<統合抑止>米国海兵隊と自衛隊が日本最大規模の二国間実動訓練を完了

<統合抑止>米国海兵隊と自衛隊が日本最大規模の二国間実動訓練を完了
https://www.epochtimes.jp/p/2022/01/84195.html

 ※ 今日は、こんなところで…。

『米国海兵隊と陸上自衛隊(JGSDF)が実施していた日本史上最大規模の二国間実動訓練「レゾリュート・ドラゴン21」演習が2021年12月17日に終了した。 米国海兵隊の第3海兵師団と第3海兵遠征軍(3MEF)および陸自の東北方面隊・第9師団の4,000人超の兵士・隊員が、「機動展開前進基地作戦(EABO)」を踏まえた戦術、技術、手順の訓練に従事した。

2,900キロ超にわたる日本列島全域で機動展開前進基地作戦を組み込んで実施された統合作戦においては、航空自衛隊、米国空軍、米国陸軍、米国海軍、米国宇宙軍の数百人の兵士・隊員等も支援を提供している。

陸自第9師団の幕僚長を務める黒羽明1等陸佐は、「当訓練は戦術技巧の相互向上を目的として能力、装備、戦闘方法の相互理解を深化することが日米間の相互運用性を改善する上で非常に重要である」と述べている。

雨氷と降雪の中、大部分が紛争環境での対抗方式の実弾射撃訓練を想定して設定されている演習場で、米国海兵隊兵士と自衛隊隊員は小規模な部隊展開して複数の主要地点に攻撃拠点を確保するために空域や地上に必要機能を配備する訓練に取り組んだ。 部隊は機動展開前進基地作戦の基本に従い、海上標的に対する模擬攻撃の同期に必須となる二国間地上戦術調整所(BGTCC)などの機能を急速に構築した。

二国間地上戦術調整所では、センサーネットワークの相互運用性、地上における二国間の精密射撃、米国海兵隊と空自の航空機、海上の「ラルフ・ジョンソン(USS Ralph Johnson)」ミサイル駆逐艦を活用するという手段でマルチドメイン作戦の調整を行う。

第4海兵師団の火力支援調整将校(FSCO)であるベン・リーディング(Ben Reading)少佐は、「レゾリュート・ドラゴン演習では米軍と自衛隊が一丸となって計画策定、標的データの共有、標的攻撃に使用する兵器・機器の選択、実際の攻撃を実施する」とし、「二国間地上戦術調整所はこうした活動を行うために軍が同盟国と集まる場所としての役割を果たす」と説明している。

同じ頃、約320キロ離れた地点では、米国海兵隊と自衛隊が二国間射撃指揮所と長距離精密射撃機能を構築している。これにより、海上標的に対する模擬攻撃の実行が可能となるだけでなく、陸自の地対艦ミサイル(SSM)システムと米国海兵隊の高機動ロケット砲システム(HIMARS)を使用した対艦作戦を支援できる。

今回の演習において米軍の機動展開前進基地作戦を指揮した野戦砲兵将校のジェイコブ・アモン(Jacob Amon)大尉は、「相互に多くの事柄を学び合い、この戦闘で独特な能力を開発することで場所や時間を問わずに標的を攻撃できる戦闘力を強化することができる」とし、「陸自隊員は専門性が高く、知識も豊富で、自身の任務を非常に忠実に果たす能力を備えている」と話している。

レゾリュート・ドラゴン21演習は包括的なマルチドメイン海上攻撃演習で大詰めを迎えた。同訓練では、海上標的に対してリアルタイムで模擬射撃任務を実行する統合「キルウェブ(Kill Web)」(攻撃されやすい情報ノードを最小化し厳しい競合環境下で効果的な状況を維持するために連接すること)の一端として、地対艦ミサイルと高機動ロケット砲システムの配備に成功した。米軍と自衛隊が装備する陸・空・海ベースのセンサー機能により戦域の認識能力が拡張され、海上で標的を確認できるデータが得られる。こうしたデータが二国間地上戦術調整所で処理され、海上拒否による抑止を支えるために領域全体で運用・配備されている資産との射撃任務が調整される仕組みである。

第4海兵師団の司令官を務めるマシュー・トレーシー(Matthew Tracy)大佐は、「米軍と自衛隊は強力に連携することができる。これにより、その種類を問わずあらゆる戦闘において全領域で統合して作戦を実行することで、日本が主権を有する全領土の防衛を確保し地域の平和と安全を脅かす脅威を打ち負かすことができる」とし、「60年以上にわたり、日米はインド太平洋地域全域の平和と安全の礎として手を携えてきた」と述べている。』

【独自】海自潜水艦に1000キロ射程ミサイル

【独自】海自潜水艦に1000キロ射程ミサイル…敵基地攻撃能力の具体化で検討
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20211229-OYT1T50258/

『政府は、海上自衛隊の潜水艦に、地上の目標も攻撃可能な国産の長射程巡航ミサイルを搭載する方向で検討に入った。ミサイルは海中発射型とし、自衛目的で敵のミサイル発射基地などを破壊する「敵基地攻撃能力」を具体化する装備に位置づけられる見込みだ。

 複数の政府関係者が明らかにした。相手に発見されにくい潜水艦からの反撃能力を備えることで、日本への攻撃を思いとどまらせる抑止力の強化につなげる狙いがある。配備は2020年代後半以降の見通しだ。

 岸田首相は22年末に改定する安全保障政策の基本指針「国家安全保障戦略」に、「敵基地攻撃能力」の保有について明記することを目指している。保有に踏み切る場合、潜水艦発射型ミサイルは有力な反撃手段の一つとなる。

 搭載を検討しているのは、陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」を基に新たに開発する長射程巡航ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」。射程は約1000キロ・メートルに及び、敵艦艇などに相手のミサイル射程圏外から反撃することを想定する。将来的には敵基地攻撃への活用も可能とみられている。

 スタンド・オフ・ミサイルは現在、航空機や水上艦からの発射を前提にしている。防衛省は22年度予算案に開発費393億円を盛り込んだ。

 潜水艦に搭載する場合、浮上せずに発射できるよう、垂直発射装置(VLS)を潜水艦に増設する方式や、既存の魚雷発射管から発射する方式などが検討されている。自衛隊は、スタンド・オフ・ミサイルより射程は短いが、魚雷発射管から発射する対艦ミサイルは既に保有している。

 中国は日本を射程に収める弾道ミサイルを多数保有するほか、近年、日本周辺海域や南・東シナ海で空母を含む艦隊の活動を活発化させ、軍事的挑発を強めている。北朝鮮も核・ミサイル開発を進めている。

 日本を侵略しようとする国にとっては、先制攻撃で自衛隊の航空機や水上艦隊に大打撃を与えても、どこに潜むか分からない潜水艦から反撃される可能性が残るのであれば、日本を攻撃しにくくなる。

 自衛隊の潜水艦は現在21隻体制で、航続性能や敵に気付かれずに潜航する静粛性などに優れ、世界最高水準の技術を誇る。

 政府はこの潜水艦の能力を生かし、弾道ミサイルによる攻撃や、艦隊などによる日本の 島嶼 部への侵略を防ぎたい考えだ。 』

米中、冷戦期より「熱戦」の恐れ ジョン・ミアシャイマー氏

米中、冷戦期より「熱戦」の恐れ ジョン・ミアシャイマー氏
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010200103&g=int

『米中衝突の可能性は高いと予測するシカゴ大のジョン・ミアシャイマー教授に米中関係の今後の展望を聞いた。

激しさ増す米中対立 「衝突回避」焦点

 ―米中「新冷戦」が「熱戦」(実際の戦争)に転じる可能性は。

 (熱戦にならなかった)冷戦期の欧州と(現在の)東アジアは地理的条件が異なる。南シナ海、台湾、尖閣諸島を含む東シナ海の三つの発火点があり、核兵器を使わない限定戦争に発展し得る。欧州では、核兵器で武装した軍隊がにらみ合っていた。米国とソ連が戦端を開けば、核戦争にエスカレートするため、戦争の可能性は低かった。

 ―有事への対応は。

 日本は米国の「核の傘」による抑止を当てにしている。もし米国が尖閣を守らなければ、東アジアの同盟網は崩壊する。米国は台湾や尖閣の防衛に強い関心があり、(有事には)守るだろう。また、日米は中国が東アジアで勝利するのを防ぐために圧倒的な通常兵力の構築が必要だ。中国を抑止するため、日本も自ら弾道ミサイルを保有すべきだ。

 ―バイデン米政権の対中政策は。

 バイデン大統領は中国封じ込めが必要だと理解し、必要な措置を取っている。関与政策から封じ込めに転じたトランプ前大統領の後に続いているが、トランプ氏との違いは同盟国とうまく連携していることだ。

 ―日米豪印4カ国(クアッド)連携の評価。

 中国に対抗する同盟の中心は、日米や米韓など2国間同盟であり、クアッドや米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」も重要だが副次的なものだ。参加国同士が遠すぎるため、東アジアに意味のある軍事同盟を構築するのは困難だ。核の傘を含む「拡大抑止」の点でも2国間同盟が重要だ。

 ◇ジョン・ミアシャイマー氏

 ジョン・ミアシャイマー氏 1970年、米陸軍士官学校卒。空軍士官を経て、コーネル大で博士号。著書に「大国政治の悲劇」「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」など。』

独新政権、前面に「価値の外交」 理想主義か、現実的対中戦略か

独新政権、前面に「価値の外交」 理想主義か、現実的対中戦略か
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010300235&g=int

『【ベルリン時事】昨年12月に発足したドイツの社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)の3党による新連立政権は、民主主義や人権など西欧の「価値に基づく外交」を新機軸に掲げる。ベーアボック外相はじめ緑の党所属の政治家の「理想主義」を指摘する声がある一方、中国やロシアに対抗する現実的な戦略との評価もある。ドイツは今年、先進7カ国(G7)の議長国を務める。こうした新政権の外交の真価が問われる機会も多くなりそうだ。

【地球コラム】30年に再生エネ8割、脱石炭も

 「中国との長期的な経済協力の成功には、共通の価値についての合意が必要だ」。ベーアボック氏は昨年12月の独紙ツァイトとのインタビューで断言した。これ以外の機会でも、頻繁に「価値」に言及。3党の政策合意書の中国の項目では、新疆ウイグル自治区での人権侵害など、民主主義や人権を損なう行為を批判する表現が並んだ。

 若年層や市民活動家の支持が多い緑の党には、理想主義的でイデオロギー先行のイメージが付きまとう。41歳と若く外交の実務経験がなかったベーアボック氏はこうした批判にさらされやすく、SPD所属のシュレーダー元首相は独テレビで「(中ロとは)経済的理由で、無傷の関係が必要」であり、「緑で世界を癒やすモットー」は不要だとベーアボック氏をこき下ろした。

 一方、オランダのライデン大学の東アジア専門家、カスパー・ウィッツ氏は米政治専門紙ポリティコへの寄稿で、新政権の方針は「国際秩序に挑戦する大国に対抗する、最も現実的な方法だ」と評価。メルケル前首相が経済重視で人権侵害に戦略的沈黙を続けた結果、中国は安保・経済でドイツや欧州を脅かすまでに成長したと指摘した。

 価値の外交は、ドイツが中国以外のアジアの民主主義国との関係を重視し始めたという側面もある。ショルツ首相は就任前後から、日本や韓国など「価値を共有」するアジア諸国との連携に繰り返し言及。アジア外交を多角化する方針を示している。』

恒大に建物39棟の撤去命令 新たな重荷に―中国

恒大に建物39棟の撤去命令 新たな重荷に―中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010400204&g=int

『【北京時事】中国不動産開発大手・中国恒大集団は4日、同国南部の海南島で手掛けるリゾート施設「海花島」をめぐり、地元当局から39棟の建物の撤去を命じられたと発表した。対象となる不動産の価値は総額77億元(約1400億円)と試算されており、経営危機に直面する恒大にとって新たな重荷になる可能性がある。

中国恒大株、一時10%高 取引再開で急伸―香港市場

 香港証券取引所はこれを受け、3日から停止していた恒大株の取引を4日午後1時(日本時間同2時)に再開する。』

2022年 知っておきたいマネーカレンダー

2022年 知っておきたいマネーカレンダー
知っ得・お金のトリセツ(72)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB271K40X21C21A2000000/

『 不確実性を増す世の荒波のなかで確実なことが一つ。2022年もお金に関する関心は高まりこそすれ、減じることはない1年になるということだ。社会保障から節約、教育まで、変化の大きい今年のマネーカレンダーを点検しておこう。一言で言うと「人生100年仕様」の制度が実装される1年が待っている。

1月 団塊の世代が75歳以上に

今年はかねて日本の人口動態上の節目とされる「2025年問題」のとば口にあたる。1947~49年生まれ「団塊の世代」のトップバッターが1月以降75歳の誕生日を迎え、医療や介護の必要性が増す後期高齢者に分類され始める。今後3年かけて650万人もの後期高齢者が新たに誕生することで、日本の社会保障制度にかかる負荷は一段と高まる。いずれ国民の4人に1人が75歳以上になる将来を見据え、単純な「支える側 vs 支えられる側」で終わらないチャレンジが社会でも個人レベルでも本格化する。

1月 マイナポイント第2弾スタート

昨年11月の経済対策で盛り込まれた「マイナポイント第2弾」が1月1日から始まった。マイナポイントとは予算を原資にした、いわば国によるキャッシュバック事業。マイナンバーカードを作り、所定の手続きをした上で任意の民間キャッシュレス決済サービスとひも付ける。その上で2万円分の買い物やチャージをすると最大5000円分(還元率25%)のポイントがゲットできる仕組みだ。もともと2020年9月から始まった「第1弾」で既に全額ポイントを獲得済みの人以外は皆対象だ。これから新たにカードを作る人はもちろん、第1弾の行程が途中になっている人も第2弾が始まったことで、本来昨年末までだった締め切りが撤廃されている。今後、夏前をメドにマイナンバーカードの健康保険証としての利用申し込みで7500円分、公金受取口座の登録で7500円分と、マイナポイントをもらえる機会が続く。早めに慣れておこう。

4月 公的・私的、2つの年金変更続々

改正年金法が施行され、4月以降年金を巡るルールが順次「人生100年仕様」に変わる。目玉のトップバッターが公的年金の繰り下げ受給。もらい始めの上限年齢が70歳から75歳へ5歳後ろ倒しに。これまで65歳を中心に60~70歳の幅で繰り上げ・繰り下げ受給が可能だった年金に新たに「75歳まで受け取らない」という選択肢が加わるわけだ。すると月々の受給額は65歳時点と比べて84%も増える。

その間の生活はいかに賄うか? できるだけ長く働き、自分で備える私的年金を活用するのが世の流れ。そのためのインフラ整備も進む。これまで60代前半で年金をもらいながら働く場合、収入が月28万円超になると年金カットの憂き目に遭っていたが、4月以降は基準額が月47万円と緩やかになる。同時に、65歳以降厚生年金に入って働く場合、毎年の年金増が「見える化」されて励みになる制度(在職定時改定)も始まる。

足並みをそろえる形で私的年金でも「老後」を5年、後ろ倒ししやすくする制度改定が続く。まずは4月から確定拠出年金(DC)の分野で企業型、個人型(iDeCo、イデコ)ともに受給開始上限が75歳まで繰り下がる。

4月 学校で金融教育スタート

年金にたどりつくまで人生100年時代のお金の歩みは長く、時に厳しい。正しい理解を若いうちから身につけてもらう取り組みも始まる。4月から高校の家庭科の授業に金融教育が組み込まれる。人生で必要なお金への向き合い方や、株式・債券など金融商品の基礎を学校で学ぶ時代の到来だ。

4月 成人年齢が20歳→18歳に

関係があるのが成人年齢の引き下げ。民法上の成人の規定が2歳若くなり、自分だけの判断でクレジットカードをつくったり借金をしたり投資を始めたりすることが可能になる。半面、「未成年だから」と行使できた契約取り消しのハードルも上がる。

5月 DCでの運用が5年長く可能に 

改正年金法の第2弾は5月に施行される。DCに加入可能な年齢上限がやはり5歳伸びて後ろ倒しされる。イデコは65歳まで、企業型DCは70歳まで加入が可能になり、その分運用期間を長く取ることができる。

10月 パートの年金拡充、「全員イデコ時代」到来

公的・私的両方の年金で加入者のパイを広げる改正が10月に待つ。まずは厚生年金の適用拡大。これまで厚生年金加入の対象外だった中小企業で働くパートやアルバイトに枠が広がる。段階的に門戸を広げている最中だが、10月からは就労時間など一定の条件を満たすと従業員数101人以上の会社で対象となる。

私的年金ではイデコに加入できる会社員が増える。今までは実質的にイデコに加入することができなかった企業型DC制度を持つ企業の従業員にも門戸が広がり、「全員イデコ時代」が到来する。

10月 75歳以上医療費自己負担 1割→2割へ

75歳以上が加入する「後期高齢者医療制度」で大きな変更がある。昨年6月成立の法改正により、一定の所得のある高齢者の医療費の窓口負担割合が現行の1割から2割に上がる。単身世帯で年収200万円以上、高齢夫婦世帯で320万円以上がメド。厚労省の試算では75歳以上人口のおよそ5人に1人が該当する。ただ、激変緩和措置として今後3年間は外来受診時の増額分が月3000円を超えないことになっている。』

韓国の池明観氏が死去 民主化弾圧をペンネームで告発

韓国の池明観氏が死去 民主化弾圧をペンネームで告発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM020BV0S2A100C2000000/

 ※ 「世界」「T・K生」「韓国からの通信」と言えば、当時は相当に有名だった…。

 ※ オレも、いくつかの「通信」を、見た記憶がある…。

 ※ なにせ、「軍事政権」下、韓国の情報は殆ど入ってこないような状況だった…。

 ※ それで、「かろうじて」状況を伝えてくれる「通信」が、貴重な存在だったわけだ…。

 ※ 今は、昔の話しだ…。

『【ソウル=恩地洋介】1970~80年代に、韓国民主化運動の弾圧を「T・K生」のペンネームで日本の月刊誌に連載し告発した東京女子大元教授の池明観(チ・ミョングァン)氏が1月1日、ソウル近郊の病院で死去した。97歳だった。金大中政権の対日政策ブレーンとして日韓交流の発展に尽くした。

死去した池明観氏=共同
現在の北朝鮮にある平安北道に生まれ、ソウル大学大学院で宗教哲学を学んだ。朴正熙(パク・チョンヒ)政権下の弾圧を逃れて72年に来日し、93年の帰国まで約20年の亡命生活を送った。

岩波書店の雑誌「世界」に73年から88年まで「韓国からの通信」を連載し、韓国のキリスト教関係者らから得た情報をもとに、軍事政権の人権抑圧や民主化運動の実態を伝えた。金大中政権が終わった2003年に記者会見し、自身が「T・K生」であったことを明かした。

金大中政権では日韓の交流促進をめざす「韓日文化交流会議」の座長を務めた。日本の大衆文化の開放に奔走し、日本の歌謡やドラマが韓国で親しまれるようになった。』

韓流エンタメ輸出急拡大 5年で倍増、21年1.3兆円

韓流エンタメ輸出急拡大 5年で倍増、21年1.3兆円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM300J60Q1A231C2000000/

『韓流コンテンツの躍進が止まらない。動画プラットフォームやSNS(交流サイト)などオンラインで音楽やドラマが拡散し、2021年のコンテンツ輸出額は5年前の倍の115億ドル(約1兆3000億円)に達する見通しだ。製造業に偏った産業の多角化に向けて政府が取り組んだ育成策の結果、韓国のコンテンツ産業は日本を圧倒する勢いを示しており、食品や化粧品などの輸出にも好影響をもたらしている。

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政府機関の韓国コンテンツ振興院が21年のコンテンツ輸出額の試算を公表した。新型コロナウイルス禍による巣ごもり消費で躍進した20年比で7%増となり、過去5年間で92%増と大きく伸びた。一方の輸入額は19年時点で輸出の8分の1の水準で減少傾向が続いており、コンテンツ産業だけをみると大幅な輸出超過が続く。

21年も堅調だったのが音楽分野だ。K-POPは欧米市場でも一つのジャンルを確立。BTS(防弾少年団)を筆頭に、ブラックピンクなどが続く。ユーチューブやファンサイトなどでの無料視聴で広くファンを増やし、楽曲購入やオンラインライブのチケット販売につなげている。

「イカゲーム」は米ネットフリックスの歴代最多視聴記録を塗り替えた
輸出増の流れに拍車をかけたのが「イカゲーム」に代表される韓国ドラマだ。米ネットフリックスで配信開始から28日間で1億4200万世帯が視聴し、歴代最多視聴記録を塗り替えた。

ネットフリックスでは10月中旬以降、非英語の番組の視聴ランキングでトップ10に韓国作品が3〜4本ランクインし続けている。特に日本や東南アジア、中東などで韓国ドラマの視聴が多い。

日本のお家芸だった漫画も今や韓国勢がプラットフォームを握りつつある。ネット大手のネイバーとカカオが、スマートフォンで読みやすく縦にコマ送りする「ウェブトゥーン」で覇権争いをしており、両社のプラットフォームに世界の漫画家が作品を投稿する傾向が強まっている。

韓国コンテンツ産業の特徴は、オンラインのプラットフォームを活用して世界でファンを獲得する点だ。創作段階から人口約5200万人の国内市場ではなく、世界市場を狙って作品を制作する傾向も顕著だ。人口減少が始まった国内にとどまれば成長は難しいという危機感が強い。

他産業への波及効果も大きく、韓国製品の輸出拡大につながっている。21年の食品輸出額は初めて100億ドルを突破。化粧品の輸出額は10月までで既に前年を上回って過去最高を更新した。

韓国では1998年に金大中(キム・デジュン)政権が「文化は21世紀の基幹産業になる」とし、各大学に関連学科を整備するなどコンテンツ産業育成に乗り出した経緯がある。新設学科出身者が音楽プロデューサーや俳優として活躍する。こうした長期的視点での人材育成も韓流の躍進を支えている。

韓国はコンテンツ産業で日本をはるかにしのぐ勢いをみせている。詳細な定義が異なるので単純比較は難しいが、韓国の放送コンテンツ輸出額はすでに19年時点で6億6800万ドル(約770億円)と日本(530億円)を上回っていた。音楽分野では、K-POPアーティストの所属事務所の韓国内売上高は3~4割程度で海外比率が高く、日本の音楽産業との違いは鮮明になっている。(ソウル=細川幸太郎、シリコンバレー=佐藤浩実)』

シンガポールGDP7.2%増 2021年

シンガポールGDP7.2%増 2021年
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM030CV0T00C22A1000000/

『【シンガポール=中野貴司】シンガポール貿易産業省は3日、同国の2021年の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年比で7.2%増加したと発表した。電気製品の輸出が好調な製造業が12.8%増となり、景気回復をけん引した。新型コロナウイルスのワクチン接種完了率が9割近くに高まり、行動制限が緩和されたことで小売りや飲食業などのサービス業もプラスに転換した。

リーマン危機後の経済復調で14.5%の伸びを記録した10年以来、11年ぶりの高い成長率となった。20年はマイナス5.4%と1965年の独立以来、過去最悪の成長率に落ち込んだが、21年の急回復でGDPはコロナ前の19年の水準を上回るまでになった。政府は22年も3~5%と堅調な成長が続くと予測している。

21年の高成長の主因は輸出だ。世界的な半導体需要の増加を受け、21年11月の輸出が前年同月比で24.2%増と約10年ぶりの高い伸びとなるなど、年間を通じて増加が続いた。サービス業に加えて、20年は労働者不足で35.9%減だった建設業も21年は18.7%増に転換し、持ち直した。

リー・シェンロン首相は21年末の国民向け談話で、「我々の喫緊の課題は単に新型コロナに対処することを超えて、コロナ後の経済で雇用を創出し、繁栄を築くことだ」と強調。1日に発効した東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)を活用して、貿易の拡大をはかる方針を示した。新たな変異型「オミクロン型」の動向を注視しつつ、国境を越える往来も一段と促進すると説明した。

21年通年の速報値と同時に3日に発表した21年10~12月期のGDP(速報値)は5.9%増だった。同年7~9月期(7.1%増)からは伸び率が鈍ったものの、回復基調が続いている。』

世界の高齢化が促す低金利(The Economist)

世界の高齢化が促す低金利(The Economist)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2121X0R21C21A2000000/

『それは世界の人口動態にとって大きな出来事だった。2021年11月24日、インド政府は1人の女性が生涯に産む子供の数を示す同国の合計特殊出生率が2.0に低下したと発表した。現在の人口規模を維持するのに必要とされる人口置換水準を下回り、多数の富裕国と同じ領域に入った。

ロンドンからスコットランドを初めて訪れた孫との出会いを喜ぶ祖父母。世界的に少子高齢化が加速している=ロイター

実際のところ、現在すべてのBRIC諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)で出生率が人口置換水準を下回っており、ロシアと中国では人口が減少に転じたとみられる。先進国がかつてたどった人口動態変化の道を新興国が後追いすること自体は驚くべきことではない。しかし、その変化のペースは加速しており、世界経済に深刻な影響を与える可能性がある。

多産多死から少産少死へ

社会科学者が「人口転換」と呼ぶ現象(多産多死から多産少死、少産少死に移行するプロセス)は長年にわたり、経済の近代化と切り離せない変化とみられてきた。産業革命以前の社会では普通出生率と一般死亡率(人口1000人当たりの出生数と死亡者数の比率)がともに非常に高く、人口増加率は不安定な状態にあって、増加のペースは概して緩慢だった。

だが18世紀には欧州北西部の一部で死亡率が下がり始めた。この変化はその後に続く劇的な人口動態の変化の第1段階となった。死亡率の低下によって人口は急増し、英国では人口が1760年から1830年の間に約2倍に膨らんだ。

だが、18世紀後期には出生率も低下し始めた。20世紀に入る頃には富裕国の出生率と死亡率はともに低水準で安定するようになった。移民がいない場合、人口増加率はおおむね低水準にとどまり、場合によってはマイナスに転じることもあった。

人口転換は様々な要素が絡み合う複雑な社会現象だ。死亡率が低下する理由は比較的説明しやすく、栄養状態や医療、公衆衛生の向上がその原因と考えられる。出生率の低下には、経済的な動機が関連している。例えば、身に付けた技能に対する収入が高くなれば、各家庭は子供の数を減らし、ひとりひとりの子供の教育により多くの投資をするようになる傾向がみられる。

その他に、文化的な要因も見逃すことはできない。米タフツ大学のエンリコ・スポラオーレ教授と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のロメイン・ワチアーグ教授は近年の論文で、出生率の「新常態」が18世紀後半から19世紀前半のフランスで、最初に誕生したと指摘している。

その少子化の流れは、世俗主義や啓蒙思想を背景とする世界観の変化や家族計画に関する情報の普及に根ざしていると論文は分析している。その後、出生率の低下は欧州全域に拡大したが、特にフランスと言語的・文化的に結びつきが強い場所では、より早い段階で転換が始まり、しかもより速いペースで変化が進んだという。

米クレアモント・マッケナ大学のマシュー・デルベンサル准教授、米ペンシルベニア大学のヘスス・フェルナンデスビラベルデ教授、スペイン・バルセロナ自治大学のネジヘ・グネル教授は別の最近の論文で、現代の人口転換が先の論文が指摘している過去の変化に相当程度類似したパターンをたどっていると指摘している。

この論文では、186カ国のデータを分析した結果、11カ国を除くすべての国で死亡率が産業革命前より大幅に低く、安定した水準に移行する転換が起きていたことが判明したとしている。そのうち約70カ国は1960年から90年の間に出生率の低下が始まった。出生率の転換が始まっていないのはチャドの1カ国だけだった。なお、80カ国においては、死亡率と出生率の双方が新常態とされる低水準に移行するプロセスが既に完了しているという。

速まる人口転換

特に注目すべきなのは、各国が人口転換を遂げるペースが加速しているという重要な指摘だ。英国の転換は1790年代から1950年代にかけて約160年の間で緩やかに進展したが、チリでは1920年代から70年代の約50年のより短い期間で転換を完了した。20世紀終盤に変化が始まった国々にいたっては、20~30年で転換のプロセスを終えている。

この加速は、同論文の著者らが「人口動態伝染」と呼ぶ現象を反映しているとみられる。出生率の低下が進んだ場所に地理的・文化的に近い場所では人口転換が早期かつ急速に起きるということだ。この近接性に基づく波及効果は、人口転換が従来よりも低い所得水準で始まるという近年の傾向にもつながっているとみられている。

過去200年間に出生率転換が始まった国のその時点での1人当たり平均国内総生産(GDP、購買力平価ベース、2011年物価換算)は約2700ドル(約30万円)だった。だが、1990年代以降の数字を見ると、転換が始まる時点の水準は約1500ドルに低下している。

人口転換の加速が進むと、全世界で出生率と人口増加率が着実に低下する。実際に、1980年代半ばには世界の合計特殊出生率は3.5だったが2019年には2.4まで下がった。しかも、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で富裕国の出生数が減少したとみられており、少なくとも一時的には世界全体の出生率は人口置換水準の近くまで低下した可能性がある。

ただし、出生率が人口置換水準まで下がったとしても、多数の人々が出産育児年齢に達したり近づいたりするため、世界の人口はその後もしばらくは増加を続けるとみられている。

例えばインドの人口は、最新の予測に基づけば今世紀半ばごろに約16億人に達すると見込まれている。だが、これは従来の予測に比べるとピーク時の人口が約1億人少なく、天井を打つ時期も10年程度早まっている。

国連は、現段階では2100年までに世界の人口が110億人に達すると予想している。しかし、世界全体で出生率が急速に低下する傾向があることから、インドの場合と同様に、いずれ予測の下方修正を余儀なくされる可能性がある。

経済に複雑な影響

世界的に人口転換が進展すると、派生的な問題が起きる可能性がある。例えば、米スタンフォード大学のエイドリアン・オークラート准教授とフレデリック・マルテネ氏、米ミネソタ大学のハンネス・マルムバーグ准教授、米ノースウエスタン大学のマシュー・ログンリー准教授による最近の論文は、人口動態の変化が長期的なマクロ経済に複雑な影響を及ぼしかねないと指摘している。

この論文は、高齢化が進むと貯蓄が増大し、インフレ率と金利の低下につながると分析している。世界の人口に占める50歳を上回る人々の割合が現状予測の通りに、直近の25%から2100年に40%に上昇した場合、低金利が定着して、資産の収益率が低下し、世界的な不均衡が一段と拡大する可能性があると指摘している。

その一方で、人口転換は様々な形の経済的なメリットをもたらす可能性もある。二酸化炭素の排出量削減は世界にのしかかる大きな課題だが、人口増加率が低下すれば、実現を後押しする要因になり得る。教育水準が高まったり、女性の労働参加が拡大したりする結果、少ない労働人口で生産性が高まる可能性も期待できる。

そのとき、従来は脅威と受け止められてきた移民の到来は、家族にとっての新生児の誕生と同じように特別な意味合いを持つようになるかもしれない。

(c) 2021 The Economist Newspaper Limited. December 11, 2021 All rights reserved.

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米の新規感染40万人、5日連続で最多 「入院数が焦点」

米の新規感染40万人、5日連続で最多 「入院数が焦点」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN012490R00C22A1000000/

『【ニューヨーク=斉藤雄太、大島有美子】米国で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。米ジョンズ・ホプキンス大によると、1月1日の新規感染者数(7日移動平均)は39.4万人になり、5日連続で過去最多を更新した。わずか1週間で2倍以上に増えており、感染力の強い変異型の「オミクロン型」が急速に広がっているとみられる。

1日にかけて米東部のニューヨーク州やニュージャージー州、南部のフロリダ州などの新規感染者数(同)が過去最多を更新した。西部のカリフォルニア州でも1年ぶりに最多を更新するなど、地域的な広がりもみせている。

2日、複数の米メディアに出演したファウチ首席医療顧問は、状況を「深刻な急増」と表現した上で、ピークが抑えられるまでに今後数週間かかるとの認識を示した。ミネソタ大のマイケル・オスターホルム教授も「今後3~4週間で感染者数は劇的に増える」とみている。

ファウチ氏は「たとえ重症化する割合が低くても、これまでよりはるかに多い人が感染した場合、結果として多くの人が入院する必要が出てくる」と強調した。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国の新規入院患者数は徐々に増加しており、12月29日時点で約1万200人となった。1万人超えは21年9月以来、約3カ月ぶりだ。ファウチ氏は「入院動向は(感染者数より)遅れて表れる指標だ。入院数に焦点を当てるのが適切だ」と述べ、注視する考えを示した。

年末年始の休暇で里帰りなど移動する人が増え、感染拡大に伴う混乱が続く。航空情報サイト「フライトアウェア」によると、1~2日の2日間で約9000便が欠航となった。悪天候の影響もあるが、パイロットや客室乗務員の感染増で乗務員を確保できず、計画通りの運航が難しくなっている。

こうした状況を踏まえ、CDCは無症状の感染者の隔離期間を従来の10日間から5日間に短縮した。一部の公衆衛生担当者からは、隔離終了時に検査して陰性証明をすべきだとの声が上がっている。

ファウチ氏は2日、こうした批判に対して「検査は選択肢に入るかもしれない。あす以降、CDCからより多くの情報が得られるだろう」と述べた。

【関連記事】米国防長官がコロナ感染 症状軽く、5日間隔離へ 』

米国防長官、新型コロナに感染 5日間の隔離へ

米国防長官、新型コロナに感染 5日間の隔離へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030EU0T00C22A1000000/

『【ワシントン=中村亮】オースティン米国防長官は2日の声明で、新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。軽い症状があり、5日間にわたり自宅で隔離措置をとる。国防長官としての権限は委譲せず、重要な会議にはオンライン形式で参加する。

オースティン氏は自宅での休暇中に症状が出たため検査を要請し、2日午前に感染を確認した。バイデン大統領と最後に接触したのは2021年12月21日で、当日午前の検査で陰性だった。

医師から追加接種(ブースター接種)を受けていたことで症状が軽くなっていると告げられたという。米兵などに対してブースター接種を受けるよう促した。12月下旬にはヒックス国防副長官の国内出張に同行した職員7人が新型コロナに感染したことが明らかになっている。』

22年の10大リスク、「中国のゼロコロナ失敗」が首位

22年の10大リスク、「中国のゼロコロナ失敗」が首位
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN032ZX0T00C22A1000000/

『【ニューヨーク=宮本岳則】米政治リスクの調査会社ユーラシア・グループは3日、2022年の世界の「10大リスク」を発表した。1位に「No zero Covid」(ゼロコロナ政策の失敗)を挙げた。中国が新型コロナウイルスの変異型を完全に封じ込められず、経済の混乱が世界に広がる可能性を指摘した。

報告書は冒頭で、米中という2つの大国がそれぞれの内政事情から内向き志向を一段と強めると予測。戦争の可能性は低下する一方で、世界の課題対処への指導力や協調の欠如につながると指摘した。

国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる同社は年頭に政治や経済に大きな影響を与えそうな事象を予測している。21年の首位にはバイデン米大統領を意味する「第46代」を選び、米国民の半数が大統領選の結果を非合法とみなす状況に警鐘を鳴らした。予測公表の2日後、トランプ前大統領の支持者らが選挙結果を覆そうと米連邦議会議事堂に乱入した。

22年のトップリスクには新型コロナとの戦いを挙げた。先進国はワクチン接種や治療薬の普及でパンデミック(感染大流行)の終わりが見えてくる一方、中国はそこに到達できないと予想する。中国政府は「ゼロコロナ」政策を志向するが、感染力の強い変異型に対して、効果の低い国産ワクチンでは太刀打ちできないとみる。ロックダウン(都市封鎖)によって経済の混乱が世界に広がりかねないと指摘する。

先進国はワクチンの追加接種(ブースター接種)を進めている。ブースター需要が世界的なワクチンの普及を妨げ、格差を生み出す。ユーラシア・グループは「発展途上国が最も大きな打撃を受け、現職の政治家が国民の怒りの矛先を向けられる」と指摘し、貧困国はさらなる負債を抱えると警告する。

2番目に大きいリスクとして挙げたのは、巨大ハイテク企業による経済・社会の支配(テクノポーラーの世界)だ。米国や欧州、中国の各政府は規制強化に動くが、ハイテク企業の投資を止めることはできないとみる。人工知能(AI)などテクノロジーの安全で倫理的な利用方法を巡って、企業と政府が合意できていないため、米中間、または米欧間の緊張を高めるおそれがあるという。

米議会の中間選挙後の混乱もリスクに入れた。11月の同選挙では野党・共和党による上下院の過半数奪還が「ほぼ確実視されている」と指摘する。与党・民主党は共和党系州知事が主導した投票制限法に批判の矛先を向ける一方、共和党は20年の大統領選で不正があったとの主張を強めると予想する。共和党がバイデン大統領の弾劾に動き、政治に対する国民の信頼が一段と低下する可能性にも言及した。

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野崎浩成のアバター
野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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分析・考察 ユーラシア・グループが年初に発表するトップリスク・リストは、その年発生する重大イベントの予想というよりは、現時点で政治的、経済的に留意すべきポイントという位置づけで捉えたほうがいいと思います。

ちなみに、昨年のリストは、①米国の分断、②コロナ長期化、③グリーン化、④米中緊張関係、⑤データを巡る競争、⑥サイバーリスク、⑦トルコ危機、⑧産油国の経済財政的困難、⑨メルケル退陣、⑩中南米危機、でした。

その大半が今年も継続する留意点であることが確認できます。

2022年1月4日 7:27 (2022年1月4日 7:28更新)
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柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説 ゼロコロナそのものの問題というよりも、ロックダウンにともなって、食料品の供給が間に合わなくて、とくに現場の幹部の「管理」は乱暴で逆に問題を大きくしてしまっている感じ。

公式メディアの報道が少ないが、SNSなどの情報をみると、現場では、行き過ぎた「法の執行」があったように見受けられる。

とくに、西安市の例をみると、1000万人以上の大都市を丸ごと封鎖してしまうやり方は明らかに行き過ぎ

2022年1月4日 8:14いいね
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滝田洋一
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 西安で実施中の厳格な都市封鎖は、2年前の武漢の都市封鎖の記憶を呼び覚ましています。

オセロゲームの白石と黒石がひっくり返るような、中国のゼロ・コロナ政策の失敗。ユーラシア・グループが筆頭に挙げるリスクは、習近平指導部の体制リスクにほかなりません。

コロナの徹底的な封じ込めを政権の功績としてきたのですが、感染力の強いオミクロン型の登場でもはや限界に。

アキレス腱は中国製ワクチンの有効性の低さ。オミクロン型への効果が極めて低いとの研究報告が相次ぐなか、いったん市中感染が広まれば感染が爆発しかねない。

北京五輪まであと1カ月。ゼロ・コロナの自縄自縛に陥った政権は、土俵際に立たされています。

2022年1月4日 8:14 (2022年1月4日 9:47更新)
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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説 目下の世界のリスクと言えば、米国と中国の2大超大国による「衝突」が時候のあいさつのように語られますが、ブレマー氏が率いるユーラシア・グループはそうした見方と一線を画します。

1位の「ゼロコロナの失敗」の余波を含め、一見して盤石に思える中国の習近平体制のもろさが世界で意識される年、ということでしょうか。

とはいえバイデン政権への支持率が低迷する米国も中間選挙で民主党が大敗し、混迷の時代に突入するとの見立てです。

少なくとも米中では軍事衝突のような表面的な大混乱の可能性は薄いが、世界秩序の不安定化はますます進み、摩擦を収拾する担い手を欠く。ランキングからは、そんな新年の構図が見えてきます。

2022年1月4日 9:18いいね
28

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高橋徹
日本経済新聞社 アジア総局長兼論説委員
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分析・考察 1位~4位がすべて米中モノで占められていることが、いまの世界の現状を投影しているように思います。

米中の対立を、バイデン米大統領は「民主主義と強権主義の闘い」と表現してきました。
1位の「(中国の)ゼロコロナ政策の失敗」は強権主義の、2位の「(米国の)巨大ハイテク企業による支配」は自由主義(民主主義)の限界と課題をそれぞれ如実に示しています。

2022年1月4日 8:47 (2022年1月4日 8:49更新)』

オミクロン型が問うエンデミックへの移行(NY特急便)

オミクロン型が問うエンデミックへの移行(NY特急便)
米州総局 白岩ひおな
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN033G40T00C22A1000000/

『3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比0.7%高で過去最高値を更新した。米景気の回復基調は続くとの期待が買いにつながり、景気敏感株が上昇したほか、ハイテク株の一角も買われた。アップルが一時3%上昇し、世界の上場企業で初めて時価総額3兆ドルを突破した。昨年10~12月期の販売台数が市場予想を上回った電気自動車のテスラは14%上昇した。

足元では新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大が続く。感染者の急増による人材不足で、クリスマスから年末年始にかけて航空便のキャンセルが相次ぐなど影響も広がった。公衆衛生の専門家や市場関係者は、オミクロン型の広がりが、新型コロナがインフルエンザのように「エンデミック(特定の地域で普段から繰り返し発生する状態)」に移行する兆候なのかどうかという問いに直面している。

ボストン大のエレノア・マレー博士は「1人の感染者が感染させる人数が安定して1となれば、その病気はエンデミックとして定着したといえる」と説明し、爆発的な感染拡大が続くオミクロン型はその段階に至っていないとみる。カナダのサスカチワン大のアンジェラ・ラスムセン博士は「医療システムへの負担次第だ」と述べ、入院率や死亡率、医療システムの逼迫度合い、治療法の有無などを考慮すべきだと指摘する。

2日の米国の新規感染者数(7日移動平均)は40.3万人で、6日連続で過去最多を更新した。オミクロン型は感染力が高い一方で無症状や軽症の例も多く報告されているが、短期間に感染者が増えれば医療システムが危機に陥る恐れも残る。新規入院患者数も足元で約1年ぶりの高水準を記録し、予断は許さない。

一方で米国の非営利団体、カイザー・ファミリー財団は「驚異的な人数が集団レベルの免疫を構築している」とみる。毒性が比較的弱いウイルスに置き換わり、集団免疫の獲得とパンデミックの収束につながるとの見方だ。

いずれにしても、前提となる重症化防止には、ブースター接種を含むワクチン普及の徹底が欠かせない。とりわけリスクにさらされているのが、ワクチンへのアクセスが限定的だった子どもたちだ。

米疾病対策センター(CDC)によると、17歳までの新規入院患者数(7日移動平均)は12月26日~1月1日の平均で1日当たり574人と前週から倍増し、過去最高を更新した。米食品医薬品局(FDA)は3日、12~15歳までの子どもたちに製薬大手ファイザーと独ビオンテックのブースター接種を許可した。

3日にはニューヨーク市の学校で対面授業が再開された。感染者が出たクラスの生徒らに検査キットを配布し、継続的な検査や隔離でまん延を防ぐ。教室に来る前に陰性結果の提出を求めたり、対面授業を見送ったりする地域もある。

規制やワクチンの地域差も懸念材料だ。米政治リスクの調査会社ユーラシア・グループは3日、2022年の世界の「10大リスク」の首位に「No zero Covid」(ゼロコロナ政策の失敗)を挙げた。中国やワクチンの普及が行き届かない発展途上国は大きな打撃を受けるとみる。手探りが続く中、一人一人もウイルスとの向き合い方を今一度問われている。(ニューヨーク=白岩ひおな)』

北京五輪いばらの道 開催1カ月前、コロナ再拡大

北京五輪いばらの道 開催1カ月前、コロナ再拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM287A80Y1A221C2000000/

『【大連=渡辺伸、北京=羽田野主】中国で2月に開催される北京冬季五輪まで1カ月となった。習近平(シー・ジンピン)国家主席は「準備ができている」と強調するが、大会組織委員会は依然として観客の動員規模を明らかにしていない。国内で新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか、成功裏に開催するために当局が目指す徹底した感染抑制と観客動員の両立は困難さを増している。

北京五輪は2月4日から20日までの期間中、冬季五輪としては最多の109種目が実施される。約2900人の選手が参加する見通しだ。パラリンピックは3月4~13日に開かれ、約600人の選手が参加予定だ。

「国内客へのチケット販売はいま検討中だ。ふさわしい時期に公表する」。組織委員会幹部の韓子栄氏は12月下旬、記者会見でかねての説明を繰り返した。

組織委と国際オリンピック委員会(IOC)は9月末、観客は中国居住者のみとする方針を公表した。だが現在も観客数やチケットの販売方法、コロナワクチン接種の有無などの入場条件は発表されていない。

詳細を決定できない背景には、感染力が強い変異型「オミクロン型」などの拡大への懸念がある。中国は厳しい措置を駆使した「ゼロコロナ」政策を続けているが、足元では感染が拡大。中部の西安市は12月23日に事実上のロックダウン(都市封鎖)に追い込まれた。
中国外務省は11月末の記者会見で「中国には新型コロナの対応で経験がある。五輪を予定通りに開催し、成功できると信じる」と強調していた。習指導部には、無観客やごく少数の観客を入れる形式になれば自らが誇った新型コロナ対策で感染を抑え込めていないとのイメージが広がり、国威の失墜につながりかねないとの危機感がある。

当局は観客動員と「ゼロコロナ」を両立させるため、徹底した感染抑制策を打ち出している。組織委は12月13日、選手と外部との接触を絶つ「バブル環境」など一連の感染対策をまとめた規定集の第2弾を公表した。バブル内では毎日のPCR検査が必須だ。「選手らは競技中、歌や声援は避け、拍手をして応援するように」。こうした細かい規定がずらりと並ぶ。

東京夏季五輪では関係者がバブルの外を出歩く姿が問題視された。北京五輪では「バブルの外には絶対に出られない」と組織委幹部は断言する。厳しい監視・警備体制が敷かれ、選手らが規定に違反した場合、参加資格を剝奪される可能性がある。

会場がある3地域の一つ、河北省張家口市。崇礼区にある7カ所のスキー場は1月4日から3月30日まで一般客を受け入れず、バブル環境に組み込まれる。五輪会場となるスキー場はこのうち1カ所だけで、他のスキー場は犠牲になる格好だ。五輪向けの感染対策を最優先する当局の姿勢が鮮明になっている。

IOCのバッハ会長は12月31日に公開した動画で、北京五輪に関して「国際社会の支持は明らかであり、非常に歓迎されている」と指摘した。ただ、米国や英国などは新疆ウイグル自治区などの人権問題を問題視し、外交ボイコットを決めた。日本政府も閣僚らによる政府代表団を派遣しないと表明した。習指導部にとっては米欧への対抗という観点からも、成功裏の開催を演出する必要性が高まっている。

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米中ロ英仏「核戦争回避へ責務」 軍縮推進へ共同声明

米中ロ英仏「核戦争回避へ責務」 軍縮推進へ共同声明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN032N10T00C22A1000000/

『【ワシントン=中村亮】米国と中国、ロシア、英国、フランスは3日、核軍縮の推進に向けた共同声明を発表した。「核保有国同士の戦争回避や戦略的リスクの低下が我々の最も重要な責務だと認識している」と表明した。中国の馬朝旭外務次官は「5カ国の指導者が核兵器の問題について声明を発表するのは初めて」と意義を強調した。

共同声明は「核使用は広範な影響を及ぼすため、核兵器が存在する間は防衛目的であり、攻撃を抑止し、戦争を防ぐためのものだと確認した」と明記。「核戦争に勝利することはできず、戦うべきではない」とした。5カ国は核拡散防止条約(NPT)に基づき、核軍拡競争を終わらせるための交渉を進める方針も示した。

「軍事衝突の回避などに向けた2国間や多国間の外交的アプローチを続けていく」とも表明した。米中は台湾海峡や南シナ海をめぐって対立を深めており、偶発的な軍事衝突のリスクが徐々に高まっている。バイデン米政権は中国に対し、核軍縮を含む戦略的安定に向けた協議を提案したが、これまでに実現していない。

共同声明は、米ニューヨーク市で4日に始まる予定だったNPT再検討会議に合わせて準備したものとみられる。再検討会議はニューヨークでの新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期が決まっている。米国と中ロの相互不信は根深く、核軍縮の進展に向けた道筋は描けていない。

【関連記事】NPT再検討会議、22年8月の開催検討 4度目の延期

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説 核兵器を保有しており国連安保理常任理事国でもある米英仏ロ中が、核戦争回避・核軍縮推進をあらためて宣言したことに、一定の意義はある。

だが、今回の宣言は「5カ国は核拡散防止条約(NPT)に基づき」核軍拡競争を終わらせるための交渉を進める方針を示しており、そこに限界がある。

核保有国であるインドとパキスタンはNPT非締約国である。また、北朝鮮はNPTに署名したにもかかわらず、着々と核・弾道ミサイル開発・配備を進めているようである。

なお、米中対立が激化しているが、核兵器を双方が保有しており報復攻撃が避けられないという牽制作用が働いていることから、現実に警戒すべきは、通常兵器による偶発的な衝突だと言える。

2022年1月4日 8:15いいね
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説 新年早々のグッドニュース。もし核戦争が起きたら、それは人類を破滅に導くに違いない。核戦争の回避をファーストステップだとすれば、次は核兵器廃絶に取り組むべき

2022年1月4日 8:16 』