台湾・蔡総統、中国にクギ「軍事衝突は絶対避けるべき」

台湾・蔡総統、中国にクギ「軍事衝突は絶対避けるべき」
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『【台北=中村裕】台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は1日、新年の談話を発表した。最大の懸案である中国について「(中台の)両岸問題の解決には、軍事的な衝突は絶対に避けなければならない」と語った。さらに「中国が状況を見誤らず、軍国主義の拡大に突き進むことも防ぐように注意を促していく」と述べた。

蔡氏の談話は例年に比べると、中国への直接的な批判は抑えられ、中国に自制を促すことに重点を置く内容となった。

蔡氏は談話で「軍事衝突は(中台の)経済の安定に影響を与える」と指摘した。そのうえで「(中台が)人々の生活に配慮し、国民感情を安定させる努力をしてこそ、双方が平和的に問題に直面する土壌ができ、解決策を見いだす余地と雰囲気が生まれる」と述べた。

中国は2021年、台湾への軍事的圧力を強め、防空識別圏に延べ約1000機の戦闘機など軍機を送り込んだ。侵入回数は1年で230日以上となり、台湾人の中国に対する感情が一段と悪化した。

こうした状況も踏まえ、蔡氏は「我々は苦労して手に入れた民主的な自由を大切に守らなくてはならない。そうすることで台湾はより良くなり、世界は中国の影から抜け出す勇気を台湾が持っていること、圧力に屈しないことも知ることができる」と述べた。

蔡氏は、中国に依存する経済からの早期脱却を念頭に、国際社会との連携についても言及した。「米国との対話を深め、将来の自由貿易協定(FTA)締結に向けた基盤を作っていく。環太平洋経済連携協定(TPP)加盟への支持が得られるように最大限の努力もしていく」と述べ、国際社会にアピールした。

一方、中国の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は、12月31日に公表した年頭所感で、国際社会から関与が強まる台湾問題には、一歩も譲らない考えを改めて強調した。「祖国の完全統一の実現は、(中台)両岸の同胞にとって共通の願いだ」と述べた。

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