苦慮する「北京後」開催国

苦慮する「北京後」開催国 フランスとイタリア、外交ボイコットに同調せず
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010900160&g=int

『【パリ時事】中国・新疆ウイグル自治区での人権侵害を理由に米英やカナダ、オーストラリアなどが北京冬季五輪に政府関係者を派遣しない「外交ボイコット」を表明する中、フランスとイタリアは同調しない方針だ。北京後の五輪開催国である仏伊は、外交・社会問題と五輪が結び付けられることを警戒しているもようだが、「人権軽視」と批判する声も上がり、対応に苦慮している。

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 マクロン仏大統領は昨年12月9日、五輪を「政治化すべきでない」と主張。外交ボイコットについて「非常に小さく象徴的(な措置)だ」と述べ、中国の人権状況の改善にはつながらないとの考えを示した。

 ブランケール国民教育・青少年・スポーツ相は同じ日に出演したテレビ番組で、同氏の下で働くマラシネアヌ・スポーツ担当相が五輪開催に合わせて北京に派遣されるとの見方を表明。仏紙ルモンドなどは「外交ボイコットの効果は限定的だ」との論陣を張り、マクロン氏の見解を支持した。

 だが、マクロン氏の発言を受けて作家や思想家らが仏大手各紙に相次いで寄稿し、「(中国の人権問題に)無関心であることを意味する」と非難した。マクロン氏は、欧州連合(EU)や国際オリンピック委員会(IOC)と協調して今後の対応を判断すると説明するにとどめ、マラシネアヌ氏の派遣方針を確認していない。

 2024年のパリ夏季五輪成功を目指すフランスにとって中国との対立は得策でなく、難しい判断を迫られている。昨年の東京五輪ではマクロン氏が訪日しており、マラシネアヌ氏の北京派遣となれば、外交ボイコットを避けつつ「格落ち」の政府関係者出席で決着を図ることになる。

 26年にミラノとコルティナダンペッツォで冬季五輪を開催するイタリアも、外交ボイコットに懐疑的とされる。イタリアは中国の経済圏構想「一帯一路」に参画する先進7カ国(G7)唯一の国でもある。

 伊紙は12月、「ドラギ首相のジレンマ」と題した記事で「中国と米国いずれの圧力も無視することは難しく、かなり複雑な状況にある」と報じた。 』