専門家や経営者も「ノイズ」により、客観的無知を認められずに許容範囲を超えるミスを犯す

専門家や経営者も「ノイズ」により、
客観的無知を認められずに許容範囲を超えるミスを犯す
【橘玲の日々刻々】
https://diamond.jp/articles/-/292227

 ※ これは、すごく参考になった…。

 ※ ちょっと長い(3ページある)んで、ポイントのみ紹介する。

 ※『「正しい意思決定をするには高い知能がなければならない」というのはなんとも救いのない話だが、ここでがっかりする必要はない。「専門家の予測はチンパンジーと同じ」と述べて物議をかもしたテトロックは、2011年に「優れた判断力プロジェクト(GJP)」を始めた。膨大な数の予測を検証すると、ほぼつねにより正しい予測をする成績抜群のスーパースターがわずかながら存在することがわかったからだ。

 テトロックは彼らを「超予測者」と名づけた。超予測者は専門教育を受けているわけではないが、どういうわけか学界などの専門家よりも正しい意思決定ができるのだ。』

『彼ら/彼女たちはなぜ、正しい予測ができるのだろうか。テトロックはそれを、「分析的、確率的に考えられる」からだという。

 分析的に考えるとは、問題構造化することだ。「EUから離脱する国はあるか」などの地政学的問題に取り組むとき、超予測者はいきなり漫然と予測するのではなく、まず構成要素に分解する。直観に頼らず、「答えがイエスになるのは何が起きた場合か」「答えがノーになるのは何が起きた場合か」を考え、次に、そこから派生する問いをまた考える。こうして問いと答えを重ねていく。

 確率的に考えるとは、基準率つねに探すことだ。「1年以内に中国とベトナムが国境紛争をめぐって武力衝突する可能性はあるか?」と訊かれたとき、彼らは直観に従うのではなく、「過去の国境紛争が武力衝突に発展したケースはどのくらいあるのか」を考え、もしそうしたケースが稀だとすれば、まずその事実を押さえる。その後にはじめて、中国とベトナムの現状に目を向けるのだ。

 ここからわかるように、超予測者は絶対的な知的能力の持ち主ではないが、それをどう応用するかを知っているのだ。』

『このとき重要なのが「積極的開かれた思考態度」で、自分の当初の仮説に反するような情報や反対意見を積極的に探し、「反対意見が正しく自分の判断がまちがいである可能性をいつでも認める用意があり、自分と同じ意見の人よりちがう意見の人に耳を傾けるほうが有益だと考える態度」だとされる。超予測者は、新しい情報を入手したとき、当初の予測を躊躇なく修正できるのだ。』

『テトロックは、超予測者は「永遠のベータ版」だという。彼らは「試す失敗する分析する修正するまた試す」という思考サイクルが大好きなのだ。』

『裁判官や医師、難民審査の担当官だけでなく、わたしたちは自分の人生において日々、無数の選択を迫られている。その多くはささいなものだろうが、ときに重要な意思決定をしなければならないことがある。

 そんなとき、直観を信じて、バイアスやノイズで誤った結論に飛びつくのではなく、超予測者のように考え、より正しい答を見つけることができるなら、幸福な人生を実現するうえで大きな助けになるだろう。

橘 玲(たちばな あきら)』

 ※ 「超予測」の「精度」は、「判断」の正確さにではなく、「判断材料」の選択・収集の「的確さ」と、「判断」の際の「偏りのない」態度にかかっている…、という話しだ…。