安保理、緊急会合開催へ キーウ近郊の民間人遺体発見で

安保理、緊急会合開催へ キーウ近郊の民間人遺体発見で
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『【ニューヨーク=吉田圭織、白岩ひおな】国連の安全保障理事会は5日、ロシア軍による民間人の虐殺が起きた疑いがあるウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャなどの状況について緊急会合を開く。4月の安保理議長国を務める英国のウッドワード国連大使がツイッターで明らかにした。

緊急会合では、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで演説する。ロシアによるウクライナ侵攻以来、安保理での演説は初めてとなる。ゼレンスキー氏はブチャで少なくとも300人の民間人が殺害され、ボロディアンカなど他の地域では犠牲者の数はさらに多い可能性があると指摘している。

ウッドワード氏はニューヨークの国連本部で開いた記者会見で、会合について「戦争犯罪やジェノサイド(集団虐殺)だと指摘されるブチャから出てきた画像について話し合う最初の機会となる」と話し、「ロシアに軍を撤退させ、違法な戦争を止めさせるための圧力にもなる」とも述べた。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は訪問先のルーマニアで「ロシアは戦争犯罪を行った責任を取らなければいけない」と強調。安保理会合では「ロシアに対抗し、孤立させる用意はできている」と訴えた。

一方、ロシアのポリャンスキー国連次席大使はブチャで民間人の遺体が発見された状況について、ウクライナの過激派による挑発だと主張している。

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

UNの安保理を改革しないと、存在する意味がなくなる。ロシアが訴えられているのに、当事者のロシアは常任理事国だからそれを否決することができるというのはわけがわからない。

今のシステムの前提は常任理事国は絶対に過ちを犯さないということである。そんなことはあり得る?この特権をはく奪しないと、侵略戦争を起こす国が得することになる

2022年4月5日 8:17 (2022年4月5日 8:21更新)

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