[FT]中国海軍、日本南方と台湾東方に常時展開態勢で圧力

[FT]中国海軍、日本南方と台湾東方に常時展開態勢で圧力
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※ 今日は、こんなところで…。

『中国海軍は日本南方、台湾東方の両海域で艦艇が常時展開する態勢を整えている。中国は将来戦場になりうる両海域に焦点をあて海軍力を大幅に増強している。

誘導ミサイルを搭載した中国の駆逐艦を警護する人民解放軍海軍の兵士。台湾をめぐる緊張は島の西側だけでなく東側でも急速に高まっている=ロイター

台湾、日本、米国の国防関係者によると、中国人民解放軍海軍は少なくとも6カ月前から南西諸島最南端の東側および南側に駆逐艦と小型ミサイル艦を展開させている。

中国海軍はこの1年、南西諸島と台湾の間の海域でプレゼンスを拡大してきた。米国防総省高官によると、現在艦艇1隻が常駐し、多くの場合もう1隻が随行しているという。

第1列島線の外側に艦艇を継続配備

日本からフィリピンに連なり、中国と太平洋を隔てる第1列島線の外側に中国海軍が艦艇を継続的に配備するのは初めてだ。

中国はこの海域で自由航行能力を備えることで海軍力は飛躍的に向上するとみている。軍事アナリストによると、中国が台湾を攻撃した場合、この海域が米中の主戦場になる可能性が高い。

中国海軍の増強を受けて、日米両国は台湾危機に備えた共同作戦計画の策定を急いでいる。

台湾と日本の防衛専門家は中国海軍の動きについて、中国が台湾有事に向けた重要な訓練をしているのは明らかだと話す。地下格納庫を備えた台湾東部の空軍基地を攻撃し、日本やグアムからの米軍部隊の援軍を遮断するための訓練も含まれるという。

「中国海軍は主に尖閣諸島(中国名・釣魚島)有事を想定してこの地域に展開しているという狭い解釈も過去にはあった」と日米共同作戦計画の内容を知る高官は語った。「だが、リスクは南西諸島と台湾で高まっていることがより明確になってきた」

この高官によると、日米共同作戦計画では高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」を装備した米海兵隊を南西諸島へ緊急展開することを優先事項に盛り込んでいる。共同通信も最近同じ内容を報じた。

南西諸島の近くに展開する中国艦艇がハイマースの射程に入る。この件に詳しい別の人物は「これは有事に向けて共同作戦計画を練った際に出た案の1つだ」と語った。
中国軍は「台湾の東側の海域を戦場に想定」

台湾軍の元高官は「中国軍は素早く決定的な勝利を収めようとするだろう。そのためには台湾が島の東海岸側に退避させる戦闘機や戦艦を破壊する必要がある」と話す。

中国軍が従来の想定通りに台湾島の西側から攻撃してきた場合、台湾は島の東側に艦艇を移動させるという有事作戦を描いている。戦闘機も東部・花蓮県にある基地の山岳地帯のトンネル内に避難させる。

台北の中華戦略及兵棋研究協会(CSWS)の研究員、スー・イェンチ氏は「我々は中国人民解放軍の台湾南西部や南東部への展開ばかり議論しているが、中国軍は東側の海域を戦場に想定した訓練をしている」と述べた。

昨年11月、中国海軍の071型ドック型揚陸艦2隻が台湾東部沖と、150キロ離れた沖縄県与那国島の間の海域を通過した。揚陸艦は部隊やヘリコプター、上陸用舟艇を積載でき、上陸用舟艇は花蓮にある空軍基地への攻撃に使用される可能性が高い。

台湾をめぐる緊張の高まりを示すように、台湾の国防部(国防省)は23日、中国の戦闘機39機が台湾の防空識別圏に相次ぎ侵入する挑発行為を行ったと発表した。

前日には米海軍が原子力空母2隻などをフィリピン海に派遣し、日本との合同演習を実施したばかりだった。

By Kathrin Hille and Demetri Sevastopulo

(2022年1月24日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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