ロシア外相、停戦案拒否 ウクライナ東部で攻撃継続

ロシア外相、停戦案拒否 ウクライナ東部で攻撃継続
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB077GD0X00C22A4000000/

『ロシアのラブロフ外相は7日、ウクライナ側から停戦合意案を受け取ったと明かしたうえで、ロシア側の要求が盛り込まれていないと拒否する考えを示した。ロシアの複数の通信社が伝えた。

ラブロフ氏は6日にウクライナから停戦合意案を受け取ったという。ただ3月29日にトルコの最大都市イスタンブールで開いたロシアとウクライナの停戦協議から「明らかに後退した内容だ」として拒否する考えを示した。

ラブロフ氏によれば、ウクライナの安全を多国間で保証する枠組みについて同国案には、クリミア半島を適用外にする項目が省かれたという。ウクライナで軍事演習を実施する際にロシアの同意が必要とする、ロシア側が求めた項目も盛り込まれなかったと主張した。
一方、ウクライナ大統領報道官は、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長とウクライナのゼレンスキー大統領が8日に首都キーウ(キエフ)で会談すると明らかにした。1日には欧州議会のメツォラ議長が来訪するなど、欧州要人のキーウ入りが続いている。

ロシア軍はウクライナの東部・南部で激しい攻撃を続けている。南東部マリウポリのボイチェンコ市長は6日、侵攻開始以来、同市での民間人死者数が累計5000人を超えたと明らかにした。

ロシアは2014年に一方的に併合したクリミア半島とロシア領をつなぐ回廊を築くため、東部と南部の結節点であるマリウポリの攻略を狙い攻撃し続けている。

ドネツク州のキリレンコ知事のSNS(交流サイト)投稿によると、6日から7日早朝にロシア軍の攻撃により少なくとも5人の民間人が同州で死亡した。ベレシチューク副首相は6日、親ロ派が9割以上を実効支配するルガンスク州、5割以上を支配下におくドネツク州など東部地域の住民に即時退避を要請した。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

ラブロフ外相が言う通り、ウクライナが今回提示したのは3月29日の停戦協議時点の停戦合意案から「明らかに後退した内容」だったのだろう。

ブシャで明らかになり、他の都市でもより大きな規模で明らかになりつつあるロシア軍の民間人虐殺は、早期停戦合意を目指していたゼレンスキー大統領の姿勢を硬化させた可能性が高い。自国民に対して行われた戦争犯罪の真相究明・懲罰がまず必要であり、犯罪者と合意して握手するわけにはいかないということである。

仮に、ここで何らかの停戦合意案が交渉者間で出来上がるとしても、ウクライナで国民投票にかける必要があると、ゼレンスキー大統領は明言している。ロシアに甘い内容なら、反対多数だろう。

2022年4月8日 12:17』