「株主資本主義からの転換」にある「財務省の遠大なる戦略」とは

「株主資本主義からの転換」にある「財務省の遠大なる戦略」とは
https://news.yahoo.co.jp/articles/29a081c6074d29e91aaafa34d1f9a4d2a354a2dc

※ 今日は、こんなところで…。

『ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。岸田総理が「株主利益の最大化を重視する『株主資本主義』の弊害を是正したい」と語ったというニュースについて解説した。
岸田総理「株主資本主義からの転換へ」と発言

2022年1月24日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202201/24bura.html

岸田総理大臣は1月25日の衆議院予算委員会のなかで、看板に掲げた「新しい資本主義」の分配政策面に関し、株主利益の最大化を重視する「株主資本主義」の弊害を是正したいとの考えを示した。「株主資本主義からの転換は重要な考え方の1つだ。政府の立場からさまざまな環境整備をしなければいけないという問題意識を持っている」と述べた。

飯田)国民民主党の前原さんの質問に対して答えたということですが、どう見たらいいでしょうか?

高橋)普通の経営者から言わせれば、「株主資本主義ではなくて株主社会主義でしょう」とみんな冷やかして言います。このなかには「財務省の遠大なる戦略」があるのですが、それを誰も解説したことがありません。

飯田)裏にそんな戦略があるのですか?

高橋)まず、「労働者の利益のため」と言うのだけれど、撒き餌というか見せ金があって、それが「賃上げ税制」なのです。岸田政権でも賃上げ税制による税収効果がわかるのですが、せいぜい1000億円程度なのです。

飯田)なるほど。

高橋)その次に、「資本家の方から金を取る」という話になって、配当課税の強化になるわけです。これが本命で、こちらは数千億円~1兆円規模のオーダーの増収になるのです。このセットでいつもやっていて、撒き餌としての賃上げ税制があり、その後に配当課税の強化をやる。そういう遠大なる計画があって、それに則っているだけなのです。体よく「労働者のために」という言い方をしますが、逆に言うと経営者、資本家の方から金を取るという政策です。

飯田)配当課税の強化というのは、例の分離課税を見直して行くという話ですか?

高橋)そうです。今回の「株主資本主義」という名称は、その布石です。労働者の賃上げを少し見せて撒き餌を行い、最後に配当課税の方に持って行くというストーリーです。

飯田)総裁選のときに少し出たけれども、批判が多くて一旦うやむやになった話ですよね。

高橋)言ってしまったのですよね。だから今回は「株主資本主義」などと遠回しに言っているのです。聞かれたときは当面、賃上げ税制の話をしておくわけです。賃上げ税制は効果がないから、いくら言っても大丈夫なのです。そのうち頃合いを見て、配当課税の話に行くはずです。

飯田)そうすると、働いている者からすれば、賃上げはほとんどなく。

高橋)ありません。そして配当課税の方に「ドカン」と行くわけです。そちらの方が税収も大きいから、そこを狙っています。要するに増税ですね。

飯田)分離課税をするというのは、日本でも広く一般に投資をやってもらおうという、NISAやiDeCoと同じ流れのように見えたのですが。

高橋)そうなのですが、そこに手を入れたいと。資本家の方に手を入れると成長の元手がなくなるのだけれど、今回の岸田政権には成長戦略がないでしょう。それと表裏一体ですよ。

飯田)成長戦略がなく、パイを大きくせずに、パイの切り分け方だけを考えると。

高橋)そこに財務省がいるから、取りやすいところに手を突っ込むという戦略があるのです。

飯田)財務省にとっても、パイを大きくしてからの方が財政再建になるのではと、素人的には思うのですが。

高橋)財政再建を考えていないのです。はっきり言えば、財政再建は必要ないですからね。

飯田)財政再建は言うだけで必要ない。』

愛国者プーチンが全方面に仕掛ける外交戦

愛国者プーチンが全方面に仕掛ける外交戦
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28046740.html

『ロシアの大統領プーチン氏を評価する時、何を基準にするかで変わるでしょうが、「国が繁栄する為ならば、何をしても良い」と考える点で、一点の曇りもない愛国者と呼べるかも知れません。まぁ、言葉尻だけ見ると、とんでもない言い草に聞こえるかも知れませんが、少なくてもスターリンや毛沢東の独裁と、プーチンの独裁は、種類が違うと考えています。

スターリンも毛沢東も、レーニンの示した革命のビジョンに、少なくても最初のうちは感化されて、そういう社会を目指した夢想家的な革命家でした。共産社会というビジョンがあって、国の仕組みを、それを実現する為に作り直し、壮大な社会実験の末、最終的には権力欲の権化みたいになって、国家に対して多大な害を成しました。

プーチン氏が活躍した時代は、既に共産主義の制度疲労が見えていた為、ゴルバチョフ議長が推進を始めたペレストロイカの時代です。この時、KGBの職員として働きながら政治的にもサンプトペテルブルグ副市長として働いていました。守旧派とKGBなどの旧権力側が、ゴルバチョフ氏に反抗して起こした国会議事堂占拠事件の時、あっさりと時代錯誤なKGBを退職しています。

この時、後に大統領になるエリツィン氏の活躍で、軟禁状態だったゴルバチョフ氏が救出され、実権がエリツィン氏へ移ります。エリツィン氏の初期の執政は、色々と評価できるのですが、体調を崩してからは、家族による政治の私物化や、贈収賄による黒い金の横行が進み、当時、新興勢力として力をつけてきた新財閥集団オリガルヒが、政治を操ろうとしていました。

そのエリツィン氏の片腕として、新KGBとも言える組織をバックに順調に出世していたのが、プーチン氏です。国家の保安組織を握っていた為、プーチン氏には、色々な武器が手元に揃っていました。まず、自身の権力のバックであるエリツィン氏に対しては、不正を行ってでも徹底的に守りました。この当時のプーチン氏は、周りからは忠実な飼い犬に見えていたと思います。なにせ、エリツィン氏とその取り巻きの家族の不正を摘発しようとしていた検察のトップを、恐らくは偽造したセックス・スキャンダルをネタにして、懲戒免職にさせています。

この功績を認められ、病床のエリツィンから後継者指名を受け、政界に手を伸ばしていたオリガルヒからも、「自分達の都合に合わせて動いてくれる駒」として、大統領選挙の支持を取り付けるのに成功しました。まぁ、これがとんでもない勘違いだったんですけどね。

当時からオリガルヒを、国家を蝕む癌だと見ていたプーチンは、大統領に当選すると、徹底的に組織の破壊に動きました。この時に権勢を誇っていた、ガス会社・メディア・石油会社のCEOが逮捕されたり、国外逃亡した者は、なぜか自宅で不審死して発見されたりして、あっという間にプーチンに楯突く人間はいなくなりました。この時、プーチン氏は、「オルガリヒの諸君。君たちは選ぶ人間を間違えた」と言ったとされています。

財閥連合を崩壊させると、エネルギー産業を子飼いの部下の制御化におき、旧ソ連時代に積み上がった外債を5年で返済しています。また、莫大な蓄財を国庫に貯めました。この貯金が、後にロシアを襲う経済危機の時に、ロシアの産業を救う事になります。どこの企業を救うかは、決済権を持っているプーチン氏の裁量で決まるので、そのリストは「プーチンのリスト」と呼ばれて、産業界は完全にプーチン氏に掌握される事になります。

外交でも、当初は協調路線をとり、ヨーロッパとの関係修復、日本との北方領土問題の解決に向けて、今までになかった方向性を示しました。しかし、アメリカは、これをプーチン氏がロシアが復権を目指していると警戒し、ソ連崩壊の時に分離独立した周辺国をNATOに組み入れる事で、対ロシア包囲網を構築しようとします。現在、ウクライナやカザフスタンで、揉めているロシア軍とNATOの対立は、この頃から継続しているのです。

2008年のグルジアで起きた南オセチア紛争が起こると、すぐさま軍事介入。アメリカは、猛批判しましたが、結局軍隊の投入はしませんでした。つまり、東ヨーロッパの紛争に及び腰である事を見きったわけです。これで、2014年のクリミア併合、2015年のシリア内戦では、軍事介入したアメリカと敵対する組織に武器支援。泥沼の戦争に引きずり込む事で、国力の弱体化を狙います。そして、中国とアメリカが対立を始めると、中国の支援を始めます。ただし、これは中国の経済的な国力が予想を上回る発展を遂げた為、右手で握手して左手にナイフを持つ関係が続いていて、必ずしもうまくいきませんでした。

そして、まさに現在進行系で、中国を利用して経済にテコ入れを目論んでいます。中国がAIIBという途上国向けの開発銀行を主催しているのはご存知かと思います。中国と国境を接するカザフスタンで、エネルギー価格の高騰を直接の原因とする市民暴動が起きて、これをロシアの軍事力を背景して政府が鎮圧しました。つまり、カザフスタンにロシアは大きな貸しを作った事になります。カザフスタンは、中国の一帯一路政策でも、核になる地域で、ここが親ロシアになると、色々と中国には都合が悪いわけです。

カザフスタンへの影響力を確保した状態で、ロシアはAIIBへ高速道路建設の為の資金、1兆3千億円余りの融資を申し込んでいます。この道路は、どこを指すのか具体的に報道されていないのですが、恐らくは、カザフスタン国内を縦断してロシアへ達する道路かと思います。つまり、ロシアへの流通を確保する為にカザフスタンに建設する縦断道路の建設資金を、中国に出させようとしています。一種の脅しを背景にした、資金の無心です。

このように、プーチン氏は、超現実主義者で、強大な権力を振るいますが、蓄財や私欲の為というよりは、やはり国家の為に行っているのです。その手段は、時に横暴ですが、そういう態度でないと、治まらないのがロシアという広大な国土なのでしょう。』

北欧フィンランド、スウェーデン NATO加盟の議論表面化

北欧フィンランド、スウェーデン NATO加盟の議論表面化 自らの首を締めるプーチン大統領
https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/7cfde429b1670fa105f32b6dc47c53ae

『【揺らぐ「北欧バランス」】

ロシア・プーチン大統領がウクライナに軍事的圧力をかけているのはウクライナ東部をロシア領にしたいという話ではなく、その最大の目的は東方拡大を進めてロシア国境に迫るアメリカ主導のNATOの動きを止めたいということにあるように思われます。

ロシアはアメリカに文書でNATOが東方拡大を止め、ウクライナのNATO加盟がないことを確約するように迫り、アメリカ、NATOが文書回答でこれを拒否するという形で現在綱引きが行われています。

NATO加盟は当事国の主権の問題であり、加盟させる・させない云々をロシアに確約するというのは、原則論からして応じられない話です。

ただアメリカ・NATOも、ロシアとの火種を抱えるウクライナの現時点でのNATO加盟を望んでいる訳でもありませんので、表向きの「拒否回答」とは別に、水面下で付随する様々な事柄に関する交渉が行われていると推測されます。

一方、北欧に目を転じると、“北欧には、NATO加盟国であるノルウェー、中立のスウェーデン、ソ連に近い国であるフィンランドが存在するという、「北欧バランス」といわれた安全保障体制というべきものが形成されてきた。”【1月28日 WEDGE】という状況でしたが、近年の、そして今回のロシアの露骨に軍事力を振りかざす姿勢によって、この「北欧バランズ」が崩れ始めています。それも、ロシアが避けたいと考えている方向へ。

【フィンランド 「NATO加盟を申請する選択肢を保持している」】

ウクライナのNATO加盟云々に引きずられるように表面化しているのがフィンランドのNATO加盟問題。

フィンランドでは、マリン首相が昨年12月31日に、ニーニスト大統領が1月1日に、それぞれ、フィンランドにはNATO加盟の選択肢がある旨、明言しています。

****フィンランド NATO加盟の権利主張 欧露間で緊張も****

北欧フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を阻む隣国ロシアの意向に反し、「加盟する権利」を声高に訴えている。

ロシアによるウクライナ侵攻が警戒される中、フィンランドの安全保障政策にまで介入する姿勢を見せるロシアに対し、自国の政策を決める権利を主張した形だ。

ウクライナ情勢をめぐりロシアが今月、NATOや米国と協議するのを前に、欧露間で一段と緊張が高まる恐れがある。

フィンランドのニーニスト大統領は1日、年頭の声明で「フィンランドの戦略と選択の自由には、NATOへの加盟申請の可能性が含まれる」と述べた。マリン首相も昨年12月31日の声明で「自国の安全保障政策を決める権利」を主張。「(フィンランドは)NATO加盟を申請する選択肢を保持している」とした。

首脳陣が相次いでNATO加盟に言及する発端となったのが、ロシア側が12月下旬に発した警告だ。

露外務省のザハロワ報道官は同月24日の記者会見で、NATOに加盟していないフィンランドとスウェーデンが「NATOの大規模な演習にますます積極的に参加するようになっている」と非難。両国の非加盟が「北欧の重要な安定要因」とした上で、両国がNATOに加盟した場合は「軍事的、政治的に深刻な結果をもたらし、ロシア側に適切な対応が求められるだろう」と強調した。

この発言は「安全保障政策への介入」(フィンランドの外交問題専門家)と受け止められ、同国でロシアへの警戒が高まった。

欧州連合(EU)加盟国のフィンランドは大戦が勃発した1939年に旧ソ連の侵略を受けたが、独立を保った歴史がある。大戦後は「中立」を看板とし、西側の国としては唯一、旧ソ連と友好協力相互援助条約を結んだ。

一方、ソ連解体後も約1300キロメートルにわたり国境を接するロシアの軍事的脅威に対する警戒を続けた。2014年のロシアによるクリミア併合などを受け、NATOとの連携を強化してきたが、中立政策を掲げる立場からNATOに加盟していなかった。加盟に反対する国民も多く、申請の可能性は低いとみられる。

そうした中で、首脳陣がNATO加盟の申請について踏み込んだ発言をした背景には、ウクライナ情勢を緊張緩和に導く狙いもあるとされる。

フィンランド政府は、同じロシアの隣国であるウクライナの情勢が「フィンランドの安全保障にも関わる」(ニーニスト氏)として、ロシアの脅威の抑制が急務とみている。

エストニア外交政策研究所のレイク所長は現地メディアに「フィンランドはNATO加盟の申請をロシアとの(交渉の)カードに使った」と分析。ロシアが侵攻を止めなければ「(ロシアが懸念する)加盟を申請すると迫るメッセージをロシア側に送った」との見解を示した。

一方、フィンランドの対応は、北欧のEU加盟国、スウェーデンにも波及する可能性がある。英紙テレグラフなどによると、スウェーデンは今月1日、ロシアなどを念頭に情報操作やプロパガンダ(政治宣伝)、心理戦への対策を講じる新たな政府機関を設立した。

両国の強硬姿勢を受け「ロシアが反発を強める」(スウェーデンの外交問題専門家)事態が予想される。【1月6日 産経】

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アメリカ・バイデン大統領も、このフィンランド首脳のNATO加盟への言及に応じる形で、ロシアを牽制しています。

****NATO加盟申請「権利ある」 米大統領、フィンランドに保証****

バイデン米大統領は18日、フィンランドのニーニスト大統領とウクライナ情勢について電話協議した。ホワイトハウスによると、バイデン氏は「欧州各国は安全保障体制を独自に決める権利を持っている」と強調。ロシアの隣国フィンランドが、北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請する権利を「保証」した。(後略)【1月19日 毎日】

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ただ、フィンランドとしても自国の加盟問題が過度に焦点となるのは好まないところでしょうから、マリン首相は一定に議論をコントロールする姿勢も見せています。

****フィンランド、NATO加盟計画せず 対ロ制裁なら協調へ****

フィンランドのマリン首相は19日、同国が近い将来に北大西洋条約機構(NATO)に加盟する計画はないが、ロシアがウクライナを攻撃した場合は欧州の同盟国と米国に歩調を合わせて厳しい制裁を発動すると述べた。

首相はロイターとのインタビューで、「制裁はかなり実質的な影響をもたらし、極めて厳しいものとなる」と述べた。

一方、自身の任期中にフィンランドがNATO加盟を申請する公算は非常に小さいと述べた。(後略)【1月20日 ロイター】

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【スウェーデン 「ロシアの脅威」に対し軍事力を強化】

スウェーデンでは、中道左派の社民党政権がNATO加盟に懐疑的な態度を取り続けていますが、右派の野党はNATO加盟に積極的です。

そうした政治状況のなかで、近年の「ロシアの脅威」に対し、軍事力を強化する方向に舵を切っています。

****ロシアの脅威に北欧スウェーデンが選んだ軍拡の道****

10月19日付の英Economist誌が「スウェーデンは、数十年間で最大の軍事力増強に着手した。理由はロシアである」との解説記事を掲載している。

スウェーデンでは、10月14日に新国防法案が提出され、過去70年間で最大の軍拡を予定している。理由は、暗殺から侵略まで、ヨーロッパにおけるロシアの脅威が増し、スウェーデン人の対露警戒心が高まっているからである。
 
近年、スウェーデンは、ロシアが領空と領海を頻繁に侵犯したとして非難してきた。それでスウェーデンは、NATO(北大西洋条約機構、注:スウェーデンは非加盟国)や、米国、他の北欧諸国と、軍事的関係を深めてきた。 
 
新国防法案が成立すれば、国防予算を2021年~2025年の間に275億スウェーデン・クローネ(約31億ドル)増加することになる。これは、軍隊の50%増も賄う。軍隊は、正規兵の他、徴兵兵士、地元の予備役を含め9万人になる見通しである。
 
冷戦終結後、徴兵制は10年前に廃止されたが、ロシアの脅威の高まりによって2017年に男女ともに復活した。スウェーデンの議会や国民から大きな反対はなかった。18歳以上の男女が年間8千人、徴兵される。また、上陸部隊がスカンジナビア最大の港、ゴーテンブルグに再び置かれることになる。
 
民間防衛では、サイバーセキュリティ、電力網、および保健の分野のために、より多くの資金が投じられるだろう。
 
スウェーデンは中立国であるが、ロシアの脅威を強く認識するに至り、軍拡路線にかじを切ったという興味深いエコノミスト誌の解説記事である。国際情勢全般に与える影響は大きくないが、ご紹介する。
 
北欧は、ノルウェーがNATOの加盟国、フィンランドが親ロシア、そしてスウェーデンが中立国ということで微妙なバランスを保ちつつ、平和を維持してきた。

が、ロシアの最近の動きがスウェーデンを刺激し、スウェーデンが脅威に対応する必要を感じ、軍拡しているということである。国防費を一挙に40%増にするのは予算に飛躍はないという中でかなり強い対応である。スイス、スウェーデンは武装中立国であるが、周辺の国に脅威を与えることはほぼない。
 
ロシアは何の意図でスウェーデンの領海、領空を侵犯し、スウェーデンのような国の警戒心を高めているのか、理解できない。北方領土に軍を配備し、演習をして、日本から抗議されているのと同じような愚行ではないかと思われる。
 
ロシアの経済は、いまやIMF(国際通貨基金)のGDP統計で韓国以下であり、かつ石油価格は新型コロナ・ウィルス、温暖化対策等で今後回復しそうにもない。

プーチン大統領は国際的に大国として大きな役割を果たしているロシアを演出するために、シリアやリビアに進出し、ベネズエラに傭兵を出すなど、やりすぎている。こういうことは、ロシアの衰退につながると思われる。【2020年11月18日 WEDGE Infinity】

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【プーチン大統領 自らの言動でNATO拡大を招く】

ロシア・プーチン大統領が“こわもて”ぶりを発揮して、軍事大国として存在感を見せつけ、かつて世界を二分したソ連の残影を追い求めるほどに、周辺国はロシアの脅威を感じ取り、その脅威に備える方向に向かいます。

プーチン大統領はNATOの東方拡大を強く批判していますが、自らの言動がそうした事態を招き、助長していると言わざるを得ません。

****スウェーデン、フィンランドのNATO加盟論が再燃****

ウクライナをめぐる危機においてロシアのプーチン大統領は、北大西洋条約機構(NATO)はロシアの国境に向かって侵入するのをやめなければならないと主張している。だが、そのプーチン氏の要求が欧州大陸の北端で意図せぬ事態を招いている。フィンランド、スウェーデンのNATO加盟の是非をめぐる議論の再燃だ。

ウクライナ国境付近でのロシア軍の兵力増強に世界が注目するなか、北欧2国では政治指導者が党派の違いを超えて、いつでもNATO加盟申請という選択肢があると強調するようになっている。

「前例のない活発な議論だ。色々なことが起きている。次に起きることによって大きく左右される」と話すのは、フィンランドの野党第1党でNATO加盟を唱える中道右派「国民連合」の外交政策・欧州連合(EU)顧問、ヘンリ・バンハネン氏だ。

スウェーデン、フィンランドの両国外相は24日、ブリュッセルでNATOのストルテンベルグ事務総長と会談した。フィンランドのニーニスト大統領が米国、ロシアの両大統領と協議するなど、このところの一連の外交対話のさらなる進展だ。

「NATOの扉は開かれたまま」

「NATOの扉は開かれたままだ。スウェーデンとフィンランドは我々の最も緊密なパートナーだ」とストルテンベルグ氏は会談後に語った。

フィンランドのハービスト外相は「フィンランドはNATO加盟国ではないが、行動の余地と選択の自由を維持することはフィンランドの外交、安全保障、防衛政策の不可欠な一部分だ」と述べた。

EU加盟とその相互防衛条項のために長年の中立政策を放棄した両国は近年、NATOへの接近を強め、危機発生時や演習においてNATO軍部隊が領内を通過することを認めている。

ロシアは、バルト海沿岸の両国を含めてNATOがさらに拡大すれば、厳しい対応を取ると威嚇している。ロシア外務省は2021年12月、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟は「ロシア側の十分な対応を必要とする重大な軍事的、政治的結果を招く」と表明した。

米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのアンナ・ウィースランダー北欧部長は、ロシア自身の行動がスウェーデンとフィンランドをロシアにとって望ましくない出方の検討に動かしていると指摘する。

「私たちがスウェーデンで問題のない状態にあれば、私たちを安全保障政策の変更に動かす大きな力は生まれない。他にもっと重要な問題がある。外からの脅威という力が必要なのだが、それはロシアにとって逆効果となる」

スウェーデンのリンデ外相は、ロシアのウクライナに対する意図と「攻撃的な言辞」について「深く懸念」していると述べ、フィンランドとともにNATOと話し合ったのは重要だと強調した。

スウェーデンとフィンランドは最近、相互の防衛協力を強化。NATO加盟に関しては以前から、いかなる動きにおいても両国は足並みをそろえるものとみなされている。

識者は、NATO加盟をめぐる議論はフィンランドのほうが深いとみている。理由として、スウェーデンが徴兵制を廃止して軍を大幅に縮小したことがあるのに対し、フィンランドは防衛を緩めることなく大規模な国防支出と多数の予備役を維持していることが関係しているはずだという。

スウェーデンでは2010年代初頭、防衛力は国を1週間守れるだけで、首都ストックホルム爆撃を想定した軍事演習をロシアが行った際、ジェット戦闘機を緊急発進させられなかったことを国防軍司令官が認めた。このどん底の時期の後、スウェーデンは軍事支出を拡大して徴兵制を復活させた。

NATO加盟について、スウェーデンはフィンランドよりも政治的に分裂しているようだ。中道左派の与党・社会民主労働党がNATO加盟に強硬に反対する一方、中道右派の野党勢力は加盟推進で結束している。

フィンランドでは中道左派のマリン首相が先週、自身の在任中にフィンランドがNATO加盟を申請する「可能性は極めて低い」と語り、波紋を広げた。フィンランドは選択の余地を残しておくべきだとする野党の痛烈な批判を浴びた首相は、発言が「過剰に解釈された」と釈明した。

それでもフィンランドの首都ヘルシンキでは、NATO加盟まではあと「サウナ1回」だと冗談半分にささやかれている。サウナの中かどうかは別にして、状況次第で各政党の指導者と首相がすぐに加盟申請を決められるという意味だ。

手の内は明かさず

「フィンランドがNATO加盟について真剣に検討している場合、この時点で私たちがそれを知ることはないはずだ。事前に手の内を明かすのは賢明ではない」と国民連合顧問のバンハネン氏は言う。

同氏はさらに、フィンランドは戦略と計画を曖昧にしたまま公式発表を微妙な内容にすることで、NATO加盟の選択肢を外交政策上の「抑止力」として使っていると説明した。フィンランドは最近、軍の即応態勢を高めたが、詳細は明かしていない。

これに対し、スウェーデンは高速道路と貨客フェリーを使って軍用車両をゴットランド島に送り込んだ。同島はバルト海上の空母になぞらえられている。周辺海域を航行するロシア船舶の目に付く対応だ。

アトランティック・カウンシルのウィースランダー氏は「以前は、北欧最大の国であるスウェーデンが主導しなければならないだろうと思っていた。しかし、今の力学を踏まえると、ストックホルムよりヘルシンキのほうが早く動き始める可能性が高いと思う」と話す。

議論の焦点は、純粋にスウェーデンとフィンランドにとってNATO加盟は何を意味するかだけではない。欧州北部の戦略的要衝に位置する両国がNATOに何をもたらしうるのか、という点も絡んでいる。

バルト3国の一つ、エストニアのカラス首相はフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、これはスウェーデンとフィンランドだけの決断であるとする一方、「両国がそうすると決めた場合、私たちはNATO内で両国を強く支援する」と語った。

カラス氏は、両国は強い軍事能力をもたらして「NATOの版図で半島のような」バルト3国を助けることになると指摘した。「間違いなく、この地の安全保障を高めることになる」
(2022年1月25日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)【1月26日 日経】

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プーチン大統領は「強いロシア」を復活させたということで国内的な支持を得てきましたが、個人的には誤った評価だと考えています。

プーチン大統領の「強いロシア」志向は周辺国の警戒心を強め、ロシアに対抗するNATO勢力を拡大させ、ロシアの孤立化・経済の低迷を招いています。ロシアは軍事力と資源だけが頼りの国家になろうとしています。

ウクライナに侵攻するのかどうか・・・そこは知りませんが、仮に侵攻した場合、軍事的にいくらかの得るものがあったにしても、ロシアは今の誤った道をこれまで以上のスピードで転げ落ちることにもなるでしょう。

後世の歴史家からは「プーチンがロシアを滅ぼした」と評されることにも。』

ウクライナ進攻と盧溝橋

ウクライナ進攻と盧溝橋
https://kotobukibune.at.webry.info/202201/article_289.html

『1.ロシアの要求に文書で回答

1月26日、アメリカのバイデン政権は、緊迫するウクライナ問題について、ロシアのプーチン大統領が要求している北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大などの要求に対し、アメリカの立場を文書で回答したことを明らかにしました。

文書による回答は、21日にジュネーブで行われた米露外相会談で取り決められたもので、サリバン駐露米大使がロシア側へ手渡し、NATOも同じく26日にロシアに回答文書を送付しました。

プーチン大統領は昨年12月にNATOをこれ以上東方に拡大しないとの確約や、アメリカがNATO非加盟の旧ソ連構成国と軍事協力をびうことの禁止およぼ東欧からのNATO兵力の撤収などを柱とする条約・協定案をアメリカとNATOに提示。バイデン政権は、これらの要求に応じることはないとする半面、米露双方の安全保障上の懸念軽減に向けて軍事演習や軍備管理のあり方などに関しては協議の準備があるしており、今回の回答でも同様の立場を示したとみられています。

ブリンケン国務長官はこの日の記者会見で「NATO加盟を望む国々に門戸を開くとの原則に変わりはない」と強調し、ロシアが対話かウクライナ侵攻のどちらを選んだ場合でも「準備はできている」と述べました。

ただ、ブリンケン国務長官は「文書の公開はしない」とした上で、「ボールはいまロシア側にある」と述べ、プーチン大統領が緊張緩和に向けた対話に前向きな姿勢をみせることに期待感を示しました。

2.ロシアがウクライナ侵攻を目論む理由

日本のマスコミは、ロシアによるウクライナ進攻が近いのではないかと報じていますけれども、欧米ビジネス政治経済研究所代表理事の林大吾氏は、ロシアがウクライナ侵攻を目論む狙いには、表面上の目的と真の目的の2つがあると指摘しています。

林氏によると、表面的な目的は、既に明らかになっている「NATOの東方拡大の阻止を法的に保証させること」なのですけれども、これまでのロシアの自身たっぷりの動きから、EUの分断や、EUとアメリカの分断、つまり「アメリカの欧州からの排除」を一気呵成に狙っているのではないかと述べています。

そして、真の目的には、「ウクライナの民主化阻止」があり、具体的には「親ロシア政権の樹立」なのだと指摘しています。

実際、22日にはイギリス外務省が新首相候補の実名まで挙げて「ウクライナの政権転覆を狙うロシアの活動が明るみに出た」と機密情報を報道していますけれども、実際、ロシアの諜報機関の工作によって議員の半分近くが親ロシア派で固められたと見られていて、ロシア主導で親ロシア政権樹立の可能性が高まっているとの見方もあります。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、元はコメディアンでした。2015年に平凡な高校教師が政治腐敗に異を唱え、大統領にまで上り詰めるテレビドラマ「国民のしもべ」の主役を演じて人気を博し、2019年には、ドラマと同じように大統領選に立候補し当選しました。
けれども、ゼレンスキー大統領本人は、政治の素人であることに変わりなく、ロシアとの間で緊張を高める結果となりました。

林氏は、今後、プーチン大統領には3つの選択肢があるとして次を挙げています。

1)軍事侵攻をすると見せかけてこのまま脅し続け、実際は軍事行動を起こさずに西側諸国の譲歩を取り付ける

2)ウクライナの一地域、例えば東部ドンバス地方に小規模に侵攻し、一部を占拠して実効支配をする

3)大規模な地上戦を行い、ウクライナ全域を支配する。

林氏は、真の目的が親ロシア政権の樹立であるならば、西側諸国の力の無さと乱れぶりからすると、一つ目の、脅しのみで西側の譲歩を取り付けかつ同時並行的に親ロシア政権を樹立することは十分に可能であり、3つ目の選択肢を取り、大規模な地上戦を行い、キエフ占領まで見据えても、アメリカの決断力の無さからすれば大した抵抗も無く最大の結果を得られると、プーチン大統領には見えているだろうと推測しています。

3.ロシアのウクライナ侵攻はあり得ない理由

その一方、ロシアのウクライナ侵攻はあり得ないとする見方もあります。

環日本海経済研究所共同研究員の杉浦敏広氏は、ウクライナ問題におけるロシアの政治的意思は「ウクライナのNATO加盟阻止」であり、アメリカのそれは「ロシア軍のウクライナ侵攻阻止」であるとした上で、ロシア軍がウクライナに侵攻すれば、アメリカはウクライナのNATO加盟を認めることになり、ロシアは自国の政治的意思を実現できず、一方、アメリカがウクライナのNATO加盟を認めればロシア軍のウクライナ侵攻を正当化することになり、アメリカは自国の政治的意思を実現できないことになると指摘。これらから米露両国の政治的意思を実現する手段は戦争ではないと述べています。

杉浦氏は、ロシアは自身のレッドラインとして「ウクライナのNATO加盟決定」を表明し、アメリカは「ロシア軍のウクライナ侵攻」をレッドラインと定めていますけれども、それらを意図的に公表することで戦争勃発を避けようとしていると指摘しています。

先日、アメリカは、ウクライナに武器供与を発表し1月22日に武器弾薬90トンがウクライナに到着したと報じられていますけれども、杉浦氏はこの発表を受けロシアは「第2次キューバ危機」を演出するだろうと予測しています。

杉浦氏は、この「第2次キューバ危機」ではロシアはキューバやベネズエラにロシア製ミサイルを配備すると脅して、ロシア製ミサイルを積んだ輸送船をキューバやベネズエラに向かわせ、アメリカがその船を拿捕することで、1962年のキューバ危機の再来になると述べています。

第1次キューバ危機はケネディーとフルシチョフの協議により、ソ連は輸送船を帰国させ、アメリカ軍はトルコから撤収しましたけれども、今回の第2次キューバ危機は、プーチン大統領がミサイル運搬輸送船を帰国させ、バイデン大統領はウクライナの加盟阻止を密約することで解決するだろうと述べています。

なるほど興味深いシナリオだと思います。

4.盧溝橋を演出するゼレンスキー

また、地政学者の奥山真司氏はベテランのロシア経済の専門家であるポール・グレゴリー氏が「それでもロシアはウクライナに侵攻しない」というインタビュー記事を自身のブログで紹介しています。

それによると、プーチン大統領の過去の戦争に関する意思決定のパターンとして「ロシアの犠牲者がほとんど出ないような小規模で低コストの戦争を好んでいる」ことと、「軍備を増強し、紛争に備えながら、民衆の支持を得るために国家主義的なアピールをする」という特徴があり、今回のウクライナ問題がこれらのモデルに合致しないことから、プーチン大統領がウクライナと戦争を始めるとは思えない、というのですね。

ウクライナに進攻すれば、プーチン大統領は大量の死傷者を秘密にしておくことはできず、戦争に負ければ自分の首が危うくなる。1979年のアフガン侵攻がもたらした経済的、政治的ダメージは、その10年後のソビエト連邦崩壊の条件の一つとなったのだと指摘しています。

その一方で、グレゴリー氏は、現在のロシア軍のウクライナ国境への駐留が、偶発的な武力衝突を引き起こす可能性があることを懸念しています。

実は、先に紹介した環日本海経済研究所共同研究員の杉浦敏広氏も、ウクライナ問題で心配すべきなのは、ウクライナのゼレンスキー大統領だと述べています。

なぜなら、米露協議が進展して情勢が正常化すれば、ウクライナ国民の目はゼレンスキー大統領の無能政策を批判するようになる公算が高いからです。ゼレンスキー大統領は、その批判をかわすために、”ウクライナの盧溝橋”を演出する可能性があるというのですね。
実際、2024年にはウクライナの大統領選挙があり、既に野党の新露派であるP.ポロシェンコ氏が帰国して、大統領選挙に出馬する予定となっています。

こうしたことから杉浦氏は、ロシア軍の軍事侵攻はあり得ないものの、ウクライナ軍が盧溝橋を仕掛ける可能性があると警鐘を鳴らしています。

盧溝橋を演出したとしても、見た目は”偶発的な武力衝突”ですから、この点でグレゴリー氏の懸念と杉浦氏の警告は一致することになります。

筆者としては、ロシアのウクライナ進攻よりも、演出か偶然かは別として、国境近辺での小規模な武力衝突の方が可能性が高井のではないかと思います。要警戒です。』

米中が国交断絶する日

米中が国交断絶する日
https://kotobukibune.at.webry.info/202201/article_288.html

『1.駐中アメリカ大使館員退避許可検討

1月24日、アメリカ国務省が中国に滞在している外交官およびその家族の出国を許可する準備を進めていることが明らかになりました。

ロイターによると、1月24日、駐中アメリカ大使館は、アメリカ政府に対し正式な出国許可を求める要請書を送付したようです。中国による武漢ウイルス関連規制には、発熱外来クリニックへの強制入院や子どもとの別居などが含まれており、アメリカ政府が職員をこのような隔離措置の適用から除外できていない、あるいはそうするつもりがないことに一部職員は不安を感じているのがその理由としています。

関係者によると、駐中アメリカ大使館が行った内部調査で職員と家族の25%が可能な限り早い出国を選択することが示されたそうです。

この関係者は、外交官は自宅での隔離を基本にし、発熱外来クリニックや病院への入院は任意にすべきだと指摘し、アメリカ政府はそのような規制に対抗措置を講じるべきだったが、それができていないと語っています。

また、別の関係者は、パンデミック下におけるアメリカ外交官の待遇について大使館幹部は中国から適切な言質を得ることができなかったとしています。

これについて25日、アメリカ国務省はロイターへの声明で、中国にある米大使館および総領事館の業務状況に変わりはないと説明。いかなる変更も職員や家族の健康や安全に基づくものになるとしています。

2.北京冬季五輪を破壊するために行った挑発行為

この突然の駐中アメリカ大使館職員の帰国の動きに、中国外務省は正式なコメントを出していないのですけれども、環球時報は鋭く反応しました。

26日環球時報は「Exclusive: Dirty trick again! US plots to authorize departure of staff from embassies in China over epidemic ahead of Beijing Olympics(排他的。またもや汚い手口! 米国、北京五輪に向けた疫病対策で在中国大使館職員の退去を許可することを画策)」という記事を掲載しました。

記事では、このアメリカの動きは、北京冬季オリンピックを破壊するために行った一連の挑発行為であると断言。中国は世界で最も安全な国の一つであり、その科学的で正確な予防措置は拍手喝采を浴びており、アメリカがパンデミック対策で混乱と失敗を繰り返しているのとは正反対だと批判しました。

アメリカがこうした措置に出た理由として環球時報は、次のような識者の指摘を掲載しています。

・12月の北京冬季オリンピック外交「ボイコット」発表に続き、大会前10日足らずでこの計画は最新の仕掛けである
・アメリカが望んでいるのは、嬉しい出来事の準備をしている時に、わざと混乱を起こすことだ
・ワシントンは中国に対する挑発としてより多くの行動を起こし、スポーツイベントを妨害し、可能な限り多くの同盟国を引っ張って参加させる可能性がある

中国外交学院国際関係研究所の李海東教授

・中国が全体的に安定し前向きな状況にある中で、アメリカはさらなる問題を起こし、経済が崩壊寸前にある国内の混乱状況から注意をそらそうと考えている。

・海外からアメリカに資本を集めるために、海外で危機を扇動しなければならない

・外交官や関係者の撤退という非現実的な計画を誇張することによって、アメリカ政府は、中国の状況は激しく、アメリカの外交官はいつでも撤退できるような虚像を作ることができる

中国社会科学院の呂祥研究員

これについて、著名YoutuberのHaranoTimes氏は、パンデミックを理由にアメリカの外交官が中国離れると他の国も続く可能性がある。下手をすれば、オリンピック選手自身も出場辞退して帰国するかもしれない。そうなったら大ごとになるので、中国はアメリカの陰謀だと予め批判しているのだ、と述べています。

そして、HaranoTimes氏は、現在、アメリカは国内問題とウクライナ問題で大変な状況であるので今回の大使館職員の退去はバイデン政権から仕掛けた話ではないと述べています。

3.習近平に通告されたアメリカ大使館閉鎖

その一方で、これは、はっきりとしたアメリカの意思だという意見もあります。

元中国共産党員で帰化ジャーナリストの鳴霞氏は、25日頃、バイデン政権は中国政府に対し、駐中アメリカ大使館を閉鎖すると正式に通告したとして、それにショックを受けた習近平主席は、慌てて環球時報にアメリカ批判記事を書かせたというのですね。

本当であれば大変なことです。経済的デカップリングどころかほぼ国交断絶に匹敵する決定だと思います。オリンピックボイコットどころではありません。

そして、鳴霞氏は、次に欧州各国も追随して大使館を閉鎖。イギリス、ドイツ、フランス、スペインなどは自国の中国大使館も閉鎖することになると述べています。

鳴霞氏によると、アメリカは去年から駐中アメリカ大使館の引き揚げ準備を進めていて、大事な書類や情報は既にアメリカ国内に引き揚げ済みなのだそうです。アメリカは前々から”準断交”の準備を始めていたということです。

鳴霞氏は、ショックで頭がぼーっとなった習近平主席は、ヤケクソになって台湾進攻を始めるのではないかとも述べていますけれども、国家主席3選が決まったとも一部で囁かれ、北京冬季五輪直前かつ3月の全人代を目前にした時期での大使館閉鎖通告は、絶妙のタイミングではないかと思います。

というのは、習近平主席の3選決定を脅かすことは当然としても、あまりにも冬季五輪、全人代も直前過ぎて、習近平側も反習近平側も殆ど動きようがないと思うからです。

実際、北京冬季五輪・パラリンピックや全人代の最中に、アメリカに続いて欧州各国が大使館を閉鎖して国交断絶となったとしても、中国政府は有効な手は殆ど打てないのではないかと思います。

1972年、当時のニクソン米大統領は、中国を電撃訪問し、米中関係をそれまでの対立から和解へと転換し、台湾と断交する転機になりましたけれども、あれから60年。ちょうどそれと反対のことが起こる可能性が出てきました。因果は巡る。歴史は繰り返す。

あるいはこれは、支持率低迷に苦しむバイデン政権にとって、失点を回復するための大きな賭けなのかもしれません。

また、同時にこれは日本にとっても他人事ではありません。

60年前のニクソンショック後、日本と台湾が国交断絶したことを考えると、その逆が行われる流れになることは十分想定されます。

果たして岸田総理にその決断が出来るのか。

まだ噂の段階とはいえ、事が事です。要注目ですね 』

米、ロシアの侵攻「十分ある」ウクライナと認識不一致か

米、ロシアの侵攻「十分ある」
ウクライナと認識不一致か
https://nordot.app/859599254013280256?c=39546741839462401

『【ワシントン、キエフ共同】バイデン米大統領は27日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した。米高官によると、バイデン氏は2月にロシアがウクライナに侵攻する可能性は「十分ある」と警告した。一方、CNNテレビによると、両首脳は侵攻に関する危機認識に不一致があったといい、ウクライナ高官は会談が「うまくいかなかった」と述べた。

 米英などが在ウクライナ大使館の職員家族らの国外退避を決める中、ウクライナ側は沈静化に躍起となっている。ロシアのプーチン大統領による次の一手を読めず、米欧とウクライナの足並みの乱れが垣間見える。』

五輪で「中国台北」と呼称中国報道官、台湾反発

五輪で「中国台北」と呼称
中国報道官、台湾反発
https://nordot.app/859727733633073152?c=39546741839462401

『【北京、台北共同】中国政府当局者は28日までに記者会見で、北京冬季五輪の台湾代表チームについて、国際オリンピック委員会(IOC)の規定に基づく呼称「チャイニーズ・タイペイ」を中国語に訳したとされる「中華台北」ではなく「中国台北」と呼んだ。台湾は中国の一部だとの主張を強める狙いとみられる。台湾側は反発した。

 2008年の北京夏季五輪の際も中国の官製メディアが報道で一時「中国台北」と表記し、中国政府も容認。台湾側が反発した経緯がある。』

防衛相、陸自オスプレイに初搭乗本格運用へ準備状況視察

防衛相、陸自オスプレイに初搭乗
本格運用へ準備状況視察
https://nordot.app/859994232828116992?c=39546741839462401

『岸信夫防衛相は29日、陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)を訪れ、暫定配備されている輸送機V22オスプレイの本格運用に向けた準備状況を視察した。オスプレイに自ら搭乗。自衛隊のオスプレイに防衛相が搭乗したのは岸氏が初めて。米軍のオスプレイには2016年に当時の稲田朋美防衛相が試乗した例がある。

 陸自のオスプレイは20年7月、木更津駐屯地に暫定配備された。米国製の機体で無線機など日本独自仕様の装備品が適切に機能するかどうかの試験を昨年末に終えた。』

ウクライナ大使館縮小へ 外務省

ウクライナ大使館縮小へ 外務省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022012801291&g=pol

『外務省は28日、在ウクライナ日本大使館の体制を縮小する方向で調整に入った。業務継続に必要な人員を除いて出国させる。大使館員の家族は出国を始めた。ロシアの軍事圧力で情勢が緊迫していることを受けた措置。同省幹部が明らかにした。 』

台湾独立なら「軍事衝突」 駐米中国大使が警告―報道

台湾独立なら「軍事衝突」 駐米中国大使が警告―報道
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022012900243&g=int

『【ワシントン時事】米公共ラジオ(NPR)は28日、中国の秦剛駐米大使とのインタビューを報じ、秦氏は「台湾当局がこのまま独立への道を突き進めば、二大大国である中国と米国を軍事衝突に巻き込む可能性が高い」と警告した。米国が台湾に高性能の武器を売却し、米軍部隊を派遣しているなどと指摘。「米国にそそのかされた台湾当局が独立への道を歩んでいる」と主張している。 』

米台ナンバー2接触に中国反発 「台湾は一つの省」

米台ナンバー2接触に中国反発 「台湾は一つの省」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM28BD90Y2A120C2000000/

『【北京=羽田野主】中国外務省の趙立堅副報道局長は28日の記者会見で、ハリス米副大統領が訪問先の中米ホンジュラスで台湾の頼清徳・副総統と接触したことに反発した。「中国は米国と台湾の政府関係者のいかなる往来にも一貫して反対する」と述べた。

趙氏は「台湾は中国のただの一つの省にすぎない。どこから来た(副)総統だ?」と話した。頼氏を名指しして「台湾独立を巡る言論をたくさん発表している」と批判した。

米国は台湾と正式な国交関係を持たないが、民主主義の成功例と位置づける台湾と関係を強化している。中国は中国大陸と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」原則を唱え、米台の接触を強く非難している。

ホンジュラスのカストロ大統領は昨年の選挙戦中に外交関係のある台湾と断交し、中国との国交を樹立する姿勢をちらつかせた。ハリス氏と頼氏はそれぞれカストロ氏と個別に会談し、関係を強化した。』

米EU首脳、欧州向けガス調達へ協力 ロシア産停止に備え

米EU首脳、欧州向けガス調達へ協力 ロシア産停止に備え
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28EG90Y2A120C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は28日、エネルギー安全保障の協力に関する共同声明を発表した。欧州がロシアに依存する天然ガスが不足するのを避けるため、世界の生産国から調達を増やすよう共同で取り組むとの声明を発表した。

【関連記事】
・ウクライナ大統領「経済安定に5000億円」 ロシア侵攻説で
・ウクライナ侵攻「市民に多大な犠牲も」 米軍トップ 
・仏・ウクライナ首脳「4カ国協議で緊張緩和」 

米欧はロシアが再侵攻すれば大規模な金融・経済制裁に踏み切る準備をしている。ロシアが対抗措置として欧州向けの天然ガスを停止する事態に備え、米欧が供給不足と価格高騰を回避する対策を急ぐ。天然ガス消費量の3割をロシア産に依存する欧州の不安を軽減し、対ロ制裁に慎重論が残る欧州の国に足並みをそろえるよう促す狙いもある。

28日の声明では「安定供給のための戦略的なエネルギー協力を強化する。欧州や周辺国の市民や企業が信頼し、入手しやすい価格でエネルギーを提供できるように連携する」と記した。米国はすでにEUにとって最大の液化天然ガス(LNG)供給国だと指摘し「追加供給へ各国政府や取引業者と協力している」と訴えた。

エネルギー生産国に安定供給への協力を呼びかけた。2月7日には米国と欧州によるエネルギー関連会合を開き、今後の対応を話し合う予定だ。

米政府はすでに欧州向けの天然ガスを賄うため複数国と協議を始めた。中東、北アフリカ、アジア、米国のガスと石油の関連企業が対象で「天然ガスの生産量を一時的に急増させる能力と意思を把握し、欧州に割り当てる検討をしている」(サキ大統領報道官)。バイデン氏は31日にカタールのタミム首長と会談し、協力を求める方針だ。

英BPの統計によると、欧州は2021年、ロシアからパイプラインで1677億立方メートルのガスを輸入した。LNGに換算すると約1億2300万トン規模となり、全世界のLNG年間取引量の4分の1程度にあたる。

米政府はウクライナを経由する天然ガスに加え「ロシアが(ウクライナを通らない)欧州の他のルートからの供給を遮断するシナリオを和らげる準備も進めている」(高官)。ただ、長期にわたりすべてを別の産地のガスで代替するのは難しい。

【関連記事】欧州へLNG船、脱ロシア依存へ7割増 衛星データ分析 』

「脱ロシア依存」どこに? 欧州の露産ガス輸入過去最大に2018/3/1 12:00

「脱ロシア依存」どこに? 欧州の露産ガス輸入過去最大に
2018/3/1 12:00
https://www.sankei.com/article/20180301-XMW3SM5TGVLNVNVZY5VSMKZXUY/

『欧州がロシアから輸入する天然ガス量が昨年、最大を記録した。欧州連合(EU)はウクライナ危機を機に、エネルギー分野でのロシア依存の低下と供給源の多様化を目指すが、これに逆行するような傾向だ。加盟国の対応にも温度差が目立ち、米国も懸念。「脱ロシア」はかけ声倒れに終わるのか-。

(ベルリン 宮下日出男)

 「欧州における露産ガスの需要増大だけでなく、供給に対する信頼も示している」。欧州メディアによると、露国営天然ガス大手ガスプロムのミラー社長は1月3日、報道陣を前にこう胸を張った。

 説明によると、欧州とトルコへの2017年の天然ガス輸出量は計1939億立方メートルに上り、2年連続の増加。輸出先別でみると、重要な顧客であるドイツは16年比で7・1%、フランスも6・5%増えた。全体の増加幅は8・1%。理由としては、欧州経済の回復や欧州でのガス生産の減少などが挙げられている。

 ロシアの経済は石油や天然ガスなど豊富な資源の輸出で成り立っている。それをロシアに頼る欧州では、エネルギーの供給を武器にロシアがEUに影響を及ぼすことが懸案。14年のウクライナ危機で対露経済制裁に踏み切る際、エネルギーの安定供給に影響が出るとの不安が強まり、その状況の改善が大きな課題になった。

 それから3年以上。EUはエネルギー供給源の多様化などを掲げたが、欧州委員会などによると、露産ガスはEUの総輸入量の4割近く、域内消費量の3割以上を占める。簡単に実現できるものではないとはいえ、「(対露依存の)傾向が変わるサイン(兆候)はほとんどない」(欧州メディア)。』

『さらにここにきて議論の的になっているのが、バルト海を経由して露独間をつなぐパイプライン「ノルドストリーム2」計画だ。11年に稼働開始した既存のパイプラインに新たな設備を併設し、供給量を倍増させる内容で、ガスプロムやドイツ、オーストリアなどのエネルギー企業が進める。

 欧州ではウクライナ危機以前にも、露産ガスの主要経由地だったウクライナとロシア側の対立で欧州へのガス供給に大きな支障が出た経験がある。計画にはウクライナを迂回する輸送経路をつくり、欧州への安定供給を図る狙いがある。

 だが、この計画には「脱露」と逆行するとの異論が強い。特に反発するのはガス供給で素通りされる形のポーランドやバルト3国。これらの国はロシアへの警戒が強く、ロイター通信などによると、リトアニアがすでにノルウェーや米国の液化天然ガス(LNG)輸入を始め、ガスプロムとのガス契約更新を拒否するなど、自ら脱露を急ぐ。

 米国も東欧に加勢する。ティラーソン米国務長官は1月下旬にポーランドを訪問した際、「米国はノルドストリーム2に反対だ。欧州のエネルギー安全保障を損なう」と明言した。

 米国の反対の背景には、トランプ政権下で輸出拡大を図るエネルギー政策もある。

 一方、欧州市場でシェアを維持したいガスプロム側は将来的な価格上昇と需給逼迫の可能性を強調。欧州に「だれがその需要を受け持つのか検討する必要がある」とさらなる輸入増を訴え、危機感もみせる。』

『ただ、LNGはパイプラインで運ぶガスよりコストがかかり、欧州が露産ガスに頼るのは、その割安な価格にも理由がある。英オックスフォード・エネルギー研究所の専門家、チエリー・ブロス氏は、外交政策として脱露を目指す半面、市場は安価なガスを選ぶ欧州を「分裂のような状況」と表現した上で、脱露の障害となるのは「追加コストを誰が担うかという問題」だとも指摘している。

ガスプロム 天然ガスの生産・供給で世界最大級のロシア企業。1989年設立。天然ガスのシェアはロシア国内の72%、全世界の17%を占める。最大株主はロシア政府で株式の50・23%を握る。ガスプロムが50%超を出資・開発する露極東サハリンからの液化天然ガス(LNG)が日本にも供給されている。』

プーチン氏やサウジ皇太子 北京五輪開会式出席一覧

プーチン氏やサウジ皇太子 北京五輪開会式出席一覧
https://www.sankei.com/article/20220129-RRLNTICNFROX7JRBQFIC43CUDE/?outputType=theme_beijing2022

『〈ロシア〉

ウラジーミル・プーチン大統領

〈カンボジア〉

ノロドム・シハモニ国王

〈シンガポール〉

ハリマ・ヤコブ大統領

〈カザフスタン〉

トカエフ大統領

〈キルギス〉

サディル・ジャパロフ大統領

〈タジキスタン〉

エモマリ・ラフモン大統領

〈トルクメニスタン〉

グルバングルイ・ベルドイムハメドフ大統領

〈ウズベキスタン〉

シェフカト・ミルジヨエフ大統領

〈エジプト〉

アブデルファタハ・シシ大統領

〈サウジアラビア〉

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子

〈カタール〉

タミム・ビン・ハマド・サーニ首長

〈アラブ首長国連邦アブダビ首長国〉

ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子

〈ポーランド〉

アンジェイ・ドゥダ大統領

〈セルビア〉

アレクサンダル・ブチッチ大統領

〈ルクセンブルク〉

アンリ大公

〈モナコ〉

アルベール2世公

〈アルゼンチン〉

アルベルト・フェルナンデス大統領

〈エクアドル〉

ギジェルモ・ラソ大統領

〈モンゴル〉

ロブサンナムスライ・オヨーンエルデネ首相

〈パキスタン〉

イムラン・カーン首相

〈ボスニア・ヘルツェゴビナ〉

ゾラン・テゲルティヤ首相

〈パプアニューギニア〉

ジェームズ・マラペ首相

〈韓国〉

朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長

〈アゼルバイジャン〉

アリ・アフマドフ副首相

〈タイ〉

シリントン王女 』

Eliot A. Cohen 記者による2022-1-27記事「Putin’s No Chess Master」

Eliot A. Cohen 記者による2022-1-27記事「Putin’s No Chess Master」
https://st2019.site/?p=18471

『※記者は元国務省顧問で、近著には《ソフトパワーなんて無力。巨棒だけが意味がある》というものあり。

 プーチンが恐れているのはウクライナがNATOに加盟することではない。ソ連から切り離されて30年にして、民主主義化の流れが定着しようとしている、そんな見本にウクライナがなっていることなのだ。この見本を破壊してやりたいのである。その口実は何でもアリなのである。

 アゼルバイジャンのような、他の「旧ソ連諸邦」もウクライナの道を支持している。プーチンは知っているのだ。ソ連はもう再建できない。

 これと似ているのは、1956年にエジプトに侵攻した英仏政府。とっくに「帝国主義」の時代は終わっているのに、それにあらがって、世界じゅうから袋だたきされ、何も得る物がなかった。

 プーチンはNATOにすごい贈り物をくれた。ソ連崩壊後に軍事同盟は必要なのかという庶民の疑念に、あまりにも明白な答えが投げ込まれてきた。ロシアある限り、それは必要なのである。いまやスウェーデンとフィンランドも、NATO加盟を真剣に考慮中だ。

 今のロシア軍は赤軍当時から「三つの基本」が改善されていない。すなわち、装備のメンテナンス、兵隊の士気、そして指揮官のイニシアチヴだ。

 世界のどの国においても、陸軍は、その国家国民の姿をそのままに反映する。ロシアの場合は、陋劣な保健衛生、天然資源の輸出で外貨を稼ぐという経済構造の原始性、腐敗し私益を追い求める指導者層……。

 サイバー戦線に関しては、西側が遠慮して攻撃を控えていたから、ロシアがプレイヤーとして目立ったのだが、もしサイバー反撃を受ければ、ロシアこそがひとたまりもない。

 1864年5月、ロバート・E・リーは、南軍の最後の力をふりしぼり、北部に反撃しようとしていた。北軍の司令官ユリシーズ・グラントは、しかしこの「ウィルダネスの戦い」で南部の力が尽きることを知っていた。

 ところがグラントの帷幕外の将官たちときたら誰も彼も、「私はリーをよく知っています。リーは全力で我が軍の左翼(もしくは右翼、もしくは後方、もしくは中央)に、とつぜん現れて我々を孤立化させ、撃砕するでしょう。危機です!」と、うろたえまくった注進ばかりするので、グラントはうんざりしてしまった。

 今、「プーチンはリスペクトを欲している」などと得々と精神分析している論筆家たちの蔟生と、グラントほどの総合判断力をもっていなかった南北戦争当時の凡庸な将官たちの姿は、重なって見えるのである。』

バイデン氏「東欧に近く派兵」 ウクライナ緊迫に対処

バイデン氏「東欧に近く派兵」 ウクライナ緊迫に対処
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN290I60Z20C22A1000000/

『【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は28日、ワシントン郊外で記者団に対し「米軍を近いうちに東欧へ派遣する」と明言した。ロシアがウクライナに侵攻すれば近隣の東欧諸国にとってもロシアの脅威が高まると判断し、派兵を通じて米国が東欧防衛に関与する姿勢を明確に示す。

バイデン氏は記者団に「規模は多くはない」と語った。派遣の詳細を明らかにしなかったが、米CNNテレビによると米国が英国などの複数の有志国と共同でルーマニアやブルガリア、ハンガリーに1000人規模の軍を送る案が浮上している。

これとは別に北大西洋条約機構(NATO)が多国籍の即応部隊を東欧諸国へ派遣すると決めれば、米国は最大8500人を参加させる方針だ。即応部隊の派遣はNATOに加盟する全30カ国の同意が必要になり調整に時間がかかる。バイデン氏は小規模ながら米国として独自に部隊を迅速に派遣し、東欧に目配りする姿勢をアピールする。

米軍は、ロシアが軍事的圧力を強めるウクライナの防衛に直接関与しない。ウクライナは安全保障条約に基づく米国の同盟国ではないからだ。ウクライナに対しては武器や軍事訓練を提供して自衛力強化を引き続き支援していく。ロシアはウクライナ侵攻の可能性を否定している。

【関連記事】[FT]身構える最前線の街 ウクライナ南東部マリウポリ 』