レンドリース法

レンドリース法
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 ※ 今日は、こんなところで…。

『レンドリース法(レンドリースほう、英語: Lend-Lease Acts)、または武器貸与法(ぶきたいよほう)は、アメリカ合衆国が1941年から1945年にかけて、イギリス、ソビエト連邦(ソ連)、中華民国(中国)、フランスやその他の連合国に対して、イギリスの場合はニューファンドランド、バミューダ諸島、イギリス領西インド諸島の基地を提供することと引き換えに、膨大な量の軍需物資を供給するプログラムのことである。

1939年9月の第二次世界大戦勃発から18ヵ月後の1941年3月から開始された。総額501億USドル(2007年の価値に換算してほぼ7,000億ドル)の物資が供給され、そのうち314億ドルがイギリスへ、113億ドルがソビエト連邦へ、32億ドルがフランスへ、16億ドルが中国へ提供された。

逆レンドリース(Reverse Lend Lease)は、航空基地を提供するなど、アメリカに対するサービスで構成されている。額にして78億ドル相当で、そのうち68億ドルはイギリスとイギリス連邦諸国によって提供された。これとは別に、返却と破壊に関して規定する協定により、プログラム終了日までに到着した物資については返済は行われなかった。終了日以降の物資については、イギリスに対して割引価格の10億7500万ポンドで、アメリカからの長期融資により売却された。カナダも同様のプログラムで47億ドル相当の物資をイギリスとソビエト連邦に提供したが、代金は支払われなかった[1]。 』

『政治的背景

レンドリース法の法案は、1935年に成立した中立法などによるアメリカの孤立主義やアメリカ合衆国の非介入主義(英語版)にそぐわないものであり、ジャネット・ランキン議員などの反対派もいた。

しかし、レンドリースのプログラムは、1941年3月11日のレンドリース法成立によって始まった。この法律はアメリカ合衆国大統領に対して、「その国の防衛が合衆国の防衛にとって重要であると大統領が考えるような国に対して、あらゆる軍需物資を、売却し、譲渡し、交換し、貸与し、賃貸し、あるいは処分する」ことを認めるものであった。4月にはこの政策が中国にも適用された[2]。ルーズベルト大統領は、1941年10月終わりにイギリスに対する10億ドル相当のレンドリース援助を承認した。

それ以前に、異なるプログラムとして駆逐艦・基地協定(Destroyers for Bases Agreement)が1940年に実施されていた。これは、アメリカにカリブ海とニューファンドランド島の基地使用権を認めることと引き換えに、アメリカ海軍の50隻の駆逐艦をイギリス海軍とカナダ海軍に提供するものである[注 1]。12月28日にはルーズベルト大統領が炉辺談話で「民主主義の兵器廠」(en:Arsenal of Democracy)発言を行い、連合国への支援意図を強調した。

当時の共和党下院議員のエヴァレット・ダークセンは、民主党議員65人が昼食に出かけている間に決議案を提出することで、レンドリース法案の修正案の通過を確実にすることができた。このため第(3)(c)節は「1943年6月30日までに(a)節で規定された『合衆国の防衛に寄与する』という部分がもう必要ないという両院一致決議が通過した後は、大統領または各省庁の長官は(a)節の規定を実施する必要は無い」と規定していた[3]。 』

『実施

フランクリン・ルーズベルトは、1941年にレンドリース管理局(the Office of Lend-Lease Administration)を設置し、製鉄企業のトップであったエドワード・ステティニアスを長官に指名した。ステティニアスは1943年9月に国務次官に就任し、銀行家のレオ・T・クローリー(Leo T. Crowley)が管理局長に就任し、続いてクローリーが長官を務める外国経済局(Foreign Economic Administration)の一部となった。

ソ連に対するレンドリース援助は通常ステティニアスにより管理されていた。ハリー・ホプキンス(Harry Hopkins)とジョン・ヨーク将軍に指揮されていたルーズベルト政権のソビエト外交委員会(Soviet Protocol Committee)は、「無条件の援助」の条項を実施することに好意的であった。1943年までは、ソ連に対する援助に反対するアメリカ人はほとんどいなかった[4]。 』

『重要性

1938年から1945年までの連合国と枢軸国の国内総生産の比率

レンドリースは第二次世界大戦において、特にアメリカ合衆国が直接参戦せず戦争の重荷が他の諸国、イギリス連邦諸国や1941年6月以降のソビエト連邦に全て掛かっていた初期には、連合国が最終的に勝利する上で重要な要素となった。アメリカは1940年から両洋艦隊法を実施し、大軍拡を行っていたが、1941年12月の真珠湾攻撃と枢軸国による宣戦布告により、大戦に参戦することになっても、新兵を募集し、訓練し、装備を整えて前線へ送り出すという作業はすぐには実施できなかった。1942年を通じて、そして1943年には少し程度が低くなるが、他の連合国諸国が戦闘の正面に立ち続け、レンドリースによる軍需物資が勝利に重要な貢献をした。1943年から1944年にかけて、イギリスの使用した弾薬の4分の1はレンドリースによるものであった。イギリスに対する援助物資のおよそ4分の1が航空機(特に輸送機)で、続いて食糧、車輌、船舶の順であった。

ヨーロッパおよび太平洋におけるアメリカ軍が勢ぞろいし始めた1943年から1944年以降であっても、レンドリースは継続された。この時期になると、主要な交戦国は前線で使われる戦闘機や戦車のような兵器についてはかなりの部分自給できていたが、このような直接戦闘用の兵器に関してもレンドリースは有用な支援をし、さらにレンドリースによる兵站支援、トラック、ジープ、上陸用舟艇、そして特にダグラスC-47輸送機[要出典]は大きな貢献をした。アイゼンハワーは「二次大戦の勝利に貢献した四つの兵器はバズーカ、ジープ、原子爆弾、C-47である(Four things won the Second World War—the bazooka, the Jeep, the atom bomb, and the C–47 Gooney Bird.)」と評した。

援助については、戦争がもたらした経済のゆがみを考慮するとよく理解できる。多くの交戦国は戦争に本質的ではない物資の生産をかなり削減し、兵器の生産に集中した。これは必然的に軍および軍需・産業経済の一部にとって必要とされる関連した製品の不足を招いた。

例えば、ソ連は鉄道輸送に強く依存していたが、兵器生産に必死であったため、戦争の全期間を通じてたったの92両の機関車しか生産できなかった。この点で、アメリカの支援した1,981両の機関車の意味が理解できる。同様に、ソビエト空軍は18,700機の航空機を受け取り、これはソビエトの航空機生産の14 %、軍用機の19 % を占めた[5]。

赤軍の戦車のほとんどはソ連製であったが、アメリカからM3軽戦車、M3中戦車、M10駆逐戦車などが貸与され、特にM4中戦車はその性能と信頼性の高さからエリート部隊である親衛戦車師団(機甲師団)に優先配備された。イギリス(一部カナダ製)からはバレンタイン歩兵戦車、マチルダ歩兵戦車、チャーチル歩兵戦車などが貸与され、特にイランルートで送られて来たものは、自国製戦車の補給が滞った1942年の東部戦線南部で貴重な戦力となった。兵站も何十万両ものアメリカ製トラックによって支援されており、1945年の時点で赤軍に配備されたトラックの、ほぼ3分の2はアメリカ製であった。ジープやダッジ 3/4 トントラック(WC シリーズ)、スチュードベーカー 2.5 トントラックは、独ソ戦において両陣営が使用した同クラスの輸送車輌の中では、最良といえるものであった[6]。また電話線、アルミニウム、缶詰(SPAMやポークビーンズ)、毛皮のブーツなども同様に重要で、特に後者の供給はモスクワの冬期防衛にとって重要な利点となった。

なおレンドリースで供給された兵器は生産性向上とコスト削減のためにアメリカ本国仕様よりもデチューン(性能低下や簡略化)された物が多い。例えばM2/M3ハーフトラックはレンドリース用に装甲板の材質を落として構造を簡素化した仕様の M5 / M9 が製造され、M4中戦車もエンジンの評判の良かったA3型はアメリカ陸軍に優先供給して他のタイプがレンドリースに回されたが、それでも当時のアメリカの優れた工業生産技術により他連合国の同種兵器に比べて遙かに信頼性が高く、おおむね高評価を得ていた。しかしP-38戦闘機のように、ターボチャージャーを廃止するなどのデチューンによる性能低下が著しく、不採用となった兵器もある。

レンドリースは、特にヨーロッパ戦線においてアメリカに参戦をもたらす重要な一因となった。ドイツがアメリカに対して1941年12月11日に宣戦布告するに際して、ヒトラーはレンドリースプログラムとそれが連合国の戦争を支援する重要性について言及している。 』

『返済(※ 省略)』

『語録(※ 省略)』

『ソ連に対する援助物資

1945年ワルシャワにて、レンドリースプログラムの一環としてポーランド軍が使用しているジープ

アメリカの対ソ連援助は以下の5つの期間に分けられる。

レンドリース開始前: 1941年6月22日 - 1941年9月30日、金で支払い
第1協定期間: 1941年10月1日 - 1942年6月30日、1941年10月1日署名
第2協定期間: 1942年7月1日 - 1943年6月30日、1942年10月6日署名
第3協定期間: 1943年7月1日 - 1944年6月30日、1943年10月19日署名
第4協定期間: 1944年7月1日から開始され、1945年4月17日に署名され公式には5月12日に終了したが、援助は日本に対する戦争の期間(1945年8月8日ソ連対日参戦)「マイルポスト」(milepost)合意に基づいて日本が降伏する1945年9月2日まで続けられ、1945年9月20日に全ての対ソ連レンドリースプログラムが終了した。

レンドリースプログラム開始から1945年9月30日までの間にソ連に対して出荷された軍需物資の合計を以下の表に示す。

航空機 14,795機
戦車 7,056輛
ジープ 51,503輛
トラック 375,883輛
オートバイ 35,170台
トラクター 8,071台
銃 8,218丁
機関銃 131,633丁
爆発物 345,735 トン
建物設備 10,910,000 ドル
鉄道貨車 11,155輛
機関車輛 1,981
輸送船 90隻
対潜艦 105隻
魚雷艇 197隻
舶用エンジン 7,784基
食糧 4,478,000 トン
機械と装備品 1,078,965,000 ドル
非鉄金属 802,000 トン
石油製品 2,670,000 トン
化学物質 842,000 トン
綿 106,893,000 トン
皮革 49,860 トン
タイヤ 3,786,000
軍靴 15,417,001 足

輸送は北極海の輸送船団、ペルシア回廊、太平洋ルートで行われた。太平洋ルートはレンドリース援助のおよそ半分が運ばれ、アメリカ西海岸からソ連極東へ輸送船団で、ウラジオストクからはシベリア鉄道で運ばれた。[1]を参照。アメリカの参戦後、ソ連の船舶のみがこのルートでは使われ、日本による影響がいくらかあった。アラスカとシベリアを結ぶ航空路はアルシブ(Alsib)[2]と呼ばれ、航空機の輸送と旅客輸送に用いられた。 』

『逆レンドリース(※ 省略)』

『その後

2022年のロシアのウクライナ侵攻と、それに伴うロシアによる人権侵害を受け、同年4月6日、「ウクライナ民主主義防衛レンドリース法案」[注 2]がアメリカ合衆国上院を全会一致で通過した[9][10]。』

プーチンとの戦いで、上院はかつてヒトラーを倒すのに役立った措置を満場一致で承認します

プーチンとの戦いで、上院はかつてヒトラーを倒すのに役立った措置を満場一致で承認します
https://www.politico.com/news/2022/04/06/senate-unanimously-approves-lend-lease-00023668

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

上院は、第二次世界大戦時代の措置であるレンドリース法を復活させました。これにより、米国はナチスドイツとの戦いで連合国に迅速に補給することができました。

上院多数党の指導者チャック・シューマーが記者会見で講演します。

水曜日の夜に上院で行われた短い演説で、多数党の指導者チャック・シューマーは虐殺を「純粋な悪」と呼び、ロシア軍がウクライナで「大量虐殺」を行っていると付け加えた。| アンナマネーメーカー/ゲッティイメージズ

AndrewDesiderio著

04/06/2022 11:03 PM EDT

上院は水曜日遅くに、ロシアの血なまぐさい侵略の中で、ジョー・バイデン大統領がより効率的に武器やその他の物資をウクライナに送ることを可能にする第二次世界大戦時代のプログラムを復活させるための主要な法律を満場一致で可決した。

ウクライナの軍隊が2月下旬からウクライナの都市や町を砲撃しているロシア軍をかわすことができることを証明したので、上院議員はレンドリースとして知られている提案の後ろにすぐに集まりました。第二次世界大戦中に作成されたレンドリースプログラムは、時間のかかる手続き上のハードルなしに米国が連合国に迅速に補給することを可能にしたため、紛争のゲームチェンジャーと見なされていました。

議員たちは、20世紀の最も重大な世界的紛争の間に最後に使用された並外れた戦術に訴えています。これは、米国とヨーロッパの同盟国が、ロシアの侵略が自由秩序に対する実存的な脅威をもたらすと信じていることを示すもう1つの兆候です。

それはまた、西側世界がウクライナがロシアの侵略者との戦いに勝つことができると信じていることを示しています。議会は最近、ウクライナに対する約140億ドルの軍事的および人道的支援を承認しましたが、その一部はすでに提供されています。火曜日に、国務省は、ジャベリンミサイルと他の物資のための追加の1億ドルの資金提供を発表し、ロシアが2月24日に侵攻して以来、総安全保障援助は17億ドルになりました。

ロシアの戦争の残忍さがさらに露呈し、特にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領からの緊急の嘆願に議員が迅速に対応したため、ウクライナの軍隊に補給する必要性が最近ますます緊急になっている。

先週末、ブチャの町から恐ろしい画像が浮かび上がり、民間人が両手を後ろで縛って通りで死んでいることを示し、西側の指導者たちに戦争犯罪の主張を増幅するよう促した。

レンドリース装置は、1943年4月27日にインドの港で開梱されました。AP写真

水曜日の夜に上院で行われた短い演説で、多数党の指導者チャック・シューマーは虐殺を「純粋な悪」と呼び、ロシア軍がウクライナで「大量虐殺」を行っていると付け加えた。
「私たちが彼らが誰であるか、それが彼らの宗教、人種、または国籍であるかどうかにかかわらず、それが大量虐殺であるという理由で、無実の民間人だけを殺害するとき、プーチン氏はそれについて有罪です」とシューマーは言いました。

2022年のウクライナ民主主義防衛レンドリース法は、知られているように、官僚的な官僚的な形式主義を断ち切ることによって、重要な軍事装備やその他の重要な物資のウクライナへの移転を促進するでしょう。それは、受領国が後日米国に返済することを規定する規定とともに、機器の事実上の贈与を可能にします。

「ウクライナでの戦争が進展するにつれ、軍事援助を可能な限り迅速に提供することは、プーチンの挑発されない攻撃から身を守るウクライナの能力にとって極めて重要です」と、この取り組みの主要な民主党スポンサーであるニューハンプシャーのジーン・シャヒーン上院議員は述べました。「クレムリンは、民間のインフラストラクチャーに対して全国で恐ろしい攻撃を行い、罪のない男性、女性、子供を標的にしています。」

この取り組みの主導的共和党員であるテキサス州のジョン・コーニン上院議員は、レンドリース法案を可決するための手段として、別個の法律の最終通過を延期しました。モスクワとの通常の貿易関係の撤回であるその別個の措置は、ロシアの石油輸入の禁止を含む追加のロシア関連法案に投票する超党派の合意の一部として木曜日の朝に可決される予定です。

両院が木曜日にワシントンを離れ、以前に予定されていた2週間の休会を迎える前に、下院が上院で可決されたレンドリース法を採用するかどうかは不明です。下院は木曜日の朝に上院を通過した後、ロシアの貿易法案を可決する予定です。

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独情報機関、ロシア軍の会話傍受か ブチャ市民殺害で傭兵関与も

独情報機関、ロシア軍の会話傍受か ブチャ市民殺害で傭兵関与も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022040701190&g=int

『【ベルリン時事】ドイツ誌シュピーゲル(電子版)は7日、連邦情報局(BND)が、ロシア兵らがウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャでの市民殺害について無線通信で会話していたのを傍受したと報じた。同誌は、ロシア側の「虐殺はでっち上げ」との主張を無効にする証拠だとしている。

ロシア傭兵1000人以上展開 ウクライナ

 同誌によると、会話は、自転車に乗った人を撃ったなど、出回っている遺体の写真と合致する内容だった。別の会話では、ウクライナ兵を尋問した後に銃殺したことなどが語られていた。さらに、シリア内戦などでも活動したとされる、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵(ようへい)が、殺害に関与していたことも示唆されているという。 』

停戦交渉で非難の応酬 合意機運しぼむ―ロシアとウクライナ

停戦交渉で非難の応酬 合意機運しぼむ―ロシアとウクライナ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022040800292&g=int

『【イスタンブール時事】ロシアによるウクライナ侵攻の停戦交渉をめぐり、ロシアのラブロフ外相は7日、ウクライナ側がイスタンブールでの協議の際に示した態度を翻したと非難した。タス通信などが伝えた。一方、ウクライナのポドリャク大統領府顧問はロシアに「メディアでの敵対的行動」の抑制を要求し、非難の応酬となっている。

「集団殺害」で停戦遠のく ロシア軍関与、一層濃厚に―ウクライナは裁判要求

 双方とも交渉そのものは継続する意向だが、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊で多数の民間人が殺害されたことが発覚して以降、合意形成に向けた機運はしぼんでいる。
 ラブロフ氏は、ウクライナが作成した合意草案を問題視。草案で、ウクライナがロシアに求める「安全の保証」の適用対象外として南部クリミア半島を明記していないことなどを「受け入れられない」と主張した。ラブロフ氏は、ロシアが実効支配するクリミア半島や、親ロ派武装勢力が一部を占拠する東部ドンバス地方の帰属については交渉に応じないという立場を強調。首脳会談での協議に持ち込もうと模索するウクライナ側を強くけん制した。

 これに対し、ポドリャク氏は、ロシア側にウクライナでの「残虐行為」の責任があるとし、「ウクライナへの憎悪を助長してきた」と強調。対話の用意があるなら、態度を改める必要があると訴えた。 』

メキシコ、3月のインフレ率7.45% 食料品など価格上昇

メキシコ、3月のインフレ率7.45% 食料品など価格上昇
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN052RK0V00C22A4000000/

『【ティフアナ(メキシコ北西部)=清水孝輔】メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)が7日発表した3月消費者物価指数は、前年同月と比べて7.45%上昇した。食料品や燃料を中心に価格が上がった。ロシアによるウクライナ侵攻でインフレ圧力が高まっており、メキシコ銀行(中央銀行)は利上げを続ける見通しだ。

3月としてインフレ率が7%を超えるのは21年ぶり。食料品では前年同月比でアボカドが13.84%、たまねぎが10.87%上がった。燃料では家庭用液化石油ガス(LPG)が7.48%上がった。農産物やエネルギー価格を除くコアインフレ率は前年同月比で6.78%上昇した。

インフレ率は市場の事前予想を上回った。米シティグループ系のバナメックスは5日に発表したリポートで、3月のインフレ率は7.3%になるというアナリストの予測を示していた。

メキシコ中銀は3月下旬に開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.5%引き上げて6.5%にすると発表した。7会合連続の利上げだったが、その後もインフレ率は高止まりしている。市場では5月に予定する次の会合でも利上げを続けるという見方が強まっている。』

南アジアに混乱の火種 パキスタン緊急利上げ市場、「3つのルピー」注視

南アジアに混乱の火種 パキスタン緊急利上げ
市場、「3つのルピー」注視
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL00019_Y2A400C2000000/

『【NQNシンガポール=秋山文人】南アジアのパキスタンで、経済情勢の悪化を背景にした政情の先行き不透明感が増している。パキスタン中央銀行は7日、通貨ルピーを防衛するために緊急利上げを決定。近隣のスリランカと並び、混迷が深まっている。大国インドを含む南アジアに対する市場関係者の警戒心が高まってきた。


通貨安、金利上昇……経常収支も悪化

「もし必要なら、4月末に予定している次回の金融政策委員会を前倒し実施する」。パキスタン中銀は3月8日の会合のあとに発表した声明文でこう指摘していた。1カ月後の4月7日、同中銀は有言実行する。政策金利を従来の9.75%から2.5%引き上げ、12.25%にすると決めた。

中銀は声明文で、①通貨ルピーの下落②国内および外貨建て債券の市場金利の上昇③国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率の上昇――に直面していると説明する。ウクライナ情勢を含む内外の不透明感が物価高を促すとみており、インフレ率見通しは2022年度は11%強としている。

通貨安は激しい。パキスタンルピーはドルに対し、足元で1ドル=188ルピー近辺で推移している。中銀はかねて為替介入でルピー相場を維持してきた。17年までは100ルピー近くで推移していたが、徐々に切り下げていった。21年5月以降はタガが外れたように下落し、その後1年間で2割下げたことになる。

資源高を背景とする輸入額の増加、貿易赤字が続く。国際収支をみると、経常収支は20年7~9月期では8億6500万ドル(約1070億円)の黒字だった。それが、21年10~12月期には55億6600万ドルの赤字になった。通貨防衛に要した資産も大きく、外貨準備は21年8月末に270億ドルだったのが半年で16%減った。軍資金が乏しいだけに介入は焼け石に水で、足元でルピー安は一段と進んでいる。


下院解散、最高裁は「違憲」

パキスタンの混乱を象徴するのは、1人の政治家の動静だ。カーン首相に世界の目が向けられている。

経済政策運営の失敗とインフレで国民生活を脅かしたとし、パキスタン野党は国会・下院にカーン首相への不信任案を提出した。首相は下院の解散・総選挙を表明し対抗。野党は最高裁判所に解散決定の無効化を求めて提訴していた。

最高裁は7日、解散は違憲との認識を示した。カーン首相は近く辞職を迫られる可能性があるとも伝えられている。パキスタン中銀の緊急利上げは経済情勢もさることながら、政治の不透明感に突き動かされたものでもある。
スリランカ、インドにも懸念

視線をパキスタンから南アジア全域に広げてみよう。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に始まった世界的なインフレは、ウクライナ情勢を触媒として一段と悪化した。経済・財政運営が盤石ではない南アジアの政治・経済を揺らしている。

スリランカは観光資源に依存した経済が災いし、債務不履行(デフォルト)の瀬戸際に来ている。

大国インドも例外ではない。足元で株価、通貨は比較的安定している。だが、懸案は外交にある。ロシア産原油の購入のほか、7日の国連人権理事会でのロシアの理事国資格停止の決議を棄権するなど、ロシアとの政治的なつながりの深さが懸念される。

3国とも通貨は「ルピー」だ。「3つのルピー」の動きは、国際政治、経済、市場の混乱の導火線となりかねず、注視が必要だ。インド洋を巡る情勢分析は、米中のパワーバランスを考えるうえでも欠かせないだけに、短期間では終わらない。』

[FT]ロシアの偽情報に対抗する米欧機関の情報公開

[FT]ロシアの偽情報に対抗する米欧機関の情報公開
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0836Y0Y2A400C2000000/

『フレミング氏はウクライナに派遣されたロシア兵について、命令の拒否、自軍の兵器による攻撃の妨害だけでなく、自軍の航空機を誤って撃墜した例さえあると述べた。いずれの行為もロシア軍の士気の低下を示していると、フレミング氏は指摘した。米政府も最近、実際には苦しいウクライナでの戦況について、ロシアのプーチン大統領に誤った情報が伝えられていると裏付けるような情報を発表した。

米欧の情報機関はロシアのウクライナ侵攻を巡り、機密情報を次から次へと公表している。従来とは異なる、全く新しい戦略だ。フレミング氏の講演や米政府の情報公開は、こうした新しい戦略の一環だ。

こうした戦略は、秘匿性の高い情報を外部と共有することに極めて慎重な情報機関にとって極めて異例な行為だ。安全保障に関わる重要な判断や認識を公開すれば、情報の提供者や収集の方法を含む「手の内」を明かすことになる。米中央情報局(CIA)などのために自国の機密情報を収集する各地のスパイの命が危険にさらされることになりかねないというのがこれまでの考え方だった。

新戦略はヘインズ米国家情報長官がけん引

ロシアが繰り出す偽情報に対抗するため、こちらも機密情報を積極公開する米国の新しい作戦をけん引するのは、3人の関係者によると、米国の情報機関を統括するアブリル・ヘインズ国家情報長官だ。

「機密情報を公開する新方針はアブリル・ヘインズ氏のおかげで決まった」と欧州の高官は話す。「偽情報に対抗する手段としては、まさしく天才的といえる妙案だ」

米政府高官の一人によると、この戦略は国家安全保障会議が立案、調整した。そのうえでヘインズ氏、バーンズCIA長官らが実行に移した。

熟練の外交官だったバーンズ氏は長く、情報を提供するのでなく、それを利用する立場だった。バーンズ氏は、こうした経験から得た洞察力とロシアに関する専門的な知識を兼ね備え、新たな戦略を指揮するうえで適任だったと、米政府の高官経験者は指摘する。

オバマ米政権で対ロシア経済制裁を担当した元外交官のダニエル・フリード氏は「バーンズ氏は外交官で、優秀なロシア専門家でもある。ロシア人がどのように思考するのか、よくわかっている」と証言する。フリード氏はいま、米シンクタンクのアトランティック・カウンシルでフェローを務めている。

フリード氏に言わせれば、ヘインズ氏、バーンズ氏のほか、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)のような米政府高官は情報を扱う仕事が長く、どう使えば効果的なのか熟知している。「素人が陥りがちな誘惑の罠にはまるようなことはない」

米政府はロシアがウクライナに侵攻する前から機密情報を積極的に開示してきた。同盟国が懐疑的だったことから、プーチン氏が侵攻を目指していると、確信をもって予想していた。だが、ロシア軍の作戦上の失敗について詳細な情報を公表するという決定は、新たな情報公開戦略の前進を意味する。ロシア政府は、停戦協議へ真剣に取り組んでいるとか、(ウクライナへの侵攻を言い換えて)独自に主張する「特別軍事作戦」の第1段階が成功したとか、主張しているが、それらの偽りを暴く狙いがある。

米政府高官の一人は「私たちはこうした内容(ロシア軍の失態)を公にできるだけの情報を持っている」と主張した。「その情報によれば、ロシアがこの戦争を当初の計画通りには遂行できていないのは明らかだ」
ウクライナ首都からのロシア軍撤退は「明らかな敗走」

米欧の情報機関によれば、ウクライナの首都キーウ(キエフ)からのロシア軍の撤退は戦略の転換ではなく、明らかな敗走だ。それはウクライナとの停戦協議におけるロシアの立場を弱める。米政府は、ロシアが協議に真剣でないとみなしている。

米政府高官の一人は「私たちは停戦協議でウクライナがなるべく優位に立てるようにできる限りのことをしている。プーチンにどんな情報が届けられ、どんな情報が伝わっていないかが明確になれば、ウクライナにとって好都合だ」と話した。

米英が機密情報の公開を加速させているのは、ロシアの政府関係者や一般市民らがウクライナの現状をより正確に把握できるようにするためだと、米欧側の政府関係者は明かす。

米国家情報会議(NIC)に勤務した経験があり、いまではカーネギー国際平和基金(ワシントン)のロシア専門家であるユージン・ルーマー氏によれば、プーチン氏とロシア軍幹部との間には明らかに距離がある。それは、軍事作戦に関してプーチン氏が見通しを誤ったという米国の見方を裏づけるという。

「それは世界に、プーチンの対ウクライナ戦略が無益で、愚かで、狂気をはらんでいると知らしめている」とルーマー氏は話す。「できれば、こうした認識がロシアの国民にも伝わり、ロシアの国内における(戦争への)見方にも影響してほしい」

ロシア軍を巡る機密情報の公表は、戦争が始まってからの大局的な戦略の一つだ。ロシア軍の計画や動きに関する機密情報を開示してウクライナに国際世論の支持を集め、ロシアによる「偽旗」作戦や偽情報の拡散を阻むことが目的でもある。

複数の米政府関係者によると、バイデン米大統領は2021年秋、進行中の情報公開作戦を承認し、ロシアの思惑についての機密情報を積極開示するよう求めた。
「ファイブアイズ」の枠外とも情報を共有

ウクライナ侵攻に関し、米政府は同盟国や友好国に対し、通常よりも幅広い機密情報を提供している。実際の侵攻が近づくと、ヘインズ氏やバーンズ氏が欧州を訪れ、英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国による機密情報共有の枠組みである「ファイブアイズ」のほかの国々にも機密情報を伝えた。

こうした情報の開示は通常の機密解除の手続きで実施される。これに関わる人材などを情報機関のなかで増やし、迅速にできるようにしている。

米政府は、ロシア軍が兵力をウクライナ国境付近に大規模に集結させていることを示す情報やプーチン大統領が侵攻の準備をしているという見方などを公表した。このことが、侵攻開始後のロシアに対する制裁に対する支持を高め、フランスやドイツなど懐疑的な態度を取る同盟国にプーチン大統領が真剣に侵攻を計画していることを説得することにつながった。

米政府高官の一人によると、21年11月上旬から22年2月中旬の間に、バイデン政権はウクライナ危機を巡り、同盟国やパートナー国との会合や電話会談などを300回以上もこなした。その多くは、機密情報の共有に関する内容だった。バイデン氏だけでなく、サリバン氏、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官らも参加した。

バイデン政権は、アフガニスタンでの情報活動が失敗した一方、ウクライナにおけるロシアの軍事作戦に関する予想の大半が正確だったことで自信を深めている。アフガンに関しては、政府軍が進撃してきたイスラム主義組織タリバンにすぐ降伏するのでなく、数カ月間は持ちこたえると考えていた。ウクライナ侵攻を巡る米国の情報の正しさは、(イラク戦争の前に)イラクが大量破壊兵器を保有しているという誤った情報を主張していた米国に懐疑的な同盟国を納得させるのに役立っている。

フランスのような国はロシアの意図をつかみきれなかった。フランスの情報機関のトップは、ロシアの侵攻を予測できなかったとの理由で解任されたという。

ウクライナ侵攻が始まってから、英国も通常は機密扱いの情報を積極公開するようになった。背景には、ロシアが08年にジョージア、14年に(ウクライナ領の)クリミア半島にそれぞれ侵攻した際、さらには15年、アサド政権を支援するためシリア内戦に介入した時に、米欧が機密情報の共有に乗り気でなかったという反省がある。

米欧側の政府高官の一人は「機密情報の公開は、ロシアが自国の行為を否定できないようにするために必要だ」と説明する。「ジョージア、クリミア、シリアの件では、これができなかった」

米政府は、 先を見通すために必要な機密情報や有用だと考えられる情報を、これからも積極的に公開し、広めていくと、複数の当局者は話す。

CIAでの経歴が長い情報と防衛の専門家であるロルフ・モワット-ラーセン氏は、積極的に情報を公開するいまのような戦略を「情報活動の新しいパラダイムだ」と指摘する。

現在は米ハーバード大ケネディスクールのベルファーセンター で上級フェローを務めるモワット-ラーセン氏は、この新戦略によって「情報がその価値を最大限に高めるには、積極的に紛争へ関与すべきだとわかる」と解説した。

By Felicia Schwartz & Demetri Sevastopulo

(2022年4月6日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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[FT]「ゼロコロナ」政策が招く中国の食料不足

[FT]「ゼロコロナ」政策が招く中国の食料不足
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0726T0X00C22A4000000/

 ※ ある意味、「自分で自分の首を締めている」「セルフ・制裁」みたいなものだな…。

 ※ しかし、「国産ワクチン」への信頼の観点(特に、感染予防力の点)からは、「ウイルスとの共生」とはいかないんだろう…。

 ※ 人口も桁違いに多いんで、「感染爆発」ともなれば、収拾がつかなくなるんだろう…。

『公式データによると、東北部の吉林省と遼寧省、黒竜江省の3分の1もの農家は、当局がロックダウンを敷いた影響で、農業資材の不足に直面している。この3省は、中国の穀物生産の2割以上を占めている。

コメやトウモロコシなど春に作付けする穀物の生産量が減少すれば、主食の自給自足を目指す中国政府の数十年に及ぶ努力は台無しになりかねない。結果的に輸入拡大を強いられ、世界の食料インフレを加速させる恐れもある。

この1週間は、上海市の全市民を対象としたロックダウンが国内外で注目を集めているが、吉林省は過去1カ月のほとんどの期間、さらに厳しい措置を講じて感染拡大と戦っている。

吉林省政府によると、農家の約3分の1は3月末、つまり作付け開始の約3週間前になっても、肥料を十分に確保できていなかった。

交通規制など厳しい制限

農家や工場経営者は、感染を完全に抑え込む中国の「ゼロコロナ」政策がこうした混乱の原因だと非難している。当局はこの政策の下で、交通規制や店舗の営業停止など厳しい制限を行っている。

北京を拠点とする中国政府の農業政策アドバイザーは、中国は「食料不足に直面する」リスクがあると警鐘を鳴らす。

匿名を条件に取材に応じた同アドバイザーは「農業のためにゼロコロナ政策を調整する必要がある」と語った。「ウイルス対策を何よりも優先すべきではない。これをいつまでも続けるわけにはいかない」という。

吉林省・吉林市政府は、春の作付けの準備は非常に難しいことが分かったという。「すべての農家に肥料を供給するのが(予定より)遅れている」と市のウェブサイトで通知している。

吉林市の60エーカーの土地でコメを栽培する農家のリー・チンホワさん(38)は、配達の遅れで肥料の在庫が通常より8割以上も少なくなっていると明かした。「発注分が来週中に届かないと、種まきに最適なタイミングを逃してしまう」という。

中国農業農村省にコメントを求めたが、回答はなかった。

ロックダウンは23都市で実施

野村のアナリストの推計によると、中国では現在、少なくとも23都市(合計人口は1億9000万人超)が全面的ないし部分的なロックダウンを実施している。「新型コロナは夏場に収束するとの見方が一般的だった2020年春とは異なり、現在は終わりが見えない」と同社アナリストは指摘している。

折しも春の作付けの問題は、ウクライナ紛争で中国にとって重要な家畜飼料であるトウモロコシの出荷が停止する中で起きた。国際貿易センター(ITC)のデータによるとウクライナは2013年以降、中国にトウモロコシを出荷しており、この2年後には海外の最大の供給国となった。

肥料工場は苦境に立たされている。河北省にある大手肥料メーカー、根力多生物科技の幹部は、顧客への出荷や原料の確保に「多くの困難」を抱えていると語った。これは業界全体で問題となっており、中小メーカーの多くは操業を停止しているという。

3月以降に5万人以上の新型コロナ感染者が報告されている吉林省では、地元で手に入らない種子や肥料を運んできても、他地域からのトラックの乗り入れを拒否する町や村が少なくない。

農家の不満をさらに増しているのが、都市部のロックダウンで多くの出稼ぎ労働者が行動を制限され、農村部の作付けに戻れないという実態だ。戻れたとしても、14日間の隔離期間を経なければ作業に取りかかれない。
原料の仕入れや労働者の採用に影響

吉林省梨樹県で80エーカーの農場を営むリー・ジジョンさんは「今回の作付けシーズンはこれまで経験した中でも指折りの厳しさだ」と嘆く。「原料の仕入れや労働者の採用にこれほど苦労することはめったにない」

吉林市政府は3日、地元のトラック運転手が市外に種子や肥料を配送できる「グリーンチャネル」を開設すると発表した。だが、市外への配達後に市内に戻ることは認められないという。

この措置は「コロナ禍が春の作付けに及ぼす影響を可能な限り軽減する」狙いがあるとしている。

吉林市の運転手、ガオ・フカイさんは「肥料を出荷するために家族と離ればなれになるリスクを冒すつもりはない」と話す。帰宅が認められなければ「トラックでの生活」を強いられかねないと不安を口にしている。

山東省の農業都市・臨沂市は、地元の運転手が上海への配送後に新型コロナの陽性判定を受けたため、他都市からのトラックの受け入れを停止した。当時、同市で確認された感染者数はわずか58人だった。

結果として肥料不足が生じ、いまだ解消されていない。臨沂市で肥料販売を手がけるワン・タオさんは「私たちと政府とでは優先するものが違う」と語る。「政府はウイルスを撲滅することしか頭にないが、私たちには生活がある」

By Sun Yu

(2022年4月6日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

サイバー戦で中国暗躍 ウクライナに初の攻撃観測難民情報狙い西側にも

サイバー戦で中国暗躍 ウクライナに初の攻撃観測
難民情報狙い西側にも
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE315NJ0R30C22A3000000/

『中国の関与が疑われるハッカーの攻撃が活発になっている。ロシアによるウクライナ侵攻後、同国への攻撃が初めて見つかったほか、難民の関連情報などを狙って西側諸国への攻撃も相次ぐ。専門家は「ロシアの侵攻を支援する意図があるかはまだ不明」としている。

ウクライナ政府は3月22日、同国警察機関などへのサイバー攻撃について警告を発した。ロシア軍による民間被害の記録を各機関に呼び掛ける文書ファイルの中にマルウエア(悪意のあるプログラム)が隠されていた。

米セキュリティー大手のセンチネルワンは攻撃者を中国に関連するハッカー集団「スカラベ」として追跡調査していた。スカラベは中国語を利用している痕跡があるという。同社は「侵攻開始後、ロシア以外からウクライナを狙う攻撃が初めて正式に確認された」としている。

3月中旬には、米グーグルの研究者や、サイバー攻撃の調査チーム「イントルージョン・トゥルース」も相次ぎツイッター上で中国が関わるウクライナを狙った攻撃について投稿した。英紙タイムズも4月2日、侵攻直前に中国がウクライナの軍事機関などにサイバー攻撃を仕掛けた疑いについて報じた。

ウクライナを支援する西側諸国にも被害は及ぶ。米セキュリティー大手のプルーフポイントは中国と関連する別のハッカー集団「TA416」の攻撃を観測している。中国の民主運動家などを標的にしてきたが、年明けから欧州に矛先が移り、特に2月末以降は東欧各国の難民を管理する官庁を狙った。同社は「難民の個人情報や避難先の情報が盗まれた恐れがある」と話す。

イスラエルのセキュリティー大手チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズによると、中国のIPアドレス(インターネット上の住所)から北大西洋条約機構(NATO)の加盟国への攻撃の頻度は、3月14日からの1週間と侵攻開始前の1週間を比較すると116%増えた。攻撃の発信地域は偽装も可能なため、情報安全保障研究所の山崎文明首席研究員は「中国政府を装った攻撃でないか検証している」と話す。

中国は経済制裁に反対するなどロシア側に立った言動が目立つが、侵略行為は支持しておらず、サイバー攻撃の意図は不明だ。笹川平和財団の渡部恒雄上席研究員は「戦争が長期化したときに主導権を握るためや、戦後に東欧や米国と関係改善を図るための情報収集の可能性もある」と語る。

センチネルワンとプルーフポイントの担当者は「中国がロシアのサイバー戦を支援している証拠はない」と口をそろえる。「中国はもともと、火種に関連する情報は何でも集めたがる傾向がある」(プルーフポイント)という。』

日比防衛相「力による現状変更許さず」 対中国で協力

日比防衛相「力による現状変更許さず」 対中国で協力
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA074YG0X00C22A4000000/

『岸信夫防衛相は7日、防衛省でフィリピンのロレンザーナ国防相と会った。インド太平洋や東アジア、東南アジアで力による一方的な現状変更を許さないと確認した。中国の海洋進出を念頭に、両国が共同訓練などで協力すると一致した。

岸氏はロシアによるウクライナ侵攻について「明白な国際法違反で国際秩序の根幹を揺るがす」と述べた。「無辜(むこ)の民間人の殺害は重大な国際人道法違反で断じて許されない」と指摘した。

フィリピンは南シナ海で中国と対立する。「自由で開かれたインド太平洋」を維持、強化することが重要と合意した。

両者が対面で会談するのは初めて。2020年と21年にはテレビ会議形式で協議した。9日には初めての日本とフィリピンの外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開く。』

〔スリランカの電力事情〕

〔スリランカの電力事情〕

 ※ ちょっと資料が古い(2015年)かつ、「BOP層(途上国の低所得層)」に対する調査ではある…。

 ※ しかし、おおよその「概略」は、掴むことができるだろう…。

スリランカ BOP層実態調査レポート
https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/bop/precedents/pdf/lifestyle_electricity-gas_201502_lk_rev.pdf

スリランカ、中国主導の「特区」に託す経済再建の希望

スリランカ、中国主導の「特区」に託す経済再建の希望
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB06BKY0W2A400C2000000/

『【コロンボ=マルワーン・マカンマルカール】スリランカの最大都市コロンボ沖の「人工島」で、中国の支援を受けた経済特区の整備が進んでいる。特区では外貨による投資を可能にする方針で、スリランカ側は中東やアジアからの資金流入を期待する。だが、同国経済は外貨不足で危機に陥り、世界での信用が低下している。

特区は中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」の一環だ。14億ドル(約1700億円)を投入する。埋め立て地である人工島の計画は2014年、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席のスリランカ訪問で始まった。

特区が置かれる人工島「ポート・シティ・コロンボ」がスリランカ経済にとって希望の光になると、同国政府は期待する。人工島に建設される「コロンボ国際金融センター」は、金融機関が集積する近隣のシンガポール、ムンバイ、ドバイなどの「隙間」を埋める役割を目指しているようだ。

人工島への投資を審査するコロンボ・ポート・シティ経済委員会の幹部は様々な香港企業からの問い合わせに対応している。業種は銀行、金融サービス、物流、商社など幅広い。香港に対して中国本土から強まる、政治や法による圧力を逃れようという動機が背景にある。
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相(前列右)と並んで歩くスリランカのラジャパクサ大統領(1月、コロンボ)=ロイター

人工島プロジェクトは中国系企業が主導し、スリランカ最大規模の複合企業であるLOLCホールディングスも参入している。

20年後の完成時には高級ホテル、高層住宅が建ち並び、外国人を含む8万人が居住すると想定されている。総投資額は150億ドルで、外国直接投資(FDI)の受け入れ額ではスリランカで最大規模の案件になると見込まれる。

カギを握るのは特区において米ドルなど外貨での投資を許す新たな銀行規則だ。プロジェクトに関わる中国系企業の幹部は、規則が「6月にも準備されるとみている」と指摘する。外資にとっては大きな魅力になり得る。

大きなリスクになるのは、スリランカの経済や政治が安定しないことだ。

スリランカは外貨不足で燃料をはじめとする生活必需品を十分に輸入できず、品不足と価格高騰で市民生活が混乱している。電力不足で計画停電も絶えない。

ラジャパクサ大統領は1日、非常事態を宣言したが、街頭での抗議活動は収まらず、大半の閣僚の辞任が決まった。5日には前日、財務相に任命されたばかりのアリ・サブリ氏が辞任した。

スリランカの投資銀行幹部は、同国が外資を誘致するには「マクロ経済の基礎的要因を安定させることが先決だ」と指摘している。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Sri-Lanka-s-China-built-isle-beckons-as-economy-sinks/?n_cid=DSBNNAR 』

米、ロシア産品に高関税 上下院が制裁法案可決

米、ロシア産品に高関税 上下院が制裁法案可決
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07F2G0X00C22A4000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米議会の上下院は7日、ロシア製品に高い関税を課す制裁法案をそれぞれ賛成多数で可決した。バイデン大統領が3月中旬に欧州連合(EU)や日本と共同で表明したものの、法制化に時間がかかっていた。

上下院はそれぞれ、原油などロシアのエネルギー製品の輸入を禁じる法案も可決した。2つの法案はバイデン氏が署名して成立する。

ロシアとの貿易を巡り、世界貿易機関(WTO)ルールに基づく「最恵国待遇(MFN)」を取り消す。これまでは日欧の製品と同じように平均3%の関税を課してきたが、今後は同30%超と大幅に引き上げる。北朝鮮やキューバと同じ扱いにする。

MFNを取り消しても関税が依然として低い場合、大統領が自由にロシア産品への関税を引き上げられる権限も与えた。

エネルギーの法案は、ロシアからの輸入が多い原油や石油製品の輸入を禁じる。バイデン氏は既に大統領権限で輸入を禁じており、法案は大統領の行動を支持する。大統領が輸入禁止をやめるときに、議会が拒否権を持てるようにした。』

米、11日にインドと外務・防衛協議 対ロシア協力促す

米、11日にインドと外務・防衛協議 対ロシア協力促す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07E340X00C22A4000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米政府は7日、11日にワシントンでインドと外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開くと発表した。国務省は7日の声明で「米国とインドの間で拡大している防衛協力を強調する機会になる」と記した。ウクライナに攻撃を続けるロシアと歴史的に結びつきが深いインドに対ロシア政策で共同歩調をとるよう促す。

2021年1月に発足したバイデン政権がインドと2プラス2を開くのは初めて。米側からブリンケン国務長官とオースティン国防長官、インド側からジャイシャンカル外相とシン国防相が出席する。

国務省は7日の声明で「米印は国際平和と安全のため、包括的・戦略的パートナーシップの重要性を改めて申し合わせる」と明記。地域で台頭する中国をにらみ「自由で開かれたインド太平洋地域に対する我々の関与を再確認する」と訴えた。

国防総省は「米印が18年に2プラス2を開始して以来、高度で包括的な防衛協力の構築に向けて取り組んできた」と指摘。「今後も2国間で野心的な道筋を描いていく」とうたった。11日の協議ではハイテクなどサプライチェーン(供給網)構築や気候変動対策、貿易・投資の促進も議題になる。

米国の狙いは安全保障面などでロシアに依存するインドとの関係にくさびを打つことだ。インドはロシアによるウクライナ侵攻への立場を明確にせず、米欧が発動した対ロシア制裁でも距離を置く。3月初めには国連でのロシア非難決議案の採決で棄権した。

2プラス2ではロシアから地対空ミサイル「S400」を購入したインドに対する米国の制裁の扱いも焦点になる。米国は17年に制定した「敵対者に対する制裁措置法」で、ロシアから大規模に兵器調達する国に制裁を科せるようになった。

対中国政策もすり合わせる。21年3月には日米印とオーストラリアの枠組み「Quad(クアッド)」を立ち上げた。インドにとっても国境地帯の係争地で争う中国を封じ込める思惑は一致しており、閣僚間で足並みをそろえる。』

デジタルドル「開発に数年必要」 米財務長官

デジタルドル「開発に数年必要」 米財務長官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07EXX0X00C22A4000000/

『【ワシントン=高見浩輔】イエレン米財務長官は7日の講演で「デジタルドル」と呼ばれる中央銀行デジタル通貨(CBDC)について「発行にはおそらく数カ月ではなく、数年の開発期間が必要になる」と話した。実際に導入するかどうかの判断は、ドルの国際的な地位を高めるかどうかによるという認識も示した。

仮想通貨などデジタル資産全般の技術革新や規制の在り方を巡って講演し、その中で米国版のCBDCに言及した。

イエレン氏はまず基軸通貨であるドルの地位が米国の政策や市場規模などに支えられているという前提を置き、それが経済や国家安全保障の面で重要な利益をもたらしていると指摘した。そのうえでCBDCの研究開発を加速するよう指示した3月の大統領令について「CBDCがこの(ドルの)役割を支援するかどうか、またどのように支援するかを考えるよう求められている」と説明した。

イエレン氏は開発には各国間の連携が必要になるとの見方も示した。CBDCが既存の国際的な決済システムを分断しないように気をつける必要があるとして「技術革新には国際的な協力が不可欠だ」と指摘した。』

米民主化外交「不作為の罪」 力の衰えミャンマーでも

米民主化外交「不作為の罪」 力の衰えミャンマーでも
編集委員 高橋徹
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM203DS0Q2A220C2000000/

『ロシアのウクライナ侵攻を世界が非難するなかで「正当だ」と支持する声もある。そのひとつがミャンマー国軍だ。

クーデターで民主政権を倒した国軍は、抗議する市民を弾圧し、犠牲者は1700人を超えた。蛮行をロシアが武器供与で支える。

「世界の警察官」を返上した民主主義の盟主が打つ手は、ここでも経済制裁だ。国軍記念日を2日後に控えた3月25日、バイデン米政権は国軍と関係が深い個人や企業を追加し対象は計70人・27組織に増えた。米国内の資産を凍結し自国民との取引を禁じる。だが、そもそも国軍幹部が米国に資産を持つ可能性は低い。弾圧を緩めない姿勢をみれば、実効性は薄い。

政変はバイデン政権の発足とほぼ重なっていた。同氏が副大統領だったオバマ政権の「民主化外交」の数少ない成果がミャンマーだった。中ロとの対立を「民主主義と専制主義の闘い」と位置づける現政権に、人道危機への対処は試金石だ。なぜこれほど無策なのか。ウクライナ侵攻の前から「米外交はロシアや中国、イランで手いっぱい」(新米国安全保障センターのリチャード・フォンテーン最高経営責任者)だったとしても、一因は自身の過去の不作為にある。

スーチー氏への肩入れが裏目に

かつての軍事政権に対し、クリントン政権下の1997年に制裁を発動した。民主化運動のカリスマだったアウンサンスーチー氏の求めに応じたのは「善対悪のわかりやすい構図に加え、米自身が経済権益を持たず、中国の影もまだ薄かったから」と政策研究大学院大学の工藤年博教授は振り返る。

2003年にスーチー氏が襲われる事件が起き、ブッシュ政権は制裁を強めたが、その頃には中国が軍政を支え始めていた。制裁一辺倒から硬軟両様へ転じたのは09年発足のオバマ政権だ。民主化改革に呼応して段階的に制裁を緩め、16年に政権を握ったスーチー氏の要請で完全解除した。

制裁を始めさせたのも、終わらせたのもスーチー氏だ。「米国のミャンマー政策を決めているのは彼女」。そう皮肉られるほどの肩入れが、結果的に裏目に出た。

民主化改革のさなかの12年、米国は22年ぶりに駐ミャンマー大使を派遣した。デレク・ミッチェル氏はシンクタンクや国防総省でアジア政策に携わる以前、88年の大統領選の民主党候補だったデュカキス氏、92年のクリントン氏の選挙戦で働いた経験を持つ。「オバマ氏は15年のミャンマー総選挙でスーチー氏の勝利を手助けする大使がほしかった」と歴史学者のクレイグ・クラフター氏はみる。

米大使館は選挙活動のイロハを授け、受講生の多くはスーチー氏の国民民主連盟(NLD)の選挙戦に参加した。本来は審判であるべき米国があからさまにコーチ役を演じた。改革を推進したにもかかわらず親軍政党が惨敗した国軍は、干渉に反感を募らせた。

権力の所在は移り気である。あらゆる国で与野党双方と関係を構築するのは外交の鉄則だ。ましてミャンマーのような国で、旧体制側を拙速に疎外するのは危険が伴う。にもかかわらず米国は国軍との関係を自ら閉ざしてしまった。

政変後、制裁と一線を画す日本の「独自のパイプ」に米国が期待を寄せたのは、国軍と対話ルートを持たない裏返しだった。

双方に接してバランス保つ中国

中国は違った。習近平(シー・ジンピン)国家主席や王毅(ワン・イー)外相がミャンマーを訪問した際、必ずスーチー氏、ミンアウンフライン国軍総司令官の双方と会談し、バランスを保った。政変後も変わらない。国連の場では国軍を擁護する半面、NLDの解党は見送るようクギを刺した。

米国は何ができるのか。かつてのように自国企業に投資や貿易、金融取引を禁じる広範な制裁には「市民への打撃が大きい」と及び腰だ。影響力の低下という事情もある。03年の禁輸でミャンマーは主力だった繊維の輸出先の半分を占めた米市場を失い、8万人が失業したとされる。当時1割を超えていた対米輸出比率は近年は5%程度に下がっている。

いったん国際経済に組み込まれたミャンマーに金融制裁は以前にも増す劇薬だが、昨年末に人民元での貿易決済を解禁した同国をさらに中国へ押しやる懸念がある。
米国は「民主主義サミット」にタイやシンガポールを招かなかった(21年12月)=ロイター

残る手立ては、バイデン政権が重視する多国間連携の活用だ。例えば同盟国でミャンマー隣国のタイに天然ガスなどの生産・輸入の制限、準同盟国でアジアの金融ハブであるシンガポールには資産凍結への同調を求めることが考えられる。特に後者は、国軍高官が海外に持つ資産の大半がシンガポールにあるといわれるだけに、相当な効果が見込めるはずだ。

ただ米国は21年12月の「民主主義サミット」にタイやシンガポールを招かなかった。民主主義の仲間と認めない国に、民主化支援を理由に内政干渉まがいの協力をのませる大義は立ちにくい。武力闘争へ傾く民主派に「武器の提供を真剣に考えるべきだ」(米シンクタンクのウィルソン・センターのアジアフェロー、マービン・オット氏)といった意見も出るが、情勢を泥沼化させる恐れが強い。

中国とインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)の結節点にあるミャンマーは、米国のインド太平洋戦略で無視できない地政学上の要衝だ。いまや中ロが後押しする専制国家の典型例でもある。そこで起きた政変と人権侵害に手をこまねく姿は、戦後の世界の秩序形成を担ってきた超大国の力の衰えを如実に物語っている。

ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
https://www.nikkei.com/opinion/deepinsight/ 

高橋徹(たかはし・とおる)1992年日本経済新聞社入社。自動車や通信、エネルギー、商社、電機などの産業取材を担当した後、2010~15年にバンコク支局長、19~22年3月はアジア総局長としてタイに駐在した。論説委員を兼務。著書「タイ 混迷からの脱出」で16年度の大平正芳記念特別賞受賞。』

中共は、耐核防空壕の基準を見直しにかかっている。

中共は、耐核防空壕の基準を見直しにかかっている。

Stephen Chen 記者による2022-4-8記事「Chinese tests show nuclear bunkers are not what they used to be, with earth-penetrating weapons on the rise」。
https://st2019.site/?p=19065

『中共は、耐核防空壕の基準を見直しにかかっている。

 地下攻撃専用の最新の米軍の小型爆弾やRVの威力を考えると、おそらく、地下2kmのバンカーでも、もはや安全ではない。

 ちなみにシャイアン山塊にある北米防空司令部NORADは、地下500mにある。

 ロシアのウラル山地の核戦争指揮所は、地下300mである。

 北京の西方にある、中共の統合作戦司令部は、カルスト台地の天然鍾乳洞を利用して、地下2kmに所在する。

 いまの技術では、どんな徹甲爆弾も、地下40mまでしか侵徹はしない。

 だが、地中で爆発させられたB61爆弾の衝撃波は、地下深くまで届くはず。それをどう緩和すればいいか。』

爆傷には、一度、二度、三度、四度の区別がある。

爆傷には、一度、二度、三度、四度の区別がある。

ワイヤードの2022-4-4記事「How Explosions Actually Kill」。
https://st2019.site/?p=19065

『爆傷には、一度、二度、三度、四度の区別がある。
 いちばん普通に起きるのが「第二度の爆傷」で、主に破片によってもたらされる外傷である。

 庶民が頭で理解することがむずかしく、そこから、さまざまな都市伝説を生んでしまうのが「第一度の爆傷」。これは、衝撃波のみによる人体外傷。

 停止状態の自動車が、文字通りゼロ秒にして、時速100キロまで加速させられたら、どうなる? ショックウェイヴが到達したときの分子の挙動は、まさにそれに等しい。

 ショックウェーヴは、液体の中では速く、ガスの中では遅く、伝播する。
 人体が衝撃波を受け止めると、肺胞の中にガス空間が散在しているため、とてもまずいことになる。
 人体の液体部分を、毎秒1540mのスピードで伝わってきたショックウェーブが、肺胞のガス空間では、一挙に毎秒343mに減速させられる。減速させられたエネルギーは、エネルギー保存の法則により、どこかにはけ口を見出さねばならない。それは肺の組織の「薄い壁」や膜を破壊し、出血させる。ガス交換する空間に血が満ちてしまうので、人はもはや呼吸が不可能になり、死ぬ。このプロセスは「スポーリング」と呼ばれる。

 ※ノモンハンの証言で、砲撃の連打を壕内で浴びていると、呼吸ができなくなる気がしたというのも、この現象か。

 頭蓋骨にも、微少なガスポケットが散在しているので、そこはダメージを受ける。たとえば副鼻腔の周囲など。死後解剖して調べると、蜘蛛の巣状にヒビが走っていたりする。

 衝撃波を全身に浴びた人は、その波が三半規管も通過するために、全身が物理的に吹き飛ばされたような錯覚を受けることがあるが、じっさいには、その場を動いていなかったりする。

 もし、アクション映画のように、爆発によって人がリアルに物理的に吹き飛ばされたとしよう。その人は、衝撃波もたっぷり浴びている公算が大なので、生存する可能性はほとんど無い。

 サーモバリック爆弾は、通常の爆薬に、アルミ粉などを大量に加えたもので、アルミ粉は爆薬よりゆっくり燃焼するから、爆圧のピーク時間を引き伸ばすことができるのである。ただし、それによって人の肺から空気を追い出すというのは都市伝説である。ショックウェーヴが人を窒息死させる機序は上述の通り。その機序を強化しているにすぎない。

 地下トンネルの内部でサーモバリックを爆発させると、ピーク圧を効率的に高めることができる。枝分かれした地下壕の隅々まで破片は飛んでくれないけれども、爆圧ならば及んでくれる。だから、同じ重量の爆弾素材で最高に爆圧を高めてやる方法として、1980年代にソ連が、アフガンゲリラの掃討のためにサーモバリックを改良したのだ。』

ドイツ海外情報局BNDは、ウクライナ戦線での露軍の無線交信を傍受…。

ドイツ海外情報局BNDは、ウクライナ戦線での露軍の無線交信を傍受しており、そのいくつかをネットで公表している。

Isaac Stanley-Becker and Vanessa Guinan-Bank 記者による2022-4-7記事「Germany intercepts Russian conversations on indiscriminate killings in Ukraine」
https://st2019.site/?p=19065

『ドイツ海外情報局BNDは、ウクライナ戦線での露軍の無線交信を傍受しており、そのいくつかをネットで公表している。

 民間住民を撃ち殺せという指示の出されている生々しいものだ。

 虐殺の主役はワグネル・グループのようだ。プーチンのお友達の傭兵たちである。

 ※親ロシアの住民だったのに、押し入って来た露兵に14歳と10歳の孫娘を陵虐されてしまったばあさんの電話肉声などがSNS上に出回っている。3歳の女児をレイプし射殺しているケースがあるという未確認情報もあり。上掲の記事は『ワシントンポスト』紙なので、裏を取った話しか載せていない。だがこれだけでは終わらないだろうと誰もが予期しているところだろう。』