WTO、中国の730億円の対米報復関税を容認

WTO、中国の730億円の対米報復関税を容認
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26F880W2A120C2000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】世界貿易機関(WTO)は26日、中国が米国に対し年間最大で約6億4000万ドル(約730億円)相当の報復関税を課すことを認める仲裁決定を下した。米国が対中関税をめぐるWTOの判断を守っていないとして、中国が対抗措置を申請していた。中国が実際に発動すれば、米中貿易摩擦が再燃する恐れもある。

米国は中国の鉄鋼・アルミ製品などが政府補助金の影響で安く流通し、米産業に打撃を与えていると主張し、中国の太陽光パネルなどに相殺関税を課した。これに対し、中国は2012年、相殺関税はWTOのルール違反として提訴。WTOの最終審にあたる上級委員会は中国の主張を認める判断を下した。

だが、その後も米国は相殺関税を継続していた。中国は19年10月に年24億ドルの報復関税を申請したが、米国は中国の損害額に比べ報復関税の規模が大きすぎるとして異議を申し立てた。WTOは仲裁する形で妥当額を検討してきた。

米メディアによると、米通商代表部(USTR)のホッジ報道官はWTOの決定に対し、「深く失望している」と述べた。「中国の貿易をゆがめる補助金から労働者や企業を守るWTO加盟国の能力を損なう」などと非難した。

米国は上級委の委員選任を拒んでおり、WTOの重要な柱である紛争処理は事実上、機能不全に陥っている。』