中国経済は既に死んでいる。

中国経済は既に死んでいる。目の前にあるのはゾンビだ

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)12月25日(土曜日)
  通巻7169号    <前日発行>
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 悪性の風邪を誤魔化してきたら末期癌になっていた
  中国経済は既に死んでいる。目の前にあるのはゾンビだ
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 中国経済は本当にGDP世界第二位か? 三割水増しが常識にしても、在庫を統計に入れていたり、海外資産も大半が不良債権である。1600兆円とかの中国GDPは、実質的に900兆円あたりだろう(それでも日本の530兆円より多いことは確かだが)。。。

 第一に不動産バブルはとうに崩壊している。各地の建設現場のクレーンがとまり、生コンは稼働しているところは少なく、テント村の労働者は給料不払いで、田舎へ帰る金さえない。不動産と建設業界、販売などで、これらの基幹産業は中国GDPの30%を占めるのである。
 欧米日のような「普通の資本主義社会」なら、とうにバブルは瓦解しているが、そこはそれ、全体主義国家ゆえに「値引きを15%まで」と厳命しているから、値動きはとまり、もっと価格崩壊をまつ投資家は購入を思い留まる。膠着状態である。

 第二に金融と直結する今後の難題が不動産ローンのゆくえだろう。
頭金を支払い、ローン契約を組んだものの物件引き渡しが出来ない。建設が中断しているからだ。そのうえ、投資した人々の多くが、じつは共産党員である。だから恒大集団は事実上倒産しているにもかかわらず、息の根を止められないのだ。
物件引き渡しが進まないと、間違いなく「暴動」に発展する。これを懼れるから習近平政権は、直面する経済難題の舵取りをしなければならないが、経済テクノクラートらは、敵対する共青団派閥にしか人材がいない。かれらは習近平の妨害こそすれ、協力することは望み薄だろう。

 第三に恒大集団だけでも、日本の三井不動産、三菱地所、住友不動産をたしたより大きい規模であり、これが倒産し、ほかの多くのデベロッパーが連鎖倒産となると、不動産バブル崩壊がもたらす甚大な破壊力は、日本のバブル崩壊の十倍くらいになるだろう。
 金融が直截に絡むから、中国発金融恐慌は、リーマンショックの十倍となると予測される。
 このことはすでに拙著『中国発「金融恐慌」に備えよ』(田村秀男氏との共著、徳間書店)でかなり前から指摘したことである。

 第四に人民元高による輸出競争力の劇的な低下、くわえてトランプ前政権の高関税にプラスされたのがウイグルの「ジェノサイド」問題で、親中派のバイデン政権と雖も、対中経済制裁は強化され、さらに加えてのサプライチェーンの寸断が在り、外貨準備高が払底するのは時間の問題と考えられる。

 第五に起死回生を狙うグリーンビジネス、EVプロジェクトだが、株式市場の動きをみていても、嘗ての期待は急速に萎み、むしろグリーンスタグレーションの傾向が顕著となった。半導体自製化も米国の禁輸措置、くわえて中国企業のウォール街上場がほぼ不可能な状態となって明るい展望は消えた。

 第六にEVに出遅れたとされるトヨタ、ホンダなど日本勢だが、中国では依然としてレクサスなどハイブリッドへの需要が高く、中国製EVが爆発的に売れているのは蜃気楼だったことが分かる。テスラの売れ行きも横ばいとなり、これらは単に部品供給不足がネックだという言い訳ではないことが分かってきた。

 第七に中国の国内政治である。第二の文革と言われた「歴史決議」は、習近平の独裁基盤を強化する筈だった。

ところが蓋を開けると、トウ小平否定は失敗に終わり、習近平が毛沢東とならぶばかりか江沢民、胡錦涛を持ち上げざるを得ないという、習近平が意図した方向とは逆の結果が生じた。

中国共産党内では、静かに、しかし着実に反習近平の輪が拡がっていることは留意しておく必要がある。

 2022年の中国は経済バブルが確実にはじけ、金融恐慌を防げるか、どうか。

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