中国・上海、都市封鎖を延長へ コロナ感染拡大止まらず

中国・上海、都市封鎖を延長へ コロナ感染拡大止まらず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM04D7P0U2A400C2000000/

『【上海=松田直樹】東部と西部の2地域に分けて都市封鎖(ロックダウン)を実施している中国・上海市は4日、病気による治療などを除いて引き続き西部地区で外出制限を継続すると発表した。上海市は西部で1日から都市封鎖を実施し、5日未明に解除すると公表していたが、事実上の延長を決めた格好だ。

上海市は西部の約1600万人を対象とした都市封鎖を1日午前3時から5日午前3時まで実施すると公表していた。期間中に2回のPCR検査をするとしていたが、3日に予定していた2回目の検査を4日に延期するなど混乱が出ていた。対象者が多く検査に時間を要しているためとみられる。市政府は「2回目のPCR検査の結果を踏まえて外出制限などの解除を判断する」としている。

5日以降も地下鉄やバス、タクシーなどの交通機関は営業を停止する見通しだ。3月28日から先行して都市封鎖した東部は1日未明に封鎖が解除されたが、現在も大半の地区で外出制限が続いているとみられる。3日の上海市の新規感染者数は9006人と前日比780人増え、感染の拡大が止まらない。

封鎖の影響で配達員が不足し、ネット通販など大半のサービスは利用できなくなっており、市民からは不満の声が出ている。また、都市封鎖により新型コロナウイルス以外の患者が満足な治療を受けることができない状態も続いている。
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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

昨年の中国はテック企業への厳しい対応や不動産業者の債務問題および9月には電力不足などさまざまな問題に直面し、後半にかけて景気は減速した。

今年1-2月の経済活動は昨年末より改善がみられていたが、3月にコロナ感染者の拡大で一部の地域で人の移動や経済活動に対する規制が強化されており、製造業とサービス業ともに景況感が悪化している。

再び景気減速感が強まっており、今年5.5%前後の成長率の実現はチャレンジングに見える。

大型景気対策の発表はないし、共同富裕を掲げて不動産投機や大企業への利益集中の抑制は継続する模様だ。金融緩和も資本流出につながり限界がある。習近平氏がどのような経済対策を打ち出すか注目する。

2022年4月5日 7:34

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

コロナ対策はその国の制度を試す実験である。

上海は中国最大の経済都市で人々の教育レベルも高い。にもかかわらず、目にみえない小さなウィルスとの闘いで敗戦を喫した。中国の経済規模は世界3番目であるが、制度の成熟度をみれば、まだまだ発展途上国といわざるをえない。

亡くなった方の一部はウィルスに殺されたのではなく、行き過ぎたゼロコロナ対策によって死なされた。90%以上の感染者は無症状の陽性者である。

この現実から、ウィルスと共存する方針転換に機が熟したのに、政府は頑なにゼロコロナ対策を堅持。1,2日中に、2500万人に対するPCR検査を実施するのは無茶というか、無知といわざるを得ない

2022年4月5日 8:08

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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説

上海の都市封鎖に伴う経済的、政治的コストは高い。ファイザーの抗ウィルス剤Paxlovidを輸入するのか。

感染がほかの地域に飛び火しているなか、高まる社会の不満にどこまで対処できるのか。何よりも既に低迷している経済への打撃が大きい。上海はさまざまな意味での試金石となっており、今後の動きから目が離せない。

2022年4月5日 8:00

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