米国「東アジア版NATO」を加速化…「クアッド・プラス」

米国「東アジア版NATO」を加速化…「クアッド・プラス」への圧力、韓国の選択は
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/37718.html

※ ちょっと激しく雑用に見舞われているんで、今日はこんなところで…。

『米日豪印の「4カ国安保対話」が水面上に浮上 
 
米国の狙いをうかがわせたビーガン発言 
「インド太平洋地域にはNATOがない 
4カ国が先に始めるのが重要」 
中国を包囲する集団安保体制を構築する意思 
 
米日同盟、グローバル同盟の主軸に 
オーストラリアやインドと様々な軍事演習 
「クアッド」結成のための基礎固め中 
 
「クアッド・プラス」への圧力、韓国の選択は 
来年、米次期政権で本格化する見込み 
米中の間で韓国のバランス外交が試験台に 
中途半端に巻き込まれた場合は、中国の反発は必至 』

『香港問題と南シナ海などをめぐり鋭く対立している米中が、9日にテレビ電話会議で開かれた東アジア首脳会議(EAS)の外相会議で初めて向き合い、熾烈な舌戦を繰り広げた。米中の対立が激しさを増すにつれ、中国牽制に向けた米国のインド太平洋戦略が、米国、日本、オーストラリア、インドによる「4カ国安全保障対話」(クアッド、QUAD)などで具体化されており、両国の間で“外交的バランス”を守ろうとする韓国政府の賢明な対応が求められる。

 カン・ギョンファ外交長官は9日、テレビ電話会議で行われたASEANプラス3(韓中日)、韓-ASEAN、東アジア首脳会議の外相会議に順に出席した。同日の会議の目玉は、米国のマイク・ポンペオ国務長官と中国の王毅外交部長が共に出席した東アジア首脳会議の外相会議だった。ポンペオ長官は昨年は同会議に出席しなかったが、今年は2日に出席する意向を表明した。彼は同日の記者会見で「我々は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や北朝鮮、南シナ海、香港などをはじめ、トランプ大統領が米中関係で互恵性を回復するため、いかなる努力をしてきたかについても言及するつもりだ」と述べた。今回の会議を“中国牽制”と共に、理念を同じくする同盟国・パートナー国間の“結束の誇示”の舞台に活用する考えを明らかにしたのだ。

 これと関連し、スティーブン・ビーガン米国務副長官は先月31日、米印戦略的パートナーフォーラムで、インド太平洋地域には「明らかに北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)のような多国間構造がない」としたうえで、(クアッドと呼ばれる)4カ国が先に始めることも非常に重要であろう」と述べた。この発言が注目を集めたのは、米国が2010年代に入って推進した対中国牽制の動きが「リバランス戦略」や「インド太平洋戦略」など抽象的概念を超え、対中包囲のための集団安保体制「クアッド」構想などに具体化しているからだ。

 中国を牽制するために「リバランス戦略」を掲げたオバマ政権は、2015年4月に米日防衛協力指針の改正を通じて米日同盟をグローバル同盟に強化した。トランプ政権はその後、日本を中心パートナーとし、2017年11月に「自由で開かれたインド太平洋」を両国の共同戦略にすると共に、米国防総省は2019年6月に「インド太平洋戦略報告書」を発表し、韓国や日本、オーストラリアなどインド太平洋地域の同盟国・パートナー国と力を合わせて中国の挑戦をはねのけ、地域の覇権を維持する意思を明らかにした。米国はこうした決意を誇示するかのように、同時期にアジア太平洋軍司令部の名前を「インド太平洋軍司令部」に変えた。

 以後、米日は太平洋~インド洋でオーストラリアやインドなどと多様な形態の合同軍事演習を行い、クアッドの結成に向けて基礎を固めてきた。彼らは昨年9月にはニューヨークで初めて4カ国外相会議を開き、「『自由で開かれたインド太平洋構想』の実現に向けて協力する」ことで合意した。

 韓国に関しては具体的な動きはないが、米国がインド太平洋の繁栄と発展の「核心軸」(linchpin)と呼ぶ韓米同盟の戦略的重要性を考えると、「クワッド」を拡大した「クワッド・プラス」には何らかの形で参加を要請するものとみられる。9日、横須賀に空母を置く米海軍第7艦隊は、「統合された多国間領域の作戦遂行のため」米駆逐艦がハワイからグアムまで、韓国・日本・オーストラリア海軍とともに航海すると明らかにした。

 これまで韓国政府は、米国が首脳会談などで反中国色の強いインド太平洋戦略に触れるたびに、ASEAN諸国との経済協力を深める独自の戦略「新南方政策」を打ち出してきた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、昨年6月30日に訪韓したトランプ大統領との首脳会談後、「開放性・包容性・透明性という域内協力の原則に基づき、韓国の新南方政策と米国のインド太平洋政策間の調和と協力を推進することにした」と述べており、チョ・セヨン前次官も7月9日のビーガン副長官との外交次官韓米戦略対話で、このような基調を維持した。

 クアッド構想の具体化に向けた動きは、来年1月末に米次期政府が発足した後、本格化するものとみられる。ビーガン副長官も11月の米大統領選挙の日程を考慮したように、「トランプ政権2期か次期大統領の第1期に一度試してみるといいと思う」という意見を明らかにした。現在トランプ大統領もバイデン民主党大統領選候補もインド太平洋戦略推進には意見が一致しており、誰が当選しても「クアッド」構想が進められる可能性が高い。

 もちろん、米中の間でバランスを維持しようとする韓国やインド、ASEANなどの抵抗と中国の強い反発で、計画が順調に実行されるかどうかは不透明だ。韓国が安易な判断を下した場合、「中国と韓国の戦略的協力パートナー関係を新たな段階に引き上げよう」(先月22日、楊潔チ外交担当政治局員)と提案した中国が強く反発するものと予想される。
キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/961552.html
韓国語原文入力:
訳H.J
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【ABCD包囲網とは】

【ABCD包囲網とは】簡単にわかりやすく解説!!原因や影響・その後・なぜオランダ?
https://nihonsi-jiten.com/abcd-encirclement/

『第二次世界大戦の直前、東南アジアへの進出を目論んでいた日本は、それを阻止しようとしたアメリカやイギリスをはじめとする国々から、大規模な経済制裁を受け始めました。

日本の軍部はこうした状況を「ABCD包囲網」と呼び、国内の危機感を煽っていきます。

今回は、『ABCD包囲網』について、簡単にわかりやすく解説していきます。

目次 [閉じる]

1 ABCD包囲網とは?

2 ABCD包囲網が行われた背景や原因
    ①1930年代の日本の中国進出
    ②アメリカの対日政策
    ③対日政策の強化へ

3 ABCD包囲網の内容詳細
    ①「ABCD包囲網」という呼称
    ②ABCD包囲網の実態
        (1)通商航海条約の破棄
        (2)日本の資産凍結と石油の全面禁輸

4 ABCD包囲網の影響
5 まとめ

ABCD包囲網とは?

日本は1930年代後半、来たる対米開戦に向けて石油を確保するため、東南アジアへの進出を目論んでいました。

しかし、アメリカ(America)、イギリス(Britain)、中国(China ※初めは、「国民党」。国共合作後は、「国民党+共産党」)、オランダ(Dutch)の4カ国はこれを阻止するため、日本に対して経済制裁を行いました。この状況を「ABCD包囲網」と呼びます。

「ABCD包囲網」という言葉は、当時の東アジアの国際状況を的確に表す言葉ではなく、日本側が国民の危機感を煽るために造った言葉です。

実際、新聞や雑誌などを通して、この言葉は国内に広く流布し、総力戦体制を整える上で重要な役割を果たしました。

ABCD包囲網が行われた背景や原因

(日本の中国進出「柳条湖事件」 出典:Wikipedia)
①1930年代の日本の中国進出

ABCD包囲網が敷かれた背景には、1930年代の日本の中国進出があります。

まず、日本は1931年9月に起こった柳条湖事件をきっかけに、中国東北部の満州を侵略し、そこに日本の傀儡(かいらい)国家である満州国を建国します。

これがのちに「満州事変」と呼ばれる一連の出来事です。

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こうした傀儡国家樹立は国際社会の反発を招きました。

国際連盟は中国の提訴により、リットン調査団を派遣し、満州事変の真相が日本の謀略であることを突き止めます。

そのうえで、日本に対して満州からの撤退を要求しますが、日本はそれを拒否し、国際連盟を脱退。これにより、日本は国際的に孤立してしまいます。

そして、1937年7月に盧溝橋事件が起こり、日中戦争が勃発します。

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日本は当初、中国軍に一撃を加えれば、すぐに降伏すると考えていましたが、中国軍の徹底抗戦により日中戦争は長期化し、日本は物資不足に陥ります。

特に、軍事物資である石油、鉄、ゴムを安定的に確保することが重要な課題となっていきます。

②アメリカの対日政策

アメリカは満州事変以降の日本の中国進出を問題視していました。

日中戦争が長期化し、中国におけるアメリカの権益にも害が及ぶようになると、日本に抗議するため、1939年に日米通商航海条約の破棄を通告しました。

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この条約は翌年1月に失効するもので、本来であれば条約を改定すべきなのですが、アメリカはこの条約改定を盾にして、日本の中国進出を止めようとしました。

ところが、日本側がこれを拒否したため、日米通商航海条約は1940年1月に失効し、日米間は無条約状態になってしまいます。

1940年夏にドイツが電撃作戦を決行して、フランスとオランダを占領すると、東南アジアにおけるフランスとオランダの植民地(フランス領インドシナとオランダ領東インド)は宗主国を失うことになりました。

日本はこれをチャンスととらえて、同年9月に北部仏印(フランス領インドシナ)に進駐しました。

アメリカはこうした日本の東南アジア進出を止めるため、1941年1月にワシントンで米英軍事参謀会議、さらに同年4月にシンガポールで米英蘭連合作戦会議(ABD会議)を開催し、対日政策を討議して、防衛兵力の増派を決定しました。

これがABCD包囲網の原型となります。

③対日政策の強化へ

ところが、日本は東南アジア進出を思いとどまるどころか、1941年7月に南部仏印に進駐します。

こうしてオランダ領東インドへの進出も視野に入れるようになります。

これにより、各国の対日政策はより厳しいものになっていきます。

ABCD包囲網の内容詳細

①「ABCD包囲網」という呼称

ABCD包囲網とは、東南アジアへの進出を目論んでいた日本に対して、アメリカ、イギリス、中国、オランダの4カ国が1941年から経済制裁を行った状況を指します。

ABCDはAmerica(アメリカ)、Britain(イギリス)、China(中国)、Dutch(オランダ)の頭文字を取ったもので、「ABCD包囲陣」や「ABCDライン」という表現も使われました。

「ABCD」というまとめ方は、当時の日本側の見方によるものです。

そうした見方の根底には、これら4カ国(あるいはソ連も加えて5カ国)が日本に対抗して軍事同盟を作ろうとしているのではないかという憶測がありました。

ABCD包囲網という名称は、国民に対して対外危機をアピールするために造られたものです。

「外国に包囲されている」という強迫観念を国民に植え付けることで、国民の結束を強める意図がありました。

②ABCD包囲網の実態

ABCD包囲網は、主に通商航海条約の破棄、日本の資産凍結、石油の全面禁輸という形で現れました。

(1)通商航海条約の破棄

1940年1月に日米通商航海条約が破棄されたのに続き、1941年7月には日英通商航海条約が破棄されました。

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当時、フランスとオランダはすでにドイツに占領されていたため、この二つの条約破棄により、日本は連合国側と無条約状態になってしまいます。

こうして日本は日独伊三国同盟を頼りにするしかない状況に追い込まれます。

(2)日本の資産凍結と石油の全面禁輸

当時の新聞によれば、ABCD包囲網は1941年7月に完成したととらえられています。

これは、日英通商航海条約の破棄とともに、アメリカ、イギリス、中国、オランダの4カ国が自国内の日本の資産を凍結した時期に当たります。

なお、ここで言う「オランダ」は、ドイツ占領下のオランダ本国ではなく、オランダ領東インド(※ 今の、インドネシア)を指します。

この資産凍結により、日本はこれら4カ国との貿易に制限をかけられることになります。
また、翌8月にはアメリカが日本に対して、石油の全面禁輸を実施。軍事物資であった石油を調達できなくなったことは、日本にとって大きな痛手となりました。

これにより、日本政府はもはや対米開戦を避けられないと考えるようになります。

こうして同年12月8日に、日本はハワイの真珠湾にあった米軍基地を攻撃するとともに、アメリカに宣戦布告し、アジア・太平洋戦争に突入していきます。

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ABCD包囲網の影響

ABCD包囲網、ABCD包囲陣、ABCDラインといった言葉は、1941年7月以降、軍部の指導を受けた新聞や雑誌で頻繁に使われるようになっていきます。

例えば、当時の朝日新聞では、1941年8月7月29日~11日にかけて、「対日包囲陣とわが臨戦態勢」という全11回の連載が載り、さらに8月16日~21日にかけては、「ABCD包囲陣」という全6回の連載が載りました。

こうして国民は連日「ABCD包囲網」やそれに類する言葉を目にするようになります。

こうした記事の主な論調としては、ABCD包囲網がアメリカの陰謀であり、対日政策としては完全に的外れであるという強気なものがほとんどでした。

また、ABCD包囲網の裏では、アメリカを中心に、ソ連も巻き込んだ大規模な軍事同盟が結ばれようとしているのではないかという憶測を書いた記事もありました。

このように、ABCD包囲網という言葉は、アメリカの陰謀説を国民に信じ込ませ、対外危機を煽ることで、総力戦体制へと国民を駆り立てることになりました。

まとめ

✔ 日本は1930年代後半、来たる日米開戦に備えて石油を確保するため、東南アジアへの進出を目論んでいた。

✔ アメリカ、イギリス、中国、オランダの4カ国は、これを阻止するために、日本に対して経済制裁を始めた。

✔ 日本はこの状況を「ABCD包囲網」と呼んだ。

✔ ABCDは経済制裁を行った4カ国の頭文字を取ったものである。

✔ 「ABCD包囲網」は、日本の軍部が国民の危機感を煽るために造った言葉である。

✔ 新聞や雑誌などを通して、この言葉は国内に広く流布し、総力戦体制を整える上で重要な役割を果たした。』

「味方にも損害」 習近平寵臣、対米消耗戦に覚悟の諫言

「味方にも損害」 習近平寵臣、対米消耗戦に覚悟の諫言
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK07AQ90X00C22A1000000/

『中国への帰任後、半年近く姿をくらましていた前駐米大使の崔天凱が突如、公の場に現れた。その目的は、米国の戦略的で徹底した抑え込み策に中国が十分、対応できていない危うい現状に警鐘を鳴らすことだった。とりわけ目を引くのは、強硬一辺倒の「戦狼外交」は米側の挑発に踊らされている面もあるという示唆だ。「冷静さを欠く対応が味方にもたらす損害」にまで触れた勇気ある発言は今、中国の政界、外交関係者の間で大きな話題になっている。

「決して、私たち自身の不注意、怠惰、無能によって味方に損害を与えてはならない」

「中国の対米政策で重要なカギは『対等な対抗措置による反撃』ではない。中国人の利益になる反撃を考えることだ」

「原則として、準備のない戦い、現状把握なしのむちゃな戦い、腹立ちまぎれの戦い、消耗戦をしてはいけない」
ちりばめられたストレートな批判

崔天凱の真意は、中国内の関連記事の見出しで広く流布された3つの文に凝縮されている。上意下達の中国の外交官としては驚くほどストレートな表現だ。もちろん、表向き、国家主席の習近平(シー・ジンピン)の名を随所に織り込み、顔を立てている。人種差別的な意識から中国台頭を徹底的に抑え込もうとする米国への非難が基調である。

中国の崔天凱・前駐米大使(2018年)=ロイター

だが発言内容をじっくり分析すれば、最高指導者におもねるほかの官僚らとの違いは明らかだ。ジェットコースターに乗ったような状況でも米側の挑発に乗らない冷静な対応の重要性を説きながら、中国外交の問題点を鋭くえぐっている。

しかもこれは2021年12月20日、中国外務省傘下の政策提言機関などが主催した重要な討論会での公式発言だ。会場が外国要人の接待にも使われる北京の釣魚台迎賓館だったことも格式の高さを裏付ける。

中国内で崔天凱発言への興味深い見方があった。「科学的知見によって(習近平政権がこだわる)『ゼロコロナ政策』から『コロナとの共存』への早期転換を提案し、袋だたきにあった張文宏教授の語り口に少し似ている」というのだ。中国の感染症対策の権威として尊敬を集めた張文宏は、半年ほど前、忖度(そんたく)なしに持論を公表していた。

現在の対米強硬路線を推し進めてきたのは、外交トップである共産党政治局委員の楊潔篪(ヤン・ジエチー)、そして国務委員兼外相の王毅(ワン・イー)らだ。とはいえ、全ての重要政策を決めているのは習近平である。

年頭所感を述べる中国の習近平国家主席(中国国営中央テレビより)

つまり、崔天凱は対米外交を担った当事者ならではの自省に、習近平路線への批判をにじませた。「自身の無能によって味方に損害を与えるな」というのは、まさに君主をいさめる忠告を意味する諫言(かんげん)でもある。

形だけの「対等な対抗措置」に苦言

もっと具体的なのは、形だけにこだわった「対等な対抗措置」への強い疑義だ。これはバイデン米政権による様々な対中制裁に対し、メンツを最優先して全く同じ形の対米制裁を打ち出す中国外交の行動様式を指す。

これが実際のところ中国国民の利益になっていないと言い切っている。そして、重要なのはアップル、インテルなどのハイテク企業を米国に引き戻そうとする米政府のワナに陥らず、米企業が中国に残って発展する環境を整えることだと訴えた。

中国外交トップの楊潔篪氏㊨と王毅国務委員兼外相(2021年3月18日、米アラスカ州)=ロイター

崔天凱は新中国(中華人民共和国)の歴史上、最も長い8年間も駐米大使を務めた米国通で、駐日大使も経験している。オバマ、トランプ、バイデンという米大統領3代の対中政策の変化を現場で観察してきた。バイデン政権になった後の21年3月、米中外交トップらが米アラスカ州で激突した協議にも同席した。現地での記者会見では「米国との妥協はあり得ない」と、勇ましい言を吐いていた。

注目したいのは、崔天凱は習近平が最も信頼する寵臣(ちょうしん)だったことだ。11年8月、当時、米副大統領だったバイデンが中国を訪れた。北京では国家副主席だった習と会談して3日間滞在。その後、四川省に足を延ばす計6日間のリラックスした旅だった。習はバイデンのカウンターパートとして長旅に同行した。

その際、事実上の通訳として付き添ったのが、外務次官だった崔天凱だ。経緯を知る関係者は「崔天凱への信頼はこの長旅で強いものになり、(習政権時代の)異例の長期間、ワシントンで対米外交を担う端緒となった」と証言する。

握手する習近平氏㊨と当時、米副大統領だったバイデン氏(2013年12月、北京)=ロイター

しかし、習に信頼されていた崔天凱が21年6月、ワシントンを離れる際、米中関係は危機に陥っていた。米側の主要人物に離任あいさつの面会さえ拒まれる厳しさだったという。米中関係は根本的に変化し、同年11月の米中首脳オンライン協議後も膠着している。

習氏3期目のカギ握る経済と対米関係の連動

この局面で第一線から引退している習近平の寵臣が諫言に踏み切ったのは意味がある。とりわけ「準備のない戦い、むちゃな戦い、腹立ちまぎれの戦い、消耗戦をするな」という言葉は意味深長だ。

ここには米中が激突する文字通りの戦争、実戦を避けるべきだという意味もある。しかし、本意はいまの対米外交戦略への苦言だ。周到な準備もなく、感情に流された「消耗戦」に陥っているのではないか、という示唆である。

目下の消耗戦とは何なのか。そこにはバイデン政権が英国、日本、オーストラリア、インドなどの同盟国や中国の周辺国との関係強化で築いた中国包囲網への強い警戒感がある。かつて米国、英国など4カ国による「ABCD包囲網」に苦しんだ太平洋戦争前の日本を想起すればわかりやすい。

中国包囲網は技術覇権争い、サプライチェーン(供給網)の分断と絡み、中長期では中国経済の足かせになりかねない。外交と経済は密接にリンクしている。「時と勢いは我々の側にある」と訴えてきた習近平はなお強気だが、バイデン政権の対中戦略が着実に効いてきているのも事実だ。崔天凱の覚悟の諫言はその証左でもある。

これで中国の方針が変わるかは微妙だ。とはいえ、節度さえ守れば、そうした発言が許され、広く流布される雰囲気が出てきたのは、ちょっとした変化である。これは急減速が大問題になっている習近平式の経済政策に関する議論についてもいえる。裏を返せば、中国の外交、経済が置かれた現状はそれほど厳しいのだ。

22年秋の共産党大会でトップとして異例の3期目入りを目指す習近平にとって、最大の課題は困難な対米関係と減速する中国の国内経済だ。これらのコントロールにてこずれば、闘いのヤマ場に向けた政局運営が一段と難しくなる。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)

1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞 』

コロナ陽性者が出た上海のショッピングセンター、封鎖された客は…。

コロナ陽性者が出た上海のショッピングセンター、封鎖された客はショッピングセンター生活を送る事態に
https://mediajockjp.com/2022/01/10/post-12579/

『上海ワンダプラザ周浦店のショッピングセンターでコロナ陽性者が確認されたところ、中国共産党政府はショッピングセンターの中にいる客ごと封鎖した。

日本では起こりえない中国共産党政府の強制力のあるパワープレイに客は待ったなしで隔離されてしまい、陽性者も含めて過酷なショッピングセンターでの生活を送る羽目になった。客は、床に置かれた簡易ベッドで寝ている様子が伺える。

ネット上では、「商品を枕にしてる笑」、「ちょっと楽しそう」や「(映画の)ミストみたいですね」というようにショッピングセンターで生活することをエンタメ要素があり楽しそうだったり、ショッピングセンター内での生活を余儀なくされた映画のミストと捉える声や意見が見受けられた。』

カナダ・ケベック州、接種拒否なら「コロナ税」

カナダ・ケベック州、接種拒否なら「コロナ税」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1200T0S2A110C2000000/

 ※ 導入されれば、「世界初」だろう…。

 ※ 「反ワク」は、「社会の敵」認定ということだ…。

『【ニューヨーク=野村優子】カナダのケベック州は11日、医療上の理由以外で新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した住民に対して、「健康負担金」を求めることを検討していることを明らかにした。

ケベック州が変異型「オミクロン型」の感染拡大で、深刻な医療従事者不足に陥っていることに対応する。会見した同州のフランソワ・ルゴー首相は「ワクチンはウイルスと戦う上で必要だ。医療上の理由以外で接種を拒否する成人に、健康負担金を検討している」と述べた。

特にワクチン未接種者が医療機関に負担を与えているとした。州内の未接種者の割合は約10%だが、集中治療室(ICU)の患者では50%を占めるという。一部の医療機関では、医療従事者を確保するために手術の80%が中止された。医療上の理由でワクチンを接種できない人は、免除されるという。』

インフル、今期も歴史的低水準

インフル、今期も歴史的低水準 : 9月初旬からの17週間で355人
https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01219/

※ 「密の回避」「マスク予防」「手洗い・うがいの励行」は、あらゆる感染症、特に「ウイルス感染症」に有効…、ということだ。

※ インフル患者が1000人以下…、とは凄い。しかも、2年続けて…。

『インフルエンザの患者数が2年連続の歴史的な低水準で推移している。

厚生労働省は毎年、9月初旬から翌年5月末までの間、1週間ごとにインフルエンザの発生状況を取りまとめている。例年であれば、11月に入るとじわじわと感染者数が増え始めるのだが、2020-21年に続き、今期2021-22年もこれまでのところ、報告数は極めて少ない。新型コロナウイルスの流行で、マスク着用、手洗い・手指消毒の習慣が定着したことが、インフルエンザの予防にも効果を発揮しているとみられる。

2015-16年から7季分の各週ごとの発生数をグラフにすると、20-21年、21-22年はコロナ流行以前とは挙動が異なる。15-16年も1月頭までは超低水準の推移に見えるが、拡大してみると、直近2季はゼロ近傍にとどまっていることが、よりはっきりと分かる。』

『昨季の感染者数が少なかったことから、社会全体の集団免疫が形成されていないとして、21-22年はコロナとの同時流行を懸念する声もあったが、今のところ、インフルエンザに関しては昨季よりもさらに発症者が少ない。

2004-05年シーズンまでさかのぼると、インフルエンザの流行入りは最も遅いケースでは年明け後の1月半ば(04-05、06-07年)だった。今季も、今後、患者数が急増する可能性もゼロではないが、感染症対策を徹底することで、なんとしてもコロナとのダブルパンチは避けたいところだ。』