スリランカ、中国主導の「特区」に託す経済再建の希望

スリランカ、中国主導の「特区」に託す経済再建の希望
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『【コロンボ=マルワーン・マカンマルカール】スリランカの最大都市コロンボ沖の「人工島」で、中国の支援を受けた経済特区の整備が進んでいる。特区では外貨による投資を可能にする方針で、スリランカ側は中東やアジアからの資金流入を期待する。だが、同国経済は外貨不足で危機に陥り、世界での信用が低下している。

特区は中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」の一環だ。14億ドル(約1700億円)を投入する。埋め立て地である人工島の計画は2014年、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席のスリランカ訪問で始まった。

特区が置かれる人工島「ポート・シティ・コロンボ」がスリランカ経済にとって希望の光になると、同国政府は期待する。人工島に建設される「コロンボ国際金融センター」は、金融機関が集積する近隣のシンガポール、ムンバイ、ドバイなどの「隙間」を埋める役割を目指しているようだ。

人工島への投資を審査するコロンボ・ポート・シティ経済委員会の幹部は様々な香港企業からの問い合わせに対応している。業種は銀行、金融サービス、物流、商社など幅広い。香港に対して中国本土から強まる、政治や法による圧力を逃れようという動機が背景にある。
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相(前列右)と並んで歩くスリランカのラジャパクサ大統領(1月、コロンボ)=ロイター

人工島プロジェクトは中国系企業が主導し、スリランカ最大規模の複合企業であるLOLCホールディングスも参入している。

20年後の完成時には高級ホテル、高層住宅が建ち並び、外国人を含む8万人が居住すると想定されている。総投資額は150億ドルで、外国直接投資(FDI)の受け入れ額ではスリランカで最大規模の案件になると見込まれる。

カギを握るのは特区において米ドルなど外貨での投資を許す新たな銀行規則だ。プロジェクトに関わる中国系企業の幹部は、規則が「6月にも準備されるとみている」と指摘する。外資にとっては大きな魅力になり得る。

大きなリスクになるのは、スリランカの経済や政治が安定しないことだ。

スリランカは外貨不足で燃料をはじめとする生活必需品を十分に輸入できず、品不足と価格高騰で市民生活が混乱している。電力不足で計画停電も絶えない。

ラジャパクサ大統領は1日、非常事態を宣言したが、街頭での抗議活動は収まらず、大半の閣僚の辞任が決まった。5日には前日、財務相に任命されたばかりのアリ・サブリ氏が辞任した。

スリランカの投資銀行幹部は、同国が外資を誘致するには「マクロ経済の基礎的要因を安定させることが先決だ」と指摘している。
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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Sri-Lanka-s-China-built-isle-beckons-as-economy-sinks/?n_cid=DSBNNAR 』