[FT]LNG船、航海途中で欧州へ進路変更 上乗せ金高額に

[FT]LNG船、航海途中で欧州へ進路変更 上乗せ金高額に
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 ※ 『「欧州は明らかに大量のLNGを入手できるよう価格を設定しており、それだけのLNGが必要だ。これがなければ、天候次第で供給の状況が非常に深刻になりかねない。在庫水準はすでに低く、冬の終わりまでには極端に低くなっている」』…。

 ※ ということで、なりふり構っていられなくなったんだろう…。

 ※ 口では、「キレイなことを言って」いても、やってることはこういうものだ…。

 ※ 最後は、「カネに物を言わせる」ことになる…。気候変動対策、脱炭素はどうなった…。

 ※ まあ、「ワクチンかき集め」見てても、そういうものだな…。

『欧州各地でガス価格が過去最高値に急騰するなか、液化天然ガス(LNG)を積んでアジアへ向かっていた船が、大幅なプレミアム(上乗せ)を払う用意のある欧州の消費者に供給するために航海の途中で進路を変えている。

欧州は天然ガス価格の急騰を受けて、タンカーによる調達を急いでいる=ロイター

今年はおおむね、電力を生産するために発電所で使われるLNGの出荷を巡り、中国や日本、韓国のバイヤーが欧州勢より高い値段をつけて供給を確保してきた。

だが、アジア各地で貯蔵タンクが満杯になった今、大西洋海盆からアジアに向かっていた出荷先未指定のLNGが荷主によって目的地を変更され、急騰する価格と需要に便乗するために欧州へ向けられている。主要パイプラインでロシア産ガスの供給が止まると、欧州のガス価格は21日に23%高騰し、1メガワット時あたり182ユーロの最高値を付けた。

米調査会社S&Pグローバル・プラッツのキーラン・ロウLNGグローバルディレクターは「欧州のガス市場は今、節目を突破した」と話す。「LNGの輸出先となるあらゆる主要市場が欧州の主要ガス拠点を下回っている」という。

プラッツのデータによると、欧州市場とアジア市場の価格差は現在、記録に残る限り最大に達している。

欧州向けとアジア向けLNG価格が逆転

スポット(随時契約)の欧州向けLNG出荷価格は100万BTU(英国熱量単位)当たり約48.5ドルで、アジアでは同41ドルだ。プラッツによれば、10月、11月にはアジアの価格が欧州の価格を平均5ドル上回っていた。

LNGタンカーの動向を調査している調査会社ICISアナリストのアレックス・フローリー氏は、「欧州のガス・スポット価格高騰を受け、珍しい荷動きが起きている」と話す。

アジアに向かっていた米国のLNGタンカーが進路変更して欧州の港へ向かったケースもあれば、オーストラリア産のLNGが十数年ぶりに欧州へ出荷されたケースもあった。

米国のLNGタンカー「ミネルバ・チオス」は12月15日にインドの近くを東に向かい航行していたが、その後進路変更し、今ではスエズ運河に向かう航路を進んでいる。欧州への引き渡しを示唆する動きだとフローリー氏は言う。

2隻目の米国のLNGタンカーは先週、マラッカ海峡の近くで進路変更しており、3隻目は今月、積み荷のオーストラリア産LNGの大半を中国で降ろした後、残る一部を24日にスペインのバルセロナに届ける予定になっている。

フローリー氏は「オーストラリア産LNGが欧州に入荷するのは、英国とフランスに何度か届けられた2009年以来初めてだと見られている」と話す。

大量調達のための価格設定

世界最大の独立系LNG商社グンボルの創業者兼最高経営責任者(CEO)のトルビョルン・トルンクビスト氏は、今月は通常の出荷以外に15~20カーゴ(1カーゴは約7万トン)が追加で欧州に向かい、1月も同量になると予想していると説明する。

「欧州は明らかに大量のLNGを入手できるよう価格を設定しており、それだけのLNGが必要だ。これがなければ、天候次第で供給の状況が非常に深刻になりかねない。在庫水準はすでに低く、冬の終わりまでには極端に低くなっている」

ICISのフローリー氏は、南米ペルーのパンパ・メルチョリータ地区にあるLNGターミナルと長期購入契約を結んでいる英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが19年以来初めてペルー産LNGを英国へ出荷していると話す。10月末以降、こうしたシェルの積み荷が7カーゴ英国に到着しており、「向こう数週間」でさらに4カーゴの到着が予定されていると言う。

大陸欧州と同様、英国のガス価格も年初来およそ650%高騰しており、24社以上の国内エネルギー業者が破綻に追い込まれた。

英国の卸売価格と連動する先物契約は15%上昇し、1サーム(約29・3キロワット時に相当)あたり4.29ポンドの最高値をつけている。今月で77%の上昇で、原油換算で1バレル320ドルに相当する価格だ。ブレント原油は現在、1バレル72.41ドルで取引されている。

ガスは英国の発電量の約40%を占め、英国家庭の大半が暖房にガスを使っている。英国は供給全体の約2割をLNG運搬船による入荷に依存している。

By Tom Wilson, Neil Hume and Valentina Pop

(2021年12月22日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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