安保理、北朝鮮めぐり緊急会合 中ロは制裁賛同せず

安保理、北朝鮮めぐり緊急会合 中ロは制裁賛同せず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2101I0R20C22A1000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会は20日、北朝鮮が弾道ミサイルを数回発射したことを受け、非公開の緊急会合を開いた。米国が提案した追加制裁については、中国とロシアが留保し、賛同しなかったことが分かった。複数の外交筋が明らかにした。

会合前には安保理理事国の米英仏とアルバニア、アイルランド、ブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)に加え、安保理入りしていない日本が声明を発表した。声明では発射を安保理が一丸となって非難するよう呼びかけ、加盟国には北朝鮮に科している制裁を守るように求めた。制裁履行を怠れば、北朝鮮が兵器開発を進める自由を与えてしまうと警告した。

米国は12日、北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイル開発に関わったとして、安保理の北朝鮮制裁委員会に北朝鮮国籍の個人5人を制裁対象に認定するよう提案した。だが、中国が制裁提案を検討するのに時間が必要だと述べ、賛同しなかった。安保理外交筋によると、3カ月の留保期間が設けられる。特定の人物や機関を制裁対象に加える場合、安保理理事国の全会一致が必要だ。

北朝鮮は1月に入り、4回弾道ミサイル発射を実施しており、10日にも会合を開いたばかりだった。今回の会合は、11日と14日、17日の発射を受けて開催を決め、米国と英国、フランス、アイルランドやアルバニアが要請した。』

ドゥテルテ氏長女「兵役の義務検討」 副大統領選出なら

ドゥテルテ氏長女「兵役の義務検討」 副大統領選出なら
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM204SP0Q2A120C2000000/

 ※ フィリピンの大統領選、副大統領選は、いわゆる「チケット(大統領候補と、副大統領候補がワンセットになっているもの―アメリカ大統領選が、これ)」では無く、それぞれが「別々の候補」であることも、押さえておこう…。

 ※ サラ・ドゥテルテ氏は、「副大統領候補」として、「独自の公約」を打ち出した…、ということなんだろう…。

『【マニラ=志賀優一】フィリピンのドゥテルテ大統領の長女、サラ・ドゥテルテ氏(ダバオ市長)は19日、出馬する5月の副大統領選に当選すれば、兵役を義務化することを検討すると明らかにした。南シナ海の領有権問題を巡り近隣国と対立しており軍事力強化を意図した発言とみられる。

サラ氏は同日実施されたバーチャル形式のイベントで、副大統領に選出されれば「性別を問わずすべての18歳に対して兵役を義務とすることを提案するだろう」と語った。

兵役の期間など具体的な計画については明言しなかったものの、1カ月程度のものではないとしており長期間に及ぶ可能性もある。サラ氏は「韓国やイスラエルといった他の国でも実施されている制度だ」と他国の事例を出して導入する意義を訴えた。

フィリピンでは正副大統領選がそれぞれ直接選挙で実施される。サラ氏は調査会社パルスアジアが2021年12月に実施した世論調査で副大統領候補の支持率として45%を獲得し首位だった。

同調査で大統領候補の支持率で首位(53%)だったフェルディナンド・マルコス元上院議員と連携して選挙戦に臨むことを決めている。

フィリピンは米国と軍事同盟関係にあるが、南シナ海の領有権問題を巡っては中国などと対立している。11月には南シナ海で物資を輸送中だったフィリピン船2隻が中国船により放水銃で妨害されたことも明らかになった。

サラ氏は軍事力強化の姿勢を打ち出すことを狙ったとみられるが、有権者が兵役義務化を支持するかはまだ不透明だ。

フィリピン国防省は20日、兵役の義務化について支持する姿勢を表明した一方で、財源の確保などで課題があることを指摘した。』

米国務長官「越境なら迅速に厳しく対処」 ロシアに警告

米国務長官「越境なら迅速に厳しく対処」 ロシアに警告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR20E380Q2A120C2000000/

『【ベルリン=石川潤】ブリンケン米国務長官は20日、訪問先のベルリンでベーアボック独外相と記者会見し、ロシア軍が国境を越えてウクライナを攻撃すれば「迅速に厳しく対処する」と語った。小規模な侵攻であれば制裁を弱めるとも受け取れる19日のバイデン米大統領の発言を事実上修正し、いかなる侵攻も容認しない姿勢を改めて明確にした。

ロシアはウクライナ国境に10万とされる兵力を集めており、侵攻への警戒が高まっている。ブリンケン氏は和平の糸口を探るため、21日にスイスのジュネーブでロシアのラブロフ外相と会談する。ベルリンではベーアボック氏、ショルツ首相のほか、英仏の高官とも協議し、対ロシアでの米欧の協調を確認した。

ベーアボック氏は会見で「対話こそが危機から抜け出す唯一の道だ」と語った。国境への軍隊の移動やベラルーシとの演習などを念頭に「気がかりな動きがさらに強まっている」と指摘。緊張緩和に向けて一歩踏み出すようにロシア側に求めた。

ドイツはロシアとガスパイプライン(ノルドストリーム2)計画を進めており、稼働中止を求める米国との温度差もかねて指摘されてきた。だが、ロシアの強硬姿勢が強まるにつれ、ドイツ側も侵攻があれば稼働は認められないとの立場に傾いている。ベーアボック氏は「さらにエスカレートすれば、あらゆる手段をとる」と述べた。

ロシアが侵攻した場合、米欧は厳しい経済制裁に踏み切るとみられている。ただ、欧州経済はエネルギー分野などでロシアと密接に絡み合っている。エネルギー価格の高騰でただでさえインフレが勢いづくなかで、ロシアへの制裁は自分の首を絞めかねない難しさがある。

【関連記事】
・バイデン氏「ロシアの越境に厳しい措置」 制裁巡り釈明
・米財務省、親ロ派ウクライナ人に制裁 ロシアに圧力
・ロシアのウクライナ再侵攻に現実味 米ロ、瀬戸際の交渉 
・ロシア対ウクライナ 米国の戦略欠如、リスクを拡大

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察

ここの所米欧間で、対ロ方針がバラバラになっていたので、一旦ラインを揃えるために、米英仏独「クアッド」、米独外相、ブリンケンとショルツ会談が立て続けに行われ、一定の成果はあげた印象です。

記者会見の中で、ノルマンディー・フォーマットを利用して独仏外相がウクライナへ近日中に行くとアナウンスされています。

また、ブリンケンに、目的がディエスカレーションであり、ロシアの「正当な安全保障上の憂慮」に対して配慮して対話を継続する、とも言わせました。

これでジュネーブでの米ロ外相会談を、何とか全面対決・決裂を避けて、交渉継続でまとめれば喉元は過ぎるのですが、まだまだ危険領域は脱していない印象です。

2022年1月21日 10:09

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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説

この時期に、興味深い組み合せの会談です。ベーアボック外相はドイツの3党連立政権の中でロシアに最も厳しく、ノルドストリーム2にも批判的な立場。ブリンケン氏としてはいま最も「ウマが合う」ドイツの相手では。

ショルツ首相のドイツ社会民主党で前に首相を務めたシュレーダー氏はパイプライン事業法人の重役を務めるプーチン大統領の長年の友人です。

対ロビジネスの思惑も濃淡があります。欧州の代表国ドイツ政権内の微妙な立場の違いを埋めつつ、欧州と米国の一枚岩を見せてロシアに対峙するという、かなり難度の高い調整をブリンケン氏は強いられているわけです。

2022年1月21日 7:53 』

米政府「日米首脳、結束した対応策話す」 対ロシアで

米政府「日米首脳、結束した対応策話す」 対ロシアで
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN210QB0R20C22A1000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米ホワイトハウスは20日、岸田文雄首相とバイデン米大統領が21日に開くオンライン協議を前に声明を発表した。ロシアによる威嚇で緊迫するウクライナ情勢をめぐり「両首脳は強力で結束した対応策を話し合う予定だ」と記した。

声明で、日米首脳は新型コロナウイルスや気候変動など「共通の脅威に対処するため同盟を深化させる」と明記。「世界の平和と安全の礎である日米同盟の強さを強調し、自由で開かれたインド太平洋と強固なルールに基づく秩序という共通のビジョンを推進する方策を議論する」と訴えた。

新技術やサイバーセキュリティーなどの分野で日米豪印の枠組み「Quad(クアッド)」を含めた協力関係を拡大する方針も確認する見通しだ。

首脳協議に先立ち、秋葉剛男国家安全保障局長とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が電話で話した。ホワイトハウスによると、中国や北朝鮮への対処など首脳協議の議題を調整した。

サリバン氏は2014年に続きウクライナに侵攻する可能性があるロシアの行動に懸念を表明した。 両氏はいかなる攻撃があってもロシアに結束して対処するのが重要との認識で一致した。

サキ大統領報道官は20日の記者会見で「バイデン氏は首相との協議を楽しみにしている」と述べた。「日米同盟をさらに強化し、経済などの結びつきを深め、安全保障を含む自由で開かれたインド太平洋のビジョンを推進したい」と語った。

21日のオンライン協議は岸田政権発足後、日米首脳が初めて一定の時間を確保して話す場となる。中国が威圧的行為を繰り返す台湾海峡での有事のリスクに備え首脳間で意見をすりあわせる。』

緊迫するウクライナ情勢 ロシア、なぜここまで強硬?

緊迫するウクライナ情勢 ロシア、なぜここまで強硬?
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19DMP0Z10C22A1000000/

『緊迫するウクライナ情勢を巡り、21日には米国のブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相が会談する。バイデン米政権はロシアがウクライナに侵攻した場合、ロシアの銀行によるドル取引を停止することなどを含む厳しい制裁を科す方針を明らかにしている。それでもロシアは隣国ウクライナが欧米主導の軍事同盟の北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないとの確約を求め、交渉は難航している。なぜロシアのプーチン政権は強硬姿勢でウクライナにこだわるのか。3つのポイントをまとめた。

・ロシアとウクライナの歴史的な経緯とは
・「大国復活」目指すプーチン氏の野望とは
・なぜNATOの東方拡大をここまで警戒するのか

ロシアとウクライナの歴史的な経緯とは

「ロシア人とウクライナ人の歴史的な同一性について」。プーチン大統領は2021年7月にこう題した論文を発表し、「1つの民族」だと主張した。ウクライナをロシアの勢力圏に取り戻すことが自らの使命だと考えているようだ。

ロシアとウクライナ、ベラルーシは同じ東スラブ民族で、統一国家の始まりは9世紀から12世紀ごろまで栄えたキエフ・ルーシにある。中心地は現在のウクライナの首都キエフだった。その後も現ウクライナ領には独自の国が長く形成されず、ロシア帝国やポーランドなどの支配下に置かれた。

ウクライナはほぼ20世紀を通して旧ソ連の一部であり、本格的な国家として歩み始めたのは1991年のソ連崩壊後だ。欧州連合(EU)とロシアに挟まれた影響力争いの舞台となり、政権も親欧米と親ロシアとが交互に発足した。2014年に民主化を求める親欧米派による政変で親ロ派政権が倒れると、ロシアはクリミア半島を一方的に併合し、ロシア系住民の多い東部にも侵攻した。

「大国復活」目指すプーチン氏にとってのウクライナとは

ウクライナは4000万を超す人口と広大な国土を持つ旧ソ連第2の大国だ。ウクライナなしでロシアは帝国にはなれない――。ブレジンスキー元米大統領補佐官はこう述べたことがある。「大国の復活」の野望を抱くプーチン氏にとって、ウクライナを自らの勢力圏にとどめることは絶対条件だ。

鉄道を使ってベラルーシに到着したロシアの装甲車など(1月19日)=ロシア国防省プレスサービス・AP

ロシアは13世紀から15世紀にモンゴルに支配され、19世紀初めにナポレオン率いるフランスにモスクワを占領された。第2次世界大戦でもナチスドイツに国土深く攻め込まれた。

こうした経緯もありロシアは伝統的に安保意識が強いとされ、プーチン政権は安保を重視する治安機関や軍関係者ら保守強硬派の影響力が強い。ロシアと欧州の真ん中に位置するウクライナが欧米陣営に加わるのを容認することは国民感情の面からも極めて難しい。

なぜNATOの東方拡大をここまで警戒するのか

ウクライナを巡る米欧とロシアの対立は、ソ連崩壊後、新たな欧州安保体制構築の試みが挫折したことも意味する。プーチン氏は昨年12月、東欧諸国を加盟させないというNATOの約束が過去に破られてきたとして「ひどくだまされた」と恨みを口にした。2000年代初めまでは米ロは融和に向かうかに見えたが、プーチン政権は米欧への反発を強めていった。
一方、ウクライナはNATO加盟を国家目標に掲げ、ロシアとの対立を深めた。ロシアは米欧の部隊や攻撃兵器がロシアの西部国境近くに展開され、自国の安全保障が決定的に損なわれると懸念する。東部紛争を巡って軍事圧力を強めてウクライナの後ろ盾である米国を交渉に引き出し、ウクライナのNATO非加盟を確約させようとした。

(モスクワ=石川陽平)

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察

思い起こして頂きたいのですが、ロシアはセルビアという小さな兄弟国をかばって第一次世界大戦を始め、その結果すでにヨタヨタだったロマノフ帝国は滅びました。

ついでにオーストリア=ハンガリー帝国もドイツ帝国も道連れにしました。

第二次世界大戦が始まるときは、ヒトラーのドイツを信頼できると勘違いして独ソ不可侵条約を締結し、酷い目に合いました。

現在ロシアが積極的に戦争を望んでいるとは思いませんが、西側を読み間違えている可能性は十二分にあります。

振り上げた拳の降ろしどころがなくなって戦争が始まるかもしれません。本日の米ロ外相会談の目的は、とにかく戦争を回避して話し合いを続けること、それに尽きます。

2022年1月21日 17:25

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

ロシアでは、プーチンはロシアを救ったヒーローと思われている。

ロシア人は大きなものが好きなようである。30年まであのままやっていけないので、ソ連が崩壊してしまった。

でも、ロシア人は帝国になる夢を諦めたわけではない。プーチンは名実とも強い指導者でタフーである。それとバランスを取らなければいけないホワイトハウスの主は老衰で想像力も欠けている。

プーチンにとって強いロシアを取り戻す好機にみえている

2022年1月21日 16:54』

フランス議会、ウイグル人権弾圧「大量虐殺」認定

フランス議会、ウイグル人権弾圧「大量虐殺」認定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR20DWS0Q2A120C2000000/

『【パリ=白石透冴】フランス国民議会(下院)は20日、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権弾圧が「ジェノサイド(民族大量虐殺)」だとする決議案を可決した。拘束力は持たないが、仏政府にも行動を求めた。

仏AFP通信によると、マクロン大統領が率いる与党共和国前進の賛成などでほぼ全会一致で可決した。「中国政府によるウイグル族への暴力が、人道に対する罪であり、ジェノサイドであると公式に認定する」といった内容になっている。

仏政府にもジェノサイドとして認定することを求めたほか、国際社会と協力して、必要な措置を中国政府に対して取るように促した。在仏中国大使館はツイッターで「ジェノサイドなどといった扇動的な批判は、中国を敵視する完全なウソである」などと反論した。

議会に出席していたリステール貿易・誘致担当相は「事実をどう認定するかは政府の役割ではない」と語ったが、中国側と話し合う意向を明らかにした。欧州では人権軽視の疑惑がある中国への警戒感が高まっており、中国と距離を取り台湾と接近する動きが相次いでいる。』

米NBC、北京五輪にアナウンサー送らず コロナ懸念

米NBC、北京五輪にアナウンサー送らず コロナ懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20E4L0Q2A120C2000000/

『【ニューヨーク=清水石珠実】北京冬季五輪の米国向け放送権を持つ米NBCが、アナウンサーを現地に送らないことが20日までに分かった。世界的に新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大が続くなか、安全な五輪の開催に向けて担当者の往来を最小限に抑える方針を決めた。

アナウンサーは、米コネティカット州のスタジオから中継を行う。競技の撮影などを担当する技術担当者は、現地に派遣する。フィギュアスケートなど人気競技に関してはギリギリまでアナウンサーを派遣する方向で調整を進めていたが、最終的に米国から中継する決定を下した。中国政府はコロナ感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ政策」を取っており、人材を派遣するための手続きなどが煩雑になっていた。

2月4日の開会式に関しては、現時点では人気スポーツキャスターを派遣して、現地から中継する計画を維持している。

NBCが五輪中継を競技が行われている現地ではなく、コネティカット州にあるスタジオを中心に行うのは今回で2度目になる。同じくコロナ下で開催された2021年夏の東京五輪でも似たような体制を取ったという。だが、東京五輪の場合は、競泳や体操などの人気競技に限って、現地リポートを行うアナウンサー陣を配置していた。』

投票権法案の可決絶望的に 米上院、バイデン氏に打撃

投票権法案の可決絶望的に 米上院、バイデン氏に打撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20DZ90Q2A120C2000000/

 ※ 「フィリバスター」制限法案、ポシャったようだ…。

 ※ しかし、『議事妨害はフィリバスターと呼ばれ、長時間演説を続けて議事進行を妨げ、法案を廃案に持ち込む手法。かつては実際に演説する必要があったが、現在は形式的に議事妨害の意思を示すだけで効力を持つ。』…、ということは知らんかった…。

 ※ プロ野球の、「宣言四球」みたいなものか…。

 ※ 『民主党指導部は、フィリバスターに議場での演説を義務付け、共和党議員による演説継続が不可能になった時点で採決に持ち込めるよう規則変更を図った。民主党議員が全員同意すれば変更できたが、同党の2人が「党派対立をさらに深刻化させる」などとして反対していた。』…、ということだ…。

『【ワシントン=共同】米上院本会議で19日、民主党のバイデン大統領が公約として成立を目指す投票権擁護法案に関し、共和党の議事妨害を阻止するための規則変更が失敗に終わった。共和党議員のほか、民主党の中道派議員2人が規則変更に同意しなかった。法案を採決に持ち込む見通しが立たず、可決は絶望的になった。バイデン氏にとって大きな打撃となる。

投票権擁護法案は、共和党が優勢な各州で郵便投票の要件などを厳格化する州法が相次いで成立しているのに対抗し、民主党が提出した。全米で郵便投票や有権者登録を容易にする内容で、下院では可決済みだった。

議事妨害はフィリバスターと呼ばれ、長時間演説を続けて議事進行を妨げ、法案を廃案に持ち込む手法。かつては実際に演説する必要があったが、現在は形式的に議事妨害の意思を示すだけで効力を持つ。

民主党指導部は、フィリバスターに議場での演説を義務付け、共和党議員による演説継続が不可能になった時点で採決に持ち込めるよう規則変更を図った。民主党議員が全員同意すれば変更できたが、同党の2人が「党派対立をさらに深刻化させる」などとして反対していた。』

民主主義は監視資本主義に勝つ

民主主義は監視資本主義に勝つ 米ハーバード大ズボフ氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK1168A0R10C22A1000000/

 ※ 相当に、「タイトル」と「中身」が違っている…。

 ※ ここで言っている「監視資本主義」とは、『ネット利用者の利用履歴データを実質的に無断で収集し、収益化する企業の行動』『(データとそこから導かれる傾向や予測という)知識が少数の企業の手に集中する』現象なんかを指している…。

 ※ 『「ほとんどの人が規約を読まないことは誰でも知っている。当のネット企業も重々承知のうえでもろもろの行為の許可を求めている。たとえ読んだとしても『合意』する以外に選択肢はない。つまり実際に起こっていることは『強制』であり、自発的合意というのはまやかしだ。これは正当ではない。』という問題意識に立っている…。

 ※ しかし、いわゆる「プラットフォーマー」の「収益の源泉」は何なのかということや、従来型の「独占禁止」対策の限界…、なんて問題を考える上で、参考になる…。

『ネット利用者の利用履歴データを実質的に無断で収集し、収益化する企業の行動を「監視資本主義」と名付け、その弊害について警鐘をならす米ハーバード経営大学院名誉教授のショシャナ・ズボフ氏が取材に応じた。デジタルとインターネットの時代に個人の権利を守る新しい法制度が必要だと強調する。「民主主義は実現能力を備えている。実際、欧米の議会は前進している」との見方を示した。主なやり取りは以下の通り。

――監視資本主義とは、どんな現象を指すのでしょうか。

「20年前、米グーグルが個人のネット利用の履歴データを蓄積するという新しい行動を始めた。それから20年のあいだに、データの蓄積を収益化する理論と仕組みが世界を席巻する経済原理の一つとなった。既存の産業資本主義は自然資源を原料にして収益を生むのに対し、この原理では人々の行動や関心を監視することで得られるデータを原料とするので監視資本主義と呼んでいる」

「監視資本主義が広まった経済体制の特徴は、(データとそこから導かれる傾向や予測という)知識が少数の企業の手に集中することだ。知識の集中、知識の非対称性によって少数の企業が支配力を築いた。この体制は、価格や賃金、競争状況などをゆがめる経済的な害よりも、(プライバシーの侵害や民主主義への悪影響など)社会的な害をもたらすのが特徴だ」

――個人の行動履歴情報を「無断」で収集、活用することを違法とすべきだと提言しています。オンラインサービス企業側は「利用規約」などで情報収集について利用者の合意を得ていると主張しています。

「ほとんどの人が規約を読まないことは誰でも知っている。当のネット企業も重々承知のうえでもろもろの行為の許可を求めている。たとえ読んだとしても『合意』する以外に選択肢はない。つまり実際に起こっていることは『強制』であり、自発的合意というのはまやかしだ。これは正当ではない。金融商品の約款など、以前からこのような『付合契約』と呼ばれる供給者側が内容を一方的に定める合意の取り方は存在しており、(中身が常識の範囲内に収まっていることで)正当性を保っていた。監視資本主義が広がると、企業はこの制度を乱用するようになった。司法が前例踏襲に終始する間にテクノロジーがはるかに先を行き、法律も追いついていない」

「少なくとも現在の米国では監視資本主義は『合法』だが、決して正当ではない。ある行為が合法かどうかは、時代や場所を基とする法制度で決まる。現在は監視資本主義を有効に規制する法制度がないため、たまたま合法になっている。我々はデジタル時代に機能する新しい権利の憲章と、それを具現化する法制度を打ち立てなければならない。同意のない一方的で不当な監視、情報抽出ははっきり違法とすべきだ」

――ワシントンでの民主党と共和党の対立状況を考えると、規制を強める立法は難しいようにみえます。

「時間はかかる。19世紀後半、寡占や独占を築いた巨大企業の力の乱用に対する民衆の怒りはとても強かった。しかし、そんな強い世論があっても、消費者や労働者の権利や安全を守る法律、行政組織などができて企業を適正に規制する体制ができあがるのは1930年代、フランクリン・ルーズベルトが大統領になってから。つまり問題が顕著になってから、解決する制度ができるまでに半世紀かかった」

「馬車しかなかった時代に作ったルールで自動車が走る道路を統治しようとしても無理だった。産業資本主義という新しい存在を前提にした制度を作るのに半世紀かかった。その制度もデジタルとインターネットの時代になって、うまく権利保護の目的を果たせなくなった。その点をよく認識しないまま私たちはこの20年、監視資本主義の企業を野放しにしてきた。実物社会では家宅侵入やのぞき見を許容しないのに、パソコンやスマートフォンで個人が何を見ているかについては、企業が勝手に監視・記録し、そのデータを収益に変える行為を許してきた。今こそ新しい時代に合った権利保護の制度を作るための民主主義のプロセスを、もう一度最初からやり直さねばならない」

――ESG(環境・社会・企業統治)投資やステークホルダー論が広がるなど、倫理を重視する方向に投資家の考え方が変化しています。市場の力が企業行動を是正する可能性はないのでしょうか。

「私がハーバード経営大学院で教え始めた81年ごろ、必修授業で株主至上型経営とステークホルダー型経営の比較分析をやっていた。その後、ミルトン・フリードマンやマイケル・ジェンセンの株主至上論が世の中を席巻し、ステークホルダー型経営の分析はビジネススクールの授業から姿を消した。今盛り上がっているステークホルダー論やESG投資は、そういう意味で既視感があり、統治力として弱い。しかも市場原理主義的な考え方が、コミュニティーや公的サービスをあちこちで破壊した後に出てきたので、遅きに失した感がある」

「市場参加者や私企業によるルール設定は歓迎すべきことだが、市場環境が変わると一瞬にして消えてしまうおそれがある。取締役が交代するだけでも方針は変わりうる。つまり、企業の自主的な規範は移ろいやすいもので、長期に安定して機能する法制度の役割を代替することは決してできない。私たちは80年代以降、市場が色々な問題を解決できると思い込んできたが、その結果が監視資本主義の増長だ。問題解決には制度が大事だ」

――新時代に最適な法制度は本当にできるのでしょうか。

「3年前にはできると断言できなかったが、今はできると確信している。それだけはっきりと前進がみられるからだ。もうすぐ欧州で成立する『デジタルサービス法』と『デジタル市場法』は、ターゲット広告を規制するなど画期的な内容で、ゲームチェンジャーになると思う。ワシントンでも行動監視やターゲット広告を規制する立法に向けた真剣な議論が進んでいる」

「確かにワシントンはいつも絶望的にみえる。監視資本主義企業によって良質な報道機関が窮地に陥り、偽情報がまん延しているにもかかわらず、放っておいても民主主義が揺るがない時代が長く続いてきた。そのため、それに慣れきった市民は行動を起こすまで至っていない。だから米国では本当に民主主義が危機に陥った」

「しかし、この状態を解決する能力を備えた唯一の仕組みが民主主義であることも確かだ。歴史をみれば、民主主義の本当の危機には市民がまとまって声を上げた。時間はかかるが、解決策を議会や政権に作らせて民主主義を守ってきた。ファシズムが民主主義を破壊しそうになったときに、連合国の戦いを支えたのも民主主義だ。欧米などの議会の動きをみて、監視資本主義がもたらした民主主義の危機を民主主義自体が克服していく見通しについて、私はとても楽観的になっている」

(聞き手は編集委員 小柳建彦)

放任の弊害に気づき、欧米などで規制導入

米グーグル(アルファベットの一部門)は「邪悪にならない」をモットーとする会社として支持者を増やした。しかし創業から日が浅かった2000年に、「グーグル・ツールバー」と呼ばれるブラウザーに組み込んで使うソフトが、利用者が今どのウェブページを見ているのか逐一記録して保存する「監視」を、利用者から明示的な許可を取らずに始めていたことはあまり知られていない。

当時社内では、何をどう記録して何に使うのか、大書して説明し、許可を取るべきだという意見が浮上した。しかし、共同創業者らが「何も悪いことはしていないのだから、わざわざ懸念を呼び起こすような文言は不要だ」として却下したと、当時社員だったダグラス・エドワーズ氏が後に著書「I’m Feeling Lucky」で記録している。今思えば「邪悪」な行為は草創期から始まっていたのだ。

インターネットは90年代に普及して以来、利用者の大部分が不正をしないという性善説と、不正があっても市場原理に淘汰されるという市場信奉によって、特定の統治者を置かない分散自律型のエコシステム(生態系)として発展した。グーグルやフェイスブック(現メタ)が「監視」で莫大な収益を上げても、牧歌的な性善説を疑う声は大きくならなかった。

ここ数年、米大統領選、連邦議会襲撃事件、そしてフェイスブック元従業員の内部告発と、ズボフ氏が警告した弊害が具体化する出来事が次々と起こった。特にフェイスブックについては、利用者の安全確保や偽情報から民主主義を守ることよりも収益を優先してきた証拠がいくつも明るみに出た。そうなってようやく、放任は弊害が大きいことに世界中の政治指導者と市民が気づいた。

多くのオンラインサービス企業は「機械による行動記録は、人間によるのぞきのようなプライバシー侵害には当たらない」という考え方を繰り返してきた。しかし、「トラッキング」と呼ばれる行動監視行為に対する世論は極めて厳しくなっている。

欧米だけでなく日本やオーストラリアでの立法や規制導入の動きは、まさにその世論の反映だ。一方で、巨大IT(情報技術)企業の反規制ロビー活動もますます強力になっている。ズボフ氏の言う通り、事態の行方は各国・地域の民主主義政治のプロセスに委ねられている』

世界のアプリ支出が15兆円超え 21年、2年連続で最高

世界のアプリ支出が15兆円超え 21年、2年連続で最高
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN180GM0Y2A110C2000000/

『【シリコンバレー=奥平和行】世界の消費者がスマートフォンなどのアプリへの支出を増やしている。米調査会社のセンサータワーによると、2021年は前年比20%増の1330億ドル(約15兆2000億円)となり、前年に続いて過去最高を更新した。新型コロナウイルスの流行で生活様式が変わり、定着しつつある様子が浮かび上がっている。

センサータワーは16年から有料アプリの購入やサブスクリプション(継続課金)、アプリ内課金をアプリへの支出額として集計している。21年の前年比増加率は新型コロナの流行に伴いアプリの利用が急増した20年の30%は下回ったものの、増加傾向が続いた。

一方、ダウンロード回数は前年比1%増の1442億回にとどまり、増加率は20年の24%から大幅に下がっている。消費者は一度ダウンロードしたアプリを継続利用しており、アプリ提供企業による利用者のつなぎとめ・利用促進策が一定の効果を上げているといえそうだ。
アプリへの支出についてはワクチンの接種が進むことなどにより生活が日常に戻り、減少するとの見方もあった。ただ、実際には増加が続いており、センサータワーのモバイル・インサイト・ストラテジスト、ステファニー・チャン氏は「21年は一定水準の正常化が進んだものの、コロナ下の傾向が続いた」と説明している。

アプリへの支出額のうち、分野別で最大のゲーム向けは前年比13%増の896億ドルまで増えたようだ。韓国のクラフトンが開発した「PUBGモバイル」などが人気を集めた。ただ、ゲームの占める割合は67%となり、前年より約4ポイント低下している。動画配信サービスなどの利用が定着し、「非ゲーム」の比率が高まった。

アプリ配信サービス別の推計値を見ると、米アップルの「アップストア」が前年比18%増の851億ドル、米グーグルの「グーグルプレイ」が24%増の479億ドルだった。スマホの世界販売シェアでアップルのiPhoneは15%程度にとどまっている。一方、米国や日本など消費者のアプリへの支出が多い地域で人気が高く、アップストアが先行する状況が続いている。

アップルとグーグルはアプリ配信サービスで自社の決済システムの利用を求め、原則として売上高の15~30%を手数料として徴収している。消費者のアプリへの支出が増加すると収益拡大につながり、特に急成長しているアップルのサービス売上高の4割近くはアプリ関連の手数料が占めているとみられている。

ただ、こうした仕組みをめぐっては一部の地域で独占に当たるとの批判が高まってきた。韓国では21年8月、アップルなどがアプリ配信サービスで自社の決済システムの利用を義務付けることを禁止する法律が成立した。アップルはこのほど韓国で外部システムの利用を認める意向を当局に伝え、オランダでもデートアプリを対象に外部システムを容認した。

【関連記事】
・Microsoft、8兆円買収で狙うゲームの「次」
・米独禁当局、M&Aの監視強化へ デジタルに照準
・Apple、オランダで出会い系アプリに外部決済容認 』

 ※ ちなみに、「コンピューター関係のソフトウエア」の売り上げ総計みたいな資料を探したが、見つけられんかった…。

 参考資料として、次のものを貼っておく…。

 クラウド以外は総崩れ、世界IT大手16社の20年4~6月期決算
 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00848/00031/

 百万ドル=1億~1億500万円くらいか…。

FRB、「デジタルドル」で初の報告書 利害を意見公募へ

FRB、「デジタルドル」で初の報告書 利害を意見公募へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN070810X01C21A0000000/

『【ニューヨーク=斉藤雄太】米連邦準備理事会(FRB)は20日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する初の報告書を公表した。実現すれば個人や企業に安全な電子決済手段を提供できる半面、金融システムの安定やプライバシーの保護など課題も多いと指摘した。中国などで準備が先行し、民間のデジタル通貨も台頭するなか、基軸通貨を抱える米国も「デジタルドル」の検討を慎重に進める。

FRBは報告書の目的について「CBDCの潜在的な利点とリスクについて幅広く、透明性の高い対話を促進するためのものだ」と説明。「FRBによる発行の妥当性の決定が差し迫っていることを示唆するものではない」とも強調し、検討にはなお時間を要するとの考えも示した。

CBDCの利点やリスクなどに関する20以上の具体的な質問事項も用意し、5月20日までの4カ月間、一般から広く意見を募る。パウエル議長は声明で「一般市民や選ばれた代表者、広範な利害関係者との対話を楽しみにしている」と述べた。

報告書では、米国でCBDCを発行する場合の前提として「家計や企業などの経済主体にとってあらゆるコストやリスクを上回る利益をもたらす」ことを挙げた。現金や民間のデジタル通貨など現状の決済手段に置き換わるものではなく、補完するものになるとも指摘。主要な利害関係者から幅広い支持を得られることも必須とした。

発行した場合に想定される利点では、安全で信頼性の高い中銀発行の通貨がデジタル形式で流通することで、既存・新規の決済サービスの基盤になる可能性を挙げた。誰でも金融サービスにアクセスできる「金融包摂」に役立ちうるとも指摘。米国では約5%の世帯が銀行口座を持たず、その多くは低所得層とみられる。デジタル通貨は銀行口座を持たない人でもスマートフォンなどの機器を通じて電子的にお金をやり取りするため、支払いや送金といった金融サービスを利用できる人の裾野が広がる。

国際送金をより早く、低コストで実現するなど国境を越えた決済の利便性向上につながりうる点も指摘した。さらに覇権通貨ドルの地位を保つ重要性にも触れた。他国で利便性の高いCBDCが生まれれば、世界的にドルの利用が細り、ドルの国際通貨の役割が低下する可能性もあるとした。

一方、課題としては便利なCBDCが流通することで既存の銀行預金から資金がシフトし、銀行の資金調達コストが上がることで金融仲介機能が低下しうる点を挙げた。利用者のプライバシーの保護や、マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪防止も重要になる。サイバー攻撃への対処など安全面でのハードルも高い。

FRBが慎重ながらもCBDC研究を進めるのは官民でデジタル通貨の開発競争が活発になっているためだ。中国人民銀行(中銀)は北京冬季五輪での実験や法整備などを経て、2022年中にもデジタル人民元を正式発行する方針だ。欧州中央銀行(ECB)は昨年、デジタルユーロの発行に向けて2年間の調査を進めると表明した。日銀もシステム上で資金移動が円滑にできるかを確かめる実証実験を始めている。

ドルなどの法定通貨や金融資産を裏付けに価格の安定をめざす「ステーブルコイン」やビットコインといった暗号資産(仮想通貨)の取引も急速に伸びている。こうした通貨・決済をめぐる急激な環境変化がFRBの背中を押している。

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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楠正憲
デジタル庁統括官 デジタル社会共通機能担当
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ひとこと解説

前のめりでの市中実証が進む中国、着実に研究成果を発表してきた日欧に対して長らく米FRBはCBDCへの態度を明らかにしていませんでした。

これはCBDCを取り巻く議論が中央銀行による電子マネーの発行というよりは、米国の軍事力と経済力を背景としたドル基軸通貨体制の次を模索する営みだったからです。

米国の背中を窺い覇権を狙う中国、多国間の国際金融秩序を打ち立てたい日欧に対して、米国はより難しい立場に立たされていました。今のところ消費者向けCBDCが必要か定かではありませんが、越境決済の高度化や、キャッシュレスに取り残された人々にどう手を差し伸べるかは大きな課題です。

FRBによるレポート本文はこちら
https://www.federalreserve.gov/publications/files/money-and-payments-20220120.pdf
2022年1月21日 7:54 (2022年1月21日 7:56更新)
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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説

昨年10月に2年間の調査段階に入ったデジタル・ユーロ。
今月18日の閣僚理事会で承認されたユーロ圏の経済政策に関わる文書には、欧州委員会が導入に必要な法整備に係る提案を行う方針であることが記載されています。

デジタルユーロ導入のベネフィットとして、経済のデジタル化の支援、リテール決済のイノベーションの促進に加えて、ユーロの国際化、そしてEUの最近のキーワードとなっている「戦略的自立」にも貢献することを挙げています。

導入を前提とした議論が前進しているように思います。

2022年1月21日 7:42 (2022年1月21日 9:21更新)
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

FRBによる今回の中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する報告書は、メリットとデメリットの両論を併記した上で、一般から意見を求める体裁である。

これは、FRB内部にこの問題について温度差があることの表れでもある。

仮に、個人がFRBに直接口座を保有する形になりそれが普及すれば、マイナス金利の適用を含め、金融政策の「切れ味」は格段に良くなる。

だが、そうしたCBDCは民業を圧迫する可能性が高い上に、個人情報保護の観点から問題含みである。

中国やユーロ圏などの動きもにらみつつ、米国はそろりそろりと対応を進めていくのだろう。結局、今回の報告書にもある通り、CBDCはあくまで「補完」的な存在にとどまるとみる。

2022年1月21日 8:20

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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
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今後の展望

FRB副議長であり昨年の人事では議長候補として有力視されていたブレイナード氏はデジタルドルの実現は「急務」であると複数回に渡り公言している。

理由としてはこの分野における中国との競争を挙げている。内部で議論があるのは当然であろうし、このような慎重な物言いは同局の対話方式の伝統にて、それは意訳するに積極的に検討研究をしているとも解釈できるのではなかろうか。

いずれにせよ時間軸の問題であってフィアット通貨のDXたるCBDCはいずれは米国含めて各国で実現していくと考えるのが論理必然ではなかろうか。

2022年1月21日 7:49

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

民主主義の国では、ルールが決まるまで、走っていけない。

それに対して、中国では、ルールよりも、とにかく転んでもいいが走る。だから中国はさきがけでデジタル人民元を実験している。

FRBが心配しているのは、金融システムの安定性やプライバシーの保護であるが、おそらく中国人民銀行が一番心配するのはキャピタルフライトではないだろうか。

中国のデジタル人民元のスキームは簡単に越境できないものにするだろう。

なお、プライバシー侵害云々について、贈収賄を撲滅できるという論法で一部の人民の支持を得ることができるはず

2022年1月21日 7:48 』

[FT]EUは中国の圧力からリトアニア守れ

[FT]EUは中国の圧力からリトアニア守れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1914A0Z10C22A1000000/

『欧州は21世紀、欧州以外の超大国に振り回される運命にあるのか――。

欧州連合(EU)本部は、EUの結束した力のみがそうしたひどい運命から欧州大陸を救えると主張する。EUには1カ国だけで米国や中国と対等に渡り合える国はないが、EUとして捉えれば世界3大経済勢力の一つとなる。

イラスト James Ferguson/Financial Times

だが、EUの経済力を背景にすれば地政学的な力も容易に発揮できるのではないかという考えは今、残酷なまでの現実を突きつけられている。ウクライナ危機を巡る協議で、EUは蚊帳の外に置かれた。また、中国は台湾との関係強化を進めているEU加盟国のリトアニアに非公式ではあるが制裁を科した。この事態に対し、EUは適切な対応策を見つけ出すのに苦慮している。

EUのフォンデアライエン氏は委員長就任に先立つ2019年11月、「地政学的な責任を果たす欧州委員会を率いたい」と抱負を語った。しかし、EUが今後数週間から数カ月の間に有効な手を打てず、事態が悪化すれば「地政学的にも力を発揮できる存在」という考えは机上の空論でしかないことが明らかになる。ただ、一方でEUが現在直面する様々な危機、とりわけリトアニア問題を通じて世界の舞台でEUの利益を守る力を飛躍的に伸ばせる可能性もある。

中国のリトアニア制裁は「スペインの異端尋問」

ウクライナ危機は欧州大陸での戦争か平和かという問題だ。それだけにロシア、米国、北大西洋条約機構(NATO)などによるウクライナを巡る協議にEUが参加できなかったことを屈辱的と感じているEU高官らもいる。だがEUが一連の交渉の場に招かれなかったのは大した驚きではない。EUは軍事同盟ではないし、今後そうなることもないだろう。しかもウクライナはEU加盟国ではない。

しかし、リトアニアはEU27加盟国の一つで、既に中国との貿易紛争に巻き込まれており、貿易はEUが世界的な影響力を発揮できる少ない分野の一つだ。つまり、EUにとって加盟各国が団結して行動する好機でもあり、そうする義務も負っている。

リトアニア政府は、自らを民主主義体制とする台湾との関係を強めた(編集注、21年11月にリトアニアに開設した台湾の事実上の大使館である代表機関に「台北」でなく「台湾」と表記するのを認めた)。だが中国は台湾を反乱分子とみなしていることから以来、制裁の標的にしている。リトアニア政府は21年5月に中国と中・東欧諸国の経済協力の枠組み「17プラス1」からも離脱していた。

リトアニアのランズベルギス外相は中国の対応をまるで「スペインの異端審問」(編集注、スペインで15世紀、ローマカトリック教会が異端を過酷なまでに厳しく取り締まった制度)のようだと例えた。

中国はリトアニアとの全貿易の通関手続きを止めただけではない。リトアニア製部品を使った製品全ても通関できなくなっており、リトアニアに投資している海外投資家らは極めて頭の痛い事態に陥っている。

中国政府は賢い戦術に出たといえる。リトアニアで活動するドイツの投資家らはリトアニア政府に中国に対し折れるよう強く求めているという。一方、リトアニアの世論調査によると、同国政府が台湾の代表機関の表記に台湾を使うのを認めたことに不満を感じているようだ。

中国、リスク抱え込んだ可能性も

だが、中国の今回の対応には中国政府が十分に考慮していないリスクが潜んでいる可能性がある。中国はEUのサプライチェーン(供給網)を標的にすることで、EU経済とEUの戦略目標の核心である欧州単一市場の結束を壊すことに狙いを定めたからだ。欧州の有力シンクタンク欧州外交問題評議会(ECFR)でアジアの責任者を務めるヤンカ・エルテル氏は「中国はこれを欧州の問題とすることでEU全体に対する挑戦に変えてしまった」と指摘する。

これは単なる理論上の問題ではない。欧州では中国が次に標的にするのはチェコではないかと一部でみられている。チェコは政府も政治家も台湾に友好的だ。同時にEUの供給網の中心的役割を果たしている工場が多数ある。チェコ製部品が事実上の制裁対象になれば欧州単一市場は大混乱に陥りかねない。

欧州の政治家の中には、リトアニアが他のEU加盟国に事前に相談もせず台湾の名称を冠した代表機関の設置を認めたことにいら立ちを感じている者もいる。だが、リトアニアはEUが認める「一つの中国」政策に反したわけではない。しかも民主主義への支持と小国の保護は、EUの中核的価値のはずだ。

EU高官らはリトアニアへの支持と連帯を約束している。リトアニアへの制裁については中国を世界貿易機関(WTO)に提訴するだろうが、WTOでの解決には何年もかかる可能性がある。そのためEU議長国を現在務めるフランスは、EUと加盟国に経済的手段を使って政策を変更するよう圧力をかける第三国に対し貿易関連の制裁を科せる制度の導入を急いでいる。成立すれば、中国に限らず第三国からこうした「経済的な強制」を受けた場合、EUは当該国からの投資受け入れ停止や追加関税など幅広い報復措置を取ることができる。

EUが傍観で終われば米ロもそれを記憶

この制度の強みは通商政策の一環として決定できる点だ。EUでは純粋な外交政策は加盟国の全会一致でなければ決定できないが、通商政策なら多数決で採決できる。ハンガリーやギリシャなど中国に近いとされる加盟国が経済的強制への報復措置の法制度化および同法の運用を阻止することはできない。

欧州議会の重鎮で、個人として中国政府の制裁対象となっているラインハルト・ビュティコファー欧州議員(編集注、独緑の党の重鎮でもある)は、リトアニアの危機はEUが外交面で影響力を飛躍的に拡大できる好機となるかもしれないと語る。「通商政策と外交政策を連携させることで、我々は通商政策をより効果的な外交政策追求のために活用することができるようになる」

だがEUの立法プロセスは非常に複雑で、今夏までに同法案の合意にこぎ着けられる可能性は低く、リトアニアはその頃には譲歩を余儀なくされているかもしれない。

EUは自分たちの利益を守るために、そのような事態に至るのを阻止する必要がある。もし中国がリトアニアいじめに成功し、EUが傍観するだけに終われば、その教訓を中国だけでなくロシアや米国の政府も記憶にとどめるだろう。

By Gideon Rachman

(2022年1月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/

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