米ロ首脳、ウクライナ巡り電話協議 軍事緊張の緩和焦点50分間で終了

米ロ首脳、ウクライナ巡り電話協議 軍事緊張の緩和焦点
50分間で終了
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『【ワシントン=坂口幸裕、モスクワ=桑本太】バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は30日、50分ほど電話協議した。軍事的緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり事態の打開を探ったものの、両首脳は米欧が検討する対ロ制裁について互いに応酬を続けた。

米ホワイトハウスによると、バイデン氏はロシアが威嚇を続けるウクライナとの緊張緩和を求めた。対話を通じた外交を支持する一方、ロシアがウクライナに侵攻すれば同盟国などとともに断固とした対応をとると警告した。経済制裁を含む対抗策を準備していると改めて伝えた。

一方、ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、米側が制裁措置をとった場合、プーチン氏が「ロシアの欧米との関係の完全な決裂につながる」と応じたと述べた。インタファクス通信が伝えた。米国に求めた自国の安全保障について「議論は建設的だった」(ウシャコフ氏)とも述べ、今後の協議で理解を求めていく考えも示した。

会談終了後、米政府高官は「両首脳は前進が可能な分野と合意できない分野があると認めた」と明言した。2022年1月9~10日にスイス・ジュネーブで米ロ2国間の「戦略的安定対話」を開くことも明らかにした。米CNNによると、米国からはシャーマン国務副長官らが出席する。

両首脳は9~10日の米ロに続き、12日に北大西洋条約機構(NATO)とロシア、13日に欧州安保協力機構(OSCE)とそれぞれ協議する日程で合意した。

米国はロシアが隣国ウクライナとの国境付近に軍を集結し、14年に続き再び侵攻すると警戒を強めている。ロシアは17日にNATOの東方拡大停止や東欧からの事実上の軍撤収などを求める案を提示していた。

バイデン氏とプーチン氏は今月7日にオンライン形式で2時間ほど話し合ったばかりで、月内に2回目となる首脳協議は異例だ。米側の説明によると、今回の協議はロシア側からの要請に基づくもので、ウクライナ情勢をめぐり緊張緩和の糸口を見いだせるかが焦点だったが隔たりは埋まらなかった。

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察

もはやチキンゲームをやっている段階ではないのに、米政権はそれが分かっているのかとても心配です。

プーチン側の要求は、何年も前からはっきりしています。

外交上の落としどころを探るためには、こういう交渉に長けたプロの外交官同士で静かにやるしかないので、何とかそういう枠組みに持って行かないといけません。

ロシア側の軍事力行使に至れば、世界中に影響が及びますし、何よりもバイデン政権が大打撃を受けて、立ち直れないかもしれません。今最もリスクが高い問題で、予断を許しません。

2021年12月31日 11:26 (2021年12月31日 11:27更新)

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

ロシアがウクライナに圧力をかける→米欧は軍事的に関与することはできないので経済制裁をテコにロシアを動かそうとする→ロシアは経済制裁をすれば関係断絶すると脅し、行動の自由を得ようとする。

プーチンはバイデンの出来ること、出来ないことを見越しながら、一手先を見て手を打っているという印象。

ロシアにとってもリスクはあるが、それでも自らが求める、ウクライナのNATO加盟の恒久的な阻止を実現するためには、そうしたリスクを取ってでも圧力をかけることが有効と見ているのだろう。

気になるのは、ロシアがアメリカの足元を見て交渉しているということ。それだけアメリカの力が落ちてきたということなのだろうか。

2021年12月31日 15:29

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小平龍四郎
論説委員・編集委員
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分析・考察

ロシアがウクライナに侵攻するようなことになれば、道義的には非難されるべきはロシアですが、政治的ダメージが大きいのは米国ではないでしょうか。

もともと薄いバイデン大統領の政治資本は枯渇し、普通の企業であれば立っていられない「債務超過」になってしまうかもしれません。

影響は経済、市場と幅広く及びます。

2021年12月31日 12:04 (2021年12月31日 12:10更新)』