中東欧、言論の自由を封じ込め ポーランドは外資規制

中東欧、言論の自由を封じ込め ポーランドは外資規制
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR20B380Q1A221C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【ウィーン=細川倫太郎】欧州連合(EU)に加盟するポーランドの議会は自国メディアの外資規制を強化する法案を可決した。米メディアが実質的に保有しているポーランドのテレビ局の弱体化が狙いにあるとみられ、米国は猛反発している。ハンガリーも言論の自由を脅かしており、中東欧で民主主義の土台が揺らいでいる。

ポーランドは欧州以外の企業が自国メディアの49%以上の株式を保有することを禁じている。米メディア大手ディスカバリーは、オランダに設立した会社を通じて、ポーランドの独立系大手放送局「TVN」を所有し、規制適用を回避してきた。

17日に可決した法案はこうした間接的な所有に規制を強める内容で、ディスカバリーはTVNの株式の売却を迫られる可能性がある。TVNはポーランド政府に批判的な報道で知られている。与党「法と正義」は外資が国内で大きな力を持ちすぎて、国民の議論をゆがめていると批判してきた。ドゥダ大統領が署名すれば、法案が成立する。

米国務省のプライス報道官は「報道の自由とポーランドの外国投資環境に深刻な影響を与えることになる」と警告した。自由で独立したメディアは民主主義を強化し、2国間関係を支えるものだと強調し、法案の撤回を求めた。19日には首都ワルシャワなど各地で市民の大規模な抗議デモが起き、「メディアの自由を」などと訴えた。
ハンガリーのオルバン政権もメディア統制を強めている=ロイター

ハンガリーもメディアへの介入を強めている。

欧州メディアによると、オルバン政権は、政府に批判的なメディアには公共広告を削減して経営を弱らせ、政権に近い人物が買収に動くことが繰り返されてきた。2020年には1日100万人近くが閲覧する独立系のニュースサイト最大手の編集長が解任された。現在は大半のメディアが与党の支配下にあるといわれている。

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF)の21年の報道自由度ランキングによると、ハンガリーは180カ国・地域のうち92位。オルバン政権が発足した10年の23位から急低下している。国連で言論と表現の自由を担当するカーン氏は「民主主義において、情報の独占はありえない」と非難する。

冷戦を経て民主化を果たしたポーランドとハンガリーは04年にEUに加盟した。08年の金融危機や、15年の欧州難民危機を機に、西側の価値観を疑う国民が増えると、ポピュリズム(大衆迎合主義)を前面に打ち出し、強権的な政権運営に傾斜した。近年は都市部の若者を中心にこうした強権政治を批判する声も多く、来春に総選挙があるハンガリーは与党と野党が接戦を繰り広げている。オルバン政権はメディア統制を強めることで選挙で負けない状況をつくるのに躍起になっているとの見方もある。』