NATO拡大「受け入れられない」

NATO拡大「受け入れられない」 ロシア大統領会見
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『【モスクワ=石川陽平】ロシアのプーチン大統領は23日、モスクワで内外のメディアとの年末恒例の記者会見を開いた。緊張が高まる米欧との関係では、ロシアが提案した北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大停止など欧州安全保障に関する新たな合意に応じるよう改めて求めた。ウクライナ情勢の打開も含め、2022年初めの米欧との協議進展に期待を表明した。

ウクライナ情勢と米欧との対立について、プーチン氏は会見で「NATOのこれ以上の拡大は受け入れられない」と強調した。ロシアはウクライナがNATOに加盟すれば自国の安保が大きく損なわれると反発してきた。プーチン氏は、東欧諸国を加盟させないというNATOの約束が過去に破られてきたとして「ひどくだまされた」と不信感を口にした。

米欧は10月末以降、ロシアが2014年に続くウクライナへの再侵攻を計画していると警戒を強めてきた。これに対し、ロシアは12月中旬、ウクライナのNATO非加盟などを盛り込んだ新たな欧州安保体制の条約を米国に、同様の協定をNATOに提示した。東欧からの事実上のNATO軍撤収や米国に核兵器配備を自国内に限ることも求める強硬な内容だ。

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ロシアの提案を受け、米国やNATOとロシアは1月にも欧州安保に関する協議を始めることで一致している。23日の会見でプーチン氏は「米国やNATOとの協議が建設的な道を進むことを期待する」と表明した。今後の情勢悪化の可能性については「(ロシアの)安保が完全に保証されるかの問題だ」と主張し、直ちに合意するよう米欧に求めた。

ウクライナ情勢については、プーチン氏は「14年に血まみれのクーデターが起きた」として、親欧米派が親ロシア派政権を打倒した政変を批判した。ロシア軍の支援で親ロシア派武装勢力が分離・独立を宣言した東部紛争では「(ウクライナは停戦と和平に向けた15年の)ミンスク合意を守っていない」として「武力で解決しようとしている」と述べた。

欧州への天然ガス供給問題についてプーチン氏は「契約者から求められたすべての量を供給している」と述べ、供給を増やしていると指摘した。欧州ではロシア国営天然ガス会社ガスプロムによる供給不足を批判する声がある。プーチン氏は「(欧州は)自分たちでつくった問題は自分たちで解決すべきだ」とけん制し、ロシアは支援の用意があると語った。

プーチン大統領は毎年、年末に長時間に及ぶマラソン会見を開いており、今年が17回目となった。インタファクス通信によると、20年は約4時間半にわたり、内政や経済、外交など68の質問に答えた。今年は新型コロナの感染拡大や経済対策、欧州への天然ガス供給問題などについて、どう回答するかが注目されていた。

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