ロシア、ウクライナ周辺で軍事演習 米欧は武器供与

ロシア、ウクライナ周辺で軍事演習 米欧は武器供与
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26F3T0W2A120C2000000/

『【モスクワ=桑本太】ロシアがウクライナの東部地域への軍事圧力を強めている。ウクライナ南東部国境に近い地域などでロシア軍が軍事演習を開始したほか、ロシアの与党幹部が東部地域の親ロシア派勢力に兵器を供与する必要があると表明。ウクライナ東部紛争が再燃する恐れも出てきている。

インタファクス通信などによると、ロシア黒海艦隊は26日に黒海で防空演習などを開始した。20隻以上が参加した黒海艦隊のフリゲート艦や哨戒艦の乗員と、ロシア軍の南部軍管区の戦闘機乗員が合同で演習を実施した。ロシア海軍はバルト海などでも軍事演習を実施している。

このほか、ロシア軍の南部軍管区は同日、ロシア南部でウクライナと国境を接するロストフ州の訓練場で1000人以上が参加する射撃演習を実施した。このほか、6000人以上の軍人が警戒態勢に入っているという。

ロシアの与党幹部からはウクライナ東部の親ロシア派勢力を武器供与で支援しようとの声が出ている。政権与党・統一ロシアの幹部でロシア上院のトゥルチャク第一副議長は26日、ウクライナ東部のドネツク州、ルガンスク州の親ロシア派勢力に武器を供給すべきだと表明した。

ロシア軍の支援で親ロシア派武装勢力が分離・独立を宣言したウクライナ東部紛争について、ロシアはウクライナが停戦と和平に向けた2015年の「ミンスク合意」を守っていないと主張している。ロシアのラブロフ外相は26日、「(ロシアは)ミンスク合意の履行を支持する」と改めて述べ、西側諸国はウクライナに合意の履行を奨励すべきだと語った。

一方、ウクライナ側も軍事行動に向けた動きを強めているもようだ。ロシアメディアはドネツク州の親ロシア勢力筋の情報として、ウクライナ東部地域近くに約12万人のウクライナ軍が展開されていると伝えた。

ウクライナに対しては北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧米各国が武器などを供与しはじめている。米国や英国はウクライナに武器を供与すると発表した。インタファクス通信は26日、米国から対戦車ミサイルのジャベリン約300基などがウクライナ軍に到着したと伝えた。

ウクライナ東部紛争を巡るロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの4カ国の高官協議が26日にパリで開催された。東部地域を巡る緊張が高まる中、緩和に向けた動きが進むかが注目される。』