新疆タリム盆地で億トン級の石油・天然ガス田が発見

新疆タリム盆地で億トン級の石油・天然ガス田が発見
https://www.afpbb.com/articles/-/3387092?act=all

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【1月26日 CGTN Japanese】中国石油化工集団公司は25日、「当社の西北油田支社がタリム盆地に設置したメイン採掘井である『順北801X井』はこのほど、1日の原油採掘量が136.7トン、天然ガス採掘量が109万3000立方メートルに達する地層を発見した。順北8号断層帯は採掘潜在力が大きく、タリム盆地で新たな億トン級の石油・天然ガス田が発見されたことが分かった」と述べました。

 西北油田はタクラマカン砂漠の奥地に位置します。「順北801X井」が位置する順北8号断層帯は長さが116キロメートルあります。

2021年、この断層帯での探査事業に大きな進展があり、2022年初めに再び、資源の重要な発見を実現させました。

2016年8月から、中国石油化工集団公司は順北1号断層帯、5号断層帯の億トン級の油田ガス田2カ所を発見しました。今年1月時点で、順北地区の原油生産量は計333万トン、天然ガス生産量は14億9700万立方メートルに達しています。

これまで、西北油田で調査して明らかになった天然ガス地質貯蔵量は945億8300万立方メートルで、生産量は計1億4000万トンに達したということです。

(c)CGTN Japanese/AFPBB News 』

北朝鮮、また弾道ミサイル発射か

北朝鮮、また弾道ミサイル発射か 東部から日本海に―日本EEZへの飛来確認されず
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022012700317&g=int

『【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は27日午前、東部の咸興付近から北東方向の日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体2発を発射した。飛行距離は約190キロで最高高度は約20キロ。岸信夫防衛相は「日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への飛来は確認されていない」と述べた。

「敵基地攻撃」は昭和の議論?【政界Web】

 北朝鮮は今年に入り弾道ミサイルや巡航ミサイルの試射を相次いで実施しており、今回が6回目。19日に開かれた朝鮮労働党会議では、2018年4月に凍結を表明していた核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射の再開を示唆しており、北朝鮮は軍事的威嚇をさらに強める構えを見せている。

 金正恩総書記の祖父、故金日成主席の生誕110周年(4月15日)や父、故金正日氏の生誕80周年(2月16日)に合わせ軍事パレードや中長距離ミサイル発射など「軍事的成果」を誇示する可能性もある。

 岸田文雄首相は首相官邸で記者団に対し、北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返していることについて「国連決議違反であり、大変遺憾だ」と批判。米国務省報道担当官も「周辺国と国際社会への脅威だ」と非難した。韓国大統領府は国家安全保障会議(NSC)常任委員会を緊急招集し、「遺憾」を表明した。 』

エルサルバドルのビットコイン通貨、IMFが見直し要求

エルサルバドルのビットコイン通貨、IMFが見直し要求
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2602P0W2A120C2000000/

『【メキシコシティ=清水孝輔】国際通貨基金(IMF)は25日、中米エルサルバドルに対し、暗号資産(仮想通貨)のビットコインを法定通貨にした2021年9月の決定を見直すように求めたと発表した。IMFはエルサルバドルが22年中に発行する予定のビットコインと連動した国債についても懸念を示した。

IMFは24日の理事会で、21年9月に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用したエルサルバドルについて議論した。出席した理事は「金融の安定や消費者保護に大きなリスクがある」と指摘し、ビットコインを法定通貨から外すように関連法を修正するように求めた。

エルサルバドル政府は店舗などでビットコインを使って支払いができる専用アプリを導入している。IMFの理事はこのアプリについて低所得者層の金融アクセスを高める可能性があると一定の理解を示したが、運用については「厳しい規制が必要だ」と指摘した。

エルサルバドルのブケレ大統領は21年11月に戦略都市「ビットコインシティー」を建設する計画を表明した。22年中に10億ドル(約1140億円)分の10年債を発行し、半分を建設に投じる方針だ。残りの半分はビットコインに投資し、値上がりによる利益を得たい考えだ。IMFはこの計画に対してもリスクが高いと懸念を示している。

IMFはこれまでもエルサルバドルがビットコインを法定通貨にする政策に対して懸念を表明してきた。IMFは22年の実質経済成長率が3.2%にとどまると予測している。エルサルバドルで現在の政策が続くと、債務残高が国内総生産(GDP)比で96%に達する可能性があるという。

ビットコインの価格は24日に一時3万4000ドルを下回り、21年11月中旬の半分程度の水準まで落ち込んだ。エルサルバドル政府は法定通貨にしてからビットコインを購入しており、ブケレ氏は価格が下がった1月下旬にも新たに追加購入したことを明らかにしている。

南太平洋のトンガの政治家は1月上旬にツイッターでビットコインを法定通貨にする計画を示した。パナマでも政治家が21年9月に仮想通貨の利用を推奨する法案を明らかにしている。ブケレ氏は1月上旬、ツイッターへの投稿で「22年には2カ国がビットコインを法定通貨に採用するだろう」と述べた。

【関連記事】
・エルサルバドル、「ビットコイン都市」建設を表明
・[FT]エルサルバドル「ビットコイン債」 投資家は及び腰 』

ロシア、ウクライナ周辺で軍事演習 米欧は武器供与

ロシア、ウクライナ周辺で軍事演習 米欧は武器供与
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26F3T0W2A120C2000000/

『【モスクワ=桑本太】ロシアがウクライナの東部地域への軍事圧力を強めている。ウクライナ南東部国境に近い地域などでロシア軍が軍事演習を開始したほか、ロシアの与党幹部が東部地域の親ロシア派勢力に兵器を供与する必要があると表明。ウクライナ東部紛争が再燃する恐れも出てきている。

インタファクス通信などによると、ロシア黒海艦隊は26日に黒海で防空演習などを開始した。20隻以上が参加した黒海艦隊のフリゲート艦や哨戒艦の乗員と、ロシア軍の南部軍管区の戦闘機乗員が合同で演習を実施した。ロシア海軍はバルト海などでも軍事演習を実施している。

このほか、ロシア軍の南部軍管区は同日、ロシア南部でウクライナと国境を接するロストフ州の訓練場で1000人以上が参加する射撃演習を実施した。このほか、6000人以上の軍人が警戒態勢に入っているという。

ロシアの与党幹部からはウクライナ東部の親ロシア派勢力を武器供与で支援しようとの声が出ている。政権与党・統一ロシアの幹部でロシア上院のトゥルチャク第一副議長は26日、ウクライナ東部のドネツク州、ルガンスク州の親ロシア派勢力に武器を供給すべきだと表明した。

ロシア軍の支援で親ロシア派武装勢力が分離・独立を宣言したウクライナ東部紛争について、ロシアはウクライナが停戦と和平に向けた2015年の「ミンスク合意」を守っていないと主張している。ロシアのラブロフ外相は26日、「(ロシアは)ミンスク合意の履行を支持する」と改めて述べ、西側諸国はウクライナに合意の履行を奨励すべきだと語った。

一方、ウクライナ側も軍事行動に向けた動きを強めているもようだ。ロシアメディアはドネツク州の親ロシア勢力筋の情報として、ウクライナ東部地域近くに約12万人のウクライナ軍が展開されていると伝えた。

ウクライナに対しては北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧米各国が武器などを供与しはじめている。米国や英国はウクライナに武器を供与すると発表した。インタファクス通信は26日、米国から対戦車ミサイルのジャベリン約300基などがウクライナ軍に到着したと伝えた。

ウクライナ東部紛争を巡るロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの4カ国の高官協議が26日にパリで開催された。東部地域を巡る緊張が高まる中、緩和に向けた動きが進むかが注目される。』

強硬プーチン氏 NATO不拡大要求、大統領再選にらむ

強硬プーチン氏 NATO不拡大要求、大統領再選にらむ
編集委員 池田元博
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD245PC0U2A120C2000000/

『ウクライナ情勢が緊迫している。ロシアのプーチン大統領は敵対するウクライナとの国境付近に大規模な軍部隊を展開。軍事的な緊張をあおりながら、西側の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の不拡大などを要求し、米欧に具体的な対応を迫っている。米欧は強力な制裁措置を警告して自制を求めるが、ロシアは強硬姿勢を崩していない。軍事侵攻の懸念が広がる中、プーチン氏はどこまで本気で、真の狙いはどこにあるのか。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

ロシアは昨年12月、米国とNATOに対して欧州安全保障に関する合意案を提示した。NATOの東方拡大停止のほか、東欧からの事実上の軍撤収、核兵器や短・中距離ミサイルの国外配備の禁止、米国はバルト3国を除く旧ソ連諸国に軍事基地を設置しない、といった内容を盛り込み、文書で法的に保証するよう求めた。

これに先立ってプーチン政権が進めたのが、ウクライナ国境付近へのロシア軍部隊の大規模な増派だった。

米国との交渉実現、ロシアには一歩前進

危機感を強めた米欧はロシアとの対話に応じ、1月に入って米ロの戦略的安定対話、NATOとロシアの協議、欧州安保協力機構(OSCE)の会合が相次ぎ開かれた。21日には米ロ外相会談を実施した。

21日、スイス・ジュネーブで会談前にあいさつするブリンケン米国務長官(左)とラブロフ・ロシア外相=ロイター

いずれも進展はなく、継続協議となった。だが、「(1990年の)東西ドイツの統一問題以降、米国が欧州安保を巡って初めて、ロシアとの本格交渉の席についた」(カーネギー財団モスクワセンターのドミトリー・トレーニン所長)のは、ロシアにとって一歩前進といえるのだろう。

NATO不拡大問題、なぜいまなのか

ではロシアはなぜ、ここにきてNATO不拡大の法的保証を要求し始めたのか。

NATOの東方拡大政策はクリントン米政権時代に始まった(1995年、モスクワでの米ロ首脳会談の夕食会で乾杯するクリントン米大統領㊧とエリツィン・ロシア大統領)=AP 

「我慢の限界に達したからだ」。ラブロフ外相は1月の記者会見で、米欧がNATO不拡大の約束を破って中・東欧諸国を加盟させ、軍事インフラや軍事基地を東方に展開してきたと批判。「NATOが我々の国境とじかに接することは絶対に容認できない」と述べ、旧ソ連圏のウクライナなどの加盟を断固阻止する立場を強調した。

米欧の「約束違反」はこれまでプーチン氏が何度も言及。かつてドイツメディアと会見した際には、旧西独で東方外交を主導した政治家の故エゴン・バール氏が90年、ソ連側に「軍事機構としてのNATOは中(・東)欧に拡大してはならない」と断言していたとする「未公表」の会談記録まで持ち出していた。

ウクライナではロシアの軍事侵攻への警戒が高まっている(22日、首都キエフでのウクライナ軍の軍事訓練)=AP

もっとも、NATOの東方拡大は90年代末から始まっている。ロシアがとくに警戒するウクライナのNATO加盟問題は、現時点で具体的な議題に上っておらず、近い将来に実現する可能性は皆無だ。

NATOの東方拡大は実は、2004年の旧ソ連のバルト3国などの加盟を含め、ほとんどがプーチン政権下で進んだ。当時は対抗手段がなかったが、今はウクライナの軍事的な緊張をあおれば、米欧はロシアを無視できなくなる。自らの”責任”を感じるプーチン氏はこれを利用して「現状を修正し始めようとしている」と、トレーニン所長は指摘する。

求心力維持の思惑大きく

プーチン氏は14年春にウクライナ領クリミア半島を併合し、国民の熱狂的な支持を集めた。しかし近年は「併合効果が薄れ、政権の正当性を訴える要素がほとんどなくなっている」(政治評論家のセルゲイ・メドベージェフ氏)。ここにきて米欧にNATOの不拡大を要求し始めたのは、政権が新たな目標を掲げて、求心力を維持しようとする思惑も大きいようにみえる。

折から旧ソ連のカザフスタンでは、燃料価格高騰への不満に端を発した暴動のあおりで、長期独裁後も院政を敷いていたナザルバエフ前大統領が失権し、完全引退を余儀なくされた。

院政を敷いていたカザフスタンのナザルバエフ前大統領は完全引退を余儀なくされた=ロイター 

24年春に実質4期目の大統領職の任期切れを迎えるプーチン氏は、一昨年の憲法改正で再出馬の権利を確保した。カザフの騒乱を受け、同氏が院政ではなく、大統領続投を選択する公算が大きくなりつつある。政権側が再選戦略の柱に据えようと、NATOの不拡大をはじめとする欧州安保の問題を持ち出した可能性も否定できない。

米欧に大国ロシアの存在感を誇示する思惑もありそうだ(2021年12月、バイデン米大統領㊨とプーチン・ロシア大統領㊧のビデオ会談)=ロイター

とはいえ、新規加盟を希望する国々の権利を封じるようなNATO不拡大の要求に、米欧が応じるとは考えにくい。協議は難航、長期化が予想される。プーチン氏もそれを前提にしているとみられる。

むしろ「限りなく真実味はあるが、永遠に実現しない脅威」(メドベージェフ氏)をつくり、米欧と対峙する大国ロシアの存在感を内外で誇示し続けるのが本音だともいわれる。プーチン氏の再選戦略とも絡んだウクライナの軍事的な緊張は当面、続きそうな情勢だ。
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https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/ 』

ウクライナ問題、仏独ロ含めた4者交渉継続で合意

ウクライナ問題、仏独ロ含めた4者交渉継続で合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2704R0X20C22A1000000/

『【パリ=白石透冴】ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの各国高官は26日、ウクライナ東部紛争の解決に向けパリで協議した。協議後の共同声明で「意見の不一致を減らす努力を続ける」ことで合意したと表明した。2週間後にベルリンで再度会合を開き、交渉の進展を目指す。

協議は約8時間続いた。共同声明には、停戦と和平への道筋を示した2015年の「ミンスク合意」が交渉の土台となると盛り込んだ。「(ウクライナ東部の)停戦は無条件で守らなければいけないと合意した」とした。

4カ国協議は14年、親ロ派とウクライナ政府軍との紛争解決を目指して始まった枠組みだ。首脳会合が19年以来開催されないなど、機能していないとの指摘があった。だがロイター通信によると協議後、参加したウクライナのエルマク大統領府長官は「全員が結果を出したいと思っている。4カ国協議はよみがえった」との見方を示した。ロシアのコザク大統領府副長官は、今回の協議でミンスク合意を詳細に検討したと語った。

ミンスク合意はウクライナ政府軍と同国東部親ロ派の紛争解決に向け、4カ国首脳が15年にまとめた文書だ。だが、その重要な項目である親ロ派地域への「特別な地位」付与などを巡る合意はロシア側とウクライナの対立で履行されず、今回のウクライナ情勢の急速な悪化につながっている。

ロシア軍はウクライナ国境付近に10万人規模の部隊を展開しているとされ、14年に続く侵攻を計画しているとして米欧が警戒している。』

WTO、中国の730億円の対米報復関税を容認

WTO、中国の730億円の対米報復関税を容認
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26F880W2A120C2000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】世界貿易機関(WTO)は26日、中国が米国に対し年間最大で約6億4000万ドル(約730億円)相当の報復関税を課すことを認める仲裁決定を下した。米国が対中関税をめぐるWTOの判断を守っていないとして、中国が対抗措置を申請していた。中国が実際に発動すれば、米中貿易摩擦が再燃する恐れもある。

米国は中国の鉄鋼・アルミ製品などが政府補助金の影響で安く流通し、米産業に打撃を与えていると主張し、中国の太陽光パネルなどに相殺関税を課した。これに対し、中国は2012年、相殺関税はWTOのルール違反として提訴。WTOの最終審にあたる上級委員会は中国の主張を認める判断を下した。

だが、その後も米国は相殺関税を継続していた。中国は19年10月に年24億ドルの報復関税を申請したが、米国は中国の損害額に比べ報復関税の規模が大きすぎるとして異議を申し立てた。WTOは仲裁する形で妥当額を検討してきた。

米メディアによると、米通商代表部(USTR)のホッジ報道官はWTOの決定に対し、「深く失望している」と述べた。「中国の貿易をゆがめる補助金から労働者や企業を守るWTO加盟国の能力を損なう」などと非難した。

米国は上級委の委員選任を拒んでおり、WTOの重要な柱である紛争処理は事実上、機能不全に陥っている。』

先鋭化する米中対立、経済安保で衝突回避を

先鋭化する米中対立、経済安保で衝突回避を
学び×国際紛争(4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC069IM0W2A100C2000000/

『世界中の様々な紛争をテーマにした話題の漫画「紛争でしたら八田まで」を監修する、東京海上ディーアール主席研究員の川口貴久さんに聞く「国際紛争」の現状。最終回のテーマは「経済安全保障」です。

近年、経済安全保障への関心が劇的に高まっています。経済安保とは、経済的手段で安全保障上の目標を達成することとされ、非常に幅広い分野が含まれます。日本政府も対策に本腰を入れています。

岸田内閣で担当相新設

岸田文雄首相は2021年10月に発足した内閣で、新たに経済安全保障担当の閣僚を置きました。17日に召集された通常国会で経済安保推進法案を提出します。同法案は①サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化②基幹インフラの安全性・信頼性の確保③先端的な技術分野の官民協力④特許の非公開制度――という4本柱の構成です。

このタイミングで経済安保の推進を打ち出す背景には先端技術、貿易や人権などで対立が先鋭化する米国と中国との関係があります。

トランプ前米大統領は中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の機器に安全保障上のリスクがあるとして、高速通信規格「5G」からの排除を同盟国に求めました。その後も供給網や先端技術を中国に握られるのを避けるため、輸出・投資規制の強化など矢継ぎ早に対抗手段を打ちだしました。バイデン大統領の現政権も基本的にこの方針を引き継いでいます。米国の対中政策については超党派の合意が形成されているからです。

中国もまた「国家安全」を掲げて戦略物資の輸出管理を強化し、中国向け投資の規制を強めます。中国建国100周年の2049年までに、社会・国家、軍事、経済・産業などのあらゆる面で米国を追い越そうとする長期戦略も背景にあります。

日本企業は米中間で板挟み

多くの日本企業にとって米中両国は重要な開発・製造拠点であり、巨大な市場でもあります。日本政府は経済安保の推進を掲げて対応を加速させていますが、企業の間では米中の板挟みとなることへの危機感も高まっています。焦点の一つは先端技術の保護です。

米中は、先端技術の獲得が将来の技術・軍事覇権を決定づけるという認識の下、開発や輸出規制に力をいれています。米国では従来よりも幅広く、今後実用化される「新興技術」とすでに広く実用化されている「基盤技術」の輸出管理の強化を進めようとします。習近平(シー・ジンピン)指導部も15年に、民間資源の軍事利用や軍事技術を民間転用する「軍民融合」を国家戦略に引き上げ、軍事利用可能な先端技術をあらゆる手段で収集しているとみられます。

米中の対立が深まるなか、経済安全保障の重要性が高まっている(1月21日、首相官邸でバイデン米大統領とテレビ会議形式で会談する岸田首相)=内閣広報室提供
情報収集・分析で危機回避

業種にもよりますが、企業が取れる自衛の策はあります。一つが技術の世代管理です。最先端の技術・製品を日本や米国のような同盟国で開発・生産し、数世代遅れたものを中国で生産し、先端技術の流出を防ぐ手法です。半導体などを手がけるメーカーなどがこういった手法を採用しています。

今後どのような品目が重要視され、米中による規制競争に巻き込まれる恐れがあるのか。情報収集を手がける専門部署を設けることも危機を回避する有効な手段です。ポイントは輸出管理に関わる政策動向のみならず、日本をとりまく安全保障環境や米中関係の将来について公開情報を集め、分析することです。政策の大きな方向性や論点が把握できるはずです。

防衛産業、金融機関や商社など一部のリスクマネジメント先進企業はすでにこういった部署を持っていますが、ほとんどの企業では導入が遅れています。人的資源の制約から情報収集が難しいのであれば、外部の専門家を活用するなどの方法があります。

データを守る規制・法整備を

現在の経済安保議論であまり触れられていないのは「21世紀の石油」ともいえるデータです。事業で蓄積される膨大な産業データや個人データに対する各国の関心は高いです。そのため近年では、各国政府が企業の保有するデータに強制的にアクセスすること、いわゆる「ガバメントアクセス」への懸念が高まっています。

その手段の一つは、外国企業に対して、データを現地国内に保存することを義務付けたり、データの第三国移転に制限を課したりすることです。こうした法整備はデータローカライゼーション規制と呼ばれます。データが自国内にあれば、物理的に法執行権限を及ぼすことができます。

海外で先端技術を研究する際には細心の注意が必要だ=ロイター

しかし日本国内にデータがあれば安心というわけではありません。外国の開発・運用委託先を通じた国内へのアクセスにも注意が必要です。

21年3月に対話アプリ「LINE」の中国関連会社から日本国内に保管されている個人データにアクセスしていたことが明らかになって以降、国境を越えた外国からのアクセスへの注目が高まりました。中国国家情報法(17年6月施行)は中国企業に対する「国家情報工作」への協力を求めるため、安全保障上のリスクが懸念されました。

コストや利便性より重要なリスク管理

データの物理的保管場所やクラウドサービスを含む委託先企業の選定にあたり、コストや利便性を重視した判断は安全保障上のリスクを見落とすこともあります。

先端技術の開発拠点やデータの保管場所、委託先企業を選ぶ際には米欧などが主導するいくつかの枠組みも参考になるでしょう。米英豪などで機密情報を共有する「ファイブ・アイズ」や、日米豪印の4カ国による「Quad(クアッド)」などが有力です。いずれの国も民主主義陣営に属し、ビジネス環境としての信頼度は相対的に高いといえます。

ただし、委託先企業の所在国だけでの判断にも危うい部分は残ります。企業支配の構造、株主や経営者のデューデリジェンス(調査・査定)も必須です。

米中の国力差が縮むなか、米中関係が急に改善に転じることは考えづらいです。日本国内でも経済団体による動きが活発になっていることから分かるように、経済安保への対応は企業にとって新たな常識となっています。

=おわり

(井上航介が担当しました)

グラフィックス 藤沢愛

連載記事一覧はこちら https://www.nikkei.com/stories/topic_story_22010601?n_cid=DSST001

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

この問題について完璧な回答がない。

この難題に対処するならば、何かの犠牲を払わないといけない。

岸田首相はスピーチなどでいつも、リアリティ外交やしたたかな外交を連発するが、じゃ、具体的に何をするの、について答えを明らかにしていない。

現実問題として、アメリカに歩調を合わせなければならないが、中国との経済関係を考えて、ほんとうにその一部を犠牲にする覚悟があるのかがとわれている。

自動車産業を例にあげれば、中国はもっとも大きな自動車市場になっている。かといって二股外交を展開すると、米中のいずれにも相手にされなくなる可能性がある。かなりの覚悟が必要だ

2022年1月27日 7:54 』

米欧「原則譲らず」 ロシアに回答、東方拡大停止拒否

米欧「原則譲らず」 ロシアに回答、東方拡大停止拒否
ミサイル配備制限など提示、近く米ロ外相会談へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26F1C0W2A120C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕、ブリュッセル=竹内康雄】米政府と北大西洋条約機構(NATO)は26日、ロシアが提案した欧州の安全保障体制構想について、それぞれ書面で回答したと発表した。ロシアが強く求めるNATOの東方拡大停止の確約を拒む一方、米国は双方が軍事演習を制限する案などを提示した。ロシアの対応が焦点になる。

米国のサリバン駐ロ大使が26日、ロシア政府に書面回答を渡した。ブリンケン米国務長官は近くロシアのラブロフ外相と会談し、米国が示した内容などについて話し合う。両氏は21日にもスイス・ジュネーブで協議した。

【関連記事】北海ブレント一時90ドル台 ウクライナ情勢で上昇

米欧はロシア軍がウクライナ国境付近に10万人規模の部隊を展開し、2014年に続きウクライナに再侵攻できる態勢が整っていると警戒。ロシアは21年12月にウクライナ国境周辺での軍事的緊張を和らげる条件として欧州の安保体制の合意案を示した。

ブリンケン氏は26日の記者会見で、回答について「我々が守っていく基本的な原則を明確にした。(米国の立場に)変更はない」と述べた。NATOの東方拡大停止に関し「NATOのドアは開かれている。それが我々の約束だ」と明言した。ロシアが求めるウクライナなどをNATOに加盟させない保証について拒否した。

NATOのストルテンベルグ事務総長も同日の記者会見で「核心的な原則では譲歩しない」と表明した。加盟国の拡大停止などには応じないとの考えを改めて訴えた。「我々とロシア(の立場)が離れているのは明らかだ」と溝の深さを認めた。

米国は回答でロシアが要求する東欧からのNATO軍の撤退や、核兵器を自国の外に配備しないとの条項も受け入れなかったとみられる。NATO加盟国の多くが米国の「核の傘」に入っており、核兵器の撤去に応じればNATOの存在意義を揺るがす恐れがあるためだ。

欧州各国とロシアの国境付近での軍事演習に加え、地上配備型中距離ミサイルの配備を制限する提案も伝えた。すでに米国がロシアとの2国間協議で示していた。過去にロシアが主張した内容を含んでいるものの、自国の安保構想と隔たりがある。

ブリンケン氏は「我々は対話に前向きだ」と改めて強調した。「ボールはロシア側にある。ロシアが対話の道を選んでも、ウクライナを再侵攻しても、どちらにも対応できる準備をしている」と語った。米国は侵攻すれば欧州と協調してロシアに大規模な制裁を科す準備をしている。

ストルテンベルグ氏も「我々はロシアの懸念を聞く用意がある」と話した。関係悪化後に閉鎖した双方の代表部の再開も呼びかけたうえで「解決を希望しているが、一段の情勢悪化にも備えている」と指摘した。

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察

米国とNATOが原則を譲らない断固とした姿勢をロシアに見せることは、米欧同盟の結束を維持するためにも、ロシアに隙を見せないためにも重要な一手だと思います。

これまでバイデン政権も欧州の同盟国も、ロシアに宥和的な姿勢や発言が目立ち、それに対する米国内からの批判もあり、引き締めを図る必要があったと思います。

一方で、軍事演習の制限や地上配備側の中距離ミサイルの制限という交渉の余地もロシアに与えており、妥当な措置だと思います。

日本のようなアジアの同盟国にとっては、米国が同盟国との緊密な関係を維持して、敵対勢力からの脅しに断固をした姿勢を示すことは、中国や北朝鮮を抑止するためにも重要です。

2022年1月27日 8:32』