の融合に関する教育・研究を進めているという。』…。

 ※ 『同社の人材の厚さも見逃せない。社内の中核を担う従業員の大半は、テンセントやバイトダンス、電気自動車(EV)の米テスラなどグローバル企業に勤めた経験を持つ。多くが米ペンシルベニア大、英オックスフォード大、香港大など名門校の卒業生だ。AIやコアアルゴリズムなどに精通し、開発経験も豊富という。』…。

『人工知能(AI)を使った動画広告制作のSaaSサービスを手掛けるスタートアップ「布爾向量(BOOLV)」は、直近3カ月で2回の資金調達を実施し、計約1000万ドル(約12億4000万円)を集めたことが分かった。同社の創業者、王慶氏がこのほど、36Krに明らかにした。

中国の投資ファンド、線性資本(ライナーキャピタル)や、同国ベンチャーキャピタル(VC)の火山石投資(ボルカニックスベンチャー)、同国投資会社の徳迅投資(ディーセントキャピタル)、米VCのアップ・オネスト・キャピタルなどから出資を受けた。王氏によると、調達した資金は主に人員増強や研究開発投資の拡大に充てる。

BOOLVは2021年に設立。AIとビッグデータを分析する「データマイニング」技術を軸に、短編動画広告を自動制作するソフトウエアをクラウド経由で提供し、企業の動画マーケティングと販路拡大を後方支援している。海外展開する衣料品ブランドや海外のDTC(直販)ブランドが主な顧客だが、今後は他のカテゴリーや市場にも広げていく方針。

王氏は中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)や動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)などで働いた経歴を持つ。各種サービスの商用化などに携わり、ネットの内外市場に対して深い知見を有する。

世界の短編動画マーケティング市場について、王氏は「動き出したばかりだ」と指摘。オンライン画像デザイン作成を手掛けるオーストラリアのCanva(キャンバ)と動画配信プラットフォームを運営する米Vimeo(ビメオ)に言及し、評価額がそれぞれ400億ドル、40億ドルというユニコーンが、いずれもAIと動画関連企業の買収を積極化していると説明した。

続けて、「従来の認識では、欧米の美意識やデザインに圧倒的に優位性があると考えられていた」としつつ、「中国では短編動画分野の急速な発展に伴い、最終的にグローバル市場を掌握できた」と強調。「むしろ(欧米と違い)技術とデータで市場を導き、短編動画マーケティングでは、より深い理解と蓄積のあるチームを持つに至った」と語り、同分野ではキャンバやビメオなどと比べても優位性を有しているとの認識を示した。

一方、技術面から見ると、BOOLVは単一のアルゴリズムに限定していない。フィールドやシーンを選ばず、クロスモーダル(知覚が互いに影響を及ぼし合う)なアルゴリズムの構築・導入を追求していることがうかがえる。たとえば衣料品販売では、色柄やデザインの交換、バーチャルモデルの顔の変換、モデルに動きをつけるといった各種技術のほか、ライブラリからモデルを選択するサポート機能も備える。一連の過程を自動で行うことも可能だ。

王氏はこれらの技術について「長期的な模索のプロセスの一環だ」と力説した。現時点で商用化が可能な技術もあるが、一部の技術には応用や技術面の壁の突破という点でまだ改善の余地が残っているためという。具体的には、精度や高精細化、リアル感などを課題に挙げた。

王氏が「長期的プロセス」を強調したのは、BOOLVが創業当初から産学連携による研究開発を進めていることが背景にある。英インペリアル・カレッジ・ロンドン大のデータサイエンス専門家と組むなど、世界の学術機関が取り組む最先端技術の維持に努め、商用化後の応用や最適化まで見据えているためだ。中国広東省の広州美術学院とは特別なカリキュラムを共同創設し、アートとビジネス、AI技術の融合に関する教育・研究を進めているという。

同社の人材の厚さも見逃せない。社内の中核を担う従業員の大半は、テンセントやバイトダンス、電気自動車(EV)の米テスラなどグローバル企業に勤めた経験を持つ。多くが米ペンシルベニア大、英オックスフォード大、香港大など名門校の卒業生だ。AIやコアアルゴリズムなどに精通し、開発経験も豊富という。

・「36Krジャパン」のサイトはこちら(https://36kr.jp/

・中国語原文はこちら(https://36kr.com/p/1634793831921155
日本経済新聞社は、中国をはじめアジアの新興企業の情報に強みをもつスタートアップ情報サイト「36Kr」を運営する36Krホールディングスに出資しています。同社の発行するスタートアップやテクノロジーに関する日本語の記事を、日経電子版に週2回掲載します。

世界のスタートアップ・テクノロジー情報の一覧ページへ
https://www.nikkei.com/theme/?dw=19092665 』

華流EV「デザインも悪くない」 世界に足場拡大

華流EV「デザインも悪くない」 世界に足場拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC044BG0U2A400C2000000/

『ノルウェー王宮にほど近いオスロ市内の目ぬき通り。風変わりな自動車のショールームが開業したのは2021年10月のことだ。その名も「NIO(ニオ)ハウス」。中国の電気自動車(EV)新興、上海蔚来汽車(NIO)にとって初の海外進出の足ががりとなる店舗だ。

ショールーム開業と同時にNIOは新型多目的スポーツ車(SUV)「ES8」の受注を始めた。「ノルウェーは始まりにすぎない」。NIOノルウェーのゼネラルマネジャー、マリウス・ハイラーはこう語る。22年中には車大国のドイツにも進出する計画も明かす。

NIOだけではない。17年創業の愛馳汽車は、フランスを皮切りに既にドイツやオランダなどにも進出し、着々と欧州で販路を広げている。

中国で生産されるEVが国内を飛び出し、世界で広がる。中国政府によると21年のEV輸出台数(乗用車)は20年比で約3倍の49万9573台に急伸し、2位のドイツに2倍以上の差をつけて世界首位に立った。

英調査会社のLMCオートモーティブなどの調べでは21年の中国のEV生産台数は294万台と世界の6割を占めた。世界の7割弱を生産するスマートフォンに続き、中国はEVでも「世界の工場」の地位をうかがう。

中国勢が狙うのはEV先進地の欧州だけではない。3日までタイで開催されたバンコク国際モーターショー。会場中央にひときわ大きなブースを構えたのが、中国大手の上海汽車集団だ。

目玉は最低価格を約76万バーツ(約280万円)とこれまでから2割値下げしたワゴン型EV「MG EP」。トヨタ自動車が現地生産する「カローラ」よりも安い。会場を訪れた会社経営者は「価格だけでなく中国EVはデザインも悪くない」。ブースには人だかりが絶えず、タイで圧倒的なシェアを持つ日本車からショーの主役を奪った。

車両価格の2割が課税される日本製と異なり、中国から輸出するEVに関税はかからない。さらに上海汽車は将来の現地生産を条件にタイ政府から補助金も引き出した。中国勢はEVで主導権をうかがう現地政府も巻き込み、したたかに世界で足場を広げる。

「トヨタは09年からタイでハイブリッド車(HV)を手がけている電動車のパイオニアだ」。タイ法人社長の山下典昭は勢いづく中国勢をけん制する。シェア首位のトヨタも22年、初の量産EV「bZ4X」を投入するが、EVでは挑戦者だ。

21年に約2千台とタイのEV市場はまだ小さいが、上海汽車のシェアは5割に達する。EVが主役になれば、年300万台の東南アジアの主要市場で約8割のシェアを持つ日本車の牙城を中国勢に奪われかねない。

中国EVの競争力の源泉が産業集積だ。「規模の競争力」。車載電池で世界首位の寧徳時代新能源科技(CATL)董事長の曽毓群はこんな言葉を口にする。20年以降、3兆円近い投資計画を打ち出して生産能力を高め、正極材など主要材料の調達網も中国に築いてきた。日本の部品大手は中国でのEV生産コストは他の地域の半分程度で済むと試算する。

「素晴らしいと言わざるを得ない」。21年10月、独フォルクスワーゲン(VW)社長のヘルベルト・ディースは中国EVの性能に驚嘆の声を上げた。新型コロナウイルスの影響で中国への出張が途絶えるなか、ディースらVW幹部はNIOや比亜迪(BYD)などのEVをドイツまで持ち込み、実力を試してきた。

ディースは11月、従業員代表との協議の場で主力車「ゴルフ」を引き合いに、こう切り出した。「次の『ゴルフ』がテスラや中国から来たクルマになってはいけない」。安全性を疑問視する声も残る中国EVだが米テスラと並ぶ競合になると認め、危機感を募らせる。

環境規制は過去にも自動車産業の勢力図を一変させる引き金となった。1970年代に米国で施行された環境規制「マスキー法」はホンダが世界で初めて克服して日本車が世界を席巻する契機となった。中国EVは次の覇権を見据え、世界で膨張する。(敬称略)

                 ◇

世界最大のEV生産国となった中国。EVシフトが加速するなか、エンジン車で先行した欧米や日本勢を巻き込んだ競争の最前線を追う。

【関連記事】
・中国新興EVのNIO、22年に相次ぎ新型車
・中国EV、タイで値下げ攻勢 上海汽車など2割安く
・中国のEVとは 21年新エネ車販売352万台

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深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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別の視点

日本車にとっての牙城・東南アジア市場が中国勢に切り崩されるリスクに備える必要がある。

中国勢は低コストかつ高性能であるEVの新車投入スピードが速いだけでなく、自前でEVインフラの拡充にも積極的に取り組んでいる。

タイで上海汽車や長城汽車が急速充電器の設置や充電ステーションの開設を急いでいる。
中国勢のEV攻勢を後押ししているのが車載電池で世界最大手のCATLだが、同社はニッケル産出量が世界屈指のインドネシアでの工場建設を計画中。

日本勢は世界シェアが高い二輪車や産業用車両も含めた自動車の既存流通網を有効活用し、「都市鉱山」である車載電池をリユース・リサイクルで囲い込む戦略を早期に構築すべきである。

2022年4月12日 0:11』

ウクライナの対外発信、マスク氏衛星通信やZoomが支援

ウクライナの対外発信、マスク氏衛星通信やZoomが支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0706Z0X00C22A4000000/

『ウクライナが世界へ対外発信を強めるなか、米巨大IT(情報技術)企業が情報通信インフラの確保を側面支援している。米テスラ最高経営責任者(CEO)でスペースXを率いるイーロン・マスク氏の衛星通信設備が続々到着し、ビデオ会議のZoom(ズーム)も活用する。米マイクロソフトがサイバー攻撃対策で助言し、米グーグルが政府のアプリを使いやすくするといった動きもある。

「アジアで初めてロシアに対する圧力をかけ始めたのが日本だ」。ウクライナのゼレンスキー大統領は3月、日本の国会でオンライン演説し、熱弁をふるった。生中継で使われたのは、国際舞台では珍しい米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのオンライン会議システムだった。

サービス登場当初は簡易なビジネス用途が中心だったズームも、セキュリティー強化の要望に応え政治の舞台にも使われるようになった。衆院議院運営委員会の山口俊一委員長によると、ウクライナ側からの要望を踏まえてズームを使ったという。

ロシア軍の攻撃で、光ファイバーや携帯電話網などウクライナのITインフラが厳しくなる中、ウクライナ政府は限られたIT資産と技術者でビデオ演説やSNS(交流サイト)を使った対外配信を続ける。ウクライナ政府とスペースXに通信手段についてコメントを求めたが得られなかった。

ウクライナに通信基地局を提供する欧州の通信会社幹部は、社員がウクライナ向けの保守サポート業務を継続していることを明らかにした。ウクライナのビデオ配信については「政府はマスク氏に供与された端末を人工衛星経由で活用しており、中継などにも使える」と分析する。

スペースXの衛星通信「スターリンク」が活躍

スペースXの衛星通信システム「スターリンク」は、高度3万6000キロメートル近い従来の通信用衛星と異なり、高度550キロメートル前後で周回する多数の小型衛星を活用する。地表に近い分、データ転送の遅延が少なく、ビデオ通話やライブ配信にも適している。スペースXはこれまで1400基超を稼働させており、ダウンロード速度は固定ブロードバンド通信並みという。

「新しいスターリンクの基地設備が届いた! 悪を打ち負かすのに役立つ」。ウクライナのミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタル転換相は3月、到着した通信設備とみられる箱が山積みになった写真や、建物の上に設置工事中の写真を複数回ツイッターに投稿した。
スターリンクの通信設備はウクライナで広く活用されている(3月中旬、ウクライナの政府機関のホームページから)

ウクライナ政府も公式サイトで「スターリンク設備の第1陣が到着した」(3月1日)、「590台の設備が医療機関などに届く」(同月28日)などと公表している。戦場ではインターネットを含む通信の確保が重視されており、衛星経由だと物理的に破壊されにくくなる。英メディアによると、ウクライナ側のドローンを使ったロシア軍の監視や攻撃などにも、スターリンクの通信が貢献している。

スターリンクのシステムはもともと、ウクライナのフョードルフ副首相の要請にマスク氏が応じたもの。車のシガーソケットからでも通信端末に給電できるよう改良し、移動中も通信を維持しやすくした。

マイクロソフト、サイバー攻撃を阻止

スペースX以外にも、米巨大テック企業がITインフラの確保や維持を手助けする動きが広がる。

マイクロソフトは4月7日、ロシア政府とつながりがあるハッカー集団によるウクライナの報道機関などを狙ったサイバー攻撃を検知し、阻止したと発表した。ロシアのハッカー集団「ストロンチウム」が攻撃に使おうとしていたドメインの権限を、裁判所命令で差し押さえた。

同社はロシアの侵攻開始前からウクライナを狙ったサイバー攻撃を監視し、同国政府に情報共有や助言をしてきた。同社は「ウクライナ政府と密接に連携しており、より包括的な情報提供も予定している」としている。

米シスコシステムズも社内で有志チームをつくり、24時間体制でウクライナ政府機関や金融機関など、重要機関を中心にサイバー空間の監視を続ける。同国内でテレビ会議システムを無料で使えるようにしている。

住民の避難に貢献しているのは米グーグルだ。ウクライナ当局は飛来する飛行機やミサイルを検知し、住民に避難を促すシステムを運用する。SNSやアプリで警戒を呼びかけてきたが、グーグルは3月、スマホの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の機能として警戒システムを組み込んだ。

ウクライナ、IT人材は豊富

ウクライナのユーザーなら、アプリをダウンロードしなくても自動的に機能が追加され、緊急地震速報のアラートと同じような安定した仕組みで、差し迫った危機を伝えられる。

米アマゾン・ドット・コム子会社でクラウド事業世界最大手のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)も、3月末のブログで「ウクライナ政府や企業からの要請を受け、ネット接続設定の緊急対応や安全な通信整備、避難支援などさまざまな活動をしてきた」としている。

ウクライナは近年ソフトウエア産業を強化してきた。IT人材が豊富で、もともと米企業がAI(人工知能)などIT開発を委託するなどつながりも深かった。ウクライナには世界各国が武器や資金面で支援に取り組んでいるが、激しさを増す情報戦を巡っては米巨大ITの側面支援がウクライナの発信力を下支えしている。

(伴正春、大沢薫、シリコンバレー=白石武志)

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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浅川直輝
日経BP 「日経コンピュータ」編集長
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ひとこと解説

「インターネットはメッシュ(網状)で途切れにくいので、災害や戦争に強い」などと説明されることがありますが、現実のネットは必ずしもそうなっていません。

例えば日本の通信網は固定網/無線基地局を問わず、いったん局舎と光ファイバーでつないでから基幹網に接続する仕組みなので、局舎が災害/攻撃/占拠などで損壊すれば、周辺地域の通信は軒並み使えなくなります。東日本大震災では停電に加え、局舎が津波の被害を受けて同様の状況になりました。

その震災で、避難所や病院における通信の確保に大活躍したのが衛星通信でした。平時から要所に衛星通信の設備を備えておくことは、災害対策のみならず安全保障の観点からも重要です。

2022年4月11日 7:45』

ウクライナ難民、メキシコ経由で米国へ 国境ルポ

ウクライナ難民、メキシコ経由で米国へ 国境ルポ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05CYR0V00C22A4000000/

『ロシアによるウクライナ侵攻を受け、メキシコを経由して米国をめざすウクライナ難民が急増している。査証(ビザ)の取得が必要ないメキシコに一度入り、そこから陸路で米国をめざす。陸続きではない欧州からあえてメキシコを通る新たな移民の流れが生まれている。ウクライナ難民の歩みを追った。

「最後の入国審査だ。僕とハグしよう」。4月上旬の米カリフォルニア州サンイシドロの国境検問所。米国で建設会社を営むオレクシー・イエルメン(46)さんはメキシコとの国境の建物の出口で、入国するウクライナ難民にこう話しかけていた。子供と出てきた女性はイエルメンさんとハグすると、ほっとした表情で目に涙を浮かべた。

ウズベキスタン出身のイエルメンさんにはウクライナ人の妻がいる。自分の家族を出迎えた後、検問所の出口に残って難民の支援を続けた。赤いテープで「USA」という文字を書き、国境を模した線を引いた。本来の国境ではないが、緊張した表情で出てくる難民たちに、目的地にたどり着いた実感をかみしめてもらうための演出だ。
ティフアナのスポーツ施設では米国入りを待つウクライナ難民が寝泊まりしている

国境の反対側ではウクライナ難民が米国への入国許可を待つ。メキシコ北西部のティフアナにあるスポーツ施設。体育館の中にマットレスが敷き詰められ、屋内に入りきらないベッドが外のバスケットコートに並ぶ。屋外にあるテントでは支援団体が寄付したスイカやバナナ、サンドイッチなどが配られていた。

米国に入国するにはティフアナで2~5日待つ必要がある。自分の順番になるとバスで国境検問所まで連れて行ってもらい、2~3時間の審査を経てようやく米国に入国できる流れだ。このスポーツ施設では600~700人のウクライナ難民が自分の順番が呼ばれるのを待っていた。
ウクライナ難民が滞在するティフアナのスポーツ施設では食事が用意されている

大学生のジュリア・クラウチュタさん(21)もその一人だ。2月に母親とスペイン旅行に出発すると、5日後にロシアがウクライナに侵攻。攻撃を受けた地元の南東部マリウポリに帰れなくなった。そのままスペインに1カ月滞在した後、南米コロンビアを経てメキシコに移動した。所持品は小さなバッグと数枚のシャツ、2本のジーンズだけだ。

今年大学を卒業して教師として働くはずだったクラウチュタさんの人生計画は白紙になった。地元マリウポリの友人とは今でも連絡がとれておらず、「生きているのかもわからない」と不安げな表情を浮かべる。ウクライナ難民が米国に滞在できるのは現時点では1年間。「これからの計画は何もない。状況次第です」と話す。

ウクライナ難民が滞在するスポーツ施設に到着した枕や布団を運び込む男性たち

ウクライナ人が欧州から米国に直接渡航するにはビザが必要だ。キーウ(キエフ)出身の弁護士イホル・テラフスカさん(28)が欧州で米国への入国手続きを申し込むと、「5月までアポイントは取れない」と言われた。「そこまで待てない」。テラフスカさんのように米国に友人や親族がいるウクライナ人はより短時間で入国できる方法を探った。

そこでビザなしで入国できる経由地として注目されたのがメキシコだ。米メキシコの国境にたどり着けば、その場で難民申請をして数日間で入国できる。メキシコ移民庁によると、1~2月にはメキシコに空路で入国したウクライナ人が約1万人と20年の同じ時期に比べて2倍に増えた。

ウクライナ難民の情報源はSNS(交流サイト)だ。テラフスカさんは侵攻が始まると妻と2歳の子供を連れてウクライナからポーランドに出国し、スペインを経てメキシコ南東部カンクンに到着。そこからティフアナまで移動した。テラフスカさんは「(SNSの)テレグラムに移動経路に関する情報があふれている」と話す。

ティフアナの空港で米国に避難するウクライナ人の親戚を待つ男性

ウクライナ難民と同様にメキシコへの入国が増えているのがロシア人だ。メキシコ移民庁によると、ロシア人の入国は1~2月に約3万人と20年の同じ時期と比べて6割近く増えた。ただティフアナでは政府当局者や支援団体の関係者が「ロシア人の移民はどこにいるのかわからない」と口をそろえる。

背景には、侵攻に反対して母国を去ったロシア人に対する支援の遅れがある。ロシア出身で、キリスト教の団体でウクライナ難民を支援するヴァシーリー・ティシチェンコ氏は「ロシア人は難民ではなく政治亡命の申請をする必要があり、ウクライナ人よりもメキシコで長い時間待たされる。ロシア人にも避難施設が必要だ」と訴える。

メキシコとの国境を通過して米国に入国したウクライナ人の家族

バイデン米政権は最大10万人のウクライナ難民を受け入れる方針を掲げる。今後もウクライナから米国をめざす難民は増える見通しだ。ただ難民たちの心の傷が癒えるのには時間がかかり、入国後の支援も欠かせない。

キーウ近郊の出身で、米メキシコ国境を越えてからひと晩を過ごしたルドミラ・チュバデンコさん(37)はこう話す。「米国はとても平和で平穏を感じられる。だけど今でも時々、爆撃を警告するサイレンのような空耳が聞こえる。そのときにもう地下に逃げ込む必要がないと気づくの」

(メキシコ北西部ティフアナで、清水孝輔)

【関連記事】
・「ウクライナ難民、官民で支援」メキシコ移民担当官
・米、不法移民の即時送還を廃止へ 越境者急増に懸念も
・米から越境給油も メキシコの減税でガソリン価格差拡大
・ハイチ移民も米国を目指す 出身国多様に、摘発数は3倍 』

インターネット分断とは ウクライナ侵攻で閉じる世界

インターネット分断とは ウクライナ侵攻で閉じる世界
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0543R0V00C22A4000000/

 ※ なるほど、「インターネットの回線」を物理的に「破壊」しなくても、「論理的に」「接続させない」という手法は、あるわけだ…。

 ※ そして、そういう「現象」の「観測」は、「通常のインターネットの”トラフィック”」とは異なる、異常な「トラフィック」を検出・観測することで「判明」するわけだ…。

 ※ 『世界規模で広帯域のバックボーン(基幹回線)を保有する「ティア1(最上位)」プロバイダーのNTTコミュニケーションズでインターネット/ネットワーク分野のエバンジェリストを務める吉田友哉氏は、「今回の問題に関係なく一般論でいえば、 ルーターのインターフェースをシャットダウンするといった物理的な方法はもちろん、論理的な(インターネット遮断の)手法もいくつか存在する」と指摘する。』…。

 ※ 『一例が、ISPなど大規模ネットワーク間で経路情報をやり取りするためのルーティング・プロトコル「BGP(Border Gateway Protocolボーダー・ゲートウエー・プロトコル)」に細工を施す「経路ハイジャック」あるいは「BGPハイジャック」と呼ばれる手法だ。

インターネット上では経路情報をやり取りする大規模ネットワークを「AS(オートノマス・システム)」という単位で管理する。AS間ではBGPを使って「どのASの先にどんなIPアドレスのネットワークがあるか」といった経路情報を交換している。

どこか1カ所の経路情報が変わると、変更内容は世界中のルーターに自動的に伝わっていく。このBGPを使って偽の経路情報を流し、エンドユーザーの国外への通信を国内に誘導してしまう。』…。

 ※ 『国内ISPの間では「ドメイン名」を乗っ取る方法もあり得るのではないか、と指摘する声がある。これは、ドメイン名とIPアドレスをひも付ける「DNSレコード」を改ざんし、通信を遮断したいウェブサーバーにアクセスするユーザーを別のウェブサーバーに誘導するというものだ。

ユーザーはウェブページを開くとき、ウェブブラウザーにURLを入力するなどして、接続先のサーバーを指定する。この際、URLに含まれるドメイン名からウェブサーバーのIPアドレスをDNSサーバーに問い合わせる。DNSサーバーに登録されたDNSレコードを改ざんすると、ユーザーは知らぬ間に本来と異なるサーバーに誘導されてしまう。

さらに過去の事例からは、時間をかければ政府が「力業」で国・地域のインターネット通信全体を制御できてしまう、という事実も浮かび上がる。』…。

『ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、世界共通のコミュニケーション基盤とされてきたインターネットの存在意義を揺るがす事態が相次いでいる。国内の情報統制を進めるロシアは3月4日、米メタのフェイスブックへの接続を停止すると発表。その他のSNS(交流サイト)についてもアクセス制限を強めているもようだ。

それだけではない。インターネット接続事業者(ISP)同士で通信トラフィックそのものを止める動きもある。

インターネットイニシアティブ(IIJ)の研究機関であるIIJ技術研究所の観測によれば、米コージェント・コミュニケーションズとロシアのトランステレコムとの間で3月4日ごろ、インターネット接続が遮断されたとみられる。同時間帯に、コージェントとロシアの携帯電話事業者との通信も遮断されたことが分かっている。
IIJ技術研究所「Internet Health Report」の観測によると、3月4日に米コージェント・コミュニケーションズとロシアのトランステレコムのネットワーク依存性がゼロになった。これは両社のネット接続が論理的に切断されたことを意味するという(画像出所:IIJ技術研究所)

こうした動きがロシア・ウクライナ問題の長期化によって広がれば、より大規模なインターネットの「分断」も現実味を帯びてくる。膨大な数のネットワークが国・地域の壁を越えてつながり合う自律分散型のインターネットにおいて、分断はどのように起こる可能性があるのだろうか。

2008年には「BGPハイジャック」も

世界規模で広帯域のバックボーン(基幹回線)を保有する「ティア1(最上位)」プロバイダーのNTTコミュニケーションズでインターネット/ネットワーク分野のエバンジェリストを務める吉田友哉氏は、「今回の問題に関係なく一般論でいえば、 ルーターのインターフェースをシャットダウンするといった物理的な方法はもちろん、論理的な(インターネット遮断の)手法もいくつか存在する」と指摘する。

一例が、ISPなど大規模ネットワーク間で経路情報をやり取りするためのルーティング・プロトコル「BGP(Border Gateway Protocolボーダー・ゲートウエー・プロトコル)」に細工を施す「経路ハイジャック」あるいは「BGPハイジャック」と呼ばれる手法だ。

インターネット上では経路情報をやり取りする大規模ネットワークを「AS(オートノマス・システム)」という単位で管理する。AS間ではBGPを使って「どのASの先にどんなIPアドレスのネットワークがあるか」といった経路情報を交換している。

どこか1カ所の経路情報が変わると、変更内容は世界中のルーターに自動的に伝わっていく。このBGPを使って偽の経路情報を流し、エンドユーザーの国外への通信を国内に誘導してしまう。

実際、自国からインターネット上にあるアプリケーションの利用を止めるためにBGPハイジャックが用いられたケースがある。2008年2月、パキスタンの通信事業者が国内から動画投稿サイト「ユーチューブ」へのアクセスを止めるために「ユーチューブのネットワークが自社のAS内にある」と偽の経路情報を国内ネットワークに流した。

ただし、このとき本来ならパキスタン国内だけに流すはずだった偽の経路情報を、設定ミスで広くインターネットに流通させてしまった。

これにより、経路情報を信用した世界中のルーターが「ユーチューブのネットワークはパキスタン・テレコミュニケーションのAS内にある」と勘違いした。各国のユーチューブ宛てトラフィックがパキスタン側に流れ込み、およそ2時間超の間、ユーチューブにアクセスできなくなった経緯がある。

クリミア侵攻でもトラフィックに変化

国内ISPの間では「ドメイン名」を乗っ取る方法もあり得るのではないか、と指摘する声がある。これは、ドメイン名とIPアドレスをひも付ける「DNSレコード」を改ざんし、通信を遮断したいウェブサーバーにアクセスするユーザーを別のウェブサーバーに誘導するというものだ。

ユーザーはウェブページを開くとき、ウェブブラウザーにURLを入力するなどして、接続先のサーバーを指定する。この際、URLに含まれるドメイン名からウェブサーバーのIPアドレスをDNSサーバーに問い合わせる。DNSサーバーに登録されたDNSレコードを改ざんすると、ユーザーは知らぬ間に本来と異なるサーバーに誘導されてしまう。

さらに過去の事例からは、時間をかければ政府が「力業」で国・地域のインターネット通信全体を制御できてしまう、という事実も浮かび上がる。

IIJ技術研究所のロマン・フォンテュニュ主幹研究員が20年に公表した研究成果によれば、クリミア半島の地域通信会社のインターネット接続環境は14年時点では、基本的にウクライナの大規模ISPに依存しつつロシアともつながる形だった。ところが同年のロシアによるクリミア侵攻をきっかけにウクライナへの依存度は段階的に下がり、17年時点ではロシアの特定のISP経由で通信するようになった。

インターネットの分断は技術的にみれば様々な形で起こり得る、というわけだ。

(日経クロステック/日経コンピュータ 高槻芳)

[日経クロステック2022年4月5日付の記事を再構成]』

南アジア「三重苦」で政情不安 経常赤字・コロナ・物価

南アジア「三重苦」で政情不安 経常赤字・コロナ・物価
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1143I0R10C22A4000000/

 ※ 『南アジアの政情不安が深刻だ。パキスタンではカーン首相が不信任案可決で10日に失職し、スリランカでもラジャパクサ大統領に辞任を求める抗議運動が続く。両国とも慢性的な経常赤字に、新型コロナウイルス禍に伴う経済停滞、ウクライナ危機による商品価格の高騰が重なる「三重苦」に見舞われた。中国とインドがどう影響力拡大を図るかも焦点となる。』…。

 ※ 『パキスタンとスリランカは天然資源に恵まれず、有力な輸出産業にも乏しい。原油や食料価格の高騰と国内経済の低迷が重なると、インフレ・通貨安と外貨準備急減が進むなど不安定な経済構造を抱える。』…。

 ※ 『カーン氏は国際通貨基金(IMF)からの支援継続のため、財政再建を図ってきた。ガス料金の引き上げに踏み切る一方、広域経済圏構想「一帯一路」を進める中国からの投資で経済再建をめざしていた。

ただ、中国資本によるインフラ整備はコロナ禍もあって停滞、緊縮財政に対する国民の不満を抑えられなくなっていた。』…。

 ※ 『経済危機と政情不安に揺れる両国に対し、南アジアの盟主を自任するインドと、同地域で影響力拡大を狙う中国が、支援合戦を繰り広げている。

21年4月末時点でスリランカの対外債務は中国向けが10%、インド向けが2%を占める。インドのジャイシャンカル外相は3月下旬、スリランカを訪れ、ラジャパクサ氏と会談した。

インドは22年に25億ドル規模の金融支援を続けることを約束した。スリランカ東部での電力開発や学校へのソフトウエア供給でも合意した。ラジャパクサ氏は親中派とみられてきたが、インドは危機下で積極的に援助する姿勢を示す。

一方、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も3月下旬にパキスタン、アフガニスタン、インド、ネパールを歴訪した。インドと敵対するパキスタンでは首相失職前のカーン氏と会談。王氏は「経済開発や安全保障で連携を強めたい」と語り、支援を申し出た。中国はスリランカへの食料支援にも動いている。』…。

『【ニューデリー=馬場燃、ムンバイ=花田亮輔】南アジアの政情不安が深刻だ。パキスタンではカーン首相が不信任案可決で10日に失職し、スリランカでもラジャパクサ大統領に辞任を求める抗議運動が続く。両国とも慢性的な経常赤字に、新型コロナウイルス禍に伴う経済停滞、ウクライナ危機による商品価格の高騰が重なる「三重苦」に見舞われた。中国とインドがどう影響力拡大を図るかも焦点となる。

【関連記事】パキスタン新首相にシャリフ氏 政情混乱の恐れ

パキスタンとスリランカは天然資源に恵まれず、有力な輸出産業にも乏しい。原油や食料価格の高騰と国内経済の低迷が重なると、インフレ・通貨安と外貨準備急減が進むなど不安定な経済構造を抱える。

カーン氏は国際通貨基金(IMF)からの支援継続のため、財政再建を図ってきた。ガス料金の引き上げに踏み切る一方、広域経済圏構想「一帯一路」を進める中国からの投資で経済再建をめざしていた。

ただ、中国資本によるインフラ整備はコロナ禍もあって停滞、緊縮財政に対する国民の不満を抑えられなくなっていた。

スリランカは国内総生産(GDP)の約1割を観光関連が占めるが、コロナ禍で入国規制を強化したため、外国人観光客数がコロナ前に比べ9割も減った。7月には10億ドル(約1250億円)の国債償還を控える。アリ・サブリ財務相は9日、今後半年で30億ドルの支援が必要だとロイター通信に語った。

経済危機と政情不安に揺れる両国に対し、南アジアの盟主を自任するインドと、同地域で影響力拡大を狙う中国が、支援合戦を繰り広げている。

21年4月末時点でスリランカの対外債務は中国向けが10%、インド向けが2%を占める。インドのジャイシャンカル外相は3月下旬、スリランカを訪れ、ラジャパクサ氏と会談した。

インドは22年に25億ドル規模の金融支援を続けることを約束した。スリランカ東部での電力開発や学校へのソフトウエア供給でも合意した。ラジャパクサ氏は親中派とみられてきたが、インドは危機下で積極的に援助する姿勢を示す。

一方、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も3月下旬にパキスタン、アフガニスタン、インド、ネパールを歴訪した。インドと敵対するパキスタンでは首相失職前のカーン氏と会談。王氏は「経済開発や安全保障で連携を強めたい」と語り、支援を申し出た。中国はスリランカへの食料支援にも動いている。』

パキスタン新首相にシャリフ氏 政情混乱の恐れ

パキスタン新首相にシャリフ氏 政情混乱の恐れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB103HG0Q2A410C2000000/

 ※ 『新首相の選出はカーン前首相の不信任案可決を受けて実施された。カーン氏率いるパキスタン正義運動(PTI)側からの造反議員とPML-Nなど野党勢力が同氏の不信任案に半数を超える174の賛成票を投じ、10日未明にカーン氏は失職した。』…。

 ※ 『シャリフ氏は、最大州パンジャブ州の州首相などを務め、中国の「一帯一路」の一部でもあるインフラ事業「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」を推進した。兄ナワズ氏が2017年に資産隠しで首相を退いた後、PML-Nを率いてきた。地方で政治実績を重ねてきた手腕が買われている。』…。

 ※ 『カーン前政権が外交断絶した米国やインドとの関係修復や、ロシア、中国との距離の取り方も難題だ。カーン氏はロシアがウクライナを侵攻した直後にプーチン大統領と会談し、国際社会の批判を浴びた。

パキスタンは核保有国であり、過去にはインドと戦火を交えた。パキスタンの政情が不安定になれば、南アジア域内の安全保障に影響が及びかねない。足元では隣国アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバンとの関係が悪化しているとの見方もある。パキスタンで政情が混迷すれば、アフガン発のテロが世界に拡散するリスクもある。』…。

『【ニューデリー=馬場燃】パキスタンの下院は11日、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)の党首シャバズ・シャリフ氏を新しい首相に選出した。ナワズ・シャリフ元首相の弟にあたり、カーン前首相を不信任案可決で失職に追い込んだ野党勢力をまとめあげた。新首相はインフレ鎮静化や前政権の外交失策の挽回といった難題に直面することになる。安定的な政権運営ができるかは不透明で、パキスタンの政情は混乱する恐れがある。

【関連記事】南アジア「三重苦」で政情不安 経常赤字・コロナ・物価

パキスタンでは下院(定数342議席)が首相を選ぶ。シャリフ氏は議員投票で過半数ライン(172議席)を上回る174票を獲得した。シャリフ氏は選出後に「パキスタンにとって偉大な日になった。パキスタンの状況は悪いが我々が改善させる」と強調した。PTIからはカーン前政権で外相を務めたクレシ氏が立候補したが、投票直前に同氏とPTIは決議をボイコットした。

新首相の選出はカーン前首相の不信任案可決を受けて実施された。カーン氏率いるパキスタン正義運動(PTI)側からの造反議員とPML-Nなど野党勢力が同氏の不信任案に半数を超える174の賛成票を投じ、10日未明にカーン氏は失職した。

シャリフ氏は、最大州パンジャブ州の州首相などを務め、中国の「一帯一路」の一部でもあるインフラ事業「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」を推進した。兄ナワズ氏が2017年に資産隠しで首相を退いた後、PML-Nを率いてきた。地方で政治実績を重ねてきた手腕が買われている。

だが新首相の課題は山積している。カーン氏を追い込むために連携してきた野党勢力が、新政権でも連立を組んで政策協調できるかは判然としない。球技クリケットのスター選手だったカーン氏は依然として国民の人気が高く、今後も政治的な影響力を行使する可能性がある。

安定した政権運営のためには、国内で強い政治力を持つ軍との友好関係の構築が焦点になる。過去に任期5年を全うできたパキスタン首相はいない。シャリフ氏はカーン氏への不信任投票が延期された際に軍に協力を求めており、今後も関係強化を探るとみられる。

経済と外交の立て直しも急務だ。パキスタンの消費者物価は3月に前年同月比13%上昇した。ロシアのウクライナ侵攻で国内のエネルギー価格は一段と上がり、国民はインフレに苦しむ。

カーン前政権が外交断絶した米国やインドとの関係修復や、ロシア、中国との距離の取り方も難題だ。カーン氏はロシアがウクライナを侵攻した直後にプーチン大統領と会談し、国際社会の批判を浴びた。

パキスタンは核保有国であり、過去にはインドと戦火を交えた。パキスタンの政情が不安定になれば、南アジア域内の安全保障に影響が及びかねない。足元では隣国アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバンとの関係が悪化しているとの見方もある。パキスタンで政情が混迷すれば、アフガン発のテロが世界に拡散するリスクもある。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/Pakistan-s-Shehbaz-Sharif-elected-PM-as-Khan-s-party-boycotts-vote?n_cid=DSBNNAR 』

米大統領、ロシア産エネルギー輸入増反対 インド首相に

米大統領、ロシア産エネルギー輸入増反対 インド首相に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11CQY0R10C22A4000000/

 ※ 『米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は11日の記者会見で、バイデン氏がモディ氏に「ロシアからの石油輸入を増やすことはインドの利益にならない」と伝達したと明らかにした。

サキ氏によると、インドの原油輸入に占める割合は米国産が10%、ロシア産が1~2%ほど。バイデン氏は米欧による対ロシア制裁の影響を説明し「インドの石油輸入の多様化を喜んで支援する」と明言した。』…。

 ※ 『米ホワイトハウスは11日、米印首脳によるオンライン協議後に声明を発表した。技術・軍事協力や経済・人的交流の拡大などで両国関係を強化すると確認した。中国に対抗するため、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を継続すると申し合わせた。地域の全ての国の主権と領土の一体性を尊重することでも合意した。

米国とインドは11日、ワシントンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を対面で開く。両国の防衛協力を強化し、米国は歴史的に結びつきが深いインドとロシアとの関係にくさびを打つ狙いだ。』…。

『【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は11日、インドのモディ首相とオンラインで協議した。バイデン氏はインドによるロシア産のエネルギー輸入を増加させることに反対する意向を伝えた。日米豪印の「Quad(クアッド)」の対面による首脳会合を5月24日ごろに日本で開催するとの見通しを示した。

バイデン氏は協議の冒頭、モディ氏に「米国とインドがロシアの戦争による影響をどう管理していくかについて緊密な協議を続けたい」と述べた。「5月24ごろに日本で会うのを楽しみにしている」と表明した。実現すればバイデン氏にとって大統領就任後、初来日になる。

米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は11日の記者会見で、バイデン氏がモディ氏に「ロシアからの石油輸入を増やすことはインドの利益にならない」と伝達したと明らかにした。

サキ氏によると、インドの原油輸入に占める割合は米国産が10%、ロシア産が1~2%ほど。バイデン氏は米欧による対ロシア制裁の影響を説明し「インドの石油輸入の多様化を喜んで支援する」と明言した。

米欧はウクライナに侵攻したロシアへの制裁の一環としてエネルギー輸入を大幅に減らす方針を打ち出し、ロシアはインドに低価格で原油を購入するよう打診した。ロイター通信によると、2月末のウクライナ侵攻以降、インドは少なくとも1300万バレルの原油を購入。価格引き下げを受けて輸入量を増やしたもようだ。

モディ氏はウクライナの首都キーフ(キエフ)近郊のブチャなどで多数の市民がロシア軍に殺害されたことに触れ「憂慮している」と話した。「この殺害を非難し、独立した調査を要求している」と強調した。

ロシアのプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と個別に電話した際に、両大統領が直接会談するよう提案したと明らかにした。「現在のロシアとウクライナによる話し合いが和平につながると期待する」と訴えた。

米ホワイトハウスは11日、米印首脳によるオンライン協議後に声明を発表した。技術・軍事協力や経済・人的交流の拡大などで両国関係を強化すると確認した。中国に対抗するため、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を継続すると申し合わせた。地域の全ての国の主権と領土の一体性を尊重することでも合意した。

米国とインドは11日、ワシントンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を対面で開く。両国の防衛協力を強化し、米国は歴史的に結びつきが深いインドとロシアとの関係にくさびを打つ狙いだ。

【関連記事】クアッド首脳会合、5月24日ごろ バイデン氏初来日へ

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Biden-to-Modi-Importing-more-Russian-oil-not-in-India-s-interest?n_cid=DSBNNAR 』