〔人生、諸行無常という話し…。〕

 両親は、だんだん年取って、要支援、要介護状態へとなって行った…。

 それでも、初めのうちは、「ヘルパー」頼んで、どうにかこうにか二人で生活を回してた…。
 しかし、片方が「脳梗塞」を発症し、それもできない状況となった…。

 ケアマネジャーや医者のアドバイスもあって、二人そろって「施設」へ入所することとなった…。

 全部が「一人部屋」だったんだが、幸い「隣りどうしの二部屋」を、借りることができた…。

 オレが、面会に行った時の話しだ…。

 三人で、お袋の方の部屋に集結した…。ちょっと、小用を足すため、トイレを借りて、用を足していた…。

 そしたら、二人で何か、言い争っているんだよ…。

 親父「○○(オレの名前)に、小遣いをやらんとな。」
 お袋「そんなこと言っても、お金、無いよ。」
 親父「なんだ。500円もないのか…。」
 お袋「無い無い。500円も無い…。」
 親父「なんだよー。しみったれてるなあ…。」
 お袋「そういうこと、言われてもね…。」

 入所の時、もう認知症になっていて、「お金の管理」もできないんで、サイフなんかは、持たせていない…。そういう状況も、すっかり忘れているわけだ…。

 オレは、聞いていて、泣きそうになったよ…。この年になっても、まだ小遣いくれようとしてくれるなんてな…。

 そういう風に、オレに「小遣い」くれようとしてくれる人たちは、もういない…。

 寂しい限りだ…。…。

「とし寄りに 小遣いやると 諍う(いさかう)か さらに老いたる 父と母かな」

「親どうし 小遣いやると諍うか いくつになるも 子は子かな」

「ありがたき 小遣いやると諍いし 父母(ちちはは)見ては 涙しにじむ」

「ぽっかりと 空いた穴へと 骨(こつ)入れる 人とはこれと 僧が言う」

「胸奧(むなおく)に 空いた穴から 風が吹く 小遣いくれる 人たちいない」

「法事終え 母の遺影を 隣置く 父の遺影が うれし気に見ゆ」

「賑やか(にぎやか)に 二人で何か話すのか 父の遺影が にこと微笑む」

(ジジイ作)