参院選へ逆風の公明 敵基地攻撃で対応に苦慮

参院選へ逆風の公明 敵基地攻撃で対応に苦慮
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010200133&g=pol

『参院選が控える2022年を、公明党は逆風の中で迎えた。昨年末、党に所属していた元衆院議員が融資口利き事件で在宅起訴され、党の看板であるクリーンなイメージは失墜。10年近く歴代閣僚を出してきた国土交通省では、不正な統計書き換えを防げなかった。敵基地攻撃能力保有をめぐる議論も公明党の意に反して具体化する見通しで、党の存在意義が問われかねない事態に直面しつつある。

「敵基地攻撃」検討本格化へ ミサイル防衛、重層化図る―政府

 「公明党のいる連立政権だからこそ政治が安定し、課題を着実に乗り越えていける。その先頭に立つ」。2日、東京・新宿駅前で新春恒例の街頭演説に臨んだ山口那津男代表は党のアピールに力点を置き、不祥事には触れずじまいだった。
 公明党は参院選で、現職のいる兵庫、福岡など7選挙区全勝と、比例代表での7議席維持に向けた800万票獲得を目標に据える。昨年の衆院選では、国政選挙で下落傾向にあった比例票を5年ぶりに700万の大台に回復させ、公示前29だった議席を32に増やした。

 だが、12月28日には党の「ホープ」と称された遠山清彦元財務副大臣が貸金業法違反の罪で在宅起訴された。連立を組む自民党に「政治とカネ」の問題が起こるたび自浄作用を促してきた公明党のイメージは損なわれた。参院選に向け、ただでさえ弱体化が指摘される支持母体・創価学会の動きにも響きかねない。「いくら実績を訴えても、かすんでしまう」。党関係者は声を落とす。

 これに先立つ臨時国会では、国内総生産(GDP)の算出にも用いられる基幹統計を国交省が書き換えていた問題が発覚。17日召集見通しの通常国会では、党幹事長まで務めた斉藤鉄夫国交相が追及の矢面に立たされそうだ。党幹部は「省内の問題」として党への影響をかわしたい考えだが、「これまでの国交相にも責任論が出かねない」(関係者)との懸念も拭えない。

 岸田文雄首相が国家安全保障戦略改定の課題に挙げる敵基地攻撃能力の保有も悩みの種だ。公明党は与党協議を参院選後に先送りさせる構えだが、自民党は5月に提言を取りまとめる方針。安全保障法制整備では「ブレーキ役」を自任した公明党だが、首相や自民党の現執行部とは太いパイプがなく、対応に苦慮しそうだ。

 秋には2年に1度の党大会を控え、代表任期を迎える山口氏の去就が焦点。山口氏は12月、就任あいさつに訪れた立憲民主党の泉健太代表らに「われわれも若返りしないと」と漏らし、交代をにおわせた。その場合、後任には石井啓一幹事長(63)が有力視されるが、「官僚的で発信力が弱い」との評価もあり、不安の種は尽きない。 』