飢餓が迫った兆候だろうか?

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和三年(2021)12月29日(水曜日)弐
     通巻7175号 
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 ★愛読者の皆様、良い御年をお迎え下さい。今年度最終版(B)です!
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 中国の食糧買いだめ、買い占めは飢餓が迫った兆候だろうか?
   小麦、大豆、トウモロコシの輸入は未曽有の規模に達している
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 習近平自ら出席の下、中央農村工作会議が12月25日と26日に北京で開催され、そこで習主席が演説している。

「2025年までに豚肉の95%の自給を達成せよ」と。あれっ?「2025 中国製造」での目標は半導体自製化、AI、量子コンピュータなどではなかったのか。

 この「2025 中国製造」を格好の対象として、アメリカは制裁品目などを決定したが、エネルギー、バイオ、ロボット、EVなど10の分野が重点とされ、第一段階が「2025までに中国は製造強国の仲間入りを果たす」、第二段階は「35年までに製造強国の中位に到達し」、第三段階は「2045年までに製造強国の主導的地位を確立する」ことになっていた。

 ところが打って変わって食糧安全保障が前面に出た。
なかでも習近平が具体的に大豆、菜種油の作付けを増やし、農村を救済し、農業を再活性化せよと発破をかけた。
これは異常事態である。

 従来の中国の国内政策は「都市化」だった。都市人口はいまや51%と言われ、農業は廃れ、食糧を外国からの輸入に依存するようになった。農民が都会へ出稼ぎにでて工事現場に就労したからである。

 改革開放を開始した頃、中国はおおむね食糧自給ができていた。

 それが昨今は世界から食糧を買いあさり、世界の在庫量に占める中国のトウモロコシの買い占めは69%、米が60%、小麦が51%、大豆34%である。食品輸入総額は2020年度統計で981億ドル。輸入量はおよそ7億トン。

 武漢肺炎、台風、洪水、土砂崩れで農地は荒れた。そのうえ都市開発の団地造成、農地には案山子の替わりにマンションが林立。山間部や棚田も太陽光パネルだらけとなって、農耕地は激減した。

 食料輸入は大豆、トウモロコシ、小麦、豚肉であり、米国、ブラジル、アルゼンチン、ウクライナなどから大量に輸入している。たとえば大豆は2010年比較で2021年は十倍、トウモロコシは過去三年で三倍、それでも豚肉は着実に値上がりし続け、庶民の不満は「豚肉が食べられない日が来るのではないか」と、当局の政策の不備を突く。

 日本もこの煽りで、マヨネーズ、食用油、麺類、パン等が値上がりしている。大豆不足となると、豆腐も納豆もいずれ価格高騰となりそう。醤油も。
中国料理に欠かせない餃子、シューマイ、肉まん、小龍包などは小麦が絶対不可欠の食材だ。

 あまつさえ豚肉は2018年に疫病が発生し、大量を殺処分したため、それ以後、養豚業が凄まじく停滞した。そのうち鶏肉も不足となれば、日本でも焼き鳥の価格も上昇するだろう。

 蛇足に下記の時事電記事。

「【ソウル時事】北朝鮮で開会中の朝鮮労働党中央委員会総会は28日、会議2日目の日程に入り、金正恩総書記が報告で、農村振興の目標達成に向けた中長期的発展戦略や課題などを提示した。総会参加者の「全面的な支持と賛同を受けた」という。朝鮮中央通信が29日伝えた」(引用止め)。

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