中国、北京冬季五輪に韓国大統領招待 韓国は慎重検討か

中国、北京冬季五輪に韓国大統領招待 韓国は慎重検討か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM205UY0Q1A221C2000000/

『【北京=羽田野主】2022年2月の北京冬季五輪の開会式を巡り、中国政府が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に招待状を出したことがわかった。中韓外交筋が明らかにした。韓国は国内世論を見極めつつ慎重に検討する見通しだ。

文氏は対立を深める米国と中国の間で一方に偏らない外交を展開してきた。中国は韓国を取り込むことで、米英豪などが表明した外交ボイコットが広がらないようにする思惑がありそうだ。

韓国側は20日時点で返事をしていない。文氏は13日に外交ボイコットについて「韓国政府は検討していない」と述べた。韓国では対中感情が悪化しており、韓国が長年要請する習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪韓も実現していない。文氏の3度目となる訪中には慎重論も強い。

開会式にはロシアのプーチン大統領が出席を表明済み。北京の外交筋によると中国は中央アジアや東欧諸国の首脳にも招待状を出している。』

『多様な観点からニュースを考える

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木村幹
神戸大学大学院国際協力研究科 教授
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ひとこと解説

韓国では朴槿惠政権末期にTHAAD配備問題を巡って経済制裁を受けてから中国に対する感情が大きく悪化、世論調査では習近平に対する好感度は、関係の悪化する日本の首相や、対話が頓挫する北朝鮮の金正恩と同じレベルにまで低下しています。

他方、経済的には中国への依存度は依然大きく、李在明・尹錫悦の次期大統領有力候補も、中国に対する姿勢を明確にできずに現在に至っています。

仮に現在の状況で文在寅が北京五輪に出席すれば、習近平・プーチンと天安門上に並びたち、アメリカから大きな批判を浴びた朴槿惠前大統領と同じ状態になりかねません。

大統領選挙の僅か1か月前の北京五輪は、韓国にとって悩ましい問題になっています。

2021年12月20日 19:57

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峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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分析・考察

この記事を読んで、ソウルに駐在していた2015年、中国での軍事パレードに招待された朴槿恵大統領が米国や日本の懸念を振り切って参加したのを思いだしました。

ただ、今回ばかりはさすがに韓国も米国の意向を無視できないというのが韓国政府内にある見立てです。当時とは米中対立の厳しさが異なります。

万一、文在寅大統領の参加があり得るとすれば、習近平氏が北京での南北首脳会談カードを示した場合ではないかと。レガシーを遺したい文氏の心は揺れるはずです。

ただ新型コロナウイルスの状況次第で南北をはじめ外国首脳が出席できるかというそもそもの問題が残ります。中国の手の内も探りながら、韓国政府は最終決定するのでしょう。
2021年12月20日 20:02

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北川和徳
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点

そもそも五輪の開会式に招待状を出すのは、IOCと組織委員会なのですが、その辺りのルールはどうなっているのでしょうか。

中国が五輪をどう考えているか分かります。五輪の政治利用そのもので、IOCは怒ってもいいはずなのですが。

2021年12月20日 19:13 』