ミャンマー、外貨強制両替の免除は限定的か

ミャンマー、外貨強制両替の免除は限定的か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0684J0W2A400C2000000/

『【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー中央銀行は、海外から入金した外貨を現地通貨に両替することを義務づける措置について、輸出品やサービスの代金などが対象になるとの見解を明らかにした。5日、各銀行に通達した。金融関係者は外貨の強制両替について「広範な免除措置は設けられないのではないか」と危機感を強めている。

中銀は3日付の銀行への通達で、国外から送金を受けた外貨を1営業日中に現地通貨チャットに両替するよう指示した。着金後、中銀が定めるレート(1ドル=1850チャット、6日時点)で両替させた上でチャット口座に振り替える。対象は「国内居住者」で、ミャンマーに拠点を置く外国企業や外国人も含まれる。

5日の通達では、両替義務の対象として①輸出に関する入金②サービス対価などのその他入金③投資④融資⑤片務的な国際送金を列挙した。このうち投資と融資については、当局の外国為替監督委員会が承認した金額に限り、両替義務の適用外になるとしている。

海外への外貨送金については、当局の承認がある場合は、中銀のレートに一定の手数料を上乗せしたレートで銀行から外貨を入手できるとしている。中銀は、通達以前に着金した既存の外貨預金についても同様にチャットに転換させるとしているが、今回の通達では実施方法についての具体的な言及はなかった。

各銀行は4日から外貨に関連する取引を停止しており、現時点では一連の通達は実行されていない。在ミャンマー日本大使館などが撤回を申し入れており、追加で免除措置が発表される可能性もある。だが、現地に駐在する邦銀関係者は「今回の通達は国軍の指示で行われた可能性が高く、楽観的に考えることはできない」とみる。

6日付の国営紙は「今回の措置で外貨の流通が十分になれば、輸入品の価格が下がるだろう」との現地の経済人のコメントを掲載した。ミャンマーではクーデター後に通貨安が進み、輸入に頼るガソリンや食用油、医薬品などの生活必需品が大きく値上がりした。

一方、ある日系大手企業の駐在員は「本格的に撤退を考えざるを得ない」と話した。ミャンマー国内の商取引は現地通貨で行うことが原則だが、輸出入に関わる場合は米ドルで決済することが多いためだ。別の企業経営者は「誰もミャンマーに外貨を送金しないようになり、中期的にはむしろ外貨不足が深刻化する」との懸念を示した。』